有価証券報告書-第115期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大による影響を受け、全国規模で経済活動や人の移動が大きく制限を受ける等、かつてない厳しい状況で推移しました。
当社グループでは、お客様の大幅な減少によりとりわけ運輸業やレジャー・サービス業の収支が大きく悪化しましたが、お客様と従業員等の感染防止を最優先に、安全で安心してご利用いただける輸送とサービスの確保に総力で取り組むとともに、働き方改革関連法の遵守、リモートワークや時差出勤の奨励等、コロナ下での働き方に順応した対応を行ってきました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は、10,448百万円(前期比2,045百万円、16.4%減)となりました。営業費は、安全・安心を確保するものを除き、全ての費用について精査し削減を実施しましたが、営業損失は338百万円(前期営業利益832百万円)となりました。これに新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金302百万円などの営業外収益および営業外費用を加減した経常利益は128百万円(前期比682百万円、84.2%減)となりました。さらに国庫補助金等436百万円などの特別利益および三国観光ホテル他の減損損失594百万円を含む特別損失、ならびに法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純損失は338百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益198百万円)と、非常に厳しい結果となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(運輸業)
鉄軌道事業、バス運送事業、タクシー事業ともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛、沿線施設等の休業や休校、入国規制などにより旅客数が激減し大幅な減収となりました。
こうした状況ではありましたが、鉄軌道事業におきましては、嵐山線では2020年9月に鳴滝・宇多野・御室仁和寺駅のバリアフリー対応工事を完工するとともに、2020年3月に京都市バスとの結節改善やバリアフリー対応が完了した北野白梅町駅で2021年3月25日に新駅舎の供用を開始するなど、安全・サービスの向上を図りました。また、鹿王院夜間特別拝観の実施や、アニメ「鬼滅の刃」をテーマとする東映太秦映画村・京都鉄道博物館とのイベント共催など、感染予防策を徹底した上で、沿線関係先と連携した利用促進策を実施しました。叡山ケーブルは、叡山電鉄㈱や比叡山内シャトルバスなど、関係事業者との連携による八瀬・比叡山地域への誘客強化を企図、2021年3月20日に車体デザインを一新し、情報発信に努めました。
バス運送事業におきましては、緊急事態宣言発出に伴い、ダイヤの見直しなど時機に応じた運行を実施したほか、運休・減便などで事業活動が制限されたこの時期を活用し、運転士等への安全教育研修の充実を図りました。京都バス㈱では、京都市バスとの連携による秋の観光ピーク時の臨時バス運行、夏から冬にかけての「比叡山プレミアムナイトバスツアー」の開催、また京福バス㈱では、福井県との連携事業としてJR福井駅と福井県立恐竜博物館を結ぶ初の直通バス「恐竜バス」の運行など、関係先との連携による利用促進とサービス向上に取り組みました。貸切バスの大幅な減収や高速バスの長期間にわたる運休が続き、極めて厳しい経営環境にありますが、2021年3月20日には小松空港連絡バスに北陸地方の公共交通機関で初めてとなるVisaタッチ決済を導入、「非接触」やインバウンド需要など「コロナ後」を見据えた対応もスタートさせました。
以上の結果、運輸業の営業収益は5,232百万円(前期比2,561百万円、32.9%減)となり、営業損失は1,224百万円(前期営業利益211百万円)となりました。
(提出会社の鉄軌道事業の運輸成績表)
| 種別 | 単位 | 当連結会計年度 (2020.4.1~2021.3.31) | ||
| 対前期増減率 | ||||
| 営業日数 | 日 | 365 | △0.3% | |
| 営業キロ程 | キロ | 12.8 | 0.0 | |
| 車両走行キロ | 千キロ | 1,034 | △4.2 | |
| 輸送 人員 | 定期 | 千人 | 2,332 | △18.8 |
| 定期外 | 〃 | 3,415 | △42.4 | |
| 計 | 〃 | 5,747 | △34.7 | |
| 旅客 運輸 収入 | 定期 | 百万円 | 225 | △17.0 |
| 定期外 | 〃 | 670 | △43.5 | |
| 計 | 〃 | 895 | △38.6 | |
| 運輸雑収 | 〃 | 74 | △19.1 | |
| 運輸収入合計 | 〃 | 969 | △37.5 | |
| 乗車効率 | % | 22.3 | △33.7 | |
(業種別営業成績)
| 種別 | 当連結会計年度 (2020.4.1~2021.3.31) | |
| 営業収益 | 対前期増減率 | |
| 百万円 | % | |
| 鉄軌道事業 | 969 | △37.5 |
| バス運送事業 | 3,847 | △30.0 |
| タクシー事業 | 498 | △41.1 |
| 消去 | △84 | - |
| 計 | 5,232 | △32.9 |
(不動産業)
不動産販売事業におきましては、京都、福井それぞれで、安全・安心の住まいを提供する新築分譲住宅「京福の家」の販売に向け、専用ホームページやインターネット広告を活用した営業活動に取り組み、京都市右京区での住宅1戸・土地1区画、福井市での土地4区画を販売しました。
不動産賃貸事業におきましては、「嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア」では、新型コロナウイルス感染拡大による観光客の激減と、緊急事態宣言発出中の施設休業により大幅な減収となりましたが、駅ビルの屋上からの景観を楽しむイベントや、館内の空きスペースを活用した嵐電開業110周年やNHK大河ドラマ「麒麟がくる」にちなんだ展示などを実施、情報発信と集客を図りました。京都地区では新たな賃貸建物「ランフォート天神川テラス」が2021年3月12日に竣工、入居がスタートしました。「BOAT RACE(ボートレース)三国」では、新型コロナウイルス感染拡大により、2020年2月28日から6月23日までは無観客開催を余儀なくされるなどの影響を受けましたが、レース情報の配信サービス強化や販売促進キャンペーンなどに取り組み、スマートフォンを通じた舟券のインターネット販売をはじめ大幅な増収となりました。
以上の結果、不動産業の営業収益は4,416百万円(前期比1,082百万円、32.5%増)となり、営業利益は1,098百万円(前期比488百万円、80.2%増)となりました。
(業種別営業成績)
| 種別 | 当連結会計年度 (2020.4.1~2021.3.31) | |
| 営業収益 | 対前期増減率 | |
| 百万円 | % | |
| 不動産賃貸事業 | 5,170 | 28.8 |
| 不動産販売事業 | 103 | 112.6 |
| 消去 | △857 | - |
| 計 | 4,416 | 32.5 |
(主な相手先別の収益実績及び総営業収益に対する割合)
| 相手先 | 前連結会計年度 (2019.4.1~2020.3.31) | 当連結会計年度 (2020.4.1~2021.3.31) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 越前三国競艇企業団 | 2,165 | 17.3 | 3,360 | 32.16 |
(レジャー・サービス業)
レジャー・サービス業におきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による外出自粛・入国規制により、全ての施設において利用客が激減しました。
こうした状況下、「嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア」ではアニメ「鬼滅の刃」イベントでの関連商品の販売、三国観光ホテルでは福井県独自の県内需要喚起策「福井deお泊りキャンペーン」を利用した地元客の利用促進、越前松島水族館では修学旅行などの団体が貸切で安心して水族館を楽しめる夜間貸切プランの販売など、様々に工夫をこらし販売増に取り組みました。また、2020年12月1日「映画の日」に、太秦の三吉稲荷神社を映画関係者などと合同で参拝、中期経営計画の基本方針である「沿線深耕」に沿い、映像・映画をコンセプトに太秦地域の活性化を推進、嵐電の利用促進を図るための取り組みを始めました。さらに、2021年3月31日には帷子ノ辻駅ビル2階に、「映画のまちの駄菓子売り場」をコンセプトとする新規直営物販店舗「映菓座(えいがざ)」を開業、太秦地域活性化の拠点として賑わいを創出してまいります。
以上の結果、レジャー・サービス業の営業収益は1,199百万円(前期比650百万円、35.2%減)となり、営業損失は207百万円(前期営業利益14百万円)となりました。
(業種別営業成績)
| 種別 | 当連結会計年度 (2020.4.1~2021.3.31) | |
| 営業収益 | 対前期増減率 | |
| 百万円 | % | |
| ホテル業 | 365 | △45.3 |
| 水族館業 | 326 | △35.5 |
| 物販業 | 383 | △18.4 |
| 広告代理店業 | 71 | △29.4 |
| その他 | 65 | △56.4 |
| 消去 | △12 | - |
| 計 | 1,199 | △35.2 |
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失となったものの、減価償却費や減損損失等の非現金支出項目による資金留保などにより1,665百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ84百万円の収入減となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより754百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ920百万円の支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入などにより147百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ258百万円の増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は2,034百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,058百万円の増加となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループのサービス・販売等は、必ずしも一様ではないため、セグメント毎に金額あるいは数量での記載は行なっておりません。
そのため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。
(経営成績の分析)
当連結会計年度は、不動産業においては「BOAT RACE(ボートレース)三国」のインターネットによる舟券発売が安定して推移したこと等による増収がありましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により運輸業やレジャー・サービス業において営業収益が期を通じて減収したため、営業収益は10,448百万円(前期比2,045百万円、16.4%減)となり、収支改善のための費用削減に努めたものの、営業損失は338百万円(前期営業利益832百万円)となりました。また、経常損益では雇用調整助成金などの営業外収益が増加したため経常利益は128百万円(前期比682百万円、84.2%減)となりましたが、減損損失等の特別損失を計上したため、税金等調整前当期純損失は129百万円(前期税金等調整前当期純利益595百万円)となりました。これに法人税等および非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純損失は338百万円(前期親会社株主に帰属する当期純利益198百万円)となりました。
(財政状態の分析)
総資産は、減価償却費や減損損失による有形固定資産の減少がありましたが、現金及び預金の増加のなどにより、前連結会計年度末に比べ10百万円増加し、20,750百万円となりました。
負債は、長期借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ360百万円増加し、13,380百万円となりました。
純資産は親会社株主に帰属する当期純損失による利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ350百万円減少し、7,370百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、「連結営業収益」、「連結ROE」、「連結有利子負債/EBITDA倍率」を重要な指標として位置付けております。各指標は、以下のとおりです。
| 経営指標 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 |
| 連結営業収益 | 12,494百万円 | 10,448百万円 |
| 連結ROE | 2.9% | △5.0% |
| 連結有利子負債/EBITDA倍率※ | 3.79倍 | 8.70倍 |
※連結有利子負債/EBITDA倍率=(社債+借入金)÷(営業利益+減価償却費)
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況の分析)
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要の主な内容は運転資金及び設備投資資金であり、これらの調達方法につきましては、営業活動により獲得した資金を充当し、不足分を借入金など有利子負債により調達することとしております。
借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金及び社債の調達を基本としております。
なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりです。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。