有価証券報告書-第41期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)

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2020/08/26 9:14
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当社は前連結会計年度より決算期(事業年度の末日)を4月30日に変更したことにより、前連結会計年度は2018年10月1日から2019年4月30日までの7ヶ月となっております。これに伴い、当連結会計年度は業績に関する前期比増減の記載を省略しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調が続いたものの、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱等、海外の政治・経済情勢の不安定感に加え、2019年10月に実施された消費税率の引き上げは、景気回復基調にブレーキをかけた懸念があります。さらには2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症が世界経済に甚大な影響を与えたことにより、景気の先行きは極めて厳しく不安定な状況が続いております。
外食業界におきましては、原材料費や物流費の高騰、最低賃金の上昇に伴う人件費関連コストの増加、度重なる自然災害や消費税率の引き上げ等の影響により収益が圧迫される状況が依然として続いている中で、新型コロナウイルス感染症の影響による小中学校等の休校措置や、感染症拡大に関する緊急事態宣言発出に伴う政府及び地方自治体による外出及び営業自粛要請等により、経営環境は非常に厳しい状況で推移しております。
このような状況の中、当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症に対する衛生管理の徹底を図
り、お客様と従業員の感染症拡大防止の観点から、コンプライアンス運営委員会において感染予防ガイドライン
を作成し、時差出勤・自動車通勤・会議研修の見直しをするとともに、各店舗の営業時間の短縮を実施いたしました。さらに、4月7日には新型コロナウイルス対策委員会を設置し、従業員の感染防止を目的に、社会生活に必要とされる一部店舗を除き休業いたしました。これらにより歓送迎会、卒業・入学等の個人需要やお花見シーズン等の繁忙期にあたる3月及び4月に大きな影響があり、当連結会計年度における収益を大幅に悪化させる要因となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症に対する当社グループの具体策といたしましては、下記のとおりでありま
す。
a. 新型コロナウイルス対策委員会を設置し、感染防止対策を検討し、実行いたしました。
また、業績の悪化対策として政府等による助成金、補助金等の支援策の調査及び申請の準備をいたしました。
b. 従業員の感染防止を目的に、事務所においては自宅待機又は在宅勤務、大半の店舗において休業を実施いたしました。
c. 雇用と生活の維持を最優先として、直接雇用の全ての従業員に休業手当を100%支給いたしました。
d. 4月より監査等委員を含む常勤取締役は、報酬の10~30%を自主返納しております。
営業施策といたしましては、当連結会計年度における当社グループの経営方針「私達は、お客様が望まれる料
理・商品・サービス・設(しつら)えを考え、提供します。私達は、販売の梅の花と呼ばれる店舗にします。」
に基づき、お客様のことを第一に考えて取り組むこと、綺麗で美味しい商品を全社一丸となって販売することを
念頭に取り組んでまいりました。その中で、お客様の健康志向に応える「化学調味料不使用(無化調)」の商品
作りを目指し、当社名物である「とうふしゅうまい」の無化調での製造が可能となり、テイクアウト事業で販売
するお弁当の惣菜として供給を開始いたしました。
また、2018年9月より稼働した京都セントラルキッチンを中心に製造部門の生産性向上に努めるとともに、無
化調商品の開発に取り組んでまいりました。
2019年5月には「海産物居酒屋 さくら水産」等、39店舗を展開する株式会社テラケン(以下「テラケン」)
を子会社化し、テラケン本社事務所を当社グループの関東事務所へ移転し、さらに間接部門の業務統合による経費削減等、統合効果の発揮に取り組みました。
農事組合法人甲誠牧場との合弁会社「株式会社三協梅の花」におきましては、2020年3月に東京都中央区銀座
(GINZA SIX)に「熊本あか牛しゃぶしゃぶ 甲梅(こうばい)」を出店し、インバウンド需要を想定しておりま
したが、営業自粛要請に伴う臨時休業を余儀なくされました。
以上のような施策を進めてまいりましたが、2019年8月に開示した不適切会計処理に伴う過年度の追加監査報
酬等の経費増加や、新型コロナウイルス感染症の影響による第4四半期の売上低迷が損益に多大な影響を与えま
した。加えて、京都セントラルキッチンの稼働に伴う費用の発生に起因する店舗営業キャッシュ・フローの悪化
やテラケンののれん減損処理6億18百万円を含む固定資産の減損損失15億61百万円、新型コロナウイルス感染症
関連費用として臨時休業による損失5億89百万円、連結子会社ののれんの一時償却額2億18百万円、第三者委員
会等の設置に伴う過年度決算訂正関連費用1億96百万円を特別損失に計上いたしました。なお、固定資産の減損
損失及びのれんの一時償却につきましては、次期以降の収益の改善に繋がると考えております。
店舗の出店及び退店につきましては、外食事業はテラケンの子会社化により39店舗増加、2店舗出店及び3店
舗退店、テイクアウト事業は3店舗出店及び10店舗退店により、当期末の店舗数は、319店舗となりました。
発表済みのとおり、不適切会計や消費税率引上げの影響を受け厳しい業績でしたが、第3四半期は、不採算店
舗の整理や多岐にわたる経費削減により、業績は回復の一途を辿っておりました。しかしながら、第4四半期における新型コロナウイルス感染症の業績への影響は多大なものとなりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は304億62百万円となり、営業損失は12億38百万円、経常損失は13億61
百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は43億91百万円となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
(外食事業)
「湯葉と豆腐の店 梅の花」につきましては、新元号「令和」の由来となった万葉集の「梅花(うめのはな)」に因んだ特別メニューの企画に加え、日頃のご愛顧に感謝の気持ちを込めて季節懐石を特別価格にて提供
する感謝祭や創業祭を実施いたしました。2019年9月には、人件費や原材料費の上昇への対応として価格改定を
行い、収益改善に努めてまいりました。また、来客数増加策として、従来の梅の花Uカード会員の獲得に加え、
2019年12月より梅の花公式アプリを導入し、お得な情報や期間限定企画をお客様へ提供し、利便性を高めてまい
りました。さらに新たな取り組みとして、おせち食材の販売や一部の店舗における元日の営業を実施し、売上高
の向上に努めてまいりました。
「和食鍋処 すし半」につきましては、季節に合わせた新商品の販売、仕出し料理の販売強化や法事顧客の確
保を目的に近隣葬儀会館へのアプローチを行い、売上高の向上に努めてまいりました。また、2019年12月には健
康志向を意識し、「金芽ロウカット玄米」と旬の素材を合わせたせいろご飯を提供する新業態「旬感せいろ 四
季の箱」を京都市南区のショッピングモール内のフードコートに出店いたしました。
「海産物居酒屋 さくら水産」につきましては、さくら水産の特徴である鮮魚の店内調理の強みを活かし、夜
の営業では刺身の種類を、昼の営業では海鮮丼の種類を増やしました。また、QSC(品質・サービス・清潔
さ)の向上を目指すうえで鮮魚に対する調理技術の底上げに注力いたしました。
一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から2020年2月以降、各店舗の営業時間の短縮や臨時休
業を実施いたしました。また、4月8日より順次、1店舗を除く全店を休業したことにより、第4四半期会計期間(2~4月)の売上高が27億30百万円(前年同期間比58.9%)と業績に大きな影響を及ぼしました。
以上の結果、外食事業の売上高は184億17百万円、セグメント損失3億31百万円となりました。
店舗数につきましては、梅の花は1店舗退店し76店舗、すし半は13店舗、テラケンの子会社化によりさくら水
産は39店舗増加及び1店舗退店し38店舗、その他店舗は2店舗出店及び1店舗退店し16店舗、外食事業の全店舗
数は143店舗となりました。
(テイクアウト事業)
テイクアウト事業につきましては、母の日やクリスマス、おせち、節分、ひな祭り等、季節のイベントに合わ
せた商品の販売、創業祭を実施する等、売上高の向上に努めてまいりました。
「古市庵テイクアウト店」につきましては、従来までのボリューム感がある商品に加え、お客様のニーズに対
応したハーフサイズ等の少量の商品を充実させ、新しい顧客層の開拓に努めてまいりました。
「梅の花テイクアウト店」につきましては、一部の店舗において、従来パック販売していた惣菜の皿盛り陳列
を導入し、量り売りを開始いたしました。少量多品目を望まれるお客様のニーズに対応することで新しい顧客層
の開拓が可能となり、客単価の増加に繋げてまいりました。
また、古市庵の公開試食会に梅の花テイクアウト商品も併せて出品することにより、認知度向上を図り、お客
様から貴重なご意見をいただき、新たな商品開発や売上高増加に繋げてまいりました。
一方で、外食事業同様に、営業時間の短縮や社会生活に必要とされる一部店舗を除き臨時休業を実施したこと
もあり、第4四半期会計期間(2~4月)の売上高が19億92百万円(前年同期間比66.8%)と業績に大きな影響
を及ぼしました。また、古市庵と梅の花テイクアウト店のポイントカードの共有化や、店舗運営の統合を進めま
した。
以上の結果、テイクアウト事業の売上高は106億10百万円、セグメント利益85百万円となりました。
店舗数につきましては、古市庵テイクアウト店は8店舗退店し119店舗、梅の花テイクアウト店は3店舗出店
及び2店舗退店し52店舗、その他店舗は5店舗、テイクアウト事業の全店舗数は176店舗となりました。
(外販事業)
外販部門につきましては、セントラルキッチンの製造能力を最大限に活用できるよう製造部門と連携し、販売
先の拡大に向け、積極的な営業活動を展開いたしました。また、量販店等の販売先獲得のための営業を強化し、従来の梅の花の商品、寿司に加え、惣菜及び充填豆腐の日配を新たに開始いたしました。
丸平商店につきましては、継続的に「牡蠣フライ」の販売に向けた製造に特化してまいりました。
一方で、外販事業につきましても、新型コロナウイルス感染症による消費減退を要因として、第4四半期会計
期間(2~4月)の売上高が2億21百万円(前年同期間比84.1%)と業績に影響を及ぼしました。
以上の結果、外販事業の売上高は14億34百万円、セグメント損失1億円となりました。
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末と比べ27億29百万円減少し、260億7百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため店舗の臨時休業や営業時間短縮を実施したため売掛金が11億93百万円減少したこと、また減損損失等の計上により有形固定資産が9億26百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末と比べ12億48百万円増加し、225億94百万円となりました。これは主に、借入金の総額が17億99百万円、資産除去債務が4億33百万円増加し、店舗の臨時休業や営業時間短縮を実施したことにより買掛金及び未払金が10億5百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比べ39億78百万円減少し、34億12百万円となりました。これは主に、利益剰余金が43億91百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して、6億95百万円減少し、21億95百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は8億31百万円となりました。
資金が減少した主な要因は、税金等調整前当期純損失39億45百万円、減価償却費及び減損損失27億29百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は16億58百万円となりました。
資金が減少した主な要因は、有形固定資産の取得による支出6億74百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出8億33百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は17億93百万円となりました。
資金が増加した主な要因は、金融機関からの長期借入れによる収入23億円、短期借入金の純増減額21億円、長期借入金の返済による支出26億円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
外食事業1,441,581-
テイクアウト事業1,992,020-
外販事業1,238,097-
合計4,671,698-

(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当社グループは、店舗の販売予測に基づき見込み生産を行っておりますので、該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
外食事業18,417,115-
テイクアウト事業10,610,892-
外販事業1,434,056-
合計30,462,064-

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 地域別販売実績
地域別売上高(千円)構成比(%)前期比(%)
福岡県3,601,32111.8
佐賀県707,6502.3
長崎県324,3011.1
熊本県262,6830.9
大分県309,2221.0
鹿児島県266,0470.9
宮崎県28,5460.1
愛媛県281,0450.9
徳島県13,5950.0
山口県1,224,8364.0
広島県508,8141.7
岡山県337,8881.1
鳥取県12,6910.0
兵庫県1,790,9325.9
大阪府4,637,96415.2
和歌山県74,8960.2
奈良県325,5721.1
京都府687,3942.3
滋賀県265,0000.9
三重県110,3540.4
岐阜県157,9150.5
愛知県1,100,1103.6
静岡県426,1221.4
福井県75,1780.2
石川県362,3261.2
富山県327,1391.1
新潟県159,9610.5
東京都6,111,26520.1
神奈川県2,815,0539.2
千葉県1,339,1554.4
埼玉県1,008,4153.3
群馬県27,6470.1
茨城県204,0040.7
福島県151,7440.5
宮城県287,8240.9
北海道137,4370.5
合計30,462,064100.0

(注)1.福岡県には、ギフトの通信販売を含んでおります。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
連結売上高につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による第4四半期の売上低迷の影響が大きく、304億62百万円となりました。
b. 売上総利益
売上総利益につきましては、京都セントラルキッチンの稼働による費用の計上が生じたものの、製造拠点の
集約や製造機能と販売機能との一元管理を行い、199億41百万円となりました。
c. 営業利益
営業利益につきましては、2019年8月に開示した不適切会計処理に伴う過年度の追加監査報酬等の経費増加
や、新型コロナウイルス感染症の影響による第4四半期の売上高の減少等により、12億38百万円の営業損失と
なりました。
d. 経常利益
経常利益につきましては、営業利益の減少により、13億61百万円の経常損失となりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、減損損失15億61百万円、新型コロナウイルス感染症関連費用として臨時休業による損失5億89百万円、連結子会社ののれんの一時償却額2億18百万円、第三者委員会等の設置に伴う過年度決算訂正関連費用1億96百万円等を特別損失に計上したことにより、43億91百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
また、外食事業の当連結会計年度の売上高は184億17百万円、セグメント損失3億31百万円、テイクアウト事業の当連結会計年度の売上高は106億10百万円、セグメント利益85百万円、外販事業の当連結会計年度の売上高は14億34百万円、セグメント損失1億円となりました。
資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ27億29百万円減少し、260億7百万円となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため店舗の臨時休業や営業時間短縮を実施したため売掛金が11億93百万円減少したこと、また減損損失等の計上により有形固定資産が9億26百万円減少したことによるものであります。
負債の部につきましては、前連結会計年度末と比べ12億48百万円増加し、225億94百万円となりました。これは主に、借入金の総額が17億99百万円、資産除去債務が4億33百万円増加し、店舗の臨時休業や営業時間短縮を実施したことにより買掛金及び未払金が10億5百万円減少したことによるものであります。
純資産の部につきましては、前連結会計年度末と比べ39億78百万円減少し、34億12百万円となりました。これは主に、利益剰余金が43億91百万円減少したことによるものであります。
なお、経営成績及び財政状態の検討課題といたしましては、「第2 [事業の状況] 1 [経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」をご参照ください。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 [事業の状況] 2[事業等のリスク]」をご参照ください。
経営戦略と現状の見通しにつきましては、外食事業及びテイクアウト事業並びに外販事業のそれぞれの規模の拡大はもとより、より高い収益性の確保を目指しております。
課題といたしましては、外食事業における客数減に伴う既存店売上の減少があります。対策といたしまして、メニュー開発の体制の変更による商品力の強化、店舗における美味しさとおもてなしのレベルアップを目的とした研修の実施、お客様のニーズに合わせた改装を行うことにより、お客様の満足度の向上を図り来客数の増加に向けて取り組んでおります。
テイクアウト事業につきましては、人手不足、人件費の上昇及び配送費の高騰等への対応に向けて「古市庵」と「梅の花」の共同運営を推進してまいります。また、原価率の低減に向けた商品構成を図ってまいります。
外販事業につきましては、京都セントラルキッチンの稼働により増加する商品製造能力を最大限に活用できるよう、製造部門との連携に向けた取り組みを強化しております。また、積極的な営業活動を展開しており、販売先の拡大ができると考えております。
出店につきましては、従来よりスピードを弱め、投資の重点を新規出店から既存店改装にシフトしております。また、お客様の視点に立った商品開発とお客様の意をくみ取った商品のおすすめにより、既存顧客の満足度向上と新規顧客の獲得ができると考えております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フロー」をご参照ください。なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
2016年9月期2017年9月期2018年9月期2019年4月期2020年4月期
自己資本比率(%)19.617.426.825.711.0
時価ベースの自己資本比率(%)66.769.772.473.840.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)13.913.014.111.4-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)18.820.118.041.8-

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式は除く)により算出しております。
2.営業キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いにつきましては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
3.2020年4月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金運用については短期的な預金等に限定し、資金繰り計画に基づき、銀行等金融機関からの借入により資金を調達しております。借入金のうち短期借入金は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。
また、営業債務や借入金等は、流動性のリスクに晒されておりますが、当社グループではグループ会社や各部署からの報告に基づき担当部署が適時に資金繰り計画を作成・更新するとともに、手許流動性の維持等により流動性リスクを管理しております。
③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが経営上の目標を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率、ROEを重視しております。
2019年12月16日に公表いたしました2020年4月期の連結業績予想に対する達成状況は、下記のとおりであります。新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた政府・自治体の外出自粛要請の影響により既存店売上高が計
画に達しなかったこと等により、2020年4月期は連結業績予想に対して未達となりました。
なお、2021年4月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により先行きを見通すことが困難であることから未定としております。
2020年4月期
連結業績予想連結実績差異
売上高33,859百万円30,462百万円△3,397百万円
営業利益
(対売上高%)
237百万円
(0.70%)
△1,238百万円
(△4.07%)
△1,476百万円
経常利益
(対売上高%)
140百万円
(0.41%)
△1,361百万円
(△4.47%)
△1,501百万円
親会社株主に帰属する
当期純利益
(対売上高%)
△1,025百万円
(△3.03%)
△4,391百万円
(△14.42%)
△3,366百万円

また、当社は、経済状態や消費動向の変化に対応するために、迅速な意思決定を行うよう努めており、ROEの安定的向上を意識しながら、収益構造の構築に努め、堅実な財務体質を堅持する方針としております。ROEにつきましては、5%を目標としておりますが、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。引き続き達成できるよう尽力してまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損
当社グループは、有形固定資産、のれん及び無形資産について、資産又は資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回る兆候がある場合には、減損テストを実施しております。
減損テストを実施する契機となる重要な要素には、過去あるいは将来見込まれる経営成績に対する著しい実績の悪化等が含まれます。
減損テストは、資産又は資産グループの帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は使用価値又は正味売却価額を使用しております。
減損損失の算定にあたっては、資産の残存耐用年数や将来のキャッシュ・フロー、成長率等について一定の仮定を用いております。これらの仮定は、過去の実績や経営陣により承認された事業計画等、最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業戦略の変更や市場環境によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係) ※6減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失15億61百万円を計上いたしました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、一年程度影響するものと仮定をおき、利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。
b. 資産除去債務
当社グループは、主に店舗用の不動産賃借契約に伴う原状回復義務に基づく原状回復費用について、取得から契約期間で見積り、割引率は契約期間に応じた国債利回りを使用して資産除去債務の金額を計算しております。
このような見積りは、経営者による最善の見積りによって行っておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
c. 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度、繰り戻し及び繰り越し期間における課税所得を見積っております。当社及び一部の連結子会社は連結納税制度を適用しており、法人税にかかわる部分については連結納税グループ全体として見積もりしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は一時的には利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。