有価証券報告書-第72期(令和3年3月1日-令和4年2月28日)

【提出】
2022/05/27 10:23
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【項目】
142項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績
連結業績
2021年2月期
連結会計年度
2022年2月期
連結会計年度
増減増減率
(2020年3月1日から(2021年3月1日から
2021年2月28日まで)2022年2月28日まで)
売上高(百万円)183,870201,58217,7119.6%
営業利益(百万円)7666,5645,797756.1%
経常利益(百万円)2,9818,1665,184173.9%
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)△6934,9175,610-

当連結会計年度の連結業績は、売上高が2,015億82百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益が65億64百万円(前年同期比756.1%増)、経常利益が81億66百万円(前年同期比173.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が49億17百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失6億93百万円)となりました。
国内売上高につきましては、1,886億55百万円と前年同期比8.9%の増収となりました。上期のほぼ全期間に渡って緊急事態宣言又はまん延防止等重点措置が発出され、下期に入っても新型コロナウイルス感染拡大により店舗の来店客数が大きく減少した時期があり、消費動向の変動の大きい不透明な事業環境が年間を通して継続しました。しかしながら、前年との比較では店舗の営業状況が改善し、また下期にかけて外出需要が回復したことが寄与しました。
国内EC販売は、コロナ禍におけるEC市場の拡大に対応し、自社EC「ドットエスティ」のTVCMを実施するなど集客の取組みを強化したことに加え、EC専業ブランドを運営する子会社BUZZWIT社が伸長した結果、前年同期比6.8%増と成長を継続しました。
海外売上高(円換算)は、129億26百万円と前年同期比20.7%の増収となりました。ニコアンド上海2号店の出店が寄与した中国大陸が87.8%の増収となった他、各地域の経済回復の恩恵を享受して香港、台湾、米国でも増収となり、海外事業全体での通期営業黒字を達成しました。
店舗展開につきましては、97店舗の出店(内、海外10店舗)、69店舗の退店(内、海外5店舗)の結果、当連結会計年度末における当社グループの店舗数は、1,428店舗(内、海外73店舗)となりました。なお、2022年2月に連結子会社化した、株式会社ゼットンの店舗数を含みません。
収益面につきましては、緊急事態宣言下における在庫消化や円安の進行、原料価格の上昇などの影響を受けましたが、「適時・適価・適量」の商品提供による値引き販売の抑制を推し進め、売上総利益率は55.1%と前年同期比0.6ポイント改善しました。
販売費及び一般管理費につきましては、前年に比べ店舗の休業や営業時間の短縮等が減少したことによる人件費及び店舗家賃の増加や、自社EC「ドットエスティ」認知度向上のための広告宣伝費が増加した結果、前年同期比で50億89百万円増加しました。しかしながら、増収効果により販管費率は51.8%と前年同期比2.2ポイント改善し、営業利益率は3.3%と前年同期比2.9ポイント上昇しました。また、新型コロナウイルス感染症対策に関連し、時短協力金等の助成金収入6億76百万円と雇用調整助成金5億49百万円、さらに為替差益3億10百万円を営業外収益に計上しました。
特別損益につきましては、シンガポール発のオムニチャネルファッションブランド「Love, Bonito(ラブボニート)」を展開するLOVEBONITO HOLDINGS PTE.LTD.に対する貸付金が当初の約定に沿って株式転換されたことに伴う貸倒引当金の戻入益2億64百万円と、韓国現法の清算益81百万円を特別利益に、また店舗等の減損損失6億円を特別損失に計上しました。
(3) 仕入及び販売の状況
当社グループは、衣料品並びに関連商品の企画・販売を単一の報告セグメントとしているため、セグメント情報ごとに記載しておりません。なお、仕入実績につきましては、商品部門別に区分して記載しており、販売実績につきましては、商品部門別、ブランド別、地域別及び単位当たりに区分して記載しております。
① 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
商品部門当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
前連結会計年度比
(%)
メンズボトムス3,30320.7
メンズトップス10,50914.0
レディースボトムス15,43010.5
レディーストップス41,4159.3
雑貨・その他22,82310.7
合計93,48210.7

(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額は外部仕入先からによるもので、連結会社相互間の内部仕入高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
a. 商品部門別販売実績
(単位:百万円)
商品部門当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
前連結会計年度比
(%)
メンズボトムス7,71121.7
メンズトップス23,11914.2
レディースボトムス34,46110.3
レディーストップス94,10810.3
雑貨・その他42,1803.5
合計201,5829.6

(注) 1.雑貨・その他は、ポイント引当金繰入額等が含まれております。
2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. ブランド別販売実績
ブランド・地域当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
前連結会計年度比
(%)
売上高(百万円)構成比(%)
グローバルワーク37,76218.711.6
ニコアンド27,22713.54.3
ローリーズファーム20,37410.14.8
スタディオクリップ18,9709.42.2
レプシィム11,7905.95.9
ジーナシス10,5265.26.0
ベイフロー9,1224.54.7
レイジブルー5,8012.96.8
その他29,81514.819.3
当社 計171,39085.08.4
株式会社BUZZWIT6,8843.48.0
株式会社エレメントルール9,8284.918.1
その他連結子会社5510.371.1
国内合計188,65593.68.9
海外合計12,9266.420.7
グループ合計201,582100.09.6

(注)1.店舗を運営管理しているブランド営業部・地域別に集計しております。
2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、店舗出退店等の状況は、次のとおりであります。
ブランド・地域店 舗 数
前連結会計
年度末
当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
当連結会計
年度末
出 店変 更退 店増 減
グローバルワーク2091△4△3206
ニコアンド1442△2144
ローリーズファーム1344△22136
スタディオクリップ1833△21184
レプシィム1221△3△2120
ジーナシス723△2173
ベイフロー564460
レイジブルー491△2△148
その他25940△2515274
当社 計1,22859△42171,245
株式会社BUZZWIT146△2418
株式会社エレメントルール8715△18△384
その他連結子会社37△258
国内合計1,33287△64231,355
香港142△214
中国大陸3336
台湾414△2243
米国101△110
海外合計6810△5573
グループ合計1,40097△69281,428

(注) 1.店舗を運営管理しているブランド営業部・地域別に集計しております。
2.店舗数は、他社WEBストア、自社WEBストアを含めて集計しております。
3.株式会社ゼットンの株式を取得し、同社は連結子会社となりましたが、当連結会計年度末をみなし取得日としていることから同社の店舗出退店等の状況は含めておりません。
c. 地域別販売実績
地域別前連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
売上高
(百万円)
期末店舗数
(店)
売上高
(百万円)
店舗異動状況期末店舗数
(店)
出店
(店)
閉鎖・変更等
(店)
北海道3,727354,059136
青森県68176937
岩手県60366026
秋田県66166966
宮城県2,323252,4741△125
山形県33433483
福島県551664017
北海道・東北地区計8,883889,5143△190
栃木県1,555161,866117
茨城県2,122252,529△124
群馬県1,554171,68117
千葉県6,163606,9302△161
山梨県69088188
埼玉県7,020718,0752△172
東京都9,86714111,7518△10139
神奈川県8,148869,6303△683
関東地区計37,12242443,28517△20421
静岡県3,982404,275△238
新潟県1,602171,63917
長野県1,340111,606112
富山県1,020111,09811
石川県1,607191,9856△223
愛知県7,051688,2694△171
岐阜県1,549161,804117
福井県48945414
中部地区計18,64418621,22011△4193
三重県1,946192,1441△119
京都府2,534252,499126
大阪府10,95410410,9855△8101
兵庫県5,370515,6102△152
奈良県1,514151,69315
和歌山県73188108
滋賀県1,370121,49012
近畿地区計24,42223425,2349△10233
岡山県1,682181,8411△118
広島県3,226373,3131△137
鳥取県22732333
島根県61876527
山口県32643514
愛媛県1,027101,11210
香川県1,089111,194112
高知県50355385
徳島県74068206
中国・四国地区計9,44310110,0583△2102


地域別前連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
売上高
(百万円)
期末店舗数
(店)
売上高
(百万円)
店舗異動状況期末店舗数
(店)
出店
(店)
閉鎖・変更
(店)
福岡県7,983566,0212△256
長崎県671776418
佐賀県1,19981,2388
熊本県1,763102,077919
大分県1,424141,45914
宮崎県77188238
鹿児島県1,349111,39611
沖縄県1,541171,552118
九州・沖縄地区計16,70413115,33413△2142
WEBサイト42,9216446,7423△364
当社 計158,1421,228171,39059△421,245
株式会社BUZZWIT6,374146,8846△218
株式会社エレメントルール8,322879,82815△1884
その他連結子会社32235517△28
国内合計173,1611,332188,65587△641,355
香港2,589142,8202△214
中国大陸1,25432,35636
台湾2,743413,0464△243
韓国680
米国3,440104,7031△110
海外合計10,7096812,92610△573
グループ合計183,8701,400201,58297△691,428

(注) 1.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.株式会社ゼットンの株式を取得し、同社は連結子会社となりましたが、当連結会計年度末をみなし取得日としていることから同社の店舗出退店等の状況は含めておりません。
d. 単位当たり販売実績
区分前連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
当連結会計年度
(自 2021年3月1日
至 2022年2月28日)
売上高(百万円)183,870201,582
1㎡当たり売上高売場面積(月平均)(㎡)
1㎡当たり期間売上高(千円)
296,210
620
299,676
672
1人当たり売上高従業員数(月平均)(人)(注)1
1人当たり期間売上高(千円)
10,102
18,200
10,451
19,288

(注) 1.従業員数は臨時雇用者(年間平均人員:1日8時間換算)を含めております。
2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.株式会社ゼットンの株式を取得し、同社は連結子会社となりましたが、当連結会計年度末をみなし取得日としていることから同社の売場面積及び従業員数は含めておりません。
(4) 財政状態
① 資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、34億円減少して481億69百万円となりました。これは主に、たな卸資産が35億40百万円増加した一方で、現金及び預金が72億2百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、59億7百万円増加して497億87百万円となりました。これは主に、建物及び構築物(純額)が8億14百万円、ソフトウエアが16億66百万円、のれんが17億84百万円それぞれ増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて、25億7百万円増加して979億57百万円となりました。
② 負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、26億38百万円減少して384億16百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が17億33百万円増加した一方で、未払金が35億90百万円、未払法人税等が9億3百万円それぞれ減少したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、8億84百万円増加して45億77百万円となりました。これは主に、リース債務が2億7百万円減少した一方で、長期借入金が8億96百万円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて、17億53百万円減少して429億94百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、42億61百万円増加して549億63百万円となりました。これは主に、利益剰余金が26億34百万円、非支配株主持分が10億円それぞれ増加したことによるものです。
(5) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前年同期に比べて、72億19百万円減少して168億63百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、35億4百万円(前年同期比84億29百万円減)となりました。これは主に、たな卸資産の増加が32億66百万円、未払消費税等の減少が40億21百万円、法人税等の支払額が33億81百万円それぞれあった一方で、税金等調整前当期純利益が79億11百万円、減価償却費が70億44百万円がそれぞれあったことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、77億80百万円(前年同期比4億14百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が37億96百万円、無形固定資産の取得による支出が31億36百万円、敷金及び保証金の差入による支出が7億88百万円それぞれあったことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、32億51百万円(前年同期比35億88百万円減)となりました。これは主に、配当金の支払額が22億83百万円、リース債務の返済による支出が9億67百万円それぞれあったことによるものです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は主に、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期性の資金需要は、店舗投資、システム投資及び更なる成長に向けたM&Aを含む成長投資等によるものであります。
運転資金及び長期性資金は、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社にて一括運用・調達を行うことにより、グループの資金効率の向上を図っております。
(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2026年2月期を最終年度とする中期経営計画において、下記の目標を設定しております。