四半期報告書-第11期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間(平成30年4月1日~平成30年6月30日)における我が国経済は、堅調な企業収益により緩やかな持ち直し傾向で推移しています。原油価格の高騰や人手不足の深刻化を背景に人件費の増加が収益下押しの要因となりますが、日本政府は外国人労働者を従来以上に積極的に受け入れる方針に転換し、今後新たな労働力確保の期待がかかります。消費マインドは横ばいで推移していますが、実質雇用者所得の増加に伴い個人消費は回復傾向が続いています。小売業においては、LCCなどの航空路線の新規就航や増便、中国人に対するビザ発給要件の緩和が追い風となり、訪日外国人が増加しており、化粧品や高額品の取り扱いは堅調に推移しています。
このような状況のなか、当社グループは主力事業である百貨店業を中心に培ってきた暖簾、顧客、その他有効資産を最大限活用し、グループシナジーを発揮し成長をめざしてまいりました。その中、4月に三越、伊勢丹の統合10年を機に、グループ企業理念を見直し、新たに「私たちの考え方」を制定いたしました。目まぐるしい環境の変化に対応するために、自ら「変化」「変革」することで、新しい価値を創出し持続的な成長と発展を目指してまいります。
この結果、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は286,778百万円(前年同四半期比2.3%減)、営業利益は9,044百万円(前年同四半期比33.1%増)、経常利益は9,691百万円(前年同四半期比19.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,597百万円(前年同四半期比5.3%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、当第1四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
①百貨店業
百貨店業におきましては、当社の収益の柱として安定的収益をあげられるよう再構築を進めてまいりました。
基幹店につきましては、国内需要とともに増加する訪日外国人による売上高の牽引により、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店とも好調に推移いたしました。今後も多くのお客さまの来店が見込まれるため、お客さまをお迎えする環境を整えるため本年度より、三越日本橋本店、伊勢丹新宿本店の大規模リモデルを順次予定しております。三越日本橋本店は、お客さま一人ひとりに寄り添い、上質な暮らしのモノ・コトを日本随一のおもてなしでお迎えする店に特化し、おもてなしのための環境整備に向けたリモデルを進めておりますが、4月に本館1階の「化粧品&アクセサリー」が先行してリフレッシュオープンいたしました。今後も秋の第1期リモデル完成に向けた準備を進めてまいります。伊勢丹新宿本店につきましては、新しい価値の提供に向けて、本館、メンズ館のリモデルに着手いたしました。
支店、地域百貨店、海外店につきましては、限られた経営資源を新たな成長分野に再配分するため、収益性に課題のある店舗の構造改革について継続して検討を進めております。今後も、地域毎のお客さまのニーズや各店に置かれた状況にあわせながら、リサイジングや業態転換を含めたあらゆる手段を使って地域のお客さまのニーズに応えられるよう構造改革に取り組んでまいります。その中、静岡伊勢丹では、新たに健康寿命延伸に向けた健康に関するさまざまなコンテンツを新設した「ウェルネスパーク静岡」を5月にオープンし、お客さまの利用と接点を拡大しています。海外では、中国成都において成都ISETAN Supermarketを4月にオープンし、好調に推移しています。競争力のある編集、独自コンテンツを活かした専門店を今後も検討してまいります。
中小型店舗につきましては、エリアの顧客ニーズにあわせた店舗モデルの構築と編集力を活かした新たなチャネル展開の一環として、ラグジュアリーコスメの編集ショップである「イセタンミラー」を4月にミーツ国分寺店、テラスモール湘南店の2店を新規出店いたしました。今回の出店により、イセタンミラーは全国で17店舗となりました。今後も、顧客接点の拡充を進めてまいります。
EC事業につきましては、基幹3店と連動した企画や展開商品の拡大によりお客さまの利便性向上に取り組んでまいりました。今後は、新たな商品領域への拡大も含めて強化してまいります。
このセグメントにおける売上高は266,468百万円(前年同四半期比2.1%増)、営業利益は4,900百万円(前年同四半期比78.6%増)となりました。
②クレジット・金融・友の会業
クレジット・金融・友の会業におきましては、当社の持つシステムインフラや優良顧客を基盤に、基幹事業の一つとしてさらなる拡大を目指しております。
株式会社エムアイカードは、百貨店顧客会員数が微減する中、百貨店の好調な売上高に連動し百貨店取扱高・収入が増加いたしました。新たな取組みとして、お客さまの利便性向上や新たなサービス拡充に向けてカードラインアップを増やしました。ゴールドカードに加えて、ロイヤリティの高いお客さまへプラチナカードの発行を6月より開始いたしました。また、百貨店カードとはサービスが異なる新たな「エムアイカード」の発行を5月より開始いたしました。百貨店でのポイント付与率は低いものの、年会費が条件付で無料となり、百貨店外でポイントを貯めることをメインにしているカードとなり、目標を上回って推移しております。加えて、利便性をより向上させ外部利用拡大に向けて、6月よりイオングループとポイントプログラムの相互連携サービスも開始しております。
このセグメントにおける売上高は10,213百万円(前年同四半期比1.3%増)、営業利益は3,405百万円(前年同四半期比35.1%増)となりました。
③不動産業
不動産業におきましては、グループの保有する国内外の優良不動産を活用した収益性のある事業機会の創出に向けた検討を進めております。
株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、3月の横浜駅相鉄ジョイナス内に加えて、グループが培ってきた創造力と知見をもとにバラエティ豊かなショップ構成・コンテンツ編集を行い、4月に国分寺駅北口に「ミーツ国分寺」を開業し、商業施設運営管理を手掛けております。今後「ミーツ」は新たなブランドとしてトライアルをし、拡大を目指していきます。
株式会社三越伊勢丹不動産は、新規の賃貸高グレードマンションとして3月に「ミレアコート銀座プレミア」を取得、賃貸運用を開始いたしました。入居者に対し三越銀座店の施設利用やサービス提供等を実施することで、三越伊勢丹グループが運営する賃貸マンションとしての付加価値向上を図り、安定的な収益を確保してまいります。
このセグメントにおける売上高は9,734百万円(前年同四半期比11.8%減)、営業利益は1,338百万円(前年同四半期比32.7%減)となりました。
④その他
その他事業におきましては、「お客さまの生活の中のさまざまなシーンでお役に立つこと」の実現に向けて取り組んでおります。
旅行事業及び美容事業に関しては、既存店舗網や既存顧客とのシナジー創出を目指しております。株式会社ニッコウトラベルは、春の欧州ツアーが好調で、「春のセレナーデ号」が順調に満席で推移しました。三越日本橋本店の優良なお客さまへのアプローチを強化し、新規顧客の獲得に向けた取組みを進めております。株式会社ソシエ・ワールドは、エステティック、ヘアー部門とも厳しい結果となりました。今後は更なるコスト管理の徹底を図ってまいります。
株式会社三越伊勢丹フードサービスは、4月にスーパーマーケット事業等を分割しております。
このセグメントにおける売上高は20,585百万円(前年同四半期比41.0%減)、営業損失は672百万円(前年同四半期は営業損失530百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は1,274,497百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,038百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が減少したことと、連結子会社である株式会社三越伊勢丹フードサービスが、持分法適用会社である株式会社エムアイフードスタイルにスーパーマーケット事業等を分割したことなどによるものです。
負債合計では685,942百万円となり、前連結会計年度末から1,501百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
また、純資産は588,555百万円となり、前連結会計年度末から463百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことと、その他有価証券評価差額金が増加した一方で、為替換算調整勘定が減少したことなどによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 従業員数
該当事項はありません。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間(平成30年4月1日~平成30年6月30日)における我が国経済は、堅調な企業収益により緩やかな持ち直し傾向で推移しています。原油価格の高騰や人手不足の深刻化を背景に人件費の増加が収益下押しの要因となりますが、日本政府は外国人労働者を従来以上に積極的に受け入れる方針に転換し、今後新たな労働力確保の期待がかかります。消費マインドは横ばいで推移していますが、実質雇用者所得の増加に伴い個人消費は回復傾向が続いています。小売業においては、LCCなどの航空路線の新規就航や増便、中国人に対するビザ発給要件の緩和が追い風となり、訪日外国人が増加しており、化粧品や高額品の取り扱いは堅調に推移しています。
このような状況のなか、当社グループは主力事業である百貨店業を中心に培ってきた暖簾、顧客、その他有効資産を最大限活用し、グループシナジーを発揮し成長をめざしてまいりました。その中、4月に三越、伊勢丹の統合10年を機に、グループ企業理念を見直し、新たに「私たちの考え方」を制定いたしました。目まぐるしい環境の変化に対応するために、自ら「変化」「変革」することで、新しい価値を創出し持続的な成長と発展を目指してまいります。
この結果、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は286,778百万円(前年同四半期比2.3%減)、営業利益は9,044百万円(前年同四半期比33.1%増)、経常利益は9,691百万円(前年同四半期比19.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は4,597百万円(前年同四半期比5.3%減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、当第1四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
①百貨店業
百貨店業におきましては、当社の収益の柱として安定的収益をあげられるよう再構築を進めてまいりました。
基幹店につきましては、国内需要とともに増加する訪日外国人による売上高の牽引により、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店とも好調に推移いたしました。今後も多くのお客さまの来店が見込まれるため、お客さまをお迎えする環境を整えるため本年度より、三越日本橋本店、伊勢丹新宿本店の大規模リモデルを順次予定しております。三越日本橋本店は、お客さま一人ひとりに寄り添い、上質な暮らしのモノ・コトを日本随一のおもてなしでお迎えする店に特化し、おもてなしのための環境整備に向けたリモデルを進めておりますが、4月に本館1階の「化粧品&アクセサリー」が先行してリフレッシュオープンいたしました。今後も秋の第1期リモデル完成に向けた準備を進めてまいります。伊勢丹新宿本店につきましては、新しい価値の提供に向けて、本館、メンズ館のリモデルに着手いたしました。
支店、地域百貨店、海外店につきましては、限られた経営資源を新たな成長分野に再配分するため、収益性に課題のある店舗の構造改革について継続して検討を進めております。今後も、地域毎のお客さまのニーズや各店に置かれた状況にあわせながら、リサイジングや業態転換を含めたあらゆる手段を使って地域のお客さまのニーズに応えられるよう構造改革に取り組んでまいります。その中、静岡伊勢丹では、新たに健康寿命延伸に向けた健康に関するさまざまなコンテンツを新設した「ウェルネスパーク静岡」を5月にオープンし、お客さまの利用と接点を拡大しています。海外では、中国成都において成都ISETAN Supermarketを4月にオープンし、好調に推移しています。競争力のある編集、独自コンテンツを活かした専門店を今後も検討してまいります。
中小型店舗につきましては、エリアの顧客ニーズにあわせた店舗モデルの構築と編集力を活かした新たなチャネル展開の一環として、ラグジュアリーコスメの編集ショップである「イセタンミラー」を4月にミーツ国分寺店、テラスモール湘南店の2店を新規出店いたしました。今回の出店により、イセタンミラーは全国で17店舗となりました。今後も、顧客接点の拡充を進めてまいります。
EC事業につきましては、基幹3店と連動した企画や展開商品の拡大によりお客さまの利便性向上に取り組んでまいりました。今後は、新たな商品領域への拡大も含めて強化してまいります。
このセグメントにおける売上高は266,468百万円(前年同四半期比2.1%増)、営業利益は4,900百万円(前年同四半期比78.6%増)となりました。
②クレジット・金融・友の会業
クレジット・金融・友の会業におきましては、当社の持つシステムインフラや優良顧客を基盤に、基幹事業の一つとしてさらなる拡大を目指しております。
株式会社エムアイカードは、百貨店顧客会員数が微減する中、百貨店の好調な売上高に連動し百貨店取扱高・収入が増加いたしました。新たな取組みとして、お客さまの利便性向上や新たなサービス拡充に向けてカードラインアップを増やしました。ゴールドカードに加えて、ロイヤリティの高いお客さまへプラチナカードの発行を6月より開始いたしました。また、百貨店カードとはサービスが異なる新たな「エムアイカード」の発行を5月より開始いたしました。百貨店でのポイント付与率は低いものの、年会費が条件付で無料となり、百貨店外でポイントを貯めることをメインにしているカードとなり、目標を上回って推移しております。加えて、利便性をより向上させ外部利用拡大に向けて、6月よりイオングループとポイントプログラムの相互連携サービスも開始しております。
このセグメントにおける売上高は10,213百万円(前年同四半期比1.3%増)、営業利益は3,405百万円(前年同四半期比35.1%増)となりました。
③不動産業
不動産業におきましては、グループの保有する国内外の優良不動産を活用した収益性のある事業機会の創出に向けた検討を進めております。
株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、3月の横浜駅相鉄ジョイナス内に加えて、グループが培ってきた創造力と知見をもとにバラエティ豊かなショップ構成・コンテンツ編集を行い、4月に国分寺駅北口に「ミーツ国分寺」を開業し、商業施設運営管理を手掛けております。今後「ミーツ」は新たなブランドとしてトライアルをし、拡大を目指していきます。
株式会社三越伊勢丹不動産は、新規の賃貸高グレードマンションとして3月に「ミレアコート銀座プレミア」を取得、賃貸運用を開始いたしました。入居者に対し三越銀座店の施設利用やサービス提供等を実施することで、三越伊勢丹グループが運営する賃貸マンションとしての付加価値向上を図り、安定的な収益を確保してまいります。
このセグメントにおける売上高は9,734百万円(前年同四半期比11.8%減)、営業利益は1,338百万円(前年同四半期比32.7%減)となりました。
④その他
その他事業におきましては、「お客さまの生活の中のさまざまなシーンでお役に立つこと」の実現に向けて取り組んでおります。
旅行事業及び美容事業に関しては、既存店舗網や既存顧客とのシナジー創出を目指しております。株式会社ニッコウトラベルは、春の欧州ツアーが好調で、「春のセレナーデ号」が順調に満席で推移しました。三越日本橋本店の優良なお客さまへのアプローチを強化し、新規顧客の獲得に向けた取組みを進めております。株式会社ソシエ・ワールドは、エステティック、ヘアー部門とも厳しい結果となりました。今後は更なるコスト管理の徹底を図ってまいります。
株式会社三越伊勢丹フードサービスは、4月にスーパーマーケット事業等を分割しております。
このセグメントにおける売上高は20,585百万円(前年同四半期比41.0%減)、営業損失は672百万円(前年同四半期は営業損失530百万円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は1,274,497百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,038百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が減少したことと、連結子会社である株式会社三越伊勢丹フードサービスが、持分法適用会社である株式会社エムアイフードスタイルにスーパーマーケット事業等を分割したことなどによるものです。
負債合計では685,942百万円となり、前連結会計年度末から1,501百万円減少しました。これは主に、支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
また、純資産は588,555百万円となり、前連結会計年度末から463百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことと、その他有価証券評価差額金が増加した一方で、為替換算調整勘定が減少したことなどによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 従業員数
該当事項はありません。