有価証券報告書-第206期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の拡大等を背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方、物価動向や米国の通商政策をめぐる動向及び中東情勢の影響等、景気を下押しするリスクについて、引き続き注視する必要があります。
当社グループにおきましては、持続的な成長に向けて、「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」を長期経営ビジョンに定め、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」の実現に向けて、取組みを進めてまいりました。
2025年度の連結業績は、以下のとおりであります。
① 営業収益
旅行業における国内旅行需要やホテル業を中心としたインバウンド需要の着実な取り込みに加えて、鉄道業における長期休暇期間を中心とした定期外の輸送人員増加等による増収により、営業収益は655,435百万円(前期比3.8%増)となりました。
② 営業利益
営業収益全体では増収であったものの、鉄道業における人件費や修繕費等の維持管理費用の増加に加えて、新東武カードの発行に係る一時的な費用の増加により、営業利益は71,861百万円(前期比3.7%減)となりました。
③ 経常利益
営業外収益については、6,118百万円(前期比5.7%増)、営業外費用については、支払利息の増加により9,149百万円(前期比19.1%増)をそれぞれ計上し、経常利益は68,831百万円(前期比5.3%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益については、政策保有株式売却に伴う投資有価証券売却益の計上等により、19,370百万円(前期比42.0%増)となり、特別損失については、8,291百万円(前期比20.6%減)をそれぞれ計上いたしました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は79,909百万円(前期比5.3%増)を計上し、法人税等を控除した当期純利益は56,023百万円(前期比8.5%増)となりました。また、ここから非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は55,620百万円(前期比8.4%増)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。また、各セグメントの営業成績のうち「調整額」は内部取引消去額を表しております。
(運輸事業)
鉄道業におきまして、当社では、利便性向上と特急列車の需要増に対応するため東武スカイツリーライン・日光線等でダイヤ改正を実施いたしました。また、引き続き好評をいただいている「スペーシア X」をはじめとした特急列車の臨時運行により、お客様の乗車機会拡大と日光・鬼怒川及び両毛エリアへの誘客を図りました。このほか、沿線自治体と連携した列車運行や、沿線スポーツチームとのコラボレーション企画により、地域の魅力創出・発信を図りました。
さらに、持続的な輸送サービスの確立に向けて東武スカイツリーライン緩行線(北千住~北越谷間の普通列車)でワンマン運転を開始したほか、東武宇都宮線で生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を活用した顔認証改札を導入いたしました。
安全面では、高架化工事を推進し、東武スカイツリーラインにおいて、とうきょうスカイツリー駅付近で下りホームを、春日部駅付近で下り仮線・仮ホームの使用を開始いたしました。また、ホーム上の安全対策としてホーム柵の整備を着実に進めました。
バス・タクシー業におきまして、東武バスセントラル㈱等では、路線バスの運賃改定を実施したほか、柏の葉地域で自動運転レベル4の認可を取得して運行を開始いたしました。また、廃食油由来のバイオ燃料を東武バス日光㈱の全車両へ導入したほか、奥日光では大型EVバスの自動運転実証実験を行い、次世代交通と環境負荷低減を推進いたしました。
運輸事業全体としては、通勤利用の回復や長期休暇期間を中心とした定期外の輸送人員増加等により、営業収益は218,646百万円(前期比1.2%増)、営業利益は将来にわたって持続可能な事業運営体制確立のため省人化・省力化の推進等、費用削減に向けた取組みを進めているものの、処遇改善による人件費や物価上昇等による修繕費の増加等により、27,644百万円(前期比11.6%減)となりました。
(営業成績)
(提出会社の鉄道業成績)
(注) 1 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)÷(客車走行キロ×平均定員)×100
乗車効率とは、客車走行車両定員に対する旅客輸送量を見るためのものであります。
2 定期外旅客収入は、特急料金及び座席指定料金を含んでおります。
(東武鉄道株式会社路線図)

(レジャー事業)
スカイツリー業におきまして、「東京スカイツリー®」では、営業時間の拡大、人気コンテンツとのコラボレーションイベント及び1階のイベントスペース「SKYTREE SPACE」にて、体験型イベントを誘致したほか、積極的な海外プロモーションにより訪日外国人観光客を集客するなど入場者数の増加に努め、増収を図りました。
ホテル業におきまして、当社及び㈱東武ホテルマネジメントでは、インバウンド需要と円安基調を背景に、都内を中心に稼働率と客室単価の向上を図りました。また「ザ・リッツ・カールトン日光」では、車窓より四季のいろは坂を望み、快適に移動を楽しめる専用シャトルバスを導入し、増収に努めました。
旅行業におきまして、東武トップツアーズ㈱では、「大阪・関西万博」において、来場者の安全かつ円滑な輸送を実現するため、パーク&ライド事業をはじめとした交通運営本部の受託及び入場券販売を実施したほか、インバウンド市場の拡大を背景にクルーズ事業を展開するなど、増収に努めました。
以上の結果、レジャー事業全体としては、営業収益は189,584百万円(前期比8.0%増)、営業利益は18,446百万円(前期比7.0%増)となりました。
(営業成績)
(不動産事業)
スカイツリータウン業におきまして、「東京スカイツリータウン®」では、ビアガーデンやイルミネーション等、年間を通じた様々なイベントを実施するとともに、キャラクターコンテンツを中心とした物販での集客により、国内外の観光需要を捉えることができ、前期に続き過去最高の年間売上を達成いたしました。
不動産賃貸業におきまして、当社では、「EQUiA(エキア)越谷」第Ⅱ期エリアをオープンしたほか、「草加ヴァリエ」のリニューアルグランドオープンにより、増収とお客様の利便性向上を図りました。
不動産分譲業におきまして、当社では、沿線価値向上と沿線定住人口増加を目的として、分譲マンション「ソライエテラス ウエスト」(草加市)及び「ソライエ南桜井」(春日部市)等の販売をいたしました。
不動産事業全体としては、マンションの計画販売戸数の減少等により、営業収益は59,075百万円(前期比1.4%減)となったものの、「東京スカイツリータウン」をはじめとした各商業施設が好調に推移し、営業利益は15,892百万円(前期比7.8%増)となりました。
(営業成績)
(流通事業)
百貨店業におきまして、㈱東武百貨店では、池袋店において地域商環境や地域の多様なニーズ、インバウンド需要などに対応した商品戦略や販売計画の構築を図るとともに、キャラクターとのコラボレーション及び地域・産学連携のイベントを実施し、多世代に向けた来店動機創出と増収に努めました。
ストア業におきまして、㈱東武ストアでは、西川口店及び朝霞店をリニューアルオープンしたほか、自社オリジナル商品の開発・販売等に注力し、集客と増収に努めました。
そのほか、東武マーケティング㈱では、商品性の高い新しい東武カードの発行を開始し、カード利用による利便性向上を通じた利用促進及びグループ各事業間でのシナジー創出により、増収に努めました。
流通事業全体としては、百貨店業及びストア業における店舗リニューアル等が奏功したことにより、営業収益は176,135百万円(前期比2.0%増)となったものの、新しい東武カード発行に伴い一時的に費用が増加したことから、営業利益は6,004百万円(前期比20.6%減)となりました。
(営業成績)
(その他事業)
建設業におきまして、東武建設㈱では、立川市において教習所の新築工事を、東武谷内田建設㈱では、北区において化学品研究所の建設工事をそれぞれ完了いたしました。
そのほか、東武ビルマネジメント㈱では、豊島区において公園の清掃業務を受注するなど増収に努めました。
その他事業全体としては、完成工事増による増収により、営業収益は92,645百万円(前期比6.1%増)、営業利益は6,955百万円(前期比9.7%増)となりました。
(営業成績)
なお、当社グループのサービス、生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種のサービス、製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の取得等により1,863,562百万円となり、前連結会計年度末と比べ110,361百万円(前期比6.3%増)の増加となりました。
負債は、有利子負債の増加及び投資有価証券の時価上昇に伴う繰延税金負債の増加等により1,241,335百万円となり、前連結会計年度末と比べ48,887百万円(前期比4.1%増)の増加となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により622,227百万円となり、前連結会計年度末と比べ61,474百万円(前期比11.0%増)の増加となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、44,207百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,271百万円の増加となりました。
当連結会計年度末に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益79,909百万円に、減価償却費55,213百万円等を加減算した結果、106,640百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べて税金等調整前当期純利益が増加したこと及び仕入債務が増加したこと等により16,567百万円の資金収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、82,720百万円の資金支出となりました。前連結会計年度に比べて固定資産の取得による支出が減少したこと等により4,057百万円の資金支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,652百万円の資金支出となりました。前連結会計年度に比べて社債償還による支出が増加したこと等により14,973百万円の資金支出の増加となりました。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、営業取引に係る運転資金、設備投資等に係る資金、有利子負債の返済並びに配当等の資金を主としております。
設備投資につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
短期的な運転資金は、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、取引銀行との総額90,000百万円の貸出コミットメント契約やコマーシャル・ペーパーの発行並びに、当社グループではキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)によりグループ内の余剰資金を有効に活用しております。
また、運輸事業や流通事業を中心に日々の収入金があり、必要な流動性は確保しているとともに、十分な水準の資金を保有しております。
設備投資等の長期的な必要資金については、営業活動で得た資金に加え、主力事業である鉄道事業の特性を鑑み、長期安定的な資金調達を行うために、借入金のほか、社債の発行及びシンジケート・ローンの組成、リース等の多様な選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
同時に、年度別償還額の集中を避けることで、将来の借り換えリスクの低減に努めているとともに、金利上昇リスクに備え、固定金利と変動金利のそれぞれの負債残高のバランスを考慮しております。
(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、対処すべき課題」に記載のとおり、持続的な成長の実現に向けた将来像として「長期経営ビジョン」を策定しております。また、これにもとづき2024年度から2027年度までの4か年を計画期間とする「中期経営計画」を推進しており、当該経営期間において意識する経営指標の想定値を以下のとおりとしております。
(意識する経営指標)
中期経営計画2年目となる当連結会計年度においては、ROEは9.5%となり目標水準を上回ったほか、営業利益は718億円、自己資本比率は33.0%となるなど、収益性及び資本効率性の面で着実な成果を上げることができました。また、DOEは2.4%となり目標水準を上回るなど株主還元についても計画に沿って順調に進捗いたしました。さらに、有利子負債/EBITDA倍率は6.2倍となるなど、財務健全性の面においても計画どおり推移しております。
今後も、外部環境の変化に適切に対応しつつ、成長領域として位置付ける観光事業や開発事業を加速させるとともに、収益基盤の一層の強化、資本効率の向上及び株主還元の充実を通じて、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にもとづき作成されております。その作成にあたり経営者は、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わねばなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
① 株式等の投資
当社グループが保有する株式等の有価証券については、将来の株式市況の悪化または投資対象会社の業績不振等により時価の著しい下落が生じた際には、損失の計上が必要となる場合があります。
② 販売用不動産の評価
当社グループが保有する販売用不動産については、地価の下落や市況悪化等により正味売却価額が帳簿価額を下回った場合には、損失の計上が必要となる場合があります。
③ 固定資産の減損
当社グループが保有する固定資産のうち、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、経営環境に変化が生じ当初想定した収益が見込めないなど、将来キャッシュ・フローの見積りに用いた仮定に変更があった場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。
④ 退職給付費用及び債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率にもとづいて算出されております。前提条件の変化や制度の変更が生じた場合には、退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の計画にもとづき慎重にかつ実現(回収)可能な範囲において繰延税金資産を計上しておりますが、将来において既に計上している繰延税金資産の全部または一部を実現(回収)できないと判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できないと判断した繰延税金資産を取崩すとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額に加算し、当期純利益を減少させる場合があります。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない項目について、将来においてその全部または一部を実現(回収)できると判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できると判断した金額を繰延税金資産として計上するとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額から控除し、当期純利益を増加させる場合があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の拡大等を背景に、緩やかな回復基調が続きました。一方、物価動向や米国の通商政策をめぐる動向及び中東情勢の影響等、景気を下押しするリスクについて、引き続き注視する必要があります。
当社グループにおきましては、持続的な成長に向けて、「挑戦と協創で進化させる社会と沿線」を長期経営ビジョンに定め、「人にやさしく 人と地域が共に輝きつづける社会」の実現に向けて、取組みを進めてまいりました。
2025年度の連結業績は、以下のとおりであります。
① 営業収益
旅行業における国内旅行需要やホテル業を中心としたインバウンド需要の着実な取り込みに加えて、鉄道業における長期休暇期間を中心とした定期外の輸送人員増加等による増収により、営業収益は655,435百万円(前期比3.8%増)となりました。
② 営業利益
営業収益全体では増収であったものの、鉄道業における人件費や修繕費等の維持管理費用の増加に加えて、新東武カードの発行に係る一時的な費用の増加により、営業利益は71,861百万円(前期比3.7%減)となりました。
③ 経常利益
営業外収益については、6,118百万円(前期比5.7%増)、営業外費用については、支払利息の増加により9,149百万円(前期比19.1%増)をそれぞれ計上し、経常利益は68,831百万円(前期比5.3%減)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
特別利益については、政策保有株式売却に伴う投資有価証券売却益の計上等により、19,370百万円(前期比42.0%増)となり、特別損失については、8,291百万円(前期比20.6%減)をそれぞれ計上いたしました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は79,909百万円(前期比5.3%増)を計上し、法人税等を控除した当期純利益は56,023百万円(前期比8.5%増)となりました。また、ここから非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は55,620百万円(前期比8.4%増)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
各セグメントの営業利益をセグメント利益としております。また、各セグメントの営業成績のうち「調整額」は内部取引消去額を表しております。
(運輸事業)
鉄道業におきまして、当社では、利便性向上と特急列車の需要増に対応するため東武スカイツリーライン・日光線等でダイヤ改正を実施いたしました。また、引き続き好評をいただいている「スペーシア X」をはじめとした特急列車の臨時運行により、お客様の乗車機会拡大と日光・鬼怒川及び両毛エリアへの誘客を図りました。このほか、沿線自治体と連携した列車運行や、沿線スポーツチームとのコラボレーション企画により、地域の魅力創出・発信を図りました。
さらに、持続的な輸送サービスの確立に向けて東武スカイツリーライン緩行線(北千住~北越谷間の普通列車)でワンマン運転を開始したほか、東武宇都宮線で生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を活用した顔認証改札を導入いたしました。
安全面では、高架化工事を推進し、東武スカイツリーラインにおいて、とうきょうスカイツリー駅付近で下りホームを、春日部駅付近で下り仮線・仮ホームの使用を開始いたしました。また、ホーム上の安全対策としてホーム柵の整備を着実に進めました。
バス・タクシー業におきまして、東武バスセントラル㈱等では、路線バスの運賃改定を実施したほか、柏の葉地域で自動運転レベル4の認可を取得して運行を開始いたしました。また、廃食油由来のバイオ燃料を東武バス日光㈱の全車両へ導入したほか、奥日光では大型EVバスの自動運転実証実験を行い、次世代交通と環境負荷低減を推進いたしました。
運輸事業全体としては、通勤利用の回復や長期休暇期間を中心とした定期外の輸送人員増加等により、営業収益は218,646百万円(前期比1.2%増)、営業利益は将来にわたって持続可能な事業運営体制確立のため省人化・省力化の推進等、費用削減に向けた取組みを進めているものの、処遇改善による人件費や物価上昇等による修繕費の増加等により、27,644百万円(前期比11.6%減)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 鉄道業 | 164,272 | 1.5 |
| バス・タクシー業 | 32,624 | 3.0 |
| 貨物運送業 | 22,163 | △3.7 |
| 小計 | 219,060 | 1.2 |
| 調整額 | △414 | ― |
| 営業収益計 | 218,646 | 1.2 |
(提出会社の鉄道業成績)
| 種別 | 単位 | 第205期 | 第206期 | |
| (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 営業日数 | 日 | 365 | 365 | |
| 営業キロ | キロ | 463.3 | 463.3 | |
| 客車走行キロ | 千キロ | 261,259 | 260,079 | |
| 定期 | 千人 | 532,838 | 542,120 | |
| 輸送人員 | 定期外 | 〃 | 324,744 | 335,081 |
| 計 | 〃 | 857,582 | 877,201 | |
| 定期 | 百万円 | 60,987 | 61,714 | |
| 旅客収入 | 定期外 | 〃 | 84,842 | 87,593 |
| 計 | 〃 | 145,830 | 149,307 | |
| 運輸雑収 | 〃 | 14,313 | 14,400 | |
| 収入合計 | 〃 | 160,143 | 163,707 | |
| 1日平均収入 | 〃 | 438 | 448 | |
| 乗車効率 | % | 30.6 | 31.3 | |
(注) 1 乗車効率の算出方法
乗車効率=延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)÷(客車走行キロ×平均定員)×100
乗車効率とは、客車走行車両定員に対する旅客輸送量を見るためのものであります。
2 定期外旅客収入は、特急料金及び座席指定料金を含んでおります。
(東武鉄道株式会社路線図)

(レジャー事業)
スカイツリー業におきまして、「東京スカイツリー®」では、営業時間の拡大、人気コンテンツとのコラボレーションイベント及び1階のイベントスペース「SKYTREE SPACE」にて、体験型イベントを誘致したほか、積極的な海外プロモーションにより訪日外国人観光客を集客するなど入場者数の増加に努め、増収を図りました。
ホテル業におきまして、当社及び㈱東武ホテルマネジメントでは、インバウンド需要と円安基調を背景に、都内を中心に稼働率と客室単価の向上を図りました。また「ザ・リッツ・カールトン日光」では、車窓より四季のいろは坂を望み、快適に移動を楽しめる専用シャトルバスを導入し、増収に努めました。
旅行業におきまして、東武トップツアーズ㈱では、「大阪・関西万博」において、来場者の安全かつ円滑な輸送を実現するため、パーク&ライド事業をはじめとした交通運営本部の受託及び入場券販売を実施したほか、インバウンド市場の拡大を背景にクルーズ事業を展開するなど、増収に努めました。
以上の結果、レジャー事業全体としては、営業収益は189,584百万円(前期比8.0%増)、営業利益は18,446百万円(前期比7.0%増)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 遊園地・観光業 | 5,526 | 9.0 |
| スポーツ業 | 6,220 | 0.8 |
| 旅行業 | 124,034 | 9.7 |
| ホテル業 | 37,456 | 7.3 |
| スカイツリー業 | 16,536 | △0.4 |
| 小計 | 189,773 | 8.0 |
| 調整額 | △189 | ― |
| 営業収益計 | 189,584 | 8.0 |
(不動産事業)
スカイツリータウン業におきまして、「東京スカイツリータウン®」では、ビアガーデンやイルミネーション等、年間を通じた様々なイベントを実施するとともに、キャラクターコンテンツを中心とした物販での集客により、国内外の観光需要を捉えることができ、前期に続き過去最高の年間売上を達成いたしました。
不動産賃貸業におきまして、当社では、「EQUiA(エキア)越谷」第Ⅱ期エリアをオープンしたほか、「草加ヴァリエ」のリニューアルグランドオープンにより、増収とお客様の利便性向上を図りました。
不動産分譲業におきまして、当社では、沿線価値向上と沿線定住人口増加を目的として、分譲マンション「ソライエテラス ウエスト」(草加市)及び「ソライエ南桜井」(春日部市)等の販売をいたしました。
不動産事業全体としては、マンションの計画販売戸数の減少等により、営業収益は59,075百万円(前期比1.4%減)となったものの、「東京スカイツリータウン」をはじめとした各商業施設が好調に推移し、営業利益は15,892百万円(前期比7.8%増)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 不動産賃貸業 | 36,667 | 0.4 |
| 不動産分譲業 | 8,662 | △15.8 |
| スカイツリータウン業 | 13,913 | 4.6 |
| 小計 | 59,243 | △1.4 |
| 調整額 | △168 | ― |
| 営業収益計 | 59,075 | △1.4 |
(流通事業)
百貨店業におきまして、㈱東武百貨店では、池袋店において地域商環境や地域の多様なニーズ、インバウンド需要などに対応した商品戦略や販売計画の構築を図るとともに、キャラクターとのコラボレーション及び地域・産学連携のイベントを実施し、多世代に向けた来店動機創出と増収に努めました。
ストア業におきまして、㈱東武ストアでは、西川口店及び朝霞店をリニューアルオープンしたほか、自社オリジナル商品の開発・販売等に注力し、集客と増収に努めました。
そのほか、東武マーケティング㈱では、商品性の高い新しい東武カードの発行を開始し、カード利用による利便性向上を通じた利用促進及びグループ各事業間でのシナジー創出により、増収に努めました。
流通事業全体としては、百貨店業及びストア業における店舗リニューアル等が奏功したことにより、営業収益は176,135百万円(前期比2.0%増)となったものの、新しい東武カード発行に伴い一時的に費用が増加したことから、営業利益は6,004百万円(前期比20.6%減)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 百貨店業 | 63,480 | 3.5 |
| ストア業 | 75,025 | 0.7 |
| その他業 | 39,707 | 1.7 |
| 小計 | 178,213 | 1.9 |
| 調整額 | △2,077 | ― |
| 営業収益計 | 176,135 | 2.0 |
(その他事業)
建設業におきまして、東武建設㈱では、立川市において教習所の新築工事を、東武谷内田建設㈱では、北区において化学品研究所の建設工事をそれぞれ完了いたしました。
そのほか、東武ビルマネジメント㈱では、豊島区において公園の清掃業務を受注するなど増収に努めました。
その他事業全体としては、完成工事増による増収により、営業収益は92,645百万円(前期比6.1%増)、営業利益は6,955百万円(前期比9.7%増)となりました。
(営業成績)
| 業種別 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 営業収益(百万円) | 前期比(%) | |
| 建設業 | 55,453 | 5.0 |
| その他業 | 37,669 | 7.7 |
| 小計 | 93,122 | 6.1 |
| 調整額 | △476 | ― |
| 営業収益計 | 92,645 | 6.1 |
なお、当社グループのサービス、生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種のサービス、製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではなく、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、有形固定資産の取得等により1,863,562百万円となり、前連結会計年度末と比べ110,361百万円(前期比6.3%増)の増加となりました。
負債は、有利子負債の増加及び投資有価証券の時価上昇に伴う繰延税金負債の増加等により1,241,335百万円となり、前連結会計年度末と比べ48,887百万円(前期比4.1%増)の増加となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により622,227百万円となり、前連結会計年度末と比べ61,474百万円(前期比11.0%増)の増加となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、44,207百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,271百万円の増加となりました。
当連結会計年度末に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益79,909百万円に、減価償却費55,213百万円等を加減算した結果、106,640百万円の資金収入となりました。前連結会計年度に比べて税金等調整前当期純利益が増加したこと及び仕入債務が増加したこと等により16,567百万円の資金収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、82,720百万円の資金支出となりました。前連結会計年度に比べて固定資産の取得による支出が減少したこと等により4,057百万円の資金支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、14,652百万円の資金支出となりました。前連結会計年度に比べて社債償還による支出が増加したこと等により14,973百万円の資金支出の増加となりました。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要は、営業取引に係る運転資金、設備投資等に係る資金、有利子負債の返済並びに配当等の資金を主としております。
設備投資につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
短期的な運転資金は、各事業が生み出す営業キャッシュ・フローに加え、取引銀行との総額90,000百万円の貸出コミットメント契約やコマーシャル・ペーパーの発行並びに、当社グループではキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)によりグループ内の余剰資金を有効に活用しております。
また、運輸事業や流通事業を中心に日々の収入金があり、必要な流動性は確保しているとともに、十分な水準の資金を保有しております。
設備投資等の長期的な必要資金については、営業活動で得た資金に加え、主力事業である鉄道事業の特性を鑑み、長期安定的な資金調達を行うために、借入金のほか、社債の発行及びシンジケート・ローンの組成、リース等の多様な選択肢の中から最適な調達方法を採用しております。
同時に、年度別償還額の集中を避けることで、将来の借り換えリスクの低減に努めているとともに、金利上昇リスクに備え、固定金利と変動金利のそれぞれの負債残高のバランスを考慮しております。
(4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境、対処すべき課題」に記載のとおり、持続的な成長の実現に向けた将来像として「長期経営ビジョン」を策定しております。また、これにもとづき2024年度から2027年度までの4か年を計画期間とする「中期経営計画」を推進しており、当該経営期間において意識する経営指標の想定値を以下のとおりとしております。
(意識する経営指標)
| 経営指標 | 想定値 | 当連結会計年度実績 | |
| 収益性 | 営業利益 | ・2027年度:740億円 ・2030年代半ば:1,000億円以上 | 718億円 |
| 資本効率性 | ROE | ・~2030年代半ば:8%以上の維持・向上 | 9.5% |
| 株主還元 | 総還元性向 | ・中期経営計画期間 期間中想定(2024~2027年度):総還元性向50%以上を目指し、DOE2.2%以上を意識し段階的に引き上げ ・2028年度以降:さらなる拡充を検討 | ― |
| DOE | 2.4% | ||
| 財務健全性 | 有利子負債/EBITDA倍率 | ・~2030年代半ば:6倍台 | 6.2倍 |
| 自己資本比率 | ・~2030年代半ば:30%以上 | 33.0% | |
中期経営計画2年目となる当連結会計年度においては、ROEは9.5%となり目標水準を上回ったほか、営業利益は718億円、自己資本比率は33.0%となるなど、収益性及び資本効率性の面で着実な成果を上げることができました。また、DOEは2.4%となり目標水準を上回るなど株主還元についても計画に沿って順調に進捗いたしました。さらに、有利子負債/EBITDA倍率は6.2倍となるなど、財務健全性の面においても計画どおり推移しております。
今後も、外部環境の変化に適切に対応しつつ、成長領域として位置付ける観光事業や開発事業を加速させるとともに、収益基盤の一層の強化、資本効率の向上及び株主還元の充実を通じて、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準にもとづき作成されております。その作成にあたり経営者は、資産・負債及び報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わねばなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
① 株式等の投資
当社グループが保有する株式等の有価証券については、将来の株式市況の悪化または投資対象会社の業績不振等により時価の著しい下落が生じた際には、損失の計上が必要となる場合があります。
② 販売用不動産の評価
当社グループが保有する販売用不動産については、地価の下落や市況悪化等により正味売却価額が帳簿価額を下回った場合には、損失の計上が必要となる場合があります。
③ 固定資産の減損
当社グループが保有する固定資産のうち、減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたって、経営環境に変化が生じ当初想定した収益が見込めないなど、将来キャッシュ・フローの見積りに用いた仮定に変更があった場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。
④ 退職給付費用及び債務
当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率にもとづいて算出されております。前提条件の変化や制度の変更が生じた場合には、退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得の計画にもとづき慎重にかつ実現(回収)可能な範囲において繰延税金資産を計上しておりますが、将来において既に計上している繰延税金資産の全部または一部を実現(回収)できないと判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できないと判断した繰延税金資産を取崩すとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額に加算し、当期純利益を減少させる場合があります。同様に、現時点で評価性引当額として繰延税金資産を計上していない項目について、将来においてその全部または一部を実現(回収)できると判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において、実現(回収)できると判断した金額を繰延税金資産として計上するとともに、同額を法人税等調整額として法人税、住民税及び事業税の金額から控除し、当期純利益を増加させる場合があります。