有価証券報告書-第70期(平成31年3月1日-令和2年2月29日)

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2020/05/29 10:10
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150項目
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
(2) 経営成績
連結業績
2019年2月期
連結会計年度
2020年2月期
連結会計年度
増減増減率
(2018年3月1日から(2019年3月1日から
2019年2月28日まで)2020年2月29日まで)
売上高(百万円)222,664222,376△288△0.1%
営業利益(百万円)7,19012,8855,69579.2%
経常利益(百万円)7,34512,8435,49874.8%
親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)3,8906,3632,47363.6%

EBITDA(百万円)15,31720,3575,04032.9%
のれん償却前EPS(円)110.42138.6328.2025.5%

当連結会計年度の経営成績は、売上高が2,223億76百万円(前年同期比0.1%減)、営業利益が128億85百万円(前年同期比79.2%増)、経常利益が128億43百万円(前年同期比74.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が63億63百万円(前年同期比63.6%増)となりました。
また、EBITDAは203億57百万円(前年同期比32.9%増)、のれん償却前EPSは138.63円(前年同期比25.5%増)となりました。(※)
国内売上高につきましては、秋冬に一部天候不順の影響はあったものの、「グローバルワーク」、「ローリーズファーム」などの前期苦戦した基幹ブランドの回復が確実なものとなり、「ニコアンド」や「ベイフロー」などその他のブランドや、国内子会社である株式会社エレメントルール、株式会社BUZZWITも堅調に推移した結果、前年同期比1.1%の増収となりました。
なお、システム更改に際する不具合のため、自社EC「ドットエスティ」が8月8日から9月12日まで休止しておりましたが、再開後は安定的に稼働しております。また、会員数は順調に増加しており、1,000万人を突破いたしました。
海外売上高につきましては、米国、台湾においては順調に推移しましたが、前期に不採算店舗の閉鎖を進めた香港と中国においては減少いたしました。
店舗展開につきましては、55店舗の出店(内、海外9店舗)、90店舗の退店(内、海外17店舗)の結果、当連結会計年度末における当社グループの店舗数は、1,392店舗(内、海外77店舗)となりました。
収益面につきましては、「適時・適価・適量」での商品提供の徹底により、値引き販売を抑制する運営を安定 的に行った結果、値引き率が改善したことを主因に、売上総利益率は55.5%(前年同期比1.6ポイント増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、販促費用の抑制や、不採算店舗の削減に伴う家賃の減少、及び株式会社トリニティアーツ(現 当社)の連結子会社化に伴うのれんの償却が前第2四半期で終了したことなどから、前年同期比で23億33百万円減少しました。その結果、販管費率は49.7%(前年同期比1.0ポイント減)となり、営業利益率は5.8%(前年同期比2.6ポイント増)となりました。
特別損益につきましては、特別損失として、店舗の減損損失13億3百万円のほか、システム開発計画の変更によって今後の利用が見込めなくなったソフトウェアの減損損失15億11百万円などを計上いたしました。
(※)2014年2月期以降、現預金の流出を伴わない費用であるのれん償却額の影響により、キャッシュ・フローの増減と、営業利益以下の利益項目の増減に大きな乖離が発生しております。また、各国の会計基準によって計上方法が異なるため、海外企業との適切な比較も困難になっております。これらの点を考慮し、「EBITDA」及び「のれん償却前EPS」を参考指標として開示しております。
「EBITDA」
営業利益 + 減価償却費 + のれん償却額(販管費)
「のれん償却前EPS」
(親会社株主に帰属する当期純利益 + のれん償却額(販管費、特別損失)+ 減損損失(のれん))
÷ 期中平均株式数
(3) 仕入及び販売の状況
当社グループは、衣料品並びに関連商品の企画・販売を単一の報告セグメントとしているため、セグメント情報ごとに記載しておりません。なお、仕入実績につきましては、商品部門別に区分して記載しており、販売実績につきましては、商品部門別、ブランド別、地域別及び単位当たりに区分して記載しております。
① 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
商品部門当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
前連結会計年度比
(%)
メンズボトムス3,0502.3
メンズトップス10,694△4.9
レディースボトムス16,498△9.6
レディーストップス45,028△3.0
雑貨・その他20,954△9.0
合計96,226△5.6

(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額は外部仕入先からによるもので、連結会社相互間の内部仕入高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
a. 商品部門別販売実績
(単位:百万円)
商品部門当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
前連結会計年度比
(%)
メンズボトムス7,3186.1
メンズトップス25,8744.2
レディースボトムス38,795△7.9
レディーストップス107,8852.5
雑貨・その他42,501△2.6
合計222,376△0.1

(注) 1.雑貨・その他は、ポイント引当金繰入額等が含まれております。
2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. ブランド別販売実績
ブランド・地域当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
前連結会計年度比
(%)
売上高(百万円)構成比(%)
グローバルワーク41,71018.82.1
ニコアンド32,01714.43.4
ローリーズファーム23,69110.65.3
スタディオクリップ22,44410.1△5.1
レプシィム14,3356.4△3.2
ジーナシス11,9245.4△3.6
ベイフロー9,8524.412.2
レイジブルー7,7123.5△1.4
その他(注4)30,83113.90.8
当社 計194,51887.51.1
株式会社BUZZWIT(注4)4,9082.2△15.5
株式会社エレメントルール10,1124.59.4
その他連結子会社1700.1
国内合計209,70994.31.1
海外合計12,6665.7△17.1
グループ合計222,376100.0△0.1

(注)1.店舗を運営管理しているブランド営業部・地域別に集計しております。
2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.前年度の8月において、株式会社BUZZWIT(旧商号 株式会社アリシア)のページボーイ事業など3事業を当社に移管しております。このため、3事業につきましては、移管前の前年度売上高を株式会社BUZZWITに含めて算出した増減率を記載しております。
なお、店舗出退店等の状況は、次のとおりであります。
ブランド・地域店 舗 数
前連結会計
年度末
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
当連結会計
年度末
出 店変 更退店等増 減
グローバルワーク2134△7△3210
ニコアンド1398△35144
ローリーズファーム1391△4△3136
スタディオクリップ1903△10△7183
レプシィム1322△6△4128
ジーナシス7373
ベイフロー497△2554
レイジブルー58△4△454
その他2698△30△22247
当社 計1,26233△66△331,229
株式会社BUZZWIT53△127
株式会社エレメントルール758△6277
その他連結子会社222
国内合計1,34246△73△271,315
香港20△4△416
中国101△10△91
台湾346△3337
韓国121113
米国91110
海外合計859△17△877
グループ合計1,42755△90△351,392

(注) 1.店舗を運営管理しているブランド営業部・地域別に集計しております。
2.店舗数は、他社WEBストア、自社WEBストアを含めて集計しております。
c. 地域別販売実績
地域別前連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
売上高
(百万円)
期末店舗数
(店)
売上高
(百万円)
店舗異動状況期末店舗数
(店)
出店
(店)
閉鎖・変更
(店)
北海道5,156385,3651△336
青森県89079177
岩手県75267736
秋田県76868186
宮城県3,396263,4422△226
山形県40534293
福島県72667286
北海道・東北地区計12,0979212,4753△590
栃木県2,148162,11816
茨城県2,566202,782121
群馬県2,230182,193△117
千葉県8,225628,4973△263
山梨県1,05091,019△18
埼玉県10,431799,932△673
東京都20,11216218,5043△16149
神奈川県10,8058111,1992△380
関東地区計57,57244756,2489△29427
静岡県4,964385,235341
新潟県1,813141,83514
長野県1,817121,84012
富山県1,30391,375110
石川県2,320202,308△119
愛知県9,688729,7801△766
岐阜県2,197172,222△116
福井県44634733
中部地区計24,55218525,0715△9181
三重県2,397192,61019
京都府3,756303,8491△130
大阪府14,66510615,2891△4103
兵庫県6,554486,721149
奈良県1,699141,75214
和歌山県86588748
滋賀県1,777121,77212
近畿地区計31,71623732,8693△5235
岡山県2,251182,287△117
広島県4,467414,476△239
鳥取県26132723
島根県75877677
山口県39344064
愛媛県1,14691,2199
香川県1,282111,319△110
高知県73357245
徳島県1,01069826
中国・四国地区計12,30510412,456△4100


地域別前連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
売上高
(百万円)
期末店舗数
(店)
売上高
(百万円)
店舗異動状況期末店舗数
(店)
出店
(店)
閉鎖・変更
(店)
福岡県9,051639,855△261
長崎県9288922△17
佐賀県1,56691,652△18
熊本県2,202162,277△214
大分県1,765141,77514
宮崎県98181,0088
鹿児島県1,695111,695△110
沖縄県1,841162,010420
九州・沖縄地区計20,03214521,1974△7142
WEBサイト34,0595234,2009△754
当社 計192,3361,262194,51833△661,229
株式会社BUZZWIT (注3)5,80554,9083△17
株式会社エレメントルール9,2397510,1128△677
その他連結子会社317022
国内合計207,3851,342209,70946△731,315
香港5,300203,431△416
中国1,416104731△101
台湾2,413342,5326△337
韓国1,207121,156113
米国4,94095,072110
海外合計15,2798512,6669△1777
グループ合計222,6641,427222,37655△901,392

(注) 1.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前年度の8月において、株式会社BUZZWIT(旧商号 株式会社アリシア)のページボーイ事業など3事業を当社に移管しております。
d. 単位当たり販売実績
区分前連結会計年度
(自 2018年3月1日
至 2019年2月28日)
当連結会計年度
(自 2019年3月1日
至 2020年2月29日)
売上高(百万円)222,664222,376
1㎡当たり売上高売場面積(月平均)(㎡)
1㎡当たり期間売上高(千円)
304,529
731
287,616
773
1人当たり売上高従業員数(月平均)(人)(注)1
1人当たり期間売上高(千円)
11,431
19,479
11,149
19,945

(注) 1.従業員数は臨時雇用者(年間平均人員:1日8時間換算)を含めております。
2.上記の金額は外部顧客に対するもので、連結会社相互間の内部売上高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 財政状態
① 資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べて、51億84百万円増加して532億34百万円となりました。これは主に、たな卸資産が25億83百万円減少した一方で、現金及び預金が77億36百万円、受取手形及び売掛金が1億74百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて、14億76百万円増加して446億89百万円となりました。これは主に、店舗内装設備(純額)が8億76百万円、投資有価証券が5億86百万円、敷金及び保証金が9億87百万円それぞれ減少した一方で、有形固定資産のその他(純額)(IFRS第16号を適用したことによる使用権資産など)が29億28百万円、繰延税金資産が6億95百万円それぞれ増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて、66億61百万円増加して979億24百万円となりました。
② 負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べて、6億33百万円増加して374億62百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が13億67百万円、短期借入金が25億52百万円それぞれ減少した一方で、リース債務が11億19百万円、未払金が17億96百万円、未払法人税等が17億54百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて、19億46百万円増加して34億21百万円となりました。これは主に、リース債務が20億93百万円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて、25億79百万円増加して408億83百万円となりました。
③ 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、40億81百万円増加して570億41百万円となりました。これは主に、利益剰余金が36億9百万円増加したことによるものです。
(5) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前年同期に比べて、77億29百万円増加して263億77百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、208億50百万円(前年同期比109億45百万円増)となりました。これは主に、仕入債務の減少が19億73百万円、法人税等の支払額が28億80百万円それぞれあった一方で、税金等調整前当期純利益が99億23百万円、減価償却費が75億99百万円、減損損失が28億15百万円、たな卸資産の減少が25億46百万円それぞれあったことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、66億45百万円(前年同期比20億40百万円減)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入が11億78百万円あった一方で、有形固定資産の取得による支出が40億70百万円、無形固定資産の取得による支出が32億84百万円それぞれあったことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、64億39百万円(前年同期比45億48百万円増)となりました。これは主に、短期借入金の減少が25億5百万円、配当金の支払額が26億20百万円、リース債務の返済による支出が13億9百万円それぞれあったことによるものです。
(6) 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は主に、商品仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期性の資金需要は、店舗投資、システム投資及び更なる成長に向けたM&Aを含む成長投資等によるものであります。
運転資金及び長期性資金は、主に営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。また、グループの資金は、当社にて一括運用・調達を行うことにより、グループの資金効率の向上を図っております。
(7) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2021年2月期を最終年度とする3ヶ年計画を策定し、2021年2月期の数値目標を、営業利益率8.0%、ROE15%前後と定め、国内の非生産年齢の比率が生産年齢を上回ると言われる2025年を見据え、事業構造の変革に取り組んでまいりました。計画の2年目となる2020年2月期は、成長戦略に基づく重点施策を着実に実行した結果、収益体質の改善や海外事業の再構築、新たな成長領域の事業化などにおいて一定の成果を創出することができました。その結果、2020年2月期の営業利益率は5.8%、ROEは11.6%となりました。
しかしながら、3年目となる2021年2月期においては、足元の新型コロナウイルス感染症拡大の影響も踏まえ、2025年に向けた成長戦略に一歩踏み出すため、3ヶ年の数値目標を取り下げさせていただくことといたしました。
2021年2月期を既存の課題の延長線上ではなく、2025年へ向けた新たな成長戦略を具体化する年と定め、成長への歩みを止めることなく、将来へ向けた構想を具体化してまいります。
なお、今後世界経済が安定し、当社として取り組む内容が具体化した時点で、改めて中長期の数値目標を設定致します。
2019年2月期
実績
2020年2月期
公表予想
2020年2月期
実績
営業利益率3.2%4.4%5.8%
ROE7.5%11.0%11.6%