半期報告書-第21期(2024/04/01-2025/03/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、緩やかに回復しているものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような状況下で、当社グループは、2022年4月に公表し、2023年3月に設備投資計画の見直しやポストコロナを見据えた経営目標値の上方修正等を行った中期経営計画「東京メトロプラン2024」(2022年度~2024年度)に基づき、各種施策を積極的に推進しています。本計画期間において、鉄道事業の持続可能性の向上を図るべく、安全の確保を前提に、次世代に向けたコスト構造や業務の抜本的な見直し等、『構造変革』に取り組むとともに、新線建設、お出かけ機会の創出、都市・生活創造事業の強化等、『新たな飛躍』を目指した各種施策に取り組んでいます。
当中間連結会計期間の業績は、経済活動が活性化したこと等により、旅客運輸収入が増加し、営業収益が2,023億6千9百万円(前年同期比5.5%増)となり、営業利益が500億6千万円(前年同期比23.9%増)、経常利益が445億2千5百万円(前年同期比27.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が306億9千9百万円(前年同期比26.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
[運輸業]
① 安全性・利便性の向上
(セキュリティ強化)
テロ行為や犯罪に備え、車内セキュリティカメラの導入を進めており、2024年度中に全路線設置完了予定です。
(自然災害対策)
阪神・淡路大震災及び東日本大震災後の通達に基づく耐震補強(高架橋、石積み擁壁)は完了しています。また、熊本地震後の通達に基づく震災対策として、早期運行再開を目的としたロッキング橋脚、こ線道路橋・人道橋の補強は完了し、現在はトンネル中柱の耐震補強工事を進めています。
大規模浸水対策として、浸水深に応じた駅出入口の止水板の改良、防水扉の設置、上屋建て替えによる完全防水型出入口への改良、換気口浸水防止機の改良、換気塔の嵩上げ、地上駅・地上設備の外壁の鉄筋コンクリート化、トンネル坑口への防水ゲートの設置等を進めており、現在60.6%の進捗となっています。
(お客様の円滑な移動の実現)
お身体の不自由なお客様をはじめとした全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、エレベーター、エスカレーター及びバリアフリートイレの整備を進めており、東西線南砂町駅にエレベーターを設置しました。また、ホームと車両床面の段差・隙間縮小のため、日比谷線、東西線、半蔵門線、南北線及び副都心線においてホームの嵩上げ、くし状ゴムの設置を進めています。
※銀座線・丸ノ内線・千代田線は設置完了
ホームドアの整備については、2025年度までの全路線全駅への設置完了を目指しており、2路線において設置工事を進めています。現在の全線及び設置工事中2路線の整備率は、以下のとおりです。
※他路線は設置完了
また、東西線南砂町駅においては、2024年5月に第1回線路切替工事を行い、新設したホーム、出入口、改札等の供用を開始しました。
(その他)
2021年6月に発生した日比谷線八丁堀駅における多機能トイレの機能不備によるお客様の発見遅れについては、公表した再発防止対策報告書に基づく取組を確実に推進し、当社施設の確実な施工、保守・点検及び適切な取扱いを徹底しています。
② 有楽町線延伸・南北線延伸等によるネットワーク発展・充実
(有楽町線・南北線の延伸)
有楽町線延伸・南北線延伸に向けては、2024年6月に都市計画決定が告示されたことを踏まえ、地質及び埋設物の調査並びに設計、年内の着工に向けた各種協議及び手続きを行うとともに工事説明会を実施しました。
③ 鉄道事業の成長に向けたアクションプラン
(目的地と連動した移動価値)
沿線施設と連動したお出かけ機会の創出に向けて、企業や自治体とタイアップしたスタンプラリーを実施しました。
(他サービスと連携した移動価値)
「東京メトロmy!アプリ」を介して、お出かけ情報の提供や二次交通との連携による観光予約等、ご乗車の機会が増えるような「楽しみ」の提案や企画検討を行っています。2024年4月から、同アプリを介して飲食店ポータルサイトであるオズモールを予約いただいたお客様に、メトロポイントクラブ(メトポ)のポイント付与を開始しました。また、同年7月から9月まで、東海汽船株式会社と連携し、同アプリを介した東京湾納涼船の利用予約を提供しました。
(頻度に応じた移動価値)
より分かりやすくお得に多くのお客様にご利用いただけるよう、2024年4月に、PASMOをお持ちの方を対象とした「メトロポイントクラブ(メトポ)」とTo Me CARDをお持ちの方を対象とした「メトロポイント」の2つのポイントサービスを統合しました。また、同年5月に、モバイルのPASMOをご利用のお客様において、モバイルPASMOアプリ上でメトポの登録手続き及びポイントからのチャージを可能にしました。
④ 新技術の導入とDXによる鉄道オペレーションの進化
(技術開発ビジョン)
新技術の導入・開発やDXの推進等により、持続的な企業価値向上を図り、将来にわたる安心の提供を実現するため、状態基準保全(CBM)の一環として、車両・設備の状態監視を進めています。また、故障予知技術・劣化予測技術の促進の検討を進めています。
⑤ 不動産事業の拡大とまちづくりとの連携
(まちづくりとの連携)
駅周辺開発を計画・検討する都市開発事業者等と連携した「えき・まち連携プロジェクト」として、5駅において開発提案を募集しています。
⑥ 海外鉄道ビジネスの拡大・新規ビジネスの開発推進
(海外鉄道ビジネス)
海外鉄道ビジネスについては、ベトナム、フィリピン等において鉄道整備、技術支援に係る各プロジェクトや世界の鉄道関係者向けオンライン講座・訪日研修を推進しています。「ベトナム国鉄道学校における都市鉄道研修能力強化プロジェクト」においては、ベトナムの鉄道関係者を対象に訪日研修を実施しました。「フィリピン鉄道訓練センター設立・運営支援プロジェクト」では、現地訓練センターの設立、カリキュラム・教科書の作成及び指導員養成等、計画した内容を完遂しました。また、世界の鉄道関係者向けオンライン講座・訪日研修の「Tokyo Metro Academy」においては、オンライン講座6講座を開催しました。
(新規ビジネスの開発)
新規事業の創出を目的とした社内事業開発プログラム「メトロのたまご」を通じて社員が提案したスケートボードパーク&スクール事業「RAMP ZERO」を、日比谷線南千住駅高架下において2024年4月に営業開始しました。また、「Tokyo Metro ACCELERATOR 2022」で最終審査を通過したSTUDIO BUKI株式会社との協業施策として、子どもが作中で東京メトロの運転士になれるパーソナライズド絵本「僕は私は運転士!」を同年4月に販売開始しました。同様に、最終審査を通過した株式会社休日ハックとの協業施策として、漫画・謎解き・街歩きを掛け合わせたオリジナル体験型エンターテイメント「メトロタイムゲート」を同年5月から8月までの期間限定で実施しました。
加えて、「東京メトロ×プログラボ」15校目となるプログラボ晴海を、東京2020大会選手村の跡地に開発された「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」内にオープンしました。
⑦ 脱炭素・循環型社会への貢献
(脱炭素社会への取組)
脱炭素社会の実現に向けた取組として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、当社の気候関連リスク、機会等を特定し、開示しています。指標、目標として掲げている長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」の達成に向け、2024年4月から丸ノ内線・南北線で使用する全ての電力を水力発電由来の再生可能エネルギーに置き換えてCO₂排出量ゼロで運行を開始しました。それに合わせ、当社の環境負荷低減の取組に触れていただく機会を創出するため、同年4月から5月に「乗ってエコ」スタンプラリーを実施しました。また、東西線では、家庭用太陽光発電の余剰電力の環境価値を調達し、使用する電力の一部を実質再生可能エネルギー化して運行を開始しました。その他、同年7月に鉄道業界で初めて小水力発電、9月に太陽光発電に関するバーチャルPPA(需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの環境価値のみを仮想的に調達する契約)を新たに締結しました。今後も再生可能エネルギーの活用や、車両・設備の省エネルギー化に取り組んでいきます。
加えて、当社の鉄道運行を通じて生まれた、社会における環境面でのポジティブインパクト(削減貢献量)を活用し、同年6月、東京都交通局と共同で、環境負荷の少ない移動手段の利用促進を目的として「エコボーナスWキャンペーン」を実施しました。また、同年9月から株式会社大丸松坂屋百貨店が運営する上野松坂屋店と「メトロに乗ってエコフに行こう!キャンペーン」を実施し、鉄道の環境優位性と両者の環境負荷低減に向けた取組の訴求を図っています。引き続き他者と連携した施策の実施等を通じて、鉄道事業の成長を環境課題の解決につなげていきます。
(循環型社会への取組)
当社グループが運営する一部の飲食店、社員食堂等から排出される使用済み油をSAF(Sustainable Aviation Fuel:化石燃料以外を原料とする持続可能な航空燃料)の原料に再利用する取組として、「Fry to Fly Project」(国内資源循環による脱炭素実現に向けたプロジェクト)に参加し、2024年6月には、東西線浦安駅で使用済み油回収イベントを実施しました。今後も、お客様に楽しく体感いただけるイベントを企画・実施し、SAFの重要性や当該プロジェクトを発信していきます。
⑧ 経営基盤の強化
(安全文化の醸成)
お客様の安全を第一とし、事故の未然防止、再発防止に取り組むため、グループ全役員・社員を対象にした安全研修を実施したほか、事故防止オープンセミナー、ヒューマンファクター分析等を実施しました。社員一人ひとりが自ら考え行動を起こすことができる安全文化の醸成に努めています。
(豊かな社会のためのパートナーシップ)
女子駅伝部や車いすフェンシング選手である安直樹選手の活動支援のほか、東京マラソンへの参画を通じて、スポーツ選手が活躍できる環境づくりに貢献するとともに地域・社会の活性化に取り組んでおり、2024年9月には、パリ2024パラリンピック競技大会に出場した安直樹選手とともに東京都主催のパラスポーツイベント「TOKYO パラスポーツ FORWARD」へ参加し、車いすフェンシングの体験会を実施しました。また、次世代を担う人財を育成することを目的として、東京大学生産技術研究所とともに、同年7月に中高生を対象とした「鉄道ワークショップ2024」を開催しました。
運輸業の当中間連結会計期間の業績は、経済活動が活性化したこと等により、旅客運輸収入が増加し、営業収益が1,853億3千3百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益が430億8千8百万円(前年同期比27.2%増)となりました。
(注)記載数値は、千人未満、百万円未満を切り捨てて表示しています。
[不動産事業]
不動産事業においては、収益性の向上を図るべく、駅周辺の都市開発と一体となった建物の整備を進めています。2024年4月には神宮前六丁目用地再開発建物が東急プラザ原宿「ハラカド」として開業しました。また、新宿駅西口地区開発計画においては新築工事を推進し、東上野地区においては東上野四丁目A―1地区再開発準備組合へ事業協力者として参画しています。加えて、遊休資産の有効活用として同年7月には北馬込一丁目用地(旧家族寮)に介護付有料老人ホームの「チャームスイート旗の台」が開業しました。そのほか、同年4月に「東京メトロアセットマネジメント株式会社」を設立し、不動産事業の成長を目的とした不動産アセットマネジメント事業への参入に向け、準備を進めています。
不動産事業の当中間連結会計期間の業績は、営業収益が70億9千5百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益が27億2千4百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
[流通・広告事業]
流通・広告事業においては、収益性の向上を図るとともに、お客様の「新たな日常」を支え、ニーズに迅速に対応するため、各種開発を推進しました。
流通事業については、駅構内店舗等において店舗入替を行うとともに、駅構内の空きスペースにおいて自動販売機、コインロッカー等の増設を行ったほか、日本橋駅及び錦糸町駅において新規店舗の開発を進めました。
広告事業については、デジタルサイネージの販売促進に加え、中づりやまど上、駅ばりポスターの貸切商品等、クライアントニーズに応じたインパクトのある商品の展開により、収益拡大に努めました。
流通・広告事業の当中間連結会計期間の業績は、営業収益が120億9千5百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益が41億3千2百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
当社グループの財政状態については、当中間連結会計期間末における資産合計は前連結会計年度末に比べ256億1千8百万円減の1兆9,969億5百万円、負債合計は370億5百万円減の1兆3,171億2千2百万円、純資産合計は113億8千7百万円増の6,797億8千2百万円となりました。
資産の部の減少については、流動資産において工事代金の支払等による現金及び預金、有価証券(譲渡性預金)の減少等によるものです。
負債の部の減少については、流動負債において工事代金等の未払金の支払等によるものです。
純資産の部の増加については、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等によるものです。
この結果、当中間連結会計期間末における自己資本比率は、34.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ185億9千万円増加し、当中間連結会計期間末には717億5千6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は、561億4千8百万円(前年同期比11億6千万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前中間純利益443億3千8百万円(前年同期比93億4千6百万円の収入増)や非資金科目である減価償却費352億5千6百万円(前年同期比10億8千6百万円の収入減)を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、426億4千2百万円(前年同期比152億9千2百万円の支出減)となりました。これは、設備投資等を中心に有形及び無形固定資産の取得による支出が473億9千2百万円(前年同期比136億2千4百万円の支出減)あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は、324億1千5百万円(前年同期比4億5千5百万円の支出減)となりました。これは、社債の償還による支出が100億円(前年同期比50億円の資金の増加)、長期借入金の返済による支出が36億8千万円(前年同期比23億5千8百万円の資金の増加)及び配当金の支払額が185億9千2百万円(前年同期比69億7千2百万円の資金の減少)あったこと等によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、緩やかに回復しているものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。
このような状況下で、当社グループは、2022年4月に公表し、2023年3月に設備投資計画の見直しやポストコロナを見据えた経営目標値の上方修正等を行った中期経営計画「東京メトロプラン2024」(2022年度~2024年度)に基づき、各種施策を積極的に推進しています。本計画期間において、鉄道事業の持続可能性の向上を図るべく、安全の確保を前提に、次世代に向けたコスト構造や業務の抜本的な見直し等、『構造変革』に取り組むとともに、新線建設、お出かけ機会の創出、都市・生活創造事業の強化等、『新たな飛躍』を目指した各種施策に取り組んでいます。
当中間連結会計期間の業績は、経済活動が活性化したこと等により、旅客運輸収入が増加し、営業収益が2,023億6千9百万円(前年同期比5.5%増)となり、営業利益が500億6千万円(前年同期比23.9%増)、経常利益が445億2千5百万円(前年同期比27.4%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が306億9千9百万円(前年同期比26.6%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
[運輸業]
① 安全性・利便性の向上
(セキュリティ強化)
テロ行為や犯罪に備え、車内セキュリティカメラの導入を進めており、2024年度中に全路線設置完了予定です。
(自然災害対策)
阪神・淡路大震災及び東日本大震災後の通達に基づく耐震補強(高架橋、石積み擁壁)は完了しています。また、熊本地震後の通達に基づく震災対策として、早期運行再開を目的としたロッキング橋脚、こ線道路橋・人道橋の補強は完了し、現在はトンネル中柱の耐震補強工事を進めています。
大規模浸水対策として、浸水深に応じた駅出入口の止水板の改良、防水扉の設置、上屋建て替えによる完全防水型出入口への改良、換気口浸水防止機の改良、換気塔の嵩上げ、地上駅・地上設備の外壁の鉄筋コンクリート化、トンネル坑口への防水ゲートの設置等を進めており、現在60.6%の進捗となっています。
(お客様の円滑な移動の実現)
お身体の不自由なお客様をはじめとした全てのお客様に安心してご利用いただけるよう、エレベーター、エスカレーター及びバリアフリートイレの整備を進めており、東西線南砂町駅にエレベーターを設置しました。また、ホームと車両床面の段差・隙間縮小のため、日比谷線、東西線、半蔵門線、南北線及び副都心線においてホームの嵩上げ、くし状ゴムの設置を進めています。
※銀座線・丸ノ内線・千代田線は設置完了
ホームドアの整備については、2025年度までの全路線全駅への設置完了を目指しており、2路線において設置工事を進めています。現在の全線及び設置工事中2路線の整備率は、以下のとおりです。
| 全線 | 東西線 | 半蔵門線 | |
| 整備率 | 92% | 52% | 79% |
※他路線は設置完了
また、東西線南砂町駅においては、2024年5月に第1回線路切替工事を行い、新設したホーム、出入口、改札等の供用を開始しました。
(その他)
2021年6月に発生した日比谷線八丁堀駅における多機能トイレの機能不備によるお客様の発見遅れについては、公表した再発防止対策報告書に基づく取組を確実に推進し、当社施設の確実な施工、保守・点検及び適切な取扱いを徹底しています。
② 有楽町線延伸・南北線延伸等によるネットワーク発展・充実
(有楽町線・南北線の延伸)
有楽町線延伸・南北線延伸に向けては、2024年6月に都市計画決定が告示されたことを踏まえ、地質及び埋設物の調査並びに設計、年内の着工に向けた各種協議及び手続きを行うとともに工事説明会を実施しました。
③ 鉄道事業の成長に向けたアクションプラン
(目的地と連動した移動価値)
沿線施設と連動したお出かけ機会の創出に向けて、企業や自治体とタイアップしたスタンプラリーを実施しました。
(他サービスと連携した移動価値)
「東京メトロmy!アプリ」を介して、お出かけ情報の提供や二次交通との連携による観光予約等、ご乗車の機会が増えるような「楽しみ」の提案や企画検討を行っています。2024年4月から、同アプリを介して飲食店ポータルサイトであるオズモールを予約いただいたお客様に、メトロポイントクラブ(メトポ)のポイント付与を開始しました。また、同年7月から9月まで、東海汽船株式会社と連携し、同アプリを介した東京湾納涼船の利用予約を提供しました。
(頻度に応じた移動価値)
より分かりやすくお得に多くのお客様にご利用いただけるよう、2024年4月に、PASMOをお持ちの方を対象とした「メトロポイントクラブ(メトポ)」とTo Me CARDをお持ちの方を対象とした「メトロポイント」の2つのポイントサービスを統合しました。また、同年5月に、モバイルのPASMOをご利用のお客様において、モバイルPASMOアプリ上でメトポの登録手続き及びポイントからのチャージを可能にしました。
④ 新技術の導入とDXによる鉄道オペレーションの進化
(技術開発ビジョン)
新技術の導入・開発やDXの推進等により、持続的な企業価値向上を図り、将来にわたる安心の提供を実現するため、状態基準保全(CBM)の一環として、車両・設備の状態監視を進めています。また、故障予知技術・劣化予測技術の促進の検討を進めています。
⑤ 不動産事業の拡大とまちづくりとの連携
(まちづくりとの連携)
駅周辺開発を計画・検討する都市開発事業者等と連携した「えき・まち連携プロジェクト」として、5駅において開発提案を募集しています。
⑥ 海外鉄道ビジネスの拡大・新規ビジネスの開発推進
(海外鉄道ビジネス)
海外鉄道ビジネスについては、ベトナム、フィリピン等において鉄道整備、技術支援に係る各プロジェクトや世界の鉄道関係者向けオンライン講座・訪日研修を推進しています。「ベトナム国鉄道学校における都市鉄道研修能力強化プロジェクト」においては、ベトナムの鉄道関係者を対象に訪日研修を実施しました。「フィリピン鉄道訓練センター設立・運営支援プロジェクト」では、現地訓練センターの設立、カリキュラム・教科書の作成及び指導員養成等、計画した内容を完遂しました。また、世界の鉄道関係者向けオンライン講座・訪日研修の「Tokyo Metro Academy」においては、オンライン講座6講座を開催しました。
(新規ビジネスの開発)
新規事業の創出を目的とした社内事業開発プログラム「メトロのたまご」を通じて社員が提案したスケートボードパーク&スクール事業「RAMP ZERO」を、日比谷線南千住駅高架下において2024年4月に営業開始しました。また、「Tokyo Metro ACCELERATOR 2022」で最終審査を通過したSTUDIO BUKI株式会社との協業施策として、子どもが作中で東京メトロの運転士になれるパーソナライズド絵本「僕は私は運転士!」を同年4月に販売開始しました。同様に、最終審査を通過した株式会社休日ハックとの協業施策として、漫画・謎解き・街歩きを掛け合わせたオリジナル体験型エンターテイメント「メトロタイムゲート」を同年5月から8月までの期間限定で実施しました。
加えて、「東京メトロ×プログラボ」15校目となるプログラボ晴海を、東京2020大会選手村の跡地に開発された「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」内にオープンしました。
⑦ 脱炭素・循環型社会への貢献
(脱炭素社会への取組)
脱炭素社会の実現に向けた取組として、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同し、当社の気候関連リスク、機会等を特定し、開示しています。指標、目標として掲げている長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」の達成に向け、2024年4月から丸ノ内線・南北線で使用する全ての電力を水力発電由来の再生可能エネルギーに置き換えてCO₂排出量ゼロで運行を開始しました。それに合わせ、当社の環境負荷低減の取組に触れていただく機会を創出するため、同年4月から5月に「乗ってエコ」スタンプラリーを実施しました。また、東西線では、家庭用太陽光発電の余剰電力の環境価値を調達し、使用する電力の一部を実質再生可能エネルギー化して運行を開始しました。その他、同年7月に鉄道業界で初めて小水力発電、9月に太陽光発電に関するバーチャルPPA(需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの環境価値のみを仮想的に調達する契約)を新たに締結しました。今後も再生可能エネルギーの活用や、車両・設備の省エネルギー化に取り組んでいきます。
加えて、当社の鉄道運行を通じて生まれた、社会における環境面でのポジティブインパクト(削減貢献量)を活用し、同年6月、東京都交通局と共同で、環境負荷の少ない移動手段の利用促進を目的として「エコボーナスWキャンペーン」を実施しました。また、同年9月から株式会社大丸松坂屋百貨店が運営する上野松坂屋店と「メトロに乗ってエコフに行こう!キャンペーン」を実施し、鉄道の環境優位性と両者の環境負荷低減に向けた取組の訴求を図っています。引き続き他者と連携した施策の実施等を通じて、鉄道事業の成長を環境課題の解決につなげていきます。
(循環型社会への取組)
当社グループが運営する一部の飲食店、社員食堂等から排出される使用済み油をSAF(Sustainable Aviation Fuel:化石燃料以外を原料とする持続可能な航空燃料)の原料に再利用する取組として、「Fry to Fly Project」(国内資源循環による脱炭素実現に向けたプロジェクト)に参加し、2024年6月には、東西線浦安駅で使用済み油回収イベントを実施しました。今後も、お客様に楽しく体感いただけるイベントを企画・実施し、SAFの重要性や当該プロジェクトを発信していきます。
⑧ 経営基盤の強化
(安全文化の醸成)
お客様の安全を第一とし、事故の未然防止、再発防止に取り組むため、グループ全役員・社員を対象にした安全研修を実施したほか、事故防止オープンセミナー、ヒューマンファクター分析等を実施しました。社員一人ひとりが自ら考え行動を起こすことができる安全文化の醸成に努めています。
(豊かな社会のためのパートナーシップ)
女子駅伝部や車いすフェンシング選手である安直樹選手の活動支援のほか、東京マラソンへの参画を通じて、スポーツ選手が活躍できる環境づくりに貢献するとともに地域・社会の活性化に取り組んでおり、2024年9月には、パリ2024パラリンピック競技大会に出場した安直樹選手とともに東京都主催のパラスポーツイベント「TOKYO パラスポーツ FORWARD」へ参加し、車いすフェンシングの体験会を実施しました。また、次世代を担う人財を育成することを目的として、東京大学生産技術研究所とともに、同年7月に中高生を対象とした「鉄道ワークショップ2024」を開催しました。
運輸業の当中間連結会計期間の業績は、経済活動が活性化したこと等により、旅客運輸収入が増加し、営業収益が1,853億3千3百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益が430億8千8百万円(前年同期比27.2%増)となりました。
| (運輸成績表) | |||||
| 種別 | 単位 | 前中間連結会計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年9月30日) | 当中間連結会計期間 (自 2024年4月1日 至 2024年9月30日) | ||
| 営業日数 | 日 | 183 | 183 | ||
| 旅客営業キロ | キロ | 195.0 | 195.0 | ||
| 輸送人員 | 定期 | 千人 | 632,728 | 659,756 | |
| 定期外 | 〃 | 558,105 | 594,799 | ||
| 計 | 〃 | 1,190,833 | 1,254,556 | ||
| 旅客運輸収入 | 定期 | 百万円 | 62,649 | 65,827 | |
| 定期外 | 〃 | 97,996 | 103,872 | ||
| 計 | 〃 | 160,646 | 169,700 | ||
(注)記載数値は、千人未満、百万円未満を切り捨てて表示しています。
[不動産事業]
不動産事業においては、収益性の向上を図るべく、駅周辺の都市開発と一体となった建物の整備を進めています。2024年4月には神宮前六丁目用地再開発建物が東急プラザ原宿「ハラカド」として開業しました。また、新宿駅西口地区開発計画においては新築工事を推進し、東上野地区においては東上野四丁目A―1地区再開発準備組合へ事業協力者として参画しています。加えて、遊休資産の有効活用として同年7月には北馬込一丁目用地(旧家族寮)に介護付有料老人ホームの「チャームスイート旗の台」が開業しました。そのほか、同年4月に「東京メトロアセットマネジメント株式会社」を設立し、不動産事業の成長を目的とした不動産アセットマネジメント事業への参入に向け、準備を進めています。
不動産事業の当中間連結会計期間の業績は、営業収益が70億9千5百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益が27億2千4百万円(前年同期比3.6%増)となりました。
[流通・広告事業]
流通・広告事業においては、収益性の向上を図るとともに、お客様の「新たな日常」を支え、ニーズに迅速に対応するため、各種開発を推進しました。
流通事業については、駅構内店舗等において店舗入替を行うとともに、駅構内の空きスペースにおいて自動販売機、コインロッカー等の増設を行ったほか、日本橋駅及び錦糸町駅において新規店舗の開発を進めました。
広告事業については、デジタルサイネージの販売促進に加え、中づりやまど上、駅ばりポスターの貸切商品等、クライアントニーズに応じたインパクトのある商品の展開により、収益拡大に努めました。
流通・広告事業の当中間連結会計期間の業績は、営業収益が120億9千5百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益が41億3千2百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
当社グループの財政状態については、当中間連結会計期間末における資産合計は前連結会計年度末に比べ256億1千8百万円減の1兆9,969億5百万円、負債合計は370億5百万円減の1兆3,171億2千2百万円、純資産合計は113億8千7百万円増の6,797億8千2百万円となりました。
資産の部の減少については、流動資産において工事代金の支払等による現金及び預金、有価証券(譲渡性預金)の減少等によるものです。
負債の部の減少については、流動負債において工事代金等の未払金の支払等によるものです。
純資産の部の増加については、親会社株主に帰属する中間純利益の計上等によるものです。
この結果、当中間連結会計期間末における自己資本比率は、34.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ185億9千万円増加し、当中間連結会計期間末には717億5千6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は、561億4千8百万円(前年同期比11億6千万円の収入増)となりました。これは、税金等調整前中間純利益443億3千8百万円(前年同期比93億4千6百万円の収入増)や非資金科目である減価償却費352億5千6百万円(前年同期比10億8千6百万円の収入減)を計上したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は、426億4千2百万円(前年同期比152億9千2百万円の支出減)となりました。これは、設備投資等を中心に有形及び無形固定資産の取得による支出が473億9千2百万円(前年同期比136億2千4百万円の支出減)あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は、324億1千5百万円(前年同期比4億5千5百万円の支出減)となりました。これは、社債の償還による支出が100億円(前年同期比50億円の資金の増加)、長期借入金の返済による支出が36億8千万円(前年同期比23億5千8百万円の資金の増加)及び配当金の支払額が185億9千2百万円(前年同期比69億7千2百万円の資金の減少)あったこと等によるものです。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
特記すべき事項はありません。