四半期報告書-第109期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/09 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、個人消費、生産、輸出においては持ち直しの動きがみられるものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、企業収益は大幅な減少が続いており、設備投資や雇用が弱含むなど、依然として厳しい状況となりました。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、2021年1月7日および13日に11都府県を対象とする緊急事態宣言が発出されており、先行きを注視する必要があります。
このような環境のなか、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は前年同期比1,725億円(13.3%)の増収、営業利益は58億円(△3.5%)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は34億円(△3.3%)の減益となりました。なお、営業利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は通期予想の82%超となりました。
同期間においては、第1四半期は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた商業施設、ホテル・リゾート施設、個人向け仲介(リハウス)店舗の休館休店等により、収益・利益は大きく減少しました。第2四半期以降は、商業、ホテル・リゾート、リハウス、リパークなど各事業の収益回復、既存オフィスにおける賃貸収益の継続拡大、国内住宅分譲の好調な販売と順調な引渡しに加え、第3四半期においては投資家への物件売却が大幅(※1)に伸長しました。
※1 名古屋三井ビルディング(本館・新館)、大崎ブライトタワー、MFLP茨木、MFLP川口Ⅰ等
(注)本報告書の売上高は消費税等抜きで表示しております。
報告セグメントの業績は、次のとおりです。
また、各セグメントの売上高は外部顧客に対する売上高を記載しており、特に記載のない場合、単位は百万円となっております。
① 賃貸
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
売上高459,922475,657△15,734
営業利益96,468118,038△21,569

オフィスは、第1四半期以降、既存オフィスの賃貸収益が継続して伸長しました。商業施設は、第1四半期において新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた施設の休館等により収益・利益は大きく減少しました。第2四半期から第3四半期においては、既存商業施設の収益回復や新規開業物件の貢献等により収益・利益は回復しました。これらにより、当第3四半期(累計)では、セグメント全体で157億円の減収、215億円の減益となりました。
なお、当第3四半期末における当社の首都圏オフィス空室率(単体)は3.5%となりました。
<売上高の内訳>
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
オフィス274,805268,4836,322
商業施設151,817181,647△29,830
その他33,29925,5267,773
合計459,922475,657△15,734

・貸付面積の状況(単位:千㎡)
当第3四半期末前第3四半期末増減
(2020.12.31)(2019.12.31)
オフィス 所有2,1622,08775
転貸1,2431,16875
商業施設 所有1,8691,639230
転貸55053119

・期末空室率推移(%)
2020/122020/32019/32018/32017/32016/3
オフィス・商業施設(連結)2.72.31.82.43.12.2
首都圏オフィス(単体)3.51.91.72.23.42.6
地方オフィス(単体)3.21.31.82.32.33.1

<当第3四半期(累計)における主要な新規・通期稼働物件>・新規稼働物件(当期稼働物件)
文京ガーデン ゲートタワー東京都文京区2020年4月竣工オフィス
三井アウトレットパーク横浜ベイサイド神奈川県横浜市2020年6月開業商業施設
RAYARD MIYASHITA PARK東京都渋谷区2020年7月開業商業施設
ららぽーと愛知東郷愛知県愛知郡2020年9月開業商業施設
RAYARD Hisaya-odori Park愛知県名古屋市2020年9月開業商業施設

・通期稼働物件(前期稼働物件)
ららぽーと沼津静岡県沼津市2019年10月開業商業施設
Otemachi One タワー東京都千代田区2020年2月竣工オフィス
豊洲ベイサイドクロスタワー東京都江東区2020年3月竣工オフィス

<単体の賃貸事業内訳>・全体
当第3四半期(累計)前第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)(2019.4.1~12.31)
売上高404,966434,773
粗利益57,37379,461
粗利益率(%)14.218.3

・オフィス・商業施設
オフィス商業施設
首都圏地方合計首都圏地方合計
売上高220,39916,644237,04499,69546,378146,074
貸付面積(千㎡)2,6293182,9471,4857912,277
棟数(棟)11327140722799
空室率(%)3.53.23.51.51.11.3

② 分譲
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
売上高526,423284,151242,271
営業利益97,73543,73653,998

第1四半期以降の国内住宅分譲の好調な販売や順調な引渡しに加え、第3四半期は投資家向けの物件売却が大幅に進捗しました。その結果、当第3四半期(累計)では、セグメント全体で2,422億円の増収、539億円の増益となりました。
なお、国内の新築マンション分譲の当期計上予定戸数3,800戸に対する当第3四半期末の契約進捗率は97%(前年同期100%)となりました。
<売上高・営業利益の内訳>
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
国内住宅分譲
売上高249,508193,53255,976
営業利益31,77122,5349,236
投資家向け・海外住宅分譲等
売上高276,91490,618186,295
営業利益65,96321,20144,762
売上高合計526,423284,151242,271
営業利益合計97,73543,73653,998

<国内住宅分譲内訳>・売上高等の内訳
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
マンション226,120(2,969戸)171,395(2,285戸)54,725(684戸)
首都圏204,318(2,464戸)149,935(1,795戸)54,382(669戸)
その他21,802(505戸)21,459(490戸)342(15戸)
戸建23,387(351戸)22,137(323戸)1,250(28戸)
首都圏22,346(333戸)21,494(310戸)852(23戸)
その他1,041(18戸)643(13戸)398(5戸)
売上高合計249,508(3,320戸)193,532(2,608戸)55,976(712戸)

・契約状況
マンション戸建合計
期首契約済み(戸) (A)3,673643,737
期中契約(戸) (B)2,0824362,518
計上戸数(戸) (C)2,9693513,320
期末契約済み(戸) (A)+(B)-(C)2,7861492,935
完成在庫(戸)15136187
新規発売(戸)2,0734162,489

(注)契約済み戸数、新規発売戸数には、次期以降に計上が予定されている戸数も含まれております。
・期末完成在庫推移(戸)
2020/122020/32019/32018/32017/32016/3
マンション15112814110832188
戸建3658304069127
合計187186171148390215

・当第3四半期(累計)における主要な計上物件(国内住宅分譲)
ザ・タワー横浜北仲神奈川県横浜市マンション
パークシティ武蔵小山 ザ タワー東京都品川区マンション
THE COURT 神宮外苑東京都渋谷区マンション
Kosugi 3rd Avenue The Residence神奈川県川崎市マンション
ファインコート稲毛海岸美浜の杜千葉県千葉市戸建

・当第3四半期(累計)における主要な計上物件(投資家向け・海外住宅分譲)
新橋M-SQUARE Bright東京都港区オフィス
名古屋三井ビルディング(本館・新館)愛知県名古屋市オフィス
大崎ブライトタワー東京都品川区オフィス
MFLP堺大阪府堺市物流施設
MFLP茨木大阪府茨木市物流施設
MFLP川口Ⅰ埼玉県川口市物流施設
パークアクシス東陽町・親水公園東京都江東区賃貸住宅

③ マネジメント
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
売上高294,729312,978△18,248
営業利益25,19141,429△16,238

第1四半期は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けたリハウス(個人向け仲介)店舗の休店や外出自粛によるリパーク(貸し駐車場)の稼働低下等により収益・利益は大きく減少しました。第2四半期から第3四半期にかけてはリハウスの取扱件数の増加やリパークの稼働回復等により収益・利益は改善しました。その結果、当第3四半期(累計)では、セグメント全体で182億円の減収、162億円の減益となりました。
<売上高・営業利益の内訳>
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
プロパティマネジメント
売上高(※2)228,505234,738△6,233
営業利益14,35324,793△10,439
仲介・アセットマネジメント等
売上高66,22478,239△12,014
営業利益10,83716,636△5,798
売上高合計294,729312,978△18,248
営業利益合計25,19141,429△16,238

※2 当第3四半期末のリパーク(貸し駐車場)管理台数の状況
リパーク管理台数:274,868台(前年同期末:264,301台)
・三井不動産リアルティの仲介事業の状況(仲介・アセットマネジメント等に含む)
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
取扱高件数取扱高件数取扱高件数
仲介1,084,549(27,519件)1,264,437(31,956件)△179,887(△4,437件)

・三井不動産レジデンシャルの販売受託事業の状況(仲介・アセットマネジメント等に含む)
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
取扱高件数取扱高件数取扱高件数
販売受託74,049(851件)48,567(634件)25,482(217件)

④ その他
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
売上高186,959222,674△35,715
営業利益△20,887395△21,282

主に施設営業において、第1四半期は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けたホテル・リゾート施設の休館等により収益・利益は大きく減少しました。第2四半期から第3四半期にかけてはGoToキャンペーン効果による稼働回復がみられたものの、当第3四半期(累計)では、セグメント全体で357億円の減収、212億円の減益となりました。
<売上高の内訳>
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
新築請負96,935102,972△6,037
施設営業25,93853,876△27,938
その他64,08565,824△1,739
合計186,959222,674△35,715

・受注工事高内訳
当第3四半期(累計)
(2020.4.1~12.31)
前第3四半期(累計)
(2019.4.1~12.31)
増減
新築請負89,691101,091△11,399


<当第3四半期(累計)における主要な新規・通期稼働物件>・新規稼働物件(当期稼動物件)
三井ガーデンホテル福岡中洲福岡県福岡市2020年7月開業ホテル
sequence MIYASHITA PARK東京都渋谷区2020年8月開業ホテル
sequence KYOTO GOJO京都府京都市2020年8月開業ホテル
三井ガーデンホテル豊洲ベイサイドクロス東京都江東区2020年8月開業ホテル
MGH Mitsui Garden Hotel 台北忠孝台湾台北市2020年8月開業ホテル
フォーシーズンズホテル東京大手町東京都千代田区2020年9月開業ホテル
三井ガーデンホテル京都河原町浄教寺京都府京都市2020年9月開業ホテル
HOTEL THE MITSUI KYOTO京都府京都市2020年11月開業ホテル
sequence SUIDOBASHI東京都千代田区2020年11月開業ホテル

・通期稼働物件(前期稼動物件)
三井ガーデンホテル福岡祇園福岡県福岡市2019年6月開業ホテル
ハレクラニ沖縄沖縄県国頭郡2019年7月開業ホテル
三井ガーデンホテル京都駅前京都府京都市2019年8月開業ホテル
三井ガーデンホテル銀座五丁目東京都中央区2019年9月開業ホテル
三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア東京都新宿区2019年11月開業ホテル
三井ガーデンホテル六本木プレミア東京都港区2020年1月開業ホテル
三井ガーデンホテル札幌ウエスト北海道札幌市2020年2月開業ホテル

(2)財政状態の状況
①資産
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、7兆5,964億円となり、前期末比で2,010億円増加しました。
主な増減としては、時価評価等により投資有価証券が1,149億円増加し、新規投資等により有形及び無形固定資産が521億円増加しました。
②負債
当第3四半期連結会計期間末の有利子負債(短期借入金、ノンリコース短期借入金、コマーシャル・ペーパー、1年内償還予定の社債、ノンリコース1年内償還予定の社債、社債、ノンリコース社債、長期借入金、ノンリコース長期借入金の合計額)は、3兆7,194億円となり、前期末比で2,383億円増加しました。
なお、当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、5兆236億円となり、前期末比で1,148億円増加しました。
③純資産
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、2兆5,727億円となり、前期末比で862億円の増加となりました。
これは、利益剰余金が730億円増加したこと等によります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ11億円減少し、1,783億円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>当第3四半期連結累計期間は、営業活動により205億円のキャッシュ・インとなりました。これは、販売用不動産の取得による支出等のキャッシュ・アウトに対し、税金等調整前四半期純利益1,430億円や減価償却費719億円等のキャッシュ・インが上回ったことによります。前年同期比では、販売用不動産の売却による収入が増加したこと等により、キャッシュ・インが1,158億円増加しております。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>当第3四半期連結累計期間は、投資活動により2,329億円のキャッシュ・アウトとなりました。これは、有形及び無形固定資産の取得等のキャッシュ・アウトによります。前年同期比では、有形及び無形固定資産の取得による支出が減少したこと等により、キャッシュ・アウトが1,618億円減少しております。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>当第3四半期連結累計期間は、財務活動により2,115億円のキャッシュ・インとなりました。これは、当第3四半期連結累計期間の営業活動および投資活動における資金需要に対し、コマーシャル・ペーパーの発行や借入金による調達を行ったこと等によります。前年同期比では、短期借入れによる収入が減少したこと等により、キャッシュ・インが2,811億円減少しております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につきましては、前事業年度の有価証券報告書からの重要な変更は
ありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、549百万円となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設の計画は、以下のとおりです。
セグメント
の名称
会社名名称(所在地)用途主たる構造及び規模工期投資予定額
(百万円)
総額既支払額
賃貸三南奥特莱斯
股份有限公司
(在外子会社)
(仮称)三井アウトレットパーク台南
(台湾台南市)
商業施設鉄筋コンクリート造、
地上4階
延床面積 約60,000㎡
2020.1~
2021.10
13,3522,400
三中東区啦啦寶都股份有限公司
(在外子会社)
(仮称)三井ショッピングパークららぽーと台中
(台湾台中市)
鉄筋コンクリート造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、地上7階、地下1階
延床面積 約197,000㎡
2020.6~
2022.8
32,4127,328
博多那珂6開発特定目的会社(仮称)福岡市青果市場
跡地活用事業
(福岡県福岡市)
鉄骨造、
地上7階、地下1階
延床面積 約206,000㎡
2020.11~
2022.3
37,90712,774
三井不動産
レジデンシャル
株式会社
(仮称)パークウェル
ステイト豊中計画
(大阪府豊中市)
住宅鉄筋コンクリート造、
地上12階、地下1階
延床面積 約45,000㎡
2020.12~
2023.1
18,5103,626

当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の売却は、以下のとおりです。
セグメント
の名称
会社名名称(所在地)用途主たる構造及び規模売却時期前期末帳簿価額
(百万円)
賃貸三井不動産
株式会社
新宿三井ビルディング(東京都新宿区)オフィス鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造、地上55階、地下3階
延床面積 179,697㎡
2021.1203,118