有価証券報告書-第42期(令和2年5月1日-令和3年4月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、内外経済が大幅に悪化する中で推移いたしました。
外食業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染防止に向けた外出自粛や度重なる緊急事態宣言の発出等、政府及び各自治体による休業や時短営業の要請に伴う来客数の激減に加え、リモートワークの拡大等により特に都市部における会食や宴席の大幅な減少等、新型コロナウイルス感染症の拡大は深刻な影響を与えております。
当社グループにおきましては、店舗の休業や時短営業等により第1四半期連結会計期間は大幅な減収となりましたが、新型コロナウイルスの感染防止に取り組みながら、持ち帰り商品の販売強化やGo Toキャンペーンへの参画等により、第2四半期連結会計期間は一時的に回復基調となりました。感染の再拡大が顕著となった第3四半期以降は、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置により休業や時短営業を余儀なくされました。
収益力の強化策といたしましては、店舗家賃の減免交渉や投資の抑制、各種経費の見直し、コストに対する意識強化等によりコスト削減に努め、損益分岐点売上高の低減を図りました。また、コロナ収束後も業績の回復が見込めない不採算店舗については、順次閉店を進めてまいりました。さらに、従業員の雇用維持や生活資金確保を目的に休業手当を支給するとともに、雇用調整助成金をはじめとする各種の支援策を活用しております。
加えて、物流センターから外食店舗への食材等の配送を週7日から週4日に切り換えるとともに、セントラルキッチン間の横持ち輸送の削減や小ロット製品の生産の見直し等により、配送及び製造の効率化を図りました。さらに、国内4ヶ所のセントラルキッチンの稼動率向上を目的に、各セントラルキッチンに外販担当者を配置し、営業活動を展開しております。
このような状況の中、株主の皆様のご意見を経営や商品開発に反映することを目的に、2020年9月から東京・大阪・福岡の3ヶ所において「湯葉と豆腐の店 梅の花」とテイクアウト店「梅の花・古市庵」の株主様限定の公開試食会を実施いたしました。さらに、株主様との接点増加のために工場見学会を計画、より多くの株主様の声をお聴きし、企業価値向上に繋げてまいります。
店舗の出店及び退店につきましては、出店はテイクアウト事業の2店舗、退店は外食事業が15店舗及びテイクアウト事業が10店舗の合計25店舗により当期末の店舗数は、296店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は216億3百万円(前期比70.9%)となり、営業損失は22億52百万円(前期は営業損失12億38百万円)、経常損失は23億96百万円(前期は経常損失13億61百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は19億21百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失43億91百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(外食事業)
外食事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年4月から実施した1店舗を除いた全店休業という状況で、当連結会計年度を迎えました。紫外線除菌機器の設置を進めるとともに、衛生管理やソーシャルディスタンスの確保等、感染防止策を徹底し、6月1日より全店舗の営業を再開いたしました。政府の経済政策等により業績は一時的な回復を見せましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う2021年1月と4月の緊急事態宣言の発出、その間のまん延防止等重点措置により通常営業には程遠い制約の中での営業となり、当社グループにとって最大の集客イベントとなる忘年会、新年会及び歓送迎会が激減し、業績に多大なインパクトを与えることとなりました。
各店舗におきましては、お客様が安心してご来店いただける、また従業員が安心して働ける環境づくりに努め、ホームページや店頭において感染症対策の実施状況を告知し、来店促進に取り組みました。さらに、多様化した支払方法への対応やレジ業務の簡素化と正確性向上のためPOSレジを更新、また、中食需要の拡大に対応するため、弁当を含めた持ち帰り商品の販売を強化いたしました。
「湯葉と豆腐の店 梅の花」につきましては、ポイントカード会員様へのダイレクトメールや梅の花公式アプリによる店内メニューや弁当の告知を行う等、来店頻度向上を図りました。また、弁当や惣菜の宅配(一部店舗)、持ち帰り商品の販売強化や、Go Toキャンペーンへの参画等により、売上確保に努めましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の猛威には敵わない結果となりました。そのような過酷な状況下において、おせちや正月用オードブル、節分・ひな祭り商品の販売の伸長が見られました。
「和食鍋処 すし半」につきましては、ご家族で楽しめる手巻寿司セット・オードブルの導入やおせちを含めた持ち帰り商品の販売強化、宅配実施店舗の拡大等によりテイクアウト及び宅配の売上が伸長いたしましたが、店内飲食の減少をカバーするには至りませんでした。
「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、持ち帰りメニューの拡充やGo Toキャンペーンの対応、地域振興券を積極的に取り扱う等、売上確保に努めましたが、度重なる休業や時短営業により、非常に厳しい状況が続いております。なお、居酒屋業態からの転換を視野に入れ、2020年11月に東京都練馬区の店舗を従来の居酒屋から新モデルの「天ぷらと寿司 sakura」へと変更いたしました。
以上の結果、外食事業の売上高は117億69百万円(前期比63.9%)、セグメント損失17億19百万円(前期はセグメント損失3億31百万円)となりました。
店舗数につきましては、梅の花は4店舗退店し72店舗、すし半は13店舗、さくら水産は11店舗退店し27店舗、その他店舗は16店舗、外食事業の全店舗数は128店舗となりました。
(テイクアウト事業)
テイクアウト事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により2020年4月から一部店舗を除き休業しておりましたが、店舗の衛生管理強化や3密回避のためセール・イベントを一部中止する等の徹底した感染症対策を行い、6月1日から全店舗の営業を再開いたしました。
6月は売上高の回復に強さが感じられましたが、7月の新型コロナウイルス感染者の急激な増加により回復に水を差すこととなりました。8月以降は緩やかな回復傾向となりましたが、年末年始の感染再拡大により状況が暗転、回復の兆しが見えない中で期末を迎えることとなりました。そのような環境下において、在宅での消費需要の高まりにより通信販売が好調に推移、また、「おせち・節分・ひな祭り」の3大イベント対応商品の完売が収益向上に大きく寄与いたしました。
また、新型コロナウイルス感染者数の急激な増減に伴う消費者行動の目まぐるしい変化の中、商品の品目数と陳列量の適正化を図るとともに、店舗製造の強化による品質向上と原価率の改善及び人時生産性向上のための労働時間管理に努め、売上高が低下する中において、収益は改善いたしました。
新しい取り組みといたしましては、6月に醤油不要で手軽に食べられ、野菜の鮮やかな彩りに加え、脱プラスチックを意識し、ワックスペーパーでラッピングした「ハンディロール寿司」をメインとした新業態「KOICHI-AN」を横浜駅直結の駅ビルに出店いたしました。10月には、様々な具材をのせ、華やかで手土産にも適した「のっけいなり」が特徴のいなり寿司専門店の新ブランド「いなりや しらよね」を東京都内の百貨店2店舗に催事出店いたしました。
以上の結果、テイクアウト事業の売上高は86億99百万円(前期比82.0%)、セグメント利益1億54百万円(前期比180.8%)となりました。
店舗数につきましては、古市庵テイクアウト店は2店舗出店及び百貨店の閉鎖による退店4店舗を含む8店舗の退店により113店舗、梅の花テイクアウト店は百貨店の閉鎖による退店1店舗を含む2店舗の退店により50店舗、その他店舗は5店舗、テイクアウト事業の全店舗数は168店舗となりました。
(外販事業)
外販事業におきましては、各セントラルキッチンの製造能力を最大限に活用できるよう担当者を増員し、より幅広い営業活動を展開いたしました。9月より栃木県佐野市の道の駅に古市庵の寿司を納品する等、新規販売先の拡大に努め、新型コロナウイルス感染症拡大の影響の大きい販売先からの受注が激減した中で、堅調に売上を伸ばしてまいりました。また、引き続き他社食品企業との共同開発や新製品の検討を進めております。
牡蠣等の加工及び販売を業とする丸平商店につきましては、他社とのコラボ商品の開発を進め、量販店やスーパーマーケット等へ提案する等、販路拡大に努めました。また、2021年3月には、牡蠣の産地である広島県から山口県の丸平商店までの輸送方法を変更し、歩留まりの改善及びコスト削減に着手いたしました。
なお、経営の効率化を図るため、2020年9月1日付で株式会社丸平商店がヤマグチ水産株式会社を吸収合併する連結子会社間の再編を実施いたしました。
以上の結果、外販事業の売上高は11億34百万円(前期比79.1%)、セグメント損失40百万円(前期はセグメント損失1億円)となりました。
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ21億55百万円増加し、281億62百万円となりました。これは主に、現金及び預金が26億1百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べ43億78百万円増加し、269億72百万円となりました。これは主に、借入金の総額が28億72百万円、未払金が8億62百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ22億22百万円減少し、11億90百万円となりました。これは主に、利益剰余金が19億21百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して、30億31百万円増加し、52億26百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は59百万円(前期は8億31百万円の支出)となりました。
前連結会計年度に比べ7億71百万円増加した主な要因は、税金等調整前当期純損失が16億20百万円減少し、減損損失が8億68百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は2億42百万円(前期は16億58百万円の支出)となりました。
前連結会計年度に比べ19億円増加した主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が8億33百万円減少、有形固定資産の取得による支出が3億62百万円減少、定期預金の払戻による収入が3億20百万円増加、投資有価証券の売却による収入が1億89百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は28億48百万円(前期は17億93百万円の収入)となりました。
前連結会計年度に比べ10億54百万円増加した主な要因は、短期借入金の純増額24億83百万円、長期借入金の返済による支出が1億89百万円減少した一方、長期借入れによる収入が16億円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるものでありますが、その内容等については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 受注実績
当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるものでありますが、その内容等については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
④ 地域別販売実績
(注)1.福岡県には、ギフトの通信販売を含んでおります。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
四半期会計期間別セグメント別売上高及び売上高前年比(売上高は外部顧客売上高)
(単位:百万円、%)
(外食事業)
第1四半期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う店舗休業と時短営業の影響により売上高は前年実績を大幅に下回りました。第2四半期は、Go Toキャンペーンへの参画効果により一時的に回復するも第3四半期の感染再拡大により忘年会、年末年始、新年会等が振るわず再び悪化いたしました。第4四半期は、まん延防止等重点措置や3度目の緊急事態宣言の発出による各種の制限により再び時短営業や休業を余儀なくされましたが、前年の3月及び4月が新型コロナウイルスの影響が大きかったこともあり、前年比較においては大幅な回復となりました。年間を通じて居酒屋業態が特に厳しく、「湯葉と豆腐の店 梅の花」の回復が比較的強い結果となりました。
(テイクアウト事業)
第1四半期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う店舗休業等の影響により売上高は前年実績を大きく下回りました。全店営業に戻った2020年6月以降2021年3月まで小幅ながら回復基調が継続、中でもおせち、節分、ひな祭り等のイベント商品が完売する等、巣ごもり消費の強さを実感する内容となりました。また、都心の大型百貨店に出店している店舗が回復に苦慮する中、郊外店舗等において前年実績をクリアする店舗が散見される状況となりました。しかしながら4月は前年の反動により売上高前年比が2ケタ増となるも、内容的には厳しい結果となりました。年間を通じて、通販「梅あそび」が前年を大幅にクリアし、「梅の花」ブランドが強い回復を示す結果となりました。
(外販事業)
第1四半期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、従来の販売先である駅や空港内の施設との取引がなくなり前年実績を大幅に下回りました。第2四半期以降は従来の取引先への販売数量の増加や新規取引先への販売開始等により持ち直し、第3四半期は前年比80%超まで回復いたしました。第4四半期には売上高前年比が2ケタ増となり回復の一途を辿りました。
b. 営業利益
四半期会計期間別セグメント営業利益及び前年増減額
(単位:百万円)
(外食事業)
売上減少に伴うセグメント利益の減少に対し、適正なシフト管理、店舗家賃の減免、食材等の配送日数の週7日から週4日へ集約、WEB会議による旅費交通費の削減、コストに対する意識強化等による各種経費の見直しに加え、コロナ収束後も業績回復が見込めない不採算店舗の閉鎖等に取り組み、赤字幅の減少に努めました。
(テイクアウト事業)
売上減少に伴うセグメント利益の減少に対し、適正なシフト管理、店舗内製造の強化と製造量の調整によるロスの削減による売上原価率の改善、WEB会議による旅費交通費の削減等、売上高に対する販売管理費比率の低減等により、セグメント利益は増益かつ黒字となりました。
(外販事業)
第1四半期のセグメント利益は前年実績より大幅に減少いたしましたが、第2四半期以降は大口の新規取引先の開拓、物流体制の構築や既存取引先への販売量の回復等によりセグメント利益は増益となりました。
(全社費用)
各セグメントに帰属しない全社費用についても前年比73.9%と削減し、損益分岐点売上高を引き下げております。
c. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、助成金収入17億99百万円等を特別利益に計上いたしましたが、減損損失6億92百万円、新型コロナウイルス感染症関連費用として臨時休業による損失11億75百万円等を特別損失に計上したことにより、△19億21百万円となりました。
d. 財政状態
(単位:百万円)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ21億55百万円増加し、281億62百万円となりました。これは主に、現金及び預金が26億1百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べ43億78百万円増加し、269億72百万円となりました。これは主に、借入金の総額が28億72百万円、未払金が8億62百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ22億22百万円減少し、11億90百万円となりました。これは主に、利益剰余金が19億21百万円減少したことによるものであります。
なお、経営成績及び財政状態の検討課題といたしましては、「第2 [事業の状況] 1 [経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式は除く)により算出しております。
2.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
3.2020年4月期及び2021年4月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金運用については短期的な預金等に限定し、資金繰り計画に基づき、銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。借入金のうち短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。
また、営業債務や借入金等は、流動性のリスクに晒されておりますが、当社グループではグループ会社や各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEを重視しております。
また、当社グループは、経済状態や消費動向の変化に対応するために、迅速な意思決定を行うよう努めており、ROEの安定的向上を意識しながら、収益構造の構築に努め、堅実な財務体質を堅持する方針としております。ROEにつきましては、5%を目標としておりますが、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。引き続き達成できるよう尽力してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化等が含まれます。
減損テストは、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額又は使用価値により測定しております。使用価値は、当社グループに要求される資本コストを考慮した割引率による割引後の将来キャッシュ・フローの合計額としております。
減損損失の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、成長率等について一定の仮定を用いております。これらの仮定は、過去の実績や会社により承認された事業計画等、最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業戦略の変更や市場環境によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※4減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失6億92百万円を計上いたしました。新型コロナウイルス感染症による影響が2021年7月以降順次回復に向かうものの、一年程度は影響するものと仮定をおき、将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を与える前提で見積っております。
b. 資産除去債務
当社グループは、主に店舗用の不動産賃借に係る契約に規定された原状回復義務に基づく原状回復費用の見込額を使用見込期間で割り引いた金額を資産除去債務として計上しております。使用見込期間は該当資産の耐用年数を基準に決定しており、割引率は、当該期間における国債利回りを使用しております。
原状回復費用の見込額は、過年度の原状回復費用の実績から異常値を除いた平均値又は退店の意思決定を行った店舗については、個別の見積額を使用しております。
過年度の原状回復費用の平均値について、将来の実績値と大きく乖離する場合は、資産除去債務の履行差額の計上又は資産除去債務の追加計上により翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度、繰り戻し及び繰り越し期間における課税所得を見積っております。当社及び一部の連結子会社は連結納税制度を適用しており、法人税にかかわる部分については連結納税グループ全体として見積りしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。新型コロナウイルス感染症による影響が2021年7月以降順次回復に向かうものの、一年程度は影響するものと仮定をおき、将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を与える前提で見積っております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、内外経済が大幅に悪化する中で推移いたしました。
外食業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の感染防止に向けた外出自粛や度重なる緊急事態宣言の発出等、政府及び各自治体による休業や時短営業の要請に伴う来客数の激減に加え、リモートワークの拡大等により特に都市部における会食や宴席の大幅な減少等、新型コロナウイルス感染症の拡大は深刻な影響を与えております。
当社グループにおきましては、店舗の休業や時短営業等により第1四半期連結会計期間は大幅な減収となりましたが、新型コロナウイルスの感染防止に取り組みながら、持ち帰り商品の販売強化やGo Toキャンペーンへの参画等により、第2四半期連結会計期間は一時的に回復基調となりました。感染の再拡大が顕著となった第3四半期以降は、緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置により休業や時短営業を余儀なくされました。
収益力の強化策といたしましては、店舗家賃の減免交渉や投資の抑制、各種経費の見直し、コストに対する意識強化等によりコスト削減に努め、損益分岐点売上高の低減を図りました。また、コロナ収束後も業績の回復が見込めない不採算店舗については、順次閉店を進めてまいりました。さらに、従業員の雇用維持や生活資金確保を目的に休業手当を支給するとともに、雇用調整助成金をはじめとする各種の支援策を活用しております。
加えて、物流センターから外食店舗への食材等の配送を週7日から週4日に切り換えるとともに、セントラルキッチン間の横持ち輸送の削減や小ロット製品の生産の見直し等により、配送及び製造の効率化を図りました。さらに、国内4ヶ所のセントラルキッチンの稼動率向上を目的に、各セントラルキッチンに外販担当者を配置し、営業活動を展開しております。
このような状況の中、株主の皆様のご意見を経営や商品開発に反映することを目的に、2020年9月から東京・大阪・福岡の3ヶ所において「湯葉と豆腐の店 梅の花」とテイクアウト店「梅の花・古市庵」の株主様限定の公開試食会を実施いたしました。さらに、株主様との接点増加のために工場見学会を計画、より多くの株主様の声をお聴きし、企業価値向上に繋げてまいります。
店舗の出店及び退店につきましては、出店はテイクアウト事業の2店舗、退店は外食事業が15店舗及びテイクアウト事業が10店舗の合計25店舗により当期末の店舗数は、296店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は216億3百万円(前期比70.9%)となり、営業損失は22億52百万円(前期は営業損失12億38百万円)、経常損失は23億96百万円(前期は経常損失13億61百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は19億21百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失43億91百万円)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(外食事業)
外食事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年4月から実施した1店舗を除いた全店休業という状況で、当連結会計年度を迎えました。紫外線除菌機器の設置を進めるとともに、衛生管理やソーシャルディスタンスの確保等、感染防止策を徹底し、6月1日より全店舗の営業を再開いたしました。政府の経済政策等により業績は一時的な回復を見せましたが、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う2021年1月と4月の緊急事態宣言の発出、その間のまん延防止等重点措置により通常営業には程遠い制約の中での営業となり、当社グループにとって最大の集客イベントとなる忘年会、新年会及び歓送迎会が激減し、業績に多大なインパクトを与えることとなりました。
各店舗におきましては、お客様が安心してご来店いただける、また従業員が安心して働ける環境づくりに努め、ホームページや店頭において感染症対策の実施状況を告知し、来店促進に取り組みました。さらに、多様化した支払方法への対応やレジ業務の簡素化と正確性向上のためPOSレジを更新、また、中食需要の拡大に対応するため、弁当を含めた持ち帰り商品の販売を強化いたしました。
「湯葉と豆腐の店 梅の花」につきましては、ポイントカード会員様へのダイレクトメールや梅の花公式アプリによる店内メニューや弁当の告知を行う等、来店頻度向上を図りました。また、弁当や惣菜の宅配(一部店舗)、持ち帰り商品の販売強化や、Go Toキャンペーンへの参画等により、売上確保に努めましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の猛威には敵わない結果となりました。そのような過酷な状況下において、おせちや正月用オードブル、節分・ひな祭り商品の販売の伸長が見られました。
「和食鍋処 すし半」につきましては、ご家族で楽しめる手巻寿司セット・オードブルの導入やおせちを含めた持ち帰り商品の販売強化、宅配実施店舗の拡大等によりテイクアウト及び宅配の売上が伸長いたしましたが、店内飲食の減少をカバーするには至りませんでした。
「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、持ち帰りメニューの拡充やGo Toキャンペーンの対応、地域振興券を積極的に取り扱う等、売上確保に努めましたが、度重なる休業や時短営業により、非常に厳しい状況が続いております。なお、居酒屋業態からの転換を視野に入れ、2020年11月に東京都練馬区の店舗を従来の居酒屋から新モデルの「天ぷらと寿司 sakura」へと変更いたしました。
以上の結果、外食事業の売上高は117億69百万円(前期比63.9%)、セグメント損失17億19百万円(前期はセグメント損失3億31百万円)となりました。
店舗数につきましては、梅の花は4店舗退店し72店舗、すし半は13店舗、さくら水産は11店舗退店し27店舗、その他店舗は16店舗、外食事業の全店舗数は128店舗となりました。
(テイクアウト事業)
テイクアウト事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大により2020年4月から一部店舗を除き休業しておりましたが、店舗の衛生管理強化や3密回避のためセール・イベントを一部中止する等の徹底した感染症対策を行い、6月1日から全店舗の営業を再開いたしました。
6月は売上高の回復に強さが感じられましたが、7月の新型コロナウイルス感染者の急激な増加により回復に水を差すこととなりました。8月以降は緩やかな回復傾向となりましたが、年末年始の感染再拡大により状況が暗転、回復の兆しが見えない中で期末を迎えることとなりました。そのような環境下において、在宅での消費需要の高まりにより通信販売が好調に推移、また、「おせち・節分・ひな祭り」の3大イベント対応商品の完売が収益向上に大きく寄与いたしました。
また、新型コロナウイルス感染者数の急激な増減に伴う消費者行動の目まぐるしい変化の中、商品の品目数と陳列量の適正化を図るとともに、店舗製造の強化による品質向上と原価率の改善及び人時生産性向上のための労働時間管理に努め、売上高が低下する中において、収益は改善いたしました。
新しい取り組みといたしましては、6月に醤油不要で手軽に食べられ、野菜の鮮やかな彩りに加え、脱プラスチックを意識し、ワックスペーパーでラッピングした「ハンディロール寿司」をメインとした新業態「KOICHI-AN」を横浜駅直結の駅ビルに出店いたしました。10月には、様々な具材をのせ、華やかで手土産にも適した「のっけいなり」が特徴のいなり寿司専門店の新ブランド「いなりや しらよね」を東京都内の百貨店2店舗に催事出店いたしました。
以上の結果、テイクアウト事業の売上高は86億99百万円(前期比82.0%)、セグメント利益1億54百万円(前期比180.8%)となりました。
店舗数につきましては、古市庵テイクアウト店は2店舗出店及び百貨店の閉鎖による退店4店舗を含む8店舗の退店により113店舗、梅の花テイクアウト店は百貨店の閉鎖による退店1店舗を含む2店舗の退店により50店舗、その他店舗は5店舗、テイクアウト事業の全店舗数は168店舗となりました。
(外販事業)
外販事業におきましては、各セントラルキッチンの製造能力を最大限に活用できるよう担当者を増員し、より幅広い営業活動を展開いたしました。9月より栃木県佐野市の道の駅に古市庵の寿司を納品する等、新規販売先の拡大に努め、新型コロナウイルス感染症拡大の影響の大きい販売先からの受注が激減した中で、堅調に売上を伸ばしてまいりました。また、引き続き他社食品企業との共同開発や新製品の検討を進めております。
牡蠣等の加工及び販売を業とする丸平商店につきましては、他社とのコラボ商品の開発を進め、量販店やスーパーマーケット等へ提案する等、販路拡大に努めました。また、2021年3月には、牡蠣の産地である広島県から山口県の丸平商店までの輸送方法を変更し、歩留まりの改善及びコスト削減に着手いたしました。
なお、経営の効率化を図るため、2020年9月1日付で株式会社丸平商店がヤマグチ水産株式会社を吸収合併する連結子会社間の再編を実施いたしました。
以上の結果、外販事業の売上高は11億34百万円(前期比79.1%)、セグメント損失40百万円(前期はセグメント損失1億円)となりました。
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ21億55百万円増加し、281億62百万円となりました。これは主に、現金及び預金が26億1百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べ43億78百万円増加し、269億72百万円となりました。これは主に、借入金の総額が28億72百万円、未払金が8億62百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ22億22百万円減少し、11億90百万円となりました。これは主に、利益剰余金が19億21百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して、30億31百万円増加し、52億26百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は59百万円(前期は8億31百万円の支出)となりました。
前連結会計年度に比べ7億71百万円増加した主な要因は、税金等調整前当期純損失が16億20百万円減少し、減損損失が8億68百万円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は2億42百万円(前期は16億58百万円の支出)となりました。
前連結会計年度に比べ19億円増加した主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が8億33百万円減少、有形固定資産の取得による支出が3億62百万円減少、定期預金の払戻による収入が3億20百万円増加、投資有価証券の売却による収入が1億89百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は28億48百万円(前期は17億93百万円の収入)となりました。
前連結会計年度に比べ10億54百万円増加した主な要因は、短期借入金の純増額24億83百万円、長期借入金の返済による支出が1億89百万円減少した一方、長期借入れによる収入が16億円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
外食事業 | 1,181,333 | 81.9 |
テイクアウト事業 | 1,359,510 | 68.2 |
外販事業 | 656,440 | 53.0 |
合計 | 3,197,284 | 68.4 |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるものでありますが、その内容等については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
b. 受注実績
当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
外食事業 | 11,769,069 | 63.9 |
テイクアウト事業 | 8,699,989 | 82.0 |
外販事業 | 1,134,824 | 79.1 |
合計 | 21,603,883 | 70.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響によるものでありますが、その内容等については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績等の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
④ 地域別販売実績
地域別 | 売上高(千円) | 構成比(%) | 前期比(%) |
福岡県 | 2,965,373 | 13.7 | 82.3 |
佐賀県 | 636,246 | 2.9 | 89.9 |
長崎県 | 286,893 | 1.3 | 88.5 |
熊本県 | 224,106 | 1.0 | 85.3 |
大分県 | 276,104 | 1.3 | 89.3 |
鹿児島県 | 213,791 | 1.0 | 80.4 |
宮崎県 | 29,591 | 0.1 | 103.7 |
愛媛県 | 225,036 | 1.0 | 80.1 |
山口県 | 905,389 | 4.2 | 73.9 |
広島県 | 379,719 | 1.8 | 74.6 |
岡山県 | 330,431 | 1.5 | 97.8 |
兵庫県 | 1,320,683 | 6.1 | 73.7 |
大阪府 | 3,296,981 | 15.3 | 71.1 |
和歌山県 | 66,467 | 0.3 | 88.7 |
奈良県 | 296,231 | 1.4 | 91.0 |
京都府 | 440,910 | 2.0 | 64.1 |
滋賀県 | 185,288 | 0.9 | 69.9 |
三重県 | 92,828 | 0.4 | 84.1 |
岐阜県 | 126,530 | 0.6 | 80.1 |
愛知県 | 736,742 | 3.4 | 67.0 |
静岡県 | 317,704 | 1.5 | 74.6 |
福井県 | 59,669 | 0.3 | 79.4 |
石川県 | 298,219 | 1.4 | 82.3 |
富山県 | 280,860 | 1.3 | 85.9 |
新潟県 | 115,804 | 0.5 | 72.4 |
東京都 | 3,645,557 | 16.9 | 59.7 |
神奈川県 | 1,822,196 | 8.4 | 64.7 |
千葉県 | 846,142 | 3.9 | 63.2 |
埼玉県 | 584,501 | 2.7 | 58.0 |
群馬県 | 26,017 | 0.1 | 94.1 |
茨城県 | 150,819 | 0.7 | 73.9 |
福島県 | 112,905 | 0.5 | 74.4 |
宮城県 | 228,560 | 1.1 | 79.4 |
北海道 | 79,573 | 0.4 | 57.9 |
合計 | 21,603,883 | 100.0 | 70.9 |
(注)1.福岡県には、ギフトの通信販売を含んでおります。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
四半期会計期間別セグメント別売上高及び売上高前年比(売上高は外部顧客売上高)
(単位:百万円、%)
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 通期 | ||
外食事業 | 売上高 | 2,107 | 3,435 | 3,545 | 2,680 | 11,769 |
前年比 | 41.8 | 71.6 | 60.6 | 98.2 | 63.9 | |
テイクアウト事業 | 売上高 | 1,707 | 2,128 | 2,540 | 2,323 | 8,699 |
前年比 | 61.6 | 78.3 | 81.2 | 116.6 | 82.0 | |
外販事業 | 売上高 | 136 | 311 | 415 | 270 | 1,134 |
前年比 | 56.7 | 65.6 | 83.7 | 122.2 | 79.1 | |
連結売上高 | 売上高 | 3,952 | 5,875 | 6,501 | 5,274 | 21,603 |
前年比 | 49.1 | 73.5 | 68.7 | 106.7 | 70.9 |
(外食事業)
第1四半期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う店舗休業と時短営業の影響により売上高は前年実績を大幅に下回りました。第2四半期は、Go Toキャンペーンへの参画効果により一時的に回復するも第3四半期の感染再拡大により忘年会、年末年始、新年会等が振るわず再び悪化いたしました。第4四半期は、まん延防止等重点措置や3度目の緊急事態宣言の発出による各種の制限により再び時短営業や休業を余儀なくされましたが、前年の3月及び4月が新型コロナウイルスの影響が大きかったこともあり、前年比較においては大幅な回復となりました。年間を通じて居酒屋業態が特に厳しく、「湯葉と豆腐の店 梅の花」の回復が比較的強い結果となりました。
(テイクアウト事業)
第1四半期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う店舗休業等の影響により売上高は前年実績を大きく下回りました。全店営業に戻った2020年6月以降2021年3月まで小幅ながら回復基調が継続、中でもおせち、節分、ひな祭り等のイベント商品が完売する等、巣ごもり消費の強さを実感する内容となりました。また、都心の大型百貨店に出店している店舗が回復に苦慮する中、郊外店舗等において前年実績をクリアする店舗が散見される状況となりました。しかしながら4月は前年の反動により売上高前年比が2ケタ増となるも、内容的には厳しい結果となりました。年間を通じて、通販「梅あそび」が前年を大幅にクリアし、「梅の花」ブランドが強い回復を示す結果となりました。
(外販事業)
第1四半期は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、従来の販売先である駅や空港内の施設との取引がなくなり前年実績を大幅に下回りました。第2四半期以降は従来の取引先への販売数量の増加や新規取引先への販売開始等により持ち直し、第3四半期は前年比80%超まで回復いたしました。第4四半期には売上高前年比が2ケタ増となり回復の一途を辿りました。
b. 営業利益
四半期会計期間別セグメント営業利益及び前年増減額
(単位:百万円)
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 通期 | ||
外食事業 | セグメント利益 | △612 | △358 | △282 | △466 | △1,719 |
前年増減 | △618 | △307 | △795 | +333 | △1,388 | |
テイクアウト事業 | セグメント利益 | △23 | 25 | 181 | △27 | 154 |
前年増減 | △58 | △48 | △9 | +186 | +69 | |
外販事業 | セグメント利益 | △263 | 55 | 74 | 92 | △40 |
前年増減 | △212 | +53 | +86 | +133 | +59 | |
連結営業利益 | セグメント利益 | △1,117 | △477 | △243 | △414 | △2,252 |
前年増減 | △830 | △280 | △715 | +813 | △1,013 |
(外食事業)
売上減少に伴うセグメント利益の減少に対し、適正なシフト管理、店舗家賃の減免、食材等の配送日数の週7日から週4日へ集約、WEB会議による旅費交通費の削減、コストに対する意識強化等による各種経費の見直しに加え、コロナ収束後も業績回復が見込めない不採算店舗の閉鎖等に取り組み、赤字幅の減少に努めました。
(テイクアウト事業)
売上減少に伴うセグメント利益の減少に対し、適正なシフト管理、店舗内製造の強化と製造量の調整によるロスの削減による売上原価率の改善、WEB会議による旅費交通費の削減等、売上高に対する販売管理費比率の低減等により、セグメント利益は増益かつ黒字となりました。
(外販事業)
第1四半期のセグメント利益は前年実績より大幅に減少いたしましたが、第2四半期以降は大口の新規取引先の開拓、物流体制の構築や既存取引先への販売量の回復等によりセグメント利益は増益となりました。
(全社費用)
各セグメントに帰属しない全社費用についても前年比73.9%と削減し、損益分岐点売上高を引き下げております。
c. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、助成金収入17億99百万円等を特別利益に計上いたしましたが、減損損失6億92百万円、新型コロナウイルス感染症関連費用として臨時休業による損失11億75百万円等を特別損失に計上したことにより、△19億21百万円となりました。
d. 財政状態
(単位:百万円)
当期末 | 前期増減 | 主な増減内容 | |
資産合計 | 28,162 | +2,155 | 現金及び預金 +2,601:コロナ禍対応による運転資金の確保 |
負債合計 | 26,972 | +4,378 | 長短借入金 +2,872:コロナ禍対応による資金確保 未払金 +862:社会保険料の延納等による増加 |
純資産 | 1,190 | △2,222 | 利益剰余金 △1,921:親会社株主に帰属する当期純損失に伴う減少 |
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ21億55百万円増加し、281億62百万円となりました。これは主に、現金及び預金が26億1百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べ43億78百万円増加し、269億72百万円となりました。これは主に、借入金の総額が28億72百万円、未払金が8億62百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ22億22百万円減少し、11億90百万円となりました。これは主に、利益剰余金が19億21百万円減少したことによるものであります。
なお、経営成績及び財政状態の検討課題といたしましては、「第2 [事業の状況] 1 [経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
2017年9月期 | 2018年9月期 | 2019年4月期 | 2020年4月期 | 2021年4月期 | |
自己資本比率(%) | 17.4 | 26.8 | 25.7 | 11.0 | 3.6 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 69.7 | 72.4 | 73.8 | 40.1 | 30.3 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 13.0 | 14.1 | 11.4 | - | - |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 20.1 | 18.0 | 41.8 | - | - |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式は除く)により算出しております。
2.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
3.2020年4月期及び2021年4月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金運用については短期的な預金等に限定し、資金繰り計画に基づき、銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。借入金のうち短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。
また、営業債務や借入金等は、流動性のリスクに晒されておりますが、当社グループではグループ会社や各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEを重視しております。
また、当社グループは、経済状態や消費動向の変化に対応するために、迅速な意思決定を行うよう努めており、ROEの安定的向上を意識しながら、収益構造の構築に努め、堅実な財務体質を堅持する方針としております。ROEにつきましては、5%を目標としておりますが、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。引き続き達成できるよう尽力してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化等が含まれます。
減損テストは、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は、不動産鑑定評価額等に基づく正味売却価額又は使用価値により測定しております。使用価値は、当社グループに要求される資本コストを考慮した割引率による割引後の将来キャッシュ・フローの合計額としております。
減損損失の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、成長率等について一定の仮定を用いております。これらの仮定は、過去の実績や会社により承認された事業計画等、最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業戦略の変更や市場環境によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※4減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失6億92百万円を計上いたしました。新型コロナウイルス感染症による影響が2021年7月以降順次回復に向かうものの、一年程度は影響するものと仮定をおき、将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を与える前提で見積っております。
b. 資産除去債務
当社グループは、主に店舗用の不動産賃借に係る契約に規定された原状回復義務に基づく原状回復費用の見込額を使用見込期間で割り引いた金額を資産除去債務として計上しております。使用見込期間は該当資産の耐用年数を基準に決定しており、割引率は、当該期間における国債利回りを使用しております。
原状回復費用の見込額は、過年度の原状回復費用の実績から異常値を除いた平均値又は退店の意思決定を行った店舗については、個別の見積額を使用しております。
過年度の原状回復費用の平均値について、将来の実績値と大きく乖離する場合は、資産除去債務の履行差額の計上又は資産除去債務の追加計上により翌連結会計年度の損益に影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度、繰り戻し及び繰り越し期間における課税所得を見積っております。当社及び一部の連結子会社は連結納税制度を適用しており、法人税にかかわる部分については連結納税グループ全体として見積りしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。新型コロナウイルス感染症による影響が2021年7月以降順次回復に向かうものの、一年程度は影響するものと仮定をおき、将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を与える前提で見積っております。