有価証券報告書-第98期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)、「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)及び当該会計基準等の適用を踏まえて改正された「電気事業会計規則」(昭和40年6月15日通商産業省令第57号)(令和3年3月31日改正)(以下、これらを「収益認識会計基準等」という。)を当連結会計年度から適用している。収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法」に記載している。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
(2) 経営成績
① 事業全体
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢をみると、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、供給面の制約や原材料価格の高騰も重しとなり、景気の持ち直しは緩やかなものにとどまった。また年度末にかけては、ウクライナ情勢などにより、景気の不透明感が高まった。当中国地方においても、ほぼ全国と同様の状況で推移した。
このような中で、当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用により、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る収益の計上方法が変更となったことなどから、1兆1,366億円と前連結会計年度に比べ1,708億円の減収となった。
営業損益は、燃料価格が年度当初から上昇を続け、燃料費調整制度の大幅な期ずれ差損が生じたことなどから、607億円の損失となり、前連結会計年度に比べ950億円の減益となった。
支払利息などの営業外損益を加えた経常損益は618億円の損失となり、前連結会計年度に比べ919億円の減益となった。
渇水準備金を取崩し、特別利益を計上して、法人税などを控除した結果、親会社株主に帰属する当期純損益は397億円の損失となり、前連結会計年度に比べ542億円の減益となった。
(参考)中国電力個別決算
○前提となる主要諸元(中国電力個別)
② 生産、受注及び販売の実績
当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、当社の電気事業が事業の大半を占めることから、当社の電気事業の販売実績、発受電実績及び資材の状況についてのみ記載している。
a.販売実績
総販売電力量は564.3億kWhと、前連結会計年度に比べ5.4%の増加となった。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれていない。
2 他社販売電力量及び他社販売電力料には、インバランス・調整電源等に係る他社販売電力量及び他社販売電力料を含んでいない。
3 小売販売電力量には、自社用を含んでいない。
b.発受電実績
発受電電力量は、609.5億kWhと前連結会計年度に比べ4.9%の増加となった。
自社の水力発電は、35.1億kWhと前連結会計年度並みとなった。
自社の火力発電及び他社受電は、総販売電力量の増加などにより増加した。
(注) 1 他社受電電力量は、インバランス・調整電源に係る電力量を含んでおり、当連結会計期間末日現在で把握している電力量を記載している。
2 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。
3 当連結会計年度の出水率は、1990年度から2019年度までの30か年の年平均に対する比である。
4 四捨五入の関係で合計と一致しない場合がある。
5 当連結会計年度より、発受電電力量合計を総販売電力量に対応するように見直しており、他社送電電力量は控除していない。なお、発受電電力量合計と総販売電力量の差は損失電力量等である。
c. 資材の状況
主要燃料の受払状況
※助燃用重油を含む
③ セグメント情報
○ 総合エネルギー事業
売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用により、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る収益の計上方法が変更となったことなどから、1兆403億円と前連結会計年度に比べ1,410億円の減収となった。
営業損益は、燃料価格が年度当初から上昇を続け、燃料費調整制度の大幅な期ずれ差損が生じたことなどから、895億円の損失となり、前連結会計年度に比べ769億円の減益となった。
○ 送配電事業
売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用による減少はあったものの、再生可能エネルギーの買取が増加したことによる販売電力料の増加などから、4,360億円と前連結会計年度に比べ121億円の増収となった。
営業利益は、需給調整に係る費用の増加などから、217億円となり、前連結会計年度に比べ193億円の減益となった。
○ 情報通信事業
売上高(営業収益)は、電気通信関係事業収入が増加したことなどから、452億円と前連結会計年度に比べ 1億円の増収となった。
営業利益は37億円となり、前連結会計年度に比べ3億円の増益となった。
(3) 財政状態
資産は、島根原子力発電所の原子力安全対策工事及び三隅発電所2号機建設工事進捗による固定資産仮勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,817億円増加し、3兆5,669億円となった。
負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,336億円増加し、2兆9,585億円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末に比べ519億円減少し、6,084億円となった。
この結果、自己資本比率は、17.0%となった。
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金と社債の金額及び利子を支払っている負債を
対象としており、無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含んでいる。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
(当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況)
○ 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純損益の減などにより、前連結会計年度に比べ1,099億円減少の3億円の収入となった。
○ 投資活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度に比べ336億円増加の2,063億円の支出となった。
この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、2,060億円のマイナスとなった。
○ 財務活動によるキャッシュ・フロー
社債・借入金による資金の調達を行ったことなどにより、2,125億円の収入となった。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ66億円増加し、665億円となった。
(連結キャッシュ・フローの推移)
当面、島根原子力発電所の安全対策工事や三隅発電所2号機の設備投資といった大型電源工事によりフリー・キャッシュ・フローはマイナスが続くが、大型電源の稼働後には、反転していくものと試算しており、2030年度までの10年間で、キャッシュ・フローの均衡を図る。

(キャッシュ配分の考え方)
大型電源工事期間中は、キャッシュアウトの抑制に努める。
その時々の事業環境等を踏まえ、適宜、見直しながら、既存領域や成長領域への投資、株主還元等のバランスを取ってキャッシュ配分を行う。株主還元については安定配当を基本としつつ、財務体質やグループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」に基づく当社グループの成長の成果を踏まえ、将来的な株主還元のあり方についても検討していく。
② 資本の財源
エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化や更なる成長に向けた新たな事業への挑戦などに必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、主に社債及び長期借入金により調達している。
また、グループ全体の資金を効率的に活用するため、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を通じてグループ内資金融通を行っており、グループ全体で必要な資金を当社が一括して調達している。
さらに、中長期的に安定的かつ低利な資金調達を実現するため、取引先金融機関の拡大や、個人向け社債、外貨建社債、転換社債、ハイブリッド社債の発行などによる調達手段・調達先の多様化に取り組んでいる。
なお、当社は、一般担保付社債の経過措置に係る認定に基づき、最長2024年度まで一般担保付社債を発行していく。
③ 資金の流動性
月次資金繰りに基づき十分な現預金を保有するとともに、金融機関とのコミットメントライン契約や当座貸越契約などにより、不測の資金需要に備える体制をとっている。
(5) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用により、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る収益の計上方法が変更となったことなどから、前連結会計年度に比べ1,708億円の減収となった。
連結経常損益は、燃料価格の高騰に伴う大幅な燃料費調整制度の期ずれ差損の発生に、電力市場価格の高騰による電力調達コストの増加も重なり、前連結会計年度に比べ919億円減益の618億円の損失と、非常に厳しい結果となった。
電力システム改革に伴う様々な市場の創設により、燃料価格や卸電力取引市場などの市場価格変動に伴う収支変動リスクが増加しているなかで、ロシアのウクライナ侵攻の影響などにより燃料価格が急騰するなど、厳しい経営環境にあると認識している。
こうした状況下でも利益を獲得できるよう、市場リスク管理を徹底しつつ、大型電源の確実な稼働により利益水準の底上げ及び燃料・電力の価格変動リスク低減に取り組む。
(6) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2020年1月に公表した中国電力グループ経営ビジョンにおいて、2030年度に実現を目指す利益・財務の目標として「連結経常利益600億円以上」及び「連結自己資本比率25%」を設定している。
当連結会計年度においては、連結経常損失618億円、連結自己資本比率17.0%となっている。
利益・財務の目標の実現に向けては、安全確保を大前提に、島根原子力発電所及び三隅発電所2号機などの稼働・運転開始により競争力のある大型電源を確保することで、エリア内需要の獲得はもとより、小売、卸売及び様々な市場を活用し、電力販売利益の最大化を目指すとともに、海外発電事業をはじめ、更なる成長に向けた新たな事業へも挑戦していく。
あわせて、市場価格の変動等の外生的要因による収支変動などのリスクへの対応を進めていくとともに、中長期的な観点から、抜本的な収益基盤の強靭化に向けて取り組んでいく。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)、「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)及び当該会計基準等の適用を踏まえて改正された「電気事業会計規則」(昭和40年6月15日通商産業省令第57号)(令和3年3月31日改正)(以下、これらを「収益認識会計基準等」という。)を当連結会計年度から適用している。収益認識会計基準等の適用が財政状態及び経営成績に与える影響の詳細については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等) セグメント情報 2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法」に記載している。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
(2) 経営成績
① 事業全体
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢をみると、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、供給面の制約や原材料価格の高騰も重しとなり、景気の持ち直しは緩やかなものにとどまった。また年度末にかけては、ウクライナ情勢などにより、景気の不透明感が高まった。当中国地方においても、ほぼ全国と同様の状況で推移した。
このような中で、当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用により、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る収益の計上方法が変更となったことなどから、1兆1,366億円と前連結会計年度に比べ1,708億円の減収となった。
営業損益は、燃料価格が年度当初から上昇を続け、燃料費調整制度の大幅な期ずれ差損が生じたことなどから、607億円の損失となり、前連結会計年度に比べ950億円の減益となった。
支払利息などの営業外損益を加えた経常損益は618億円の損失となり、前連結会計年度に比べ919億円の減益となった。
渇水準備金を取崩し、特別利益を計上して、法人税などを控除した結果、親会社株主に帰属する当期純損益は397億円の損失となり、前連結会計年度に比べ542億円の減益となった。
区分 | 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 差引 (億円) | 増減率 (%) |
売上高(営業収益) | 13,074 | 11,366 | △1,708 | △13.1 |
経常利益又は経常損失(△) | 300 | △618 | △919 | - |
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△) | 145 | △397 | △542 | - |
(参考) 営業利益又は営業損失(△) | 342 | △607 | △950 | - |
(参考)中国電力個別決算
区分 | 前事業年度 (億円) | 当事業年度 (億円) | 差引 (億円) | 増減率 (%) |
売上高(営業収益) | 11,477 | 9,949 | △1,527 | △13.3 |
経常損失(△) | △109 | △758 | △649 | - |
当期純損失(△) | △53 | △463 | △410 | - |
(参考) 営業損失(△) | △127 | △896 | △769 | - |
○前提となる主要諸元(中国電力個別)
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 |
総販売電力量 | 535.6億kWh | 564.3億kWh |
為替レート(インターバンク) | 106円/$ | 112円/$ |
原油CIF価格 | 43.4$/b | 77.2$/b |
海外炭CIF価格 | 79.8$/t | 158.7$/t |
② 生産、受注及び販売の実績
当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、当社の電気事業が事業の大半を占めることから、当社の電気事業の販売実績、発受電実績及び資材の状況についてのみ記載している。
a.販売実績
総販売電力量は564.3億kWhと、前連結会計年度に比べ5.4%の増加となった。
種別 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 前年同期比 (%) | ||
総販売電力量 (百万kWh) | 小売販売電力量 | 電灯 | 16,822 | 16,444 | 97.7 |
電力 | 29,568 | 30,663 | 103.7 | ||
他社販売電力量 | 7,166 | 9,323 | 130.1 | ||
計 | 53,557 | 56,429 | 105.4 | ||
料金収入 (百万円) | 電灯料 | 372,208 | 350,186 | 94.1 | |
電力料 | 434,161 | 414,584 | 95.5 | ||
他社販売電力料 | 65,816 | 98,241 | 149.3 | ||
計 | 872,186 | 863,012 | 98.9 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれていない。
2 他社販売電力量及び他社販売電力料には、インバランス・調整電源等に係る他社販売電力量及び他社販売電力料を含んでいない。
3 小売販売電力量には、自社用を含んでいない。
b.発受電実績
発受電電力量は、609.5億kWhと前連結会計年度に比べ4.9%の増加となった。
自社の水力発電は、35.1億kWhと前連結会計年度並みとなった。
自社の火力発電及び他社受電は、総販売電力量の増加などにより増加した。
種別 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 前年同期比 (%) | |||
発受電 電力量 (百万kWh) | 自社 | 水力発電電力量 | 3,485 | 3,515 | 100.9 | |
火力発電電力量 | 28,059 | 29,775 | 106.1 | |||
原子力発電電力量 | - | - | - | |||
新エネルギー等 発電電力量 | 8 | 9 | 113.6 | |||
他社受電電力量 | 27,707 | 28,816 | 104.0 | |||
揚水発電所の揚水用電力量 | △1,177 | △1,163 | 98.8 | |||
合計 | 58,082 | 60,952 | 104.9 | |||
出水率(%) | 96.6 | 96.7 | - |
(注) 1 他社受電電力量は、インバランス・調整電源に係る電力量を含んでおり、当連結会計期間末日現在で把握している電力量を記載している。
2 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。
3 当連結会計年度の出水率は、1990年度から2019年度までの30か年の年平均に対する比である。
4 四捨五入の関係で合計と一致しない場合がある。
5 当連結会計年度より、発受電電力量合計を総販売電力量に対応するように見直しており、他社送電電力量は控除していない。なお、発受電電力量合計と総販売電力量の差は損失電力量等である。
c. 資材の状況
主要燃料の受払状況
品名 | 単位 | 2020年 3月末 在庫量 | 前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 2021年 3月末 在庫量 | 当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 2022年 3月末 在庫量 | ||
受入 | 払出 | 受入 | 払出 | |||||
石炭 | t | 753,946 | 5,248,899 | 5,434,818 | 568,027 | 5,481,037 | 5,627,300 | 421,764 |
重油※ | kl | 116,042 | 336,643 | 340,542 | 112,143 | 396,314 | 462,627 | 45,830 |
原油 | kl | - | - | - | - | - | - | - |
LNG | t | 158,318 | 2,061,543 | 2,075,821 | 144,040 | 2,117,653 | 2,154,456 | 107,237 |
※助燃用重油を含む
③ セグメント情報
○ 総合エネルギー事業
売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用により、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る収益の計上方法が変更となったことなどから、1兆403億円と前連結会計年度に比べ1,410億円の減収となった。
営業損益は、燃料価格が年度当初から上昇を続け、燃料費調整制度の大幅な期ずれ差損が生じたことなどから、895億円の損失となり、前連結会計年度に比べ769億円の減益となった。
○ 送配電事業
売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用による減少はあったものの、再生可能エネルギーの買取が増加したことによる販売電力料の増加などから、4,360億円と前連結会計年度に比べ121億円の増収となった。
営業利益は、需給調整に係る費用の増加などから、217億円となり、前連結会計年度に比べ193億円の減益となった。
○ 情報通信事業
売上高(営業収益)は、電気通信関係事業収入が増加したことなどから、452億円と前連結会計年度に比べ 1億円の増収となった。
営業利益は37億円となり、前連結会計年度に比べ3億円の増益となった。
区分 | 総合エネルギー 事業 (億円) | 送配電事業 (億円) | 情報通信事業 (億円) | |
売上高 | 前連結会計年度 | 11,813 | 4,238 | 451 |
当連結会計年度 | 10,403 | 4,360 | 452 | |
差 引 | △1,410 | 121 | 1 | |
営業費用 | 前連結会計年度 | 11,939 | 3,828 | 417 |
当連結会計年度 | 11,298 | 4,143 | 414 | |
差 引 | △640 | 315 | △2 | |
営業利益又は 営業損失(△) | 前連結会計年度 | △126 | 410 | 34 |
当連結会計年度 | △895 | 217 | 37 | |
差 引 | △769 | △193 | 3 |
(3) 財政状態
資産は、島根原子力発電所の原子力安全対策工事及び三隅発電所2号機建設工事進捗による固定資産仮勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,817億円増加し、3兆5,669億円となった。
負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,336億円増加し、2兆9,585億円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び配当金の支払いなどにより、前連結会計年度末に比べ519億円減少し、6,084億円となった。
この結果、自己資本比率は、17.0%となった。
区分 | 前連結会計年度末 (億円) | 当連結会計年度末 (億円) | 差引 (億円) | |
資産 | 33,851 | 35,669 | 1,817 | |
(うち電気事業固定資産) (うち固定資産仮勘定) (うち流動資産) | (12,950) (11,244) (2,962) | (13,122) (11,913) (3,394) | (172) (668) (431) | |
負債 | 27,248 | 29,585 | 2,336 | |
(うち有利子負債) | (22,918) | (25,277) | (2,358) | |
純資産 | 6,603 | 6,084 | △519 | |
(うち自己資本) | (6,571) | (6,057) | (△514) |
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金と社債の金額及び利子を支払っている負債を
対象としており、無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含んでいる。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
(当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況)
○ 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純損益の減などにより、前連結会計年度に比べ1,099億円減少の3億円の収入となった。
○ 投資活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度に比べ336億円増加の2,063億円の支出となった。
この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、2,060億円のマイナスとなった。
○ 財務活動によるキャッシュ・フロー
社債・借入金による資金の調達を行ったことなどにより、2,125億円の収入となった。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ66億円増加し、665億円となった。
区分 | 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 差引 (億円) | |
○営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,102 | 3 | △1,099 | |
○投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,727 | △2,063 | △336 | |
差引フリー・キャッシュ・フロー | △625 | △2,060 | △1,435 | |
○財務活動によるキャッシュ・フロー | 752 | 2,125 | 1,373 | |
うち社債・借入金による純増減 | 957 | 2,331 | 1,374 | |
うち配当金の支払額 | △181 | △181 | △0 | |
現金及び現金同等物(増減額) | 124 | 66 | ||
現金及び現金同等物(期末残高) | 598 | 665 | 66 |
(連結キャッシュ・フローの推移)
当面、島根原子力発電所の安全対策工事や三隅発電所2号機の設備投資といった大型電源工事によりフリー・キャッシュ・フローはマイナスが続くが、大型電源の稼働後には、反転していくものと試算しており、2030年度までの10年間で、キャッシュ・フローの均衡を図る。

(キャッシュ配分の考え方)
大型電源工事期間中は、キャッシュアウトの抑制に努める。
その時々の事業環境等を踏まえ、適宜、見直しながら、既存領域や成長領域への投資、株主還元等のバランスを取ってキャッシュ配分を行う。株主還元については安定配当を基本としつつ、財務体質やグループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」に基づく当社グループの成長の成果を踏まえ、将来的な株主還元のあり方についても検討していく。
② 資本の財源
エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化や更なる成長に向けた新たな事業への挑戦などに必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、主に社債及び長期借入金により調達している。
また、グループ全体の資金を効率的に活用するため、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を通じてグループ内資金融通を行っており、グループ全体で必要な資金を当社が一括して調達している。
さらに、中長期的に安定的かつ低利な資金調達を実現するため、取引先金融機関の拡大や、個人向け社債、外貨建社債、転換社債、ハイブリッド社債の発行などによる調達手段・調達先の多様化に取り組んでいる。
なお、当社は、一般担保付社債の経過措置に係る認定に基づき、最長2024年度まで一般担保付社債を発行していく。
③ 資金の流動性
月次資金繰りに基づき十分な現預金を保有するとともに、金融機関とのコミットメントライン契約や当座貸越契約などにより、不測の資金需要に備える体制をとっている。
(5) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の売上高(営業収益)は、収益認識会計基準等の適用により、再生可能エネルギー固定価格買取制度に係る収益の計上方法が変更となったことなどから、前連結会計年度に比べ1,708億円の減収となった。
連結経常損益は、燃料価格の高騰に伴う大幅な燃料費調整制度の期ずれ差損の発生に、電力市場価格の高騰による電力調達コストの増加も重なり、前連結会計年度に比べ919億円減益の618億円の損失と、非常に厳しい結果となった。
電力システム改革に伴う様々な市場の創設により、燃料価格や卸電力取引市場などの市場価格変動に伴う収支変動リスクが増加しているなかで、ロシアのウクライナ侵攻の影響などにより燃料価格が急騰するなど、厳しい経営環境にあると認識している。
こうした状況下でも利益を獲得できるよう、市場リスク管理を徹底しつつ、大型電源の確実な稼働により利益水準の底上げ及び燃料・電力の価格変動リスク低減に取り組む。
(6) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2020年1月に公表した中国電力グループ経営ビジョンにおいて、2030年度に実現を目指す利益・財務の目標として「連結経常利益600億円以上」及び「連結自己資本比率25%」を設定している。
当連結会計年度においては、連結経常損失618億円、連結自己資本比率17.0%となっている。
利益・財務の目標の実現に向けては、安全確保を大前提に、島根原子力発電所及び三隅発電所2号機などの稼働・運転開始により競争力のある大型電源を確保することで、エリア内需要の獲得はもとより、小売、卸売及び様々な市場を活用し、電力販売利益の最大化を目指すとともに、海外発電事業をはじめ、更なる成長に向けた新たな事業へも挑戦していく。
あわせて、市場価格の変動等の外生的要因による収支変動などのリスクへの対応を進めていくとともに、中長期的な観点から、抜本的な収益基盤の強靭化に向けて取り組んでいく。
区分 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
連結経常利益又は 連結経常損失(△) | 398億円 | 300億円 | △618億円 |
連結自己資本比率 | 19.7% | 19.4% | 17.0% |