四半期報告書-第14期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

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2021/11/11 10:34
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「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。この結果、前第2四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2021年4月1日~2021年9月30日)における国内経済は、世界的新型コロナウイルス感染症の拡大収束が見えない中で、2021年4月~6月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.9%と回復基調が一時見られました。一方で7月以降の再度の感染拡大により複数の都道府県が緊急事態宣言下となり、消費マインドの低迷は継続いたしました。
このような状況の中、当社グループは緊急事態宣言下における人流抑制の要請に応え、「安全・安心」のもと、お客さまや従業員の感染拡大防止を考慮し、食品フロア等で一部休業や入場制限をするなどの対応を適宜実施いたしました。
今後ワクチン接種率の増加や制限緩和により、経済活動の本格的再開と新しい生活様式や消費行動のさらなる変化が予測される中で、当社グループは長期に目指す姿を「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」と定め、基本戦略として「高感度上質消費の拡大・席巻、最高の顧客体験の提供」の実現を目指しております。また、「“高感度上質”戦略」「“個客とつながる”CRM戦略」「“連邦”戦略」を3つの柱に据え、その実現に向けてはグループ基盤となる「デジタル改革」、「CRE・事業モデル改革」、「収支構造改革」と、経営基盤となる「システム・データ基盤」、「人財基盤」、「サステナビリティ/ガバナンス/経営システム」の確立を行ってまいります。
当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は187,932百万円(前年同四半期は335,701百万円)、営業損失は7,758百万円(前年同四半期は営業損失17,812百万円)、経常損失は7,114百万円(前年同四半期は経常損失17,092百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は8,136百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失36,786百万円)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、当第2四半期連結累計期間の売上高は211,064百万円減少し、営業損失は295百万円増加し、経常損失及び税金等調整前四半期純損失は240百万円増加しております。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 百貨店業
百貨店業におきましては、一時回復傾向が見られたものの、7月以降は複数店舗が長期に渡り緊急事態宣言下となり、8月中旬からは食品フロア等で一部休業や入場制限などの対応の影響もあり、来店客数・売上は低迷しました。
このような制約のある環境下においても、外商をはじめとしたロイヤルティの高いお客さまと繋がる営業活動を、「三越伊勢丹アプリ」「三越伊勢丹リモートショッピング」等のデジタルインフラを活用して行ってまいりました。中でも、両本店が開催したアプリ会員や外商顧客向けの限定催事の反響は大きく、計画以上の来場客数と売上を作りました。また支店・グループ店やサテライト店においても、ラグジュアリーブランドの限定販売会やお取り寄せ、リモート接客による販売を行い、グループ全体としてロイヤルティの高い顧客層の売上は堅調に推移いたしました。
また実店舗とオンラインを融合したシームレスな顧客体験価値を提供するためにデジタル改革を進めており、催事での「ネット予約、店頭受け取り」の開始や、「三越伊勢丹リモートショッピング」による販売などを進め顧客の利便性の向上に取組みました。
5月からは新たにエムアイカード以外での決済のお客さまにもポイント付与を開始し、利便性の向上によるデジタルID会員数の拡大を図りました。
オンラインの取組みは継続して強化を図っており、期間限定イベントや品揃えの拡大、EC購入の魅力の拡大を行い、EC売上は前年同期比で大きく伸長いたしました。また定期食品宅配の「ISETAN DOOR」は緊急事態宣言下での在宅時間拡大による内食へのニーズを掴み、好調に推移いたしました。
百貨店事業でのサステナビリティの取組みは、想像力を働かせ真摯に考えることから始めるという意味を込めて、「think good」の合言葉のもと活動しており、両本店・三越銀座店でキャンペーンを開催いたしました。具体例としては、「アップサイクル」をテーマにお取組先や社会活動をされている方々と、気候変動対策について発信するイベントや、環境に配慮した品揃えやサービスの提案をいたしました。
また、2020年10月に三越日本橋本店で開始した直営によるお客さまの不用品買取り・引き取りサービス「i'm green(アイム グリーン)」は、1年間でのお引き取り相談件数が増加し、この10月からは伊勢丹新宿本店にも常設窓口をオープンさせました。
専門館は、緊急事態宣言発出による休業および時短営業が影響し、テナント賃料の減収となり厳しい状況が続いております。そのような中でも、「高感度上質消費」の“拠点ネットワーク構築”に向けて、7月に大船駅前の商業施設「GRAND SHIP(グランシップ)」に、「FOOD & TIME ISETAN OFUNA」を横浜に続く2号店として出店しました。
このセグメントにおける売上高は166,473百万円(前年同四半期は305,153百万円)、営業損失は12,636百万円(前年同四半期は営業損失21,297百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は208,070百万円減少し、営業損失は43百万円増加しております。
② クレジット・金融・友の会業
クレジット・金融・友の会業におきましては、当社グループの持つシステムインフラや優良顧客を基盤にビジネス拡大を目指しております。
株式会社エムアイカードは、新型コロナウイルス感染拡大が減少に転じた9月後半より回復傾向が見られたものの、グループ百貨店の一部休業・時短営業による取扱高の減少や、外出自粛にともなうグループ外加盟店での利用減少により、厳しい状況が続きました。そのような中、販売費及び一般管理費について外部委託作業費の削減や、営業施策費の効率化を進め、営業利益は堅調に推移いたしました。
また、コロナ禍によりグループ百貨店におけるカード取扱高・カード会員数の拡大が見通しづらい中、外部利用の促進に向けた非接触型モバイル決済サービスの導入による会員利便性の向上や、新たな顧客層獲得のためのグループ外企業との提携カード発行を推進してまいりました。
このセグメントにおける売上高は14,486百万円(前年同四半期は15,055百万円)、営業利益は2,606百万円(前年同四半期は営業利益1,285百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は1,328百万円減少し、営業利益は251百万円減少しております。
③ 不動産業
不動産業におきましては、グループの保有する優良不動産を活用した収益性の高い事業機会創出に向けて、引き続き取組みを進めております。
株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、建装・デザイン事業、コンストラクションマネジメント事業において、大型商業施設やホテル・リゾート施設などの受注は堅調であるものの、コロナ禍で工事の延期などが発生した影響を受け、売上高は前年度に比べて減少いたしました。しかしながら、個人消費行動の変化により住宅リノベーション事業、インテリア家具事業の売上高は前年度に比べて大きく上回っております。
このセグメントにおける売上高は7,396百万円(前年同四半期は14,897百万円)、営業利益は2,494百万円(前年同四半期は営業利益2,997百万円)となりました。なお、不動産業セグメントにおいては収益認識会計基準等の適用による売上高及び営業利益への影響は軽微であります。
④ その他
その他の事業におきましては、「“連邦”戦略」のもと各社間の連携を活用し、新たな提供価値の創出と収益の最大化を目指しております。
旅行事業の株式会社三越伊勢丹ニッコウトラベルは、7~9月の緊急事態宣言発出が国内旅行事業に大きく影響し、宣言発出前と比べて売上高が半減するなど、厳しい経営環境がなお続いております。そのような中においても、新たに取組みを始めた富裕層向け個人手配旅行については、百貨店の外商基盤を活用した営業活動により確実な成果につながっております。また宣言解除後の秋以降の受注は前年同期を4割ほど上回る推移を見せており、ウィズコロナ時代の新しい旅行のあり方に期待感が出ています。
物流子会社の株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポートは、グループ内取引においてデジタル関連の荷受けは前年を上回るものの、店舗関連の荷受業務・館内搬送等は減少いたしました。グループ外向け事業については、クライアントの新規獲得と製造原価等の見直しを図ったことで、全体として売上総利益が改善し、営業利益は堅調に推移いたしました。
このセグメントにおける売上高は24,520百万円(前年同四半期は29,145百万円)、営業損失は313百万円(前年同四半期は営業損失723百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により売上高は1,665百万円減少し、営業損失への影響は軽微であります。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は1,155,661百万円となり、前連結会計年度末に比べ42,641百万円減少しました。これは主に、新型コロナウイルス感染症による売上高減少により受取手形及び売掛金が減少したことなどによるものです。
負債合計では662,713百万円となり、前連結会計年度末から27,314百万円減少しました。これは主に、売上高の減少に伴う仕入高の減少により支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
また、純資産は492,948百万円となり、前連結会計年度末から15,327百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したこと、収益認識会計基準等の適用により利益剰余金の期首残高が12,451百万円減少したことなどによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、4,881百万円の収入となり、前第2四半期連結累計期間に比べ、収入が21,600百万円増加しました。これは主に、売上高の増加及び収支構造改革推進による販売費及び一般管理費の削減等により税金等調整前四半期純損失が縮小したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,267百万円の支出となり、前第2四半期連結累計期間に比べ、支出が6,670百万円減少しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が減少したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,567百万円の支出となりました(前第2四半期連結累計期間は6,714百万円の収入)。これは主に、前第2四半期連結累計期間は、長期借入による資金調達があったことなどによるものです。
上記の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、10,255百万円減少し、92,542百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(6) 従業員数
①連結会社の状況
当第2四半期連結累計期間において、連結従業員数が1,631名減少し9,957名となりました。また、臨時雇用者数が623名減少し7,796名となりました。
これは当第2四半期連結会計期間において、株式譲渡により当社の連結子会社であったSWPホールディングス株式会社、株式会社ソシエ・ワールド及び台湾施舒雅美容世界股份有限公司を、連結の範囲から除外したこと等によるものであります。
②提出会社の状況
当第2四半期累計期間において、従業員数について重要な変更はありません。