有価証券報告書-第15期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 10:21
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな景気回復基調が続きました。
このような状況下で、当社グループは、中期経営計画「東京メトロプラン2018 ~『安心の提供』と『成長への挑戦』~」の最終年度として、各種施策を積極的に展開しました。
当連結会計年度の業績は、沿線の再開発や雇用環境の改善が続き、オフィスビル面積・需要が増加したことに加え、沿線の商業施設の開業及び訪日外国人のご利用の増加等により、旅客運輸収入が堅調に推移したことから、営業収益が4,348億9千4百万円(前期比2.1%増)となりました。安全対策や旅客サービス向上などの各種施策に伴い、減価償却費及び人件費の増加により営業費が増加したことから、営業利益が985億6千6百万円(前期比1.4%増)、経常利益が891億9千1百万円(前期比1.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が607億9百万円(前期比0.6%増)と前連結会計年度並みとなりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
[運輸業]
運輸業においては、安全の確保・安全性向上のための施策に取り組むとともに、お客様視点に立ったサービスの充実を図り、新たな需要の創出に向け、各種取組を実施しました。
安全の確保・安全性向上の取組については、自然災害対策や鉄道の安全・安定運行に向けた取組などを推進しました。
自然災害対策のうち、施設等の耐震性向上に向けた取組として、東日本大震災を踏まえ、阪神・淡路大震災後の耐震補強において対象とされていなかった高架橋柱や地上部の石積み擁壁の耐震補強工事を進めています。
大規模浸水対策としては、駅出入口において、想定浸水の高さに応じた改良や防水扉・止水板等の設置を進めており、千代田線二重橋前〈丸の内〉駅など3駅8箇所に防水扉を、銀座線末広町駅1箇所に防水型シャッターを設置しました。また、坑口(トンネルの入口部分)等においても浸水対策工事を進めています。
異常時の体制の確立への取組としては、2018年8月に不審物(有毒ガス)による化学テロの発生を想定した対策本部設置・運営訓練を実施したほか、同年11月に、総合研修訓練センターにおいて、東京消防庁及び警視庁協力のもと、お客様モニターの方々にもご参加いただき、「駅構内への不審者侵入」及び「線路内への不審物投げ込み」を想定した異常時総合想定訓練を実施しました。
鉄道の安全・安定運行に向けた取組としては、ホームでの安全対策(お客様の転落事故、接触事故の防止等)として、2025年度までに全路線全駅へのホームドア設置を目指しています。銀座線については大規模改良工事中の渋谷駅を除く全ての駅において設置が完了しました。東西線については神楽坂駅など4駅、千代田線については湯島駅など7駅、半蔵門線については半蔵門駅など5駅への設置が完了しました。現在、上記4路線においてホームドア設置工事を進めています。また、ホームドア未整備駅においては、混雑箇所や曲線箇所、目の不自由なお客様が多く利用される箇所等に警備員を配置するなど、ホームの安全性向上施策のほか、駅構内の「見守る目」を強化するため、飯田橋駅構内において、学校法人法政大学と連携し、在学生のボランティア活動による介助を必要とするお客様へのサポートを実施しています。さらに、全ての駅社員のサービス介助士資格取得の推進や2019年2月には、介助知識の向上及び視覚障がいへの理解促進を目的として、目の不自由な方を講師としてお招きし、社員向けの講習会を実施しました。
新型車両の導入・既存車両のリニューアルとしては、安全性及び車両内の快適性を向上させ、環境にも配慮した車両の導入を進めました。新型車両については、2019年2月から丸ノ内線において、2000系車両24両(4編成)を導入したほか、日比谷線において、東武鉄道株式会社と相互直通運転車両の仕様を共通化した13000系車両を91両(13編成)導入し、合計203両(29編成)となりました。既存車両については、東西線において、07系車両20両(2編成)及び南北線において、9000系車両12両(2編成)のリニューアル工事が完了しました。
セキュリティの強化への取組としては、テロ行為や犯罪に備え、駅構内へのセキュリティカメラの増設及び機能向上とともに車両内のセキュリティカメラの導入を進めており、2018年9月から日比谷線、2019年1月から南北線、同年2月から丸ノ内線の一部の車両において、セキュリティカメラの運用を開始しました。
トンネルの長寿命化への取組としては、全路線を対象に、トンネル内面の近接目視及び打音検査を順次実施しており、今年度は半蔵門線及び南北線の検査を行いました。また、日常的な補修を実施するほか、塩害防止対策等も順次実施しています。
お客様視点に立ったサービスの充実に向けた取組については、輸送サービスの改善、バリアフリー設備整備、銀座線のリニューアル等を進めました。
輸送サービス改善の取組としては、駅や線路その他の設備の改良やダイヤ改正などを実施しました。駅や線路その他の設備の改良としては、千代田線において、2019年3月に、北綾瀬駅のホーム延伸及び出入口新設工事が完了し、代々木上原駅~北綾瀬駅間の10両編成列車の直通運行を開始しました。また、東西線において、混雑に伴う遅延の解消を目指し、飯田橋駅~九段下駅間の折返し線整備、茅場町駅のホーム延伸工事、南砂町駅のホーム及び線路増設工事、木場駅のホーム及びコンコース拡幅並びに昇降設備増設の改良工事を進めているほか、丸ノ内線において、池袋駅~方南町駅間の6両編成列車の直通運行開始を目指し、方南町駅のホーム延伸工事を進めています。ダイヤ改正としては、有楽町線において、2019年3月に、有料座席指定列車「S-TRAIN」を平日朝ラッシュ後に増発するなど、全線で一部区間での列車増発や停車時間の見直し等を実施しました。
このほか、混雑緩和施策として、東京都が実施した「快適通勤ムーブメント『時差B i z』」期間に合わせて、一部路線において平日早朝時間帯に臨時列車を運転するなどの取組や「オフピーク通勤(通学)」を推奨するために実施している「東西線早起きキャンペーン」に加え、有楽町線豊洲駅において、「オフピーク通勤(通学)」やホーム階から改札階に向かうお客様の「流動の分散化」を促進する混雑緩和キャンペーン「とよすプロジェクト」を2018年4月から同年8月まで及び2019年1月から同年3月まで実施しました。
バリアフリー設備整備としては、エレベーターを銀座線日本橋駅に1基、丸ノ内線四谷三丁目駅に1基、日比谷線神谷町駅に2基、東西線では飯田橋駅など4駅に5基、千代田線北綾瀬駅に1基、南北線六本木一丁目駅に1基、エスカレーターを銀座線日本橋駅に2基、丸ノ内線四ツ谷駅に1基、日比谷線神谷町駅に2基、東西線神楽坂駅に4基、副都心線東新宿駅に2基設置しました。また、お身体の不自由なお客様をはじめとした全てのお客様にご利用いただける多機能トイレを日比谷線広尾駅に1箇所設置し、多機能トイレの整備率は99.3%となりました。
このほか、新型車両の導入や既存車両のリニューアル工事に合わせて、車椅子・ベビーカーをご利用のお客様や旅行等で大きな荷物をお持ちのお客様に配慮した、車両内フリースペースの導入を進めています。
銀座線のリニューアルとしては、これまで実施した「東京メトロ銀座線・駅デザインコンペ」の結果を踏まえ、「商業エリア」として区分した日本橋駅及び京橋駅、「銀座エリア」として区分した銀座駅、「トレンドエリア」として区分した外苑前駅の駅改装工事を進めるとともに、青山一丁目駅の駅改装工事に着手しました。また、渋谷駅街区基盤整備の一環として、銀座線渋谷駅の移設・改良工事を進めています。
地下鉄をわかりやすく快適にご利用いただくための取組としては、訪日外国人のお客様への利便性向上を目的として、2018年4月から上野駅、2019年2月から東京駅など4駅の各旅客案内所において、「T o k y o S u b w a y T i c k e t」等の企画乗車券が、モバイル決済「A l i p a y」でご購入いただけるようになりました。また、2018年10月に、ICカードをご利用のお客様の利便性向上を目的として、銀座線上野駅にICカードを財布やパスケースから出さずにスピーディーなチャージが可能となる新たなトレイ型ICチャージ専用機を導入しました。同機は7か国語(日・英・中・韓・仏・西・タイ)に対応しており、全34駅に順次導入を進めます。このほか、車両内無料W i - F i サービスを、既に稼働している銀座線、日比谷線、東西線及び千代田線に加え、2018年5月から南北線車両、同年7月から半蔵門線車両、同年8月から有楽町線及び副都心線車両、2019年2月からは丸ノ内線2000系車両に順次導入し、2020年夏までに全車両への導入を目指しています。
東京の地下鉄サービスの一体化に向けた取組としては、九段下駅における東西線、半蔵門線及び都営新宿線のさらなる利便性向上施策として、3線共通改札口の設置や乗換エレベーターの整備等の工事を進めています。また、2018年7月に人形町駅、同年9月に日本橋駅にエレベーターを整備しました。このほか、浅草駅や大手町駅等、都営地下鉄との乗換駅における乗継ルートのエレベーター整備工事を進めています。
新たな需要の創出に向けた取組については、お客様ニーズをとらえたサービス・商品の提供、沿線地域や東京の魅力の発掘・発信などに努めました。
お客様ニーズをとらえたサービス・商品の提供への取組としては、2018年4月から関東の交通事業者12社局の鉄道・軌道線と52社局の一般バス路線が3日間乗り降り自由になる、訪日外国人旅行者向けの企画乗車券「G r e a t e r T o k y o P a s s」の発売を開始しました。また、同年12月から交通事業者12社局と共同で、関東地方をご旅行の訪日外国人向けのICカード乗車券「WELCOME KANTO PASMO」の発売を枚数限定で開始しました。上野駅など一部の駅において発売しています。お客様誘致施策については、2018年10月に、24時間券と謎解きキットを使用した、「ナゾトキ街歩きゲーム『地下謎への招待状2018』」を実施し、また、2019年1月に私鉄10社共同企画として、「私鉄10社 宝探しスタンプラリー ナゾ鉄クラブと幻の電車」を実施するなど、各種施策を実施しました。
沿線地域や東京の魅力の発掘・発信への取組としては、駅周辺地域の施設及び店舗と連携して当社沿線の街の魅力を発信する散策型スタンプラリー「新発見!駅から始まるさんぽ道 3 r d S e a s o n」を2018年4月から通年で実施しました。また、2019年1月に、沿線の魅力発信と九州北部豪雨の復興支援を目的に、当社、西日本鉄道株式会社及び全日本空輸株式会社との合同企画として「きんしゃい福岡×おいでよ東京 ばり楽しか!スタンプラリー」を実施しました。さらに、同年2月に、沿線の魅力発信と北海道胆振東部地震の復興支援を目的に、当社、札幌市交通局及び全日本空輸株式会社との合同企画として、「東京メトロ×札幌市交通局 春行き 東西線・南北線 スタンプラリー」を実施しました。このほか、当社沿線の特色あるエリアを散策していただく「東京まちさんぽ」や事前応募制による車両基地イベント「メトロファミリーパーク i n AYASE 2018」など、各種イベントも実施しました。
まちづくりとの連携としては、バリアフリー施設の整備を検討している日比谷線茅場町駅など18駅において、駅との接続を前提とした駅周辺での建物の建替えや開発の計画を募集する「駅周辺開発における公募型連携プロジェクト」を進めています。また、大規模な都市開発による駅周辺のまちづくりと一体となった鉄道施設整備として、日比谷線霞ケ関駅~神谷町駅間に新駅を建設しており、同新駅の名称を「虎ノ門ヒルズ」に決定しました。このほか、銀座線虎ノ門駅及び日本橋駅の駅改良を進めています。
新たな事業領域への挑戦としては、プログラボ教育事業運営委員会とフランチャイズ契約を締結し、子ども向けのロボットプログラミング教室「東京メトロ×プログラボ」を3校(葛西、目黒、綾瀬)開校しました。また、2019年3月に仕事と育児の両立を応援するためのワークスペース事業を立ち上げ、キッズスペース併設のワークスペース「r o o m EXPLACE」を東西線東陽町駅及び門前仲町駅の近傍に開設しました。さらに、「Tokyo M e t r o ACCELERATOR 2018」として、企業アクセラレータープログラムを3年連続で実施し、共創(つながり)を通じた新しい事業や価値を創出することを目的に提案を募集しました。審査を通過した企業との実証実験等を通して、事業展開を検討していきます。
環境保全活動への取組としては、2020年度に向けた長期環境戦略「みんなでECO.」に基づき、長期的かつ戦略的に環境負荷の低減につながる様々な施策に取り組んでいます。その一環として、電車がブレーキをかけたときに発生する回生電力を駅施設に供給する駅補助電源装置や太陽光発電システムの活用、環境配慮型車両の開発・導入並びに車内、駅構内照明及び案内看板等のサインシステムのLED化を進めています。
海外への展開については、ベトナム現地法人「ベトナム東京メトロ」(VIETNAM TOKYO METRO ONE MEMBER LIMITED LIABILITY COMPANY)と連携し、ベトナム・ハノイ市都市鉄道の運営・維持管理会社「ハノイ・メトロ・カンパニー」に対する支援等を継続して実施するとともに、2018年5月には、フィリピンの都市鉄道人材育成体制の構築に向け、独立行政法人国際協力機構(JICA)から「フィリピン国フィリピン鉄道訓練センター設立・運営能力強化支援プロジェクト」を当社、株式会社オリエンタルコンサルタンツグローバル、株式会社アルメックVPIと共同で受注し、業務を開始しました。
このほか、東京2020大会のオフィシャルパートナー(旅客鉄道輸送サービス)である当社は、東京2020大会組織委員会主催の「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」に賛同し、当社線内34駅に設置した回収ボックスから、携帯電話・スマートフォンを回収しました。また、車両内のビジョン等で各競技の見どころ・観戦ポイントを紹介するプロジェクト「TOKYO SPORTS STATION」を東日本旅客鉄道株式会社と共同で実施しています。加えて、東京2020大会組織委員会をはじめ、国や東京都、沿線地域の皆様、他の交通事業者等と連携し、列車の増発や終電の繰り下げ等、大会期間中の円滑な旅客鉄道輸送サービスの提供に向けた準備を進めていきます。
運輸業の当連結会計年度の業績は、沿線の再開発や雇用環境の改善が続き、オフィスビル面積・需要が増加したことに加え、沿線の商業施設の開業及び訪日外国人のご利用の増加等により、旅客運輸収入が堅調に推移したことから、営業収益が3,865億3千1百万円(前期比1.9%増)、営業利益が859億9千6百万円(前期比0.8%増)となりました。
(運輸成績表)
種別単位前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
営業日数365365
旅客営業キロキロ195.1195.1
客車走行キロ千キロ290,407290,685
輸送人員定期千人1,551,8981,586,054
定期外1,157,1661,180,113
2,709,0642,766,167
旅客運輸収入定期百万円149,875153,242
定期外191,675195,266
341,550348,509
乗車効率%5354

(注)1 記載数値は、千キロ未満、千人未満、百万円未満を切り捨てて表示しています。
2 乗車効率の算出方法:人キロ÷(客車走行キロ×客車平均定員)×100
[不動産事業]
不動産事業においては、鉄道事業とのシナジー効果の発揮を基本とした上で、収益力向上を図り、各種開発を推進しました。
渋谷駅街区開発については、東京急行電鉄株式会社、東日本旅客鉄道株式会社及び当社の3社にて、渋谷駅街区開発計画Ⅰ期(東棟)の工事を進めており、2019年秋に「渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)」の開業を予定しています。また、駅直結のエレベーターやエスカレーターと一体となった建物を整備していくことを目指しており、2018年12月に日比谷線神谷町駅において、西松建設株式会社と共同で開発したオフィスビル「NCOメトロ神谷町」を開業しました。さらに、丸ノ内線新宿御苑前駅及び日比谷線六本木駅においても同様の不動産開発を進めています。
不動産事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が136億3千2百万円(前期比4.9%増)、営業利益が46億2千6百万円(前期比9.7%増)となりました。
[流通・広告事業]
流通・広告事業においては、より一層の収益拡大を図るとともに、駅をご利用されるお客様の利便性を高めるため、グループ各社との連携を図りながら各種施策を推進しました。
流通事業については、「Esola(エソラ)池袋」をはじめとした商業ビルや「Metro pia(メトロピア)」等の駅構内店舗において、店舗の入替えや業態変更を行い、収益性の向上を図りました。
提携クレジットカード「Tokyo Metro To Me CARD」については、「ANA To Me CARD PASMO JCB(愛称:ソラチカカード)」及び日本初の地下鉄車両1001号車をデザインした「Tokyo Metro To Me CARD Prime 地下鉄開通90周年限定カード」を含む「Tokyo Metro To Me CARD Prime」の新規入会キャンペーン等を実施し、新規会員の獲得とカード利用の促進に努めました。
広告事業については、車内デジタル広告「Tokyo Metro Vision」を新たに28編成に導入し、合計255編成で販売し、駅コンコースデジタル広告「Metro Concourse Vision」等と合わせて、収益拡大に努めました。
情報通信事業については、参画企業と共同構築した訪日外国人向け観光情報サイト「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」にて、訪日外国人のお客様の視点で厳選した観光情報の発信に取り組んでいます。
流通・広告事業の当連結会計年度の業績は、営業収益が409億9千2百万円(前期比2.7%増)、営業利益が77億4千2百万円(前期比5.7%増)となりました。
当社グループの財政状態については、当連結会計年度末における資産合計は前連結会計年度末に比べ1,259億4千8百万円増の1兆6,760億8千1百万円、負債合計は818億9千9百万円増の9,971億2百万円、純資産合計は440億4千8百万円増の6,789億7千8百万円となりました。
資産の部の増加については、設備投資に伴う固定資産の増加等によるものです。
負債の部の増加については、設備投資に伴う長期債務の増加等によるものです。
純資産の部の増加については、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、40.5%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ300億7千8百万円増加し、当連結会計年度末には694億1千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1,401億4百万円(前期比14億2千1百万円収入増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益882億6千5百万円、非資金科目である減価償却費775億6千8百万円を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、1,599億1千4百万円(前期比34億4千1百万円支出増)となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が1,686億5千9百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、498億8千9百万円(前期比349億4千2百万円収入増)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が403億1千4百万円あった一方で、社債の発行による収入695億5千7百万円、長期借入れによる収入360億円があったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの業種構成はサービス業が中心であり、受注生産形態をとらない会社が多いため、「① 財政状態及び経営成績の状況」においてセグメントの業績を記載することとしています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成され、連結財務諸表の作成にあたっては連結決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の数値に影響を与える事項について、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積りを行った上で、継続して評価を行っています。ただし、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
ⅰ有価証券の評価
当社グループが保有する有価証券のうち、市場価額のある有価証券は時価の著しい下落が生じた場合に、市場価額のない有価証券は、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく下落した場合等に、損失の計上が必要となる場合があります。
ⅱ固定資産の減損
当社グループは多くの固定資産を保有しており、回収可能価額を将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づいて算出しています。そのため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、又は算出の前提条件に変更があった場合には、損失が発生する可能性があります。
ⅲ繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を将来実現できないと判断した場合、その判断を行った期間に繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
ⅳ退職給付債務及び費用
従業員の退職給付債務及び費用は、数理計算上で設定される割引率、退職率、死亡率及び長期期待運用収益率等の前提条件に基づいて算出しています。
実際の結果が、前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、退職給付債務及び費用に影響を及ぼす可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析は次のとおりです。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
増減額増減率
%
営業収益425,821434,8949,0722.1
営業費328,634336,3277,6932.3
営業利益97,18798,5661,3791.4
営業外収益2,5371,916△621△24.5
営業外費用12,00511,291△714△6.0
経常利益87,71989,1911,4721.7
特別利益8,15410,7242,56931.5
特別損失8,03111,6503,61845.1
税金等調整前当期純利益87,84288,2654230.5
親会社株主に帰属する当期純利益60,37060,7093380.6

[営業収益及び営業利益]
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ90億7千2百万円増の4,348億9千4百万円となりました。これは、沿線の再開発や雇用環境の改善が続き、オフィスビル需要・面積が増加したことに加え、沿線の商業施設の開業及び訪日外国人のご利用の増加等により、旅客運輸収入が堅調に推移したことによるものです。
営業費は、前連結会計年度に比べ76億9千3百万円増の3,363億2千7百万円となりました。これは、当社の安全対策や旅客サービス向上などの各種施策に伴う減価償却費及び人件費の増加等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ13億7千9百万円増の985億6千6百万円となりました。なお、各セグメントの営業収益の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
[営業外損益及び経常利益]
当連結会計年度の営業外収益は、受取受託工事事務費の減少等により、前連結会計年度に比べ6億2千1百万円減の19億1千6百万円となりました。
営業外費用は、支払利息の減少等により、前連結会計年度に比べ7億1千4百万円減の112億9千1百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ14億7千2百万円増の891億9千1百万円となりました。
[特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益]
当連結会計年度の特別利益は、鉄道施設受贈財産評価額の増加等により、前連結会計年度に比べ25億6千9百万円増の107億2千4百万円となりました。
特別損失は、固定資産圧縮損の増加や投資有価証券評価損の計上等により、前連結会計年度に比べ36億1千8百万円増の116億5千万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は882億6千5百万円となり、法人税等を加減した親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ3億3千8百万円増の607億9百万円となりました。
財政状態の分析は次のとおりです。
当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析は次のとおりです。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動により得られた資金並びに社債及び借入金を設備投資などに充当しています。
当社グループの今後の資金需要において、主なものは運輸業のうち鉄道事業に係る設備投資であり、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」に記載しています。当社グループでは、設備投資については、投資効率等により選別し、効率的かつ戦略的な投資を行っていきます。
当社グループは、当連結会計年度を最終年度とする3か年の中期経営計画「東京メトロプラン2018 ~『安心の提供』と『成長への挑戦』~」に基づき、各種施策を積極的に展開しました。加えて、収益面においては、定期利用での沿線オフィス需要の堅調さ、再開発及び定期外利用での休日のお出かけ需要増及び訪日外国人のご利用増により、一定の成果を収めることができました。
経営目標値においては、東京2020大会とその先も見据えた各種施策の計画前倒し・追加、工程促進等のため、3か年の設備投資額を当初計画4,200億円から5,100億円に増額変更したことに伴い、債務残高及び減価償却費等の営業費が増加しましたが、旅客運輸収入が堅調に推移したことなどにより、概ね達成することができました。
詳細は次のとおりです。
経営指標2019年3月期末目標2019年3月期末実績
連結キャッシュフロー(注)13,890億円
(2017年3月期から2019年3月期までの
3か年総額)
4,058億円
(2017年3月期から2019年3月期までの
3か年総額)
連結D/Eレシオ(注)21.0倍1.05倍
連結ROA(注)36.0%6.1%

(注)1 親会社株主に帰属する当期純利益に減価償却費を加え、簡易的に計算したものとします。
2 債務残高/純資産で計算したものとします。
3 営業利益/((期首総資産+期末総資産)/2)で計算したものとします。
今後のキャッシュ・フロー配分については、2019年3月に発表した中期経営計画「東京メトロプラン2021」に基づき、東京2020大会の開催とその先を見据え、鉄道事業の各種施策について引き続き高水準の設備投資を行っていくとともに、中長期的な収益基盤の強化を目指し、成長分野へも可能な限り資源を配分していく方針です。
なお、これらに伴い負債や営業費の増加が見込まれますが、増収やコスト削減等の経営努力により、その増加幅を最小限に留めるとともに、2022年3月期末における経営目標値の達成を目指していきます。

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  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。