四半期報告書-第13期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 10:55
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2020年4月1日~2020年9月30日)における業況は、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大により、内外経済が急減速し推移しました。国内個人消費につきましては、緊急事態宣言解除を機に感染症拡大防止と経済活動水準の引き上げの両立を図る中、新規感染者数は増減を繰り返し、持ち直しのペースは緩やかにとどまっています。GoToキャンペーンなどの大規模な経済対策が推進される一方、国境を越えた移動が厳しく制限されることにより、インバウンド需要の低迷が続いており、不透明な厳しい状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、お客さまや従業員の安心・安全を第一に考え、緊急事態宣言下において百貨店をはじめ各事業は一時的な営業自粛を余儀なくされました。営業再開後は安心・安全対策を徹底し、新しい生活様式下でお客さまのニーズにお応えするため、新しいコミュニケーションの在り方や新しい価値の提供を検討・実施してまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は335,701百万円(前年同四半期比41.8%減)、営業損失は17,812百万円(前年同四半期は営業利益13,886百万円)、経常損失は17,092百万円(前年同四半期は経常利益15,057百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は36,786百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益7,595百万円)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 百貨店業
百貨店業におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による4月の緊急事態宣言を受けて、4月、5月の約2ヶ月間、休業または時間短縮営業や部分営業、また、営業再開後も新規感染者数が増減を繰り返す中で国内消費は回復せず、訪日外国人の入国制限が続く中、インバウンドによる売上がほぼ消失し、売上高は大きく前年を下回って推移いたしました。
営業再開後は、全店においてお客さま・従業員の検温の徹底、マスクの着用、定期的な消毒を実施することで、「安心・安全」に関わる取組みを継続しております。店舗におきましては行動自粛の影響により、客数は前年を大きく下回って推移していますが、デジタルの活用を促進することで、ご来店いただかなくても店頭と同様のお買い物やサービスが受けられるよう、様々な取組みを行っております。例えば著名な書道家のリモート販売会で、顧客とアトリエと三越日本橋本店美術売場の3か所をつなぎ、ライブで書きあげて販売する、といった、自宅にいながら販売員と繋がるOne to Oneサービスや、ご来店前にオンライン予約することで、お待たせせずに接客が受けられるサービス等、シームレスな取組みを実施し、ご好評いただきました。また、店舗において、7月にスタートした三越伊勢丹独自の体型計測サービス「マッチパレット」により、3Dスキャンで全身を計測し、体型タイプを導きだす新たな接客方法を取り入れています。また、オンラインの取組みとして、EC事業の強化を図っており、食品宅配の「ISETAN DOOR」やオンライン化粧品サイト「meeco(ミーコ)」が計画を上回り推移しました。
このセグメントにおける売上高は305,153百万円(前年同四半期比43.1%減)、営業損失は21,297百万円(前年同四半期は営業利益6,802百万円)となりました。
② クレジット・金融・友の会業
クレジット・金融・友の会業におきましては、当社の持つシステムインフラや優良顧客を基盤にビジネス拡大を目指しております。
株式会社エムアイカードは、グループ百貨店の店舗臨時休業や営業再開後の消費低迷による取扱高減少や、緊急事態宣言を受けた外出自粛の影響で旅行・飲食分野のカード利用の大幅な減少により、売上高が大きく減少しましたが、直近ではGoToキャンペーンによる旅行・飲食分野における消費回復の兆しもあり、9月以降のカード利用額は改善しています。
このような状況の中、各種利用促進策の一部停止や、店舗臨時休業に伴う変動コストの減少、コスト削減の実施により、販売管理費は計画比、前年比とも削減いたしました。
このセグメントにおける売上高は15,055百万円(前年同四半期比24.3%減)、営業利益は1,285百万円(前年同四半期比51.3%減)となりました。
③ 不動産業
不動産業におきましては、グループの保有する国内外の優良不動産を活用した収益性のある事業機会の創出に向けた検討を進めております。
株式会社三越伊勢丹プロパティ・デザインは、商業施設事業において、新型コロナウイルス感染症の影響によるテナントへの賃料減免を行いました。建装事業や環境創造事業においては、前年に大型建装工事があり、その反動により前年を下回っておりますが、原価引き下げ交渉や販売管理費の削減により、営業利益は計画通り推移しました。
株式会社三越伊勢丹不動産は、賃貸家賃による安定収入により、概ね計画通り売上高、営業利益ともに推移しました。
このセグメントにおける売上高は14,897百万円(前年同四半期比10.9%減)、営業利益は2,997百万円(前年同四半期比2.6%減)となりました。
④ その他
その他の事業におきましては、お客さまのニーズにお応えする新たな価値提供を目指しておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響により、大変厳しい状況下にて推移いたしました。
旅行事業におきましては、株式会社三越伊勢丹ニッコウトラベルが4月の緊急事態宣言を受け、5月末まで事業所を臨時休業、すべてのツアーが催行中止となりました。6月より国内ツアーが規模を縮小して催行再開したものの、主力の海外ツアー催行の目途がたたず、厳しい経営環境が続いております。
美容事業は営業自粛により、売上高が大幅に減少しましたが、5月後半より順次営業再開し、客数が徐々に回復し、国内・海外(台湾)とも売上は回復傾向にあります。また、経営面では不採算店舗の統廃合や構造改革を進め、販売管理費の削減に努めております。
物流子会社の株式会社三越伊勢丹ビジネス・サポートは、グループ百貨店の店舗臨時休業の影響が響き、売上高は前年を下回ったものの、グループ外新規EC事業者の受注や百貨店のECの伸びにより計画を上回りました。
また、新規に連結子会社となりました株式会社三越伊勢丹イノベーションズにおいて株式の売却による収益が売上高に計上されております。
このセグメントにおける売上高は29,145百万円(前年同四半期比29.7%減)、営業損失は723百万円(前年同四半期は営業利益1,148百万円)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は1,166,391百万円となり、前連結会計年度末に比べ57,409百万円減少しました。これは主に、新型コロナウイルス感染症による売上高減少により、現金及び預金、受取手形及び売掛金が減少したことなどによるものです。
負債合計では656,259百万円となり、前連結会計年度末から17,379百万円減少しました。これは主に、現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少と同様、新型コロナウイルス感染症による仕入高の減少により、支払手形及び買掛金が減少したことなどによるものです。
また、純資産は510,131百万円となり、前連結会計年度末から40,030百万円減少しました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことなどによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,718百万円の支出となり、前第2四半期連結累計期間に比べ、支出が23,217百万円増加しました。これは主に、新型コロナウイルス感染症による大幅な売上高減少などにより、税金等調整前四半期純損失を計上したことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、17,937百万円の支出となり、前第2四半期連結累計期間に比べ、支出が1,383百万円減少しました。これは主に、株式会社三越伊勢丹が保有する不動産の売却収入を計上したことなどによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、6,714百万円の収入となり、前第2四半期連結累計期間に比べ、収入が7,741百万円減少しました。これは主に、新型コロナウイルス感染症による売上高減少などにより営業キャッシュ・フローが減少したものの、本年3月においてコマーシャル・ペーパーの追加発行により、前連結会計年度末までに300億円の資金調達を実施したことから、当第2四半期連結累計期間の資金調達額が抑制されたことなどによるものです。
上記の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ、28,501百万円減少し、48,157百万円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
会社の目指す方向性に変更はありませんが、新型コロナウイルス感染症によりもたらされた変化に対応してまいります。小売(百貨店)事業のビジネスモデル改革を計画通り進めていく一方で、ウィズコロナ、ポストコロナを見据えて「お客さまの行動変化」「新しい生活様式」「消費行動の変化」に対応するため、デジタルシフトをより加速させ三つの強化ポイントに取り組んでまいります。一つ目はEC事業のさらなる強化、二つ目はデジタルを活用したOne to Oneサービスの拡充、そして三つ目はオンラインとオフラインを自由に行き来するシームレス化の実現により、来店しなくても付加価値の高いお買い物体験ができたり、来店の際にはより短時間でお買い物ができるなど、より早く便利に安全にお買い物をお楽しみいただける顧客体験の提供です。
(5) 研究開発活動
該当事項はありません。
(6) 従業員数
該当事項はありません。