有価証券報告書-第100期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/24 15:46
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展や行動制限の緩和により経済活動は一時期持ち直しへ向かいましたが、新たな変異株による感染再拡大、資源や原材料価格の上昇等により依然として先行きは不透明な状況にあります。
当行が営業基盤とする千葉県経済におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた1年となりました。政府の各種経済対策等もあり景気は緩やかな回復基調が見られるものの、新型コロナウイルス感染症の収束は見通せず、さらにはウクライナ情勢など依然として下振れリスク要因は多く景気回復は不安定な状態が続いております。
このような金融経済環境のもと、当行は2019年4月にスタートさせた中期経営計画「コンサルティング考動プロジェクト2022 ~より近く。より深く。ともに未来へ。~」が最終年度を迎え、この計画達成に向けて、真のパートナーとして、地元お取引先を応援し、ともに地域経済を支え、未来に向けて成長を持続していくためのコンサルティング考動に、全行一丸で取り組んでまいりました。またコロナ禍におけるお取引先支援として、資金繰り支援のみならず、「ウィズコロナ」時代におけるビジネスモデルの変革、IT化への取組み等、多岐にわたる経営課題についてのソリューション展開や、事業継続のための各種コンサルティング営業に積極的に取り組みました。
その結果、当連結会計年度の当行グループの財政状態及び経営成績は、次のとおりとなりました。
財政状態につきましては、総資産は、2021年3月末比3,222億円増加して3兆5,705億円となりました。また、純資産は、2021年3月末比70億円減少して1,754億円となりました。なお、主要勘定の残高は次のとおりです。預金は、個人預金の増加等により、2021年3月末比344億円増加して2兆8,033億円となりました。貸出金は、コンサルティング営業活動による資金需要の掘り起こしや、お取引先の資金ニーズに対して積極的に取り組んだ結果、2021年3月末比94億円増加して2兆3,047億円となりました。また、有価証券は、ポートフォリオの改善を図るためその他の証券等の売却を行ったことから、2021年3月末比89億円減少して5,199億円となりました。
経営成績につきましては、経常収益は、資金運用収益、役務取引等収益が増加し、前連結会計年度比12億62百万円増加して512億48百万円となりました。経常費用は、効率化による経費の削減効果により、前連結会計年度比5億18百万円減少して422億43百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度比17億80百万円増加して90億5百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比16億21百万円増加して63億85百万円となりました。
セグメントごとの経営成績につきましては、銀行業の経常収益は前連結会計年度比24億4百万円増加して428億80百万円、セグメント利益は前連結会計年度比15億円増加して81億45百万円となりました。リース業の経常収益は前連結会計年度比11億15百万円減少して77億70百万円、セグメント利益は前連結会計年度比35百万円減少して1億18百万円となりました。信用保証・クレジットカード業の経常収益は前連結会計年度比99百万円増加して20億50百万円、セグメント利益は前連結会計年度比2億40百万円増加して12億12百万円となりました。また、その他の事業の経常収益は前連結会計年度比5億43百万円減少して14億68百万円、セグメント利益は前連結会計年度比9百万円減少して70百万円となりました。
イ.国内業務部門・国際業務部門別収支
当連結会計年度の資金運用収支は、国内業務部門で278億円、国際業務部門で6億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で279億円となりました。
役務取引等収支は、国内業務部門で79億円、国際業務部門で0.5億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で79億円となりました。
その他業務収支は、国内業務部門で△8億円、国際業務部門で0.1億円となり、合計で△8億円となりました。
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
資金運用収支前連結会計年度26,68263355126,764
当連結会計年度27,80267355027,926
うち資金運用収益前連結会計年度27,05772757827,205
当連結会計年度28,17569257428,294
うち資金調達費用前連結会計年度3749427441
当連結会計年度3731824367
役務取引等収支前連結会計年度6,96243736,932
当連結会計年度7,94058717,927
うち役務取引等収益前連結会計年度11,5248577610,833
当連結会計年度12,39611272711,781
うち役務取引等費用前連結会計年度4,562417033,901
当連結会計年度4,456546563,854
その他業務収支前連結会計年度△141153-11
当連結会計年度△82913-△816
うちその他業務収益前連結会計年度382153-535
当連結会計年度391138-529
うちその他業務費用前連結会計年度524--524
当連結会計年度1,220125-1,345

(注)1.国内業務部門は当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.相殺消去については、当行と連結子会社及び連結子会社間の内部取引を相殺消去しております。また資金運用収益及び資金調達費用の相殺消去額には、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息を含めております。
ロ.国内業務部門・国際業務部門別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、貸出金及び有価証券を中心として、国内業務部門で3兆4,690億円、国際業務部門で516億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で3兆4,621億円となりました。資金運用勘定の利息は、国内業務部門で281億円、国際業務部門で6億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で282億円となりました。この結果、資金運用勘定の利回りは、国内業務部門で0.81%、国際業務部門で1.33%、内部取引による相殺消去後の合計で0.81%となりました。
資金調達勘定の平均残高は、預金取引を中心として、国内業務部門で3兆4,106億円、国際業務部門で526億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で3兆4,047億円となりました。資金調達勘定の利息は、国内業務部門で3億円、国際業務部門で0.1億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で3億円となりました。この結果、資金調達勘定の利回りは、国内業務部門で0.01%、国際業務部門で0.03%、内部取引による相殺消去後の合計で0.01%となりました。
国内業務部門、国際業務部門別には、次に記載しているとおりであります。
(ⅰ)国内業務部門
種類期別平均残高利息利回り
金額(百万円)金額(百万円)(%)
資金運用勘定前連結会計年度2,984,52327,0570.90
当連結会計年度3,469,01828,1750.81
うち貸出金前連結会計年度2,233,97421,7620.97
当連結会計年度2,322,48222,0740.95
うち商品有価証券前連結会計年度12200.67
当連結会計年度14500.62
うち有価証券前連結会計年度439,9985,0081.13
当連結会計年度458,8445,2141.13
うちコールローン及び買入手形前連結会計年度13,326△1△0.00
当連結会計年度35,126△1△0.00
うち預け金前連結会計年度254,8761560.06
当連結会計年度609,2907640.12
資金調達勘定前連結会計年度2,915,7113740.01
当連結会計年度3,410,6193730.01
うち預金前連結会計年度2,722,8872550.00
当連結会計年度2,850,7662690.00
うち譲渡性預金前連結会計年度73,38440.00
当連結会計年度115,96420.00
うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度16,360△3△0.02
当連結会計年度143,317△9△0.00
うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度11,61810.00
当連結会計年度18,99310.00
うち借用金前連結会計年度91,3761150.12
当連結会計年度281,4041060.03

(注)1.平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の期首と期末の残高に基づく平均残高を利用しております。
2.「国内業務部門」とは、当行及び連結子会社の円貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
3.資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
(ⅱ)国際業務部門
種類期別平均残高利息利回り
金額(百万円)金額(百万円)(%)
資金運用勘定前連結会計年度62,3767271.16
当連結会計年度51,6956921.33
うち貸出金前連結会計年度3,800381.01
当連結会計年度60940.69
うち商品有価証券前連結会計年度---
当連結会計年度---
うち有価証券前連結会計年度54,8626651.21
当連結会計年度46,9826561.39
うちコールローン及び買入手形前連結会計年度22200.22
当連結会計年度44100.18
うち預け金前連結会計年度---
当連結会計年度---
資金調達勘定前連結会計年度63,097940.14
当連結会計年度52,690180.03
うち預金前連結会計年度7,91120.03
当連結会計年度6,66910.02
うち譲渡性預金前連結会計年度---
当連結会計年度---
うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度2,571170.69
当連結会計年度30800.29
うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度4,450250.57
当連結会計年度2,47770.30
うち借用金前連結会計年度6,027390.65
当連結会計年度19200.25

(注)1.平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
2.「国際業務部門」とは、当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
3.資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
(ⅲ)合計
種類期別平均残高(百万円)利息(百万円)利回り
(%)
小計相殺消去
額(△)
合計小計相殺消去
額(△)
合計
資金運用勘定前連結会計年度3,046,90057,6732,989,22727,78457827,2050.91
当連結会計年度3,520,71358,6123,462,10028,86857428,2940.81
うち貸出金前連結会計年度2,237,7743,1902,234,58321,8011721,7830.97
当連結会計年度2,323,0922,7552,320,33722,0791522,0630.95
うち商品有価証券前連結会計年度122-1220-00.67
当連結会計年度145-1450-00.62
うち有価証券前連結会計年度494,860752494,1085,6735515,1221.03
当連結会計年度505,827742505,0855,8715505,3211.05
うちコールローン及び買入手形前連結会計年度13,548-13,548△0-△0△0.00
当連結会計年度35,568-35,568△0-△0△0.00
うち預け金前連結会計年度254,87611,645243,23115601550.06
当連結会計年度609,29012,149597,14076407640.12
資金調達勘定前連結会計年度2,978,80857,7152,921,092469274410.01
当連結会計年度3,463,30958,6053,404,704392243670.01
うち預金前連結会計年度2,730,79912,4392,718,36025802570.00
当連結会計年度2,857,43512,8842,844,55027102700.00
うち譲渡性預金前連結会計年度73,384-73,3844-40.00
当連結会計年度115,964-115,9642-20.00
うちコールマネー及び売渡手形前連結会計年度18,932-18,93214-140.07
当連結会計年度143,625-143,625△8-△8△0.00
うち債券貸借取引受入担保金前連結会計年度16,068-16,06826-260.16
当連結会計年度21,470-21,4709-90.04
うち借用金前連結会計年度97,4043,19094,213154171360.14
当連結会計年度281,5972,755278,84210715910.03

(注)1.相殺消去については、当行と連結子会社及び連結子会社間の内部取引を相殺消去しております。また資金運用勘定及び資金調達勘定の相殺消去額には、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息を含めております。
2.資金運用勘定は、無利息預け金の平均残高を控除して表示しております。
ハ.国内業務部門・国際業務部門別役務取引の状況
当連結会計年度の役務取引等収益は、国内業務部門で123億円、国際業務部門で1億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で117億円となりました。
一方、役務取引等費用は、国内業務部門で44億円、国際業務部門で0.5億円となり、内部取引による相殺消去後の合計で38億円となりました。
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
役務取引等収益前連結会計年度11,5248577610,833
当連結会計年度12,39611272711,781
うち預金・貸出業務前連結会計年度2,785-32,782
当連結会計年度3,253-33,249
うち為替業務前連結会計年度1,5217901,599
当連結会計年度1,36410501,469
うち証券関連業務前連結会計年度274--274
当連結会計年度223--223
うち代理業務前連結会計年度1,272--1,272
当連結会計年度1,180--1,180
うち保護預り・貸金庫業務前連結会計年度182-0182
当連結会計年度171-0171
うち保証業務前連結会計年度1,5323703832
当連結会計年度1,4924656839
役務取引等費用前連結会計年度4,562417033,901
当連結会計年度4,456546563,854
うち為替業務前連結会計年度30519-325
当連結会計年度21624-241

(注)1.国内業務部門は当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.相殺消去については、当行と連結子会社及び連結子会社間の内部取引を相殺消去しております。
ニ.国内業務部門・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
預金合計前連結会計年度2,774,0327,63212,7692,768,896
当連結会計年度2,810,5156,26313,4432,803,335
うち流動性預金前連結会計年度1,827,037-4,6691,822,368
当連結会計年度1,904,841-5,0431,899,798
うち定期性預金前連結会計年度941,191-8,100933,091
当連結会計年度899,942-8,400891,542
うちその他前連結会計年度5,8037,632-13,436
当連結会計年度5,7316,263-11,994
譲渡性預金前連結会計年度108,500--108,500
当連結会計年度129,700--129,700
総合計前連結会計年度2,882,5327,63212,7692,877,396
当連結会計年度2,940,2156,26313,4432,933,035

(注)1.国内業務部門は当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引等は国際業務部門に含めております。
2.預金の区分は次のとおりであります。
流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
定期性預金=定期預金+定期積金
3.相殺消去については、当行と連結子会社の内部取引は相殺消去しております。
ホ.貸出金残高の状況
(ⅰ)業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)
国内(除く特別国際金融取引勘定分)2,295,318100.002,304,777100.00
製造業147,3936.42141,9056.16
農業,林業6,0800.275,4750.24
漁業7870.031,1590.05
鉱業,採石業,砂利採取業3,0710.132,6390.11
建設業117,9275.14118,7095.15
電気・ガス・熱供給・水道業9,4760.4111,7880.51
情報通信業7,4900.336,3640.28
運輸業,郵便業68,7953.0064,9672.82
卸売業,小売業185,4728.08176,8507.67
金融業,保険業73,3063.1982,2893.57
不動産業,物品賃貸業556,94924.26561,69424.37
各種サービス業217,2789.47217,5369.44
地方公共団体41,3191.8040,3951.75
その他859,96837.47872,99937.88
特別国際金融取引勘定分----
政府等----
金融機関----
その他----
合計2,295,318――2,304,777――

(注)1.「国内」とは当行及び連結子会社であります。
2.当行と連結子会社との間の内部取引は相殺消去しております。
(ⅱ)外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
ヘ.国内業務部門・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
種類期別国内業務部門国際業務部門相殺消去額(△)合計
金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)金額(百万円)
国債前連結会計年度30,007--30,007
当連結会計年度40,502--40,502
地方債前連結会計年度120,584--120,584
当連結会計年度133,583--133,583
社債前連結会計年度144,033--144,033
当連結会計年度137,110--137,110
株式前連結会計年度38,901-75238,149
当連結会計年度40,301-74239,559
その他の証券前連結会計年度142,01754,052-196,069
当連結会計年度124,65544,511-169,167
合計前連結会計年度475,54354,052752528,844
当連結会計年度476,15344,511742519,922

(注)1.国内業務部門は当行及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当行の外貨建取引であります。
2.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
3.相殺消去については、当行と連結子会社及び連結子会社間の内部取引を相殺消去しております。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。また、オペレーショナル・リスク相当額に係る額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
2022年3月31日
1.連結自己資本比率(2/3)8.58
2.連結における自己資本の額1,583
3.リスク・アセットの額18,442
4.連結総所要自己資本額737

単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
2022年3月31日
1.自己資本比率(2/3)8.37
2.単体における自己資本の額1,525
3.リスク・アセットの額18,214
4.単体総所要自己資本額728

(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分2021年3月31日2022年3月31日
金額(億円)金額(億円)
破産更生債権及びこれらに準ずる債権5345
危険債権287309
要管理債権3233
正常債権23,02923,093

② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益81億円、貸出金の増加94億円、預金の増加344億円、借用金の増加2,784億円等により、営業活動によるキャッシュ・フローは3,339億円(前連結会計年度比778億円増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有価証券の売却・償還による収入977億円、有価証券の取得による支出937億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは23億円(前連結会計年度比303億円増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
株式の発行による収入59億円、自己株式の取得による支出143億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは△98億円(前連結会計年度比86億円減少)となりました。
この結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は6,854億円(前連結会計年度比3,263億円増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
① 財政状態の分析
イ.貸出金
貸出金残高は、コロナ禍における地域のお客さまの資金ニーズに積極的にお応えしてまいりました結果、2021年3月末比94億円増加して2兆3,047億円となりました。
ロ.有価証券
有価証券残高は、国債や地方債など円建て債券を積み増しした一方、ポートフォリオの改善を図るためその他の証券等の売却を行った結果、2021年3月末比89億円減少して5,199億円となりました。
ハ.預金
預金残高は、コロナ禍における消費マインドの低下や、先行きの不安に対する支出の抑制などの影響により、個人預金が増加し、2021年3月末比344億円増加して2兆8,033億円となりました。
ニ.純資産の部
純資産の部合計は、2021年3月末比70億円減少して1,754億円となりました。
ホ.連結自己資本比率(国内基準)
自己資本の額は、2021年3月末比14億円減少して1,583億円となりました。リスク・アセットの額は、2021年3月末比371億円減少して1兆8,442億円となりました。
以上の結果、連結自己資本比率(国内基準)は、2021年3月末比0.09ポイント上昇して8.58%となりました。
2021年3月31日
(%)(A)
2022年3月31日
(%)(B)
増減(%)
(B)-(A)
連結自己資本比率(国内基準)8.498.580.09

② 経営成績の分析
前連結会計年度
(百万円)(A)
当連結会計年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
資金運用収支26,76427,9261,162
資金運用収益27,20528,2941,089
資金調達費用(△)441367△74
役務取引等収支6,9327,927995
役務取引等収益10,83311,781948
役務取引等費用(△)3,9013,854△47
その他業務収支11△816△827
その他業務収益535529△6
その他業務費用(△)5241,345821
連結業務粗利益(=①+②+③)33,70735,0371,330
営業経費(△)25,74325,353△390
その他経常収支△739△67861
うち株式等関係損益7531,391638
うち貸倒償却引当費用(△)2,1921,970△222
その他経常収益11,41110,643△768
その他経常費用(△)12,15111,321△830
経常利益(=④-⑤+⑥)7,2249,0051,781
特別損益△129△842△713
特別利益---
特別損失(△)129842713
税金等調整前当期純利益(=⑦+⑧)7,0958,1621,067
法人税等合計(△)2,1881,645△543
当期純利益(=⑨-⑩)4,9076,5171,610
非支配株主に帰属する当期純利益(△)143132△11
親会社株主に帰属する当期純利益
(=⑪-⑫)
4,7636,3851,622

イ.主な収支
資金運用収支は、貸出金利息や有価証券利息配当金などが増えたことから、前連結会計年度比11億円増加して279億円となりました。
役務取引等収支は、コンサルティング活動に伴う預り資産販売手数料や法人関係手数料が好調に推移し、前連結会計年度比9億円増加して79億円となりました。
その他業務収支は、国債等債券償還損などの計上により、前連結会計年度比8億円減少して△8億円となりました。
以上の結果、連結業務粗利益は、前連結会計年度比13億円増加して350億円となりました。
ロ.経常利益
営業経費は、事務委託費等のコスト削減の取組みにより物件費が減少し、前連結会計年度比3億円減少して253億円となりました。
株式等関係損益は、前連結会計年度比6億円増加して13億円となりました。
貸倒償却引当費用は、適正な金額を一般貸倒引当金繰入額と個別貸倒引当金繰入額に計上した結果、前連結会計年度比2億円減少して19億円となりました。
以上の結果、経常利益は前連結会計年度比17億円増加して90億円となりました。
ハ.親会社株主に帰属する当期純利益
店舗の統廃合に伴い特別損失を計上した結果、特別損益は前連結会計年度比7億円減少した一方、法人税等合計が過去に有税で処理した取引の無税化に伴い前連結会計年度比5億円減少したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比16億円増加して63億円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
イ.不良債権処理
適正な金額を一般貸倒引当金繰入額及び個別貸倒引当金繰入額に計上した結果、貸倒償却引当費用は前連結会計年度比2億円減少して19億円となりました。
前連結会計年度
(百万円)(A)
当連結会計年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
不良債権処理額1,7651,075△690
貸出金償却308601293
個別貸倒引当金繰入額1,456473△983
一般貸倒引当金繰入額427894467
貸倒引当金戻入益---
貸倒償却引当費用(=①+②-③)2,1921,970△222

前記「2 事業等のリスク」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染拡大を受けた様々な国民生活・経済活動の自粛・時短等により、当行の個人・法人のお客さまや千葉県内の多くの中小企業が、直接的並びに間接的に影響を受けております。このような局面において、当行は地域金融機関として、資金繰り等お客さまの事業継続等を支える様々なサポートを行ってまいります。お取引先の支援を行うなかで、個々の貸出先の状況を適切に把握し、適時適切に対応することで、不良債権への影響を極小化するよう努めてまいります。
ロ.株式等関係損益
株式等関係損益は、前連結会計年度比6億円増加して13億円となりました。
前連結会計年度
(百万円)(A)
当連結会計年度
(百万円)(B)
増減(百万円)
(B)-(A)
株式等関係損益7531,391638
売却益1,1641,560396
売却損264117△147
償却14652△94

④ セグメントごとの経営成績の分析
当行グループの大宗を占める銀行業につきましては、貸出金利息や有価証券利息配当金が増加したこと等から資金利益は増加しました。また、法人関連手数料や投資信託等預り資産関連手数料が好調に推移し役務取引等利益も増加しております。資金利益・役務取引等利益の増加に加え、経費の削減や株式等関係損益などの増加により臨時損益が改善したこと等から、銀行業の経常利益は、前連結会計年度末比15億円増加の81億円となりました。
リース業の経常利益は、前連結会計年度比0.3億円減少して1億円となりました。
信用保証・クレジットカード業の経常利益は、前連結会計年度比2億円増加して12億円となりました。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当行グループは、銀行業を中心とした事業を行っておりますので、預金を資本の財源とし、主に貸出金や有価証券で運用しております。
今後、貸出金等業容の拡大に対応するための更なる自己資本充実と長期的な財務基盤の強化を図ることが当行企業価値向上に資すると考え、内部留保の蓄積とともに、普通株式の権利希薄化に最大限配慮をする方式での資本政策を展開してまいります。
設備投資等の資本的支出につきましては、自己資金で対応しております。
また、当行は、ALM委員会を通して、経営環境、資金繰り状況、流動性確保状況等を勘案した、適切な資金管理を行っております。
なお、当連結会計年度における当行グループの資金状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、経営成績等に影響を与える会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(貸倒引当金の計上)
「第5 経理の状況」のうち、「1 連結財務諸表等」の「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおり、当行の貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。
破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者(以下「破綻先」という。)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(以下「実質破綻先」という。)に係る債権については、以下のなお書きに記載されている直接減額後の帳簿価額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額を計上しております。また、現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者(以下「破綻懸念先」という。)に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上しております。
破綻懸念先及び今後の管理に注意を要する債務者で債権額から担保の処分可能見込額及び保証による回収可能見込額を控除した残額が一定額以上の債務者に対する債権のうち、債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、当該キャッシュ・フローを当初の約定利子率で割引いた金額と債権の帳簿価額との差額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー見積法(DCF法))により計上しております。
上記以外の債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、1年間又は3年間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、これに将来見込み等必要な修正を加えて算定しております。
すべての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が資産査定を実施し、当該部署から独立した資産監査部署が査定結果を監査しております。
なお、破綻先及び実質破綻先に対する担保・保証付債権等については、債権額から担保の評価額及び保証による回収が可能と認められる額を控除した残額を取立不能見込額として債権額から直接減額しております。
連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。
このように、貸倒引当金の計上額には、債務者区分の判定、担保の評価額及び保証による回収可能見込額等が大きく関わっております。前記「2 事業等のリスク」の「(1)① 信用リスク」に記載のとおり、これらの要素には、担保不動産価値の下落、不動産市場の流動性の欠如、及び有価証券価格の下落等が影響します。また、当行は、千葉県を主要な営業基盤としていることから、国内景気動向の他、千葉県経済情勢の想定以上の悪化や同県を中心とした大規模災害等が発生した場合、また、新型コロナウイルス感染拡大による取引先の業況悪化も影響します。
これらの変動により、貸倒引当金の積増し、与信関係費用のさらなる計上等の追加的損失が発生する可能性があります。
なお、連結財務諸表に与える影響につきましては、「第5 経理の状況」のうち、「1 連結財務諸表等」の「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
⑦ 経営方針等に照らした、経営者による経営成績等の分析・検討内容
中期経営計画(2019年4月~2022年3月)にて掲げた目標とする経営指標に対する2022年3月期の達成状況は以下のとおりとなりました。
目標とする経営指標(2022年3月期)
項目指標2022年3月期実績
預金残高27,000億円28,167億円
貸出金残高23,000億円23,065億円
当期純利益60億円62億円
普通株ROE(*1)4.5%5.0%

(*1)優先配当控除後当期純利益/優先株控除後純資産平残
2022年4月からは「幸せデザイン 絆プロジェクト 2025 ~ CKBコミュニティ確立に向けて 1stステージ ~」のもと、以下の指標を目標とし、各種施策に取り組んでまいります。
目標とする経営指標(2025年3月期)
目標とする指標算出方法目標数値
当期純利益単年度純利益額67億円
コアOHR経費/業務粗利益(除く国債等債券関係損益)69%
ROE当期純利益/(純資産の部合計平残-新株予約権平残)4%
自己資本比率自己資本/リスクアセット8%台半ば
優先株式発行比率発行済優先株式残高/自己資本30%