有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
(2) 経営成績
① 事業全体
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢をみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、景気は年度初めから急速に悪化し、その後持ち直しの動きはみられたものの、感染症の再拡大に伴い個人消費が弱含むなど、厳しい状況が続いた。当中国地方においても、ほぼ全国と同様の状況で推移した。
このような中で、当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)は、競争進展に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う上期の生産活動の停滞などによる小売販売電力量の減少により、電気料金収入が減少したことなどから、1兆3,074億円と前連結会計年度に比べ398億円の減収となった。
営業費用は、冬季の電力需給ひっ迫の影響に伴う燃料及び電力の調達費用の増加はあったものの、小売販売電力量の減少による原料費の減少に加え、経営全般にわたる効率化に努めたことなどから、1兆2,732億円と前連結会計年度に比べ259億円の減少となった。
この結果、営業利益は、小売販売電力量の減少に加え、電力需給ひっ迫の影響などにより、342億円と前連結会計年度に比べ138億円の減益となった。
支払利息などの営業外損益を加えた経常利益は300億円となり、前連結会計年度に比べ97億円の減益となった。
電力需給ひっ迫及び市場価格高騰の影響を受けた債権の一部について、貸倒引当金繰入額114億円を特別損失として計上し、法人税などを控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は145億円となった。
なお、原子力発電工事償却準備引当金の全額を取崩した前連結会計年度に比べ754億円の減益となった。
(参考)中国電力個別決算
○前提となる主要諸元(中国電力個別)
② 生産、受注及び販売の実績
当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、当社の電気事業が事業の大半を占めることから、当社の電気事業の販売実績、発受電実績及び資材の状況についてのみ記載している。
なお、当社は、2020年4月1日付で会社分割によって一般送配電事業等を中国電力ネットワーク株式会社に承継しており、前連結会計年度の数値は、当連結会計年度との比較を容易にするため、一定の前提のもと2社に分社したと仮定した想定値としている。
a.販売実績
総販売電力量は、競争進展や新型コロナウイルス感染症の影響などから、前連結会計年度に比べ4.9%の減少となった。
小売販売電力量は463.9億kWhと、前連結会計年度に比べ7.1%の減少となった。
他社販売電力量は71.7億kWhと、前連結会計年度に比べ12.5%の増加となった。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれていない。
2 他社販売電力量及び他社販売電力料には、中国電力ネットワーク株式会社とのインバランス・調整電源に係る他社販売電力量及び他社販売電力料を含んでいない。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度の総販売電力量には、自社用を含んでいない。
b.発受電実績
発受電電力量は、前連結会計年度に比べ6.7%の減少となった。
自社の水力発電は、前連結会計年度に比べ出水増により増加となった。
自社の火力発電は、小売販売電力量の減による稼働減などにより減少となった。
(注) 1 他社送受電電力量は、提出日時点で把握している電力量を記載している。
2 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。
3 当連結会計年度の出水率は、1989年度から2018年度までの30か年の年平均に対する比である。
c. 資材の状況
主要燃料の受払状況
※助燃用重油を含む
③ セグメント情報
当連結会計年度より、当社は「電気事業」、「総合エネルギー供給事業」及び「情報通信事業」としていた報告セグメントを「総合エネルギー事業」、「送配電事業」及び「情報通信事業」に変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいている。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載している。
○ 総合エネルギー事業
売上高(営業収益)は、競争進展に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う上期の生産活動の停滞などによる小売販売電力量の減少により、電気料金収入が減少したことなどから、1兆1,813億円と前連結会計年度に比べ871億円の減収となった。
営業費用は、冬季の電力需給ひっ迫の影響に伴う燃料及び電力の調達費用の増加はあったものの、小売販売電力量の減少による原料費の減少に加え、経営全般にわたる効率化に努めたことなどから、1兆1,939億円と前連結会計年度に比べ548億円の減少となった。
この結果、小売販売電力量の減少に加え、電力需給ひっ迫の影響などにより、126億円の営業損失となり、前連結会計年度に比べ323億円の減益となった。
○ 送配電事業
売上高(営業収益)は、電力の需給ひっ迫により供給力が不足した中国エリア内の発電・小売会社への電力供給量の増加や市場価格の高騰により、不足インバランス収入が増加したこと、及び猛暑や厳冬により電灯需要が増加したことなどから、4,238億円と前連結会計年度に比べ710億円の増収となった。
営業費用は、経営全般にわたる効率化に努めたものの、需給ひっ迫の影響に伴い、他の一般送配電事業者からの電力融通費用が増加したことなどから、3,828億円と前連結会計年度に比べ532億円の増加となった。
この結果、営業利益は410億円となり、前連結会計年度に比べ178億円の増益となった。
○ 情報通信事業
売上高(営業収益)は、システム受託増加などにより情報関係事業収入が増加したことなどから、451億円と前連結会計年度に比べ21億円の増収となった。
営業費用は、情報関係事業費用が増加したことなどから、417億円と前連結会計年度に比べ21億円の増加となった。
この結果、営業利益は34億円となり、前連結会計年度並みとなった。
(3) 財政状態
資産は、島根原子力発電所の原子力安全対策工事及び三隅発電所2号機建設工事進捗による固定資産仮勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,197億円増加し、3兆3,851億円となった。
負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,061億円増加し、2兆7,248億円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ136億円増加し、6,603億円となった。
この結果、自己資本比率は、19.4%となった。
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金と社債の金額及び利子を支払っている負債を
対象としており、無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含んでいる。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
(当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況)
○ 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ194億円減少の1,102億円の収入となった。
○ 投資活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度に比べ6億円増加の1,727億円の支出となった。
この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、625億円のマイナスとなった。
○ 財務活動によるキャッシュ・フロー
社債・借入金による資金の調達を行ったことなどにより、752億円の収入となった。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ124億円増加し、598億円となった。
(連結キャッシュ・フローの推移)
当面、島根原子力発電所の安全対策工事や三隅発電所2号機の設備投資といった大型電源工事によりフリー・キャッシュ・フローはマイナスが続くが、新規電源の稼働後には、反転していくものと試算しており、2030年度までの10年間で、キャッシュ・フローの均衡を図る。

(キャッシュ配分の考え方)
大型電源工事期間中は、キャッシュアウトの抑制に努める。
その時々の事業環境等を踏まえ、適宜、見直しながら、既存領域や成長領域への投資、株主還元等のバランスを取ってキャッシュ配分を行う。株主還元については安定配当を基本としつつ、財務体質やビジョン「エネルギアチェンジ2030」に基づく当社グループの成長の成果を踏まえ、将来的な株主還元のあり方についても検討していく。
② 資本の財源
エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化や更なる成長に向けた新たな事業への挑戦などに必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、主に社債及び長期借入金により調達している。
また、グループ全体の資金を効率的に活用するため、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を通じてグループ内資金融通を行っており、グループ全体で必要な資金を当社が一括して調達している。
さらに、中長期的に安定的かつ低利な資金調達を実現するため、取引先金融機関の拡大や、個人向け社債、外貨建社債、転換社債の発行などによる調達手段・調達先の多様化に取り組んでいる。
なお、当社は、一般担保付社債の経過措置に係る認定に基づき、最長2024年度まで一般担保付社債を発行していく。
③ 資金の流動性
月次資金繰りに基づき十分な現預金を保有するとともに、金融機関とのコミットメントライン契約や当座貸越契約などにより、不測の資金需要に備える体制をとっている。
(5) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の売上高(営業収益)は、競争の進展に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う上期の生産活動の停滞などによる小売販売電力量の減少により、電気料金収入が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ398億円の減収となった。
連結経常利益は、グループを挙げて経営全般にわたる効率化に努めたものの、小売販売電力量の減少や、冬季の電力需給ひっ迫の影響で150億円減益となったことなどにより、前連結会計年度に比べ97億円減益の300億円となった。
親会社株主に帰属する当期純利益については、冬季の電力需給ひっ迫及び市場価格高騰の影響を受けた小売電気事業者向け債権の一部について、貸倒引当金繰入額114億円を特別損失として計上した結果、前連結会計年度では原子力発電工事償却準備引当金の全額を取崩したこともあり、754億円の減益となった。
冬季の全国的な電力需給ひっ迫の要因は、厳しい寒波の影響により、ここ数年で最も高い水準まで電力需要が急増するなか、発電用燃料の在庫減少や大型火力発電所の計画外停止など、複数の事象が同時期に発生したことにあると考えている。このような、電力需要の増加や電力の供給力の低下に伴い、燃料価格や卸電力市場のスポット価格が高騰した結果、当社においても、燃料・電力の調達費用が大きく増加したことなどから、前連結会計年度に比べて減益となったものと認識している。
(6) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2020年1月に公表した新たな中国電力グループ経営ビジョンにおいて、2030年度に実現を目指す利益・財務の目標として「連結経常利益600億円以上」及び「連結自己資本比率25%」を設定している。
当連結会計年度においては、連結経常利益300億円、連結自己資本比率19.4%となっている。
利益・財務の目標の実現に向けては、安全確保を大前提に、島根原子力発電所及び三隅発電所2号機などの稼働・運開により競争力のある大型電源を確保することで、エリア内需要の獲得はもとより、小売、卸売及び様々な市場を活用し、販売電力量の減少の反転・拡大を目指すとともに、海外発電事業をはじめ、更なる成長に向けた新たな事業へも挑戦していく。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。
(2) 経営成績
① 事業全体
当連結会計年度におけるわが国の経済情勢をみると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、景気は年度初めから急速に悪化し、その後持ち直しの動きはみられたものの、感染症の再拡大に伴い個人消費が弱含むなど、厳しい状況が続いた。当中国地方においても、ほぼ全国と同様の状況で推移した。
このような中で、当連結会計年度の経営成績は、売上高(営業収益)は、競争進展に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う上期の生産活動の停滞などによる小売販売電力量の減少により、電気料金収入が減少したことなどから、1兆3,074億円と前連結会計年度に比べ398億円の減収となった。
営業費用は、冬季の電力需給ひっ迫の影響に伴う燃料及び電力の調達費用の増加はあったものの、小売販売電力量の減少による原料費の減少に加え、経営全般にわたる効率化に努めたことなどから、1兆2,732億円と前連結会計年度に比べ259億円の減少となった。
この結果、営業利益は、小売販売電力量の減少に加え、電力需給ひっ迫の影響などにより、342億円と前連結会計年度に比べ138億円の減益となった。
支払利息などの営業外損益を加えた経常利益は300億円となり、前連結会計年度に比べ97億円の減益となった。
電力需給ひっ迫及び市場価格高騰の影響を受けた債権の一部について、貸倒引当金繰入額114億円を特別損失として計上し、法人税などを控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は145億円となった。
なお、原子力発電工事償却準備引当金の全額を取崩した前連結会計年度に比べ754億円の減益となった。
区分 | 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 差引 (億円) | 増減率 (%) |
売上高(営業収益) | 13,473 | 13,074 | △398 | △3.0 |
経常利益 | 398 | 300 | △97 | △24.5 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 900 | 145 | △754 | △83.8 |
(参考)営業利益 | 481 | 342 | △138 | △28.8 |
(参考)中国電力個別決算
区分 | 前事業年度 (億円) | 当事業年度 (億円) | 差引 (億円) | 増減率 (%) |
売上高(営業収益) | 12,437 | 11,477 | △959 | △7.7 |
経常利益又は経常損失(△) | 351 | △109 | △460 | - |
当期純利益 又は当期純損失(△) | 877 | △53 | △930 | - |
(参考) 営業利益又は営業損失(△) | 404 | △127 | △531 | - |
○前提となる主要諸元(中国電力個別)
項目 | 前事業年度 | 当事業年度 |
総販売電力量 | 562.9億kWh | 535.6億kWh |
為替レート(インターバンク) | 109円/$ | 106円/$ |
原油CIF価格 | 67.8$/b | 43.4$/b |
海外炭CIF価格 | 101.3$/t | 79.1$/t |
② 生産、受注及び販売の実績
当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、当社の電気事業が事業の大半を占めることから、当社の電気事業の販売実績、発受電実績及び資材の状況についてのみ記載している。
なお、当社は、2020年4月1日付で会社分割によって一般送配電事業等を中国電力ネットワーク株式会社に承継しており、前連結会計年度の数値は、当連結会計年度との比較を容易にするため、一定の前提のもと2社に分社したと仮定した想定値としている。
a.販売実績
総販売電力量は、競争進展や新型コロナウイルス感染症の影響などから、前連結会計年度に比べ4.9%の減少となった。
小売販売電力量は463.9億kWhと、前連結会計年度に比べ7.1%の減少となった。
他社販売電力量は71.7億kWhと、前連結会計年度に比べ12.5%の増加となった。
種別 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比 (%) | ||
総販売電力量 (百万kWh) | 小売販売電力量 | 電灯 | 16,750 | 16,822 | 100.4 |
電力 | 33,170 | 29,568 | 89.1 | ||
他社販売電力量 | 6,370 | 7,166 | 112.5 | ||
計 | 56,289 | 53,557 | 95.1 | ||
料金収入 (百万円) | 電灯料・電力料 | 913,910 | 806,370 | 88.2 | |
他社販売電力料 | 59,871 | 65,816 | 109.9 | ||
計 | 973,782 | 872,186 | 89.6 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれていない。
2 他社販売電力量及び他社販売電力料には、中国電力ネットワーク株式会社とのインバランス・調整電源に係る他社販売電力量及び他社販売電力料を含んでいない。
3 前連結会計年度及び当連結会計年度の総販売電力量には、自社用を含んでいない。
b.発受電実績
発受電電力量は、前連結会計年度に比べ6.7%の減少となった。
自社の水力発電は、前連結会計年度に比べ出水増により増加となった。
自社の火力発電は、小売販売電力量の減による稼働減などにより減少となった。
種別 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比 (%) | |||
発受電 電力量 (百万kWh) | 自社 | 水力発電電力量 | 2,942 | 3,483 | 118.4 | |
火力発電電力量 | 29,855 | 28,059 | 94.0 | |||
原子力発電電力量 | - | - | - | |||
新エネルギー等 発電電力量 | 7 | 8 | 102.9 | |||
他社送受電 電力量 | 受電電力量 | 34,125 | 32,106 | 94.1 | ||
送電電力量 | △11,502 | △11,578 | 100.7 | |||
揚水発電所の揚水用電力量 | △866 | △1,177 | 135.9 | |||
合計 | 54,561 | 50,901 | 93.3 | |||
出水率(%) | 81.3 | 96.5 | - |
(注) 1 他社送受電電力量は、提出日時点で把握している電力量を記載している。
2 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。
3 当連結会計年度の出水率は、1989年度から2018年度までの30か年の年平均に対する比である。
c. 資材の状況
主要燃料の受払状況
品名 | 単位 | 2019年 3月末 在庫量 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 2020年 3月末 在庫量 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 2021年 3月末 在庫量 | ||
受入 | 払出 | 受入 | 払出 | |||||
石炭 | t | 811,969 | 5,998,257 | 6,056,280 | 753,946 | 5,248,899 | 5,434,818 | 568,027 |
重油※ | kl | 98,873 | 274,074 | 256,905 | 116,042 | 336,643 | 340,542 | 112,143 |
原油 | kl | 99 | - | 99 | - | - | - | - |
LNG | t | 119,450 | 2,281,277 | 2,242,409 | 158,318 | 2,061,543 | 2,075,821 | 144,040 |
※助燃用重油を含む
③ セグメント情報
当連結会計年度より、当社は「電気事業」、「総合エネルギー供給事業」及び「情報通信事業」としていた報告セグメントを「総合エネルギー事業」、「送配電事業」及び「情報通信事業」に変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいている。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載している。
○ 総合エネルギー事業
売上高(営業収益)は、競争進展に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う上期の生産活動の停滞などによる小売販売電力量の減少により、電気料金収入が減少したことなどから、1兆1,813億円と前連結会計年度に比べ871億円の減収となった。
営業費用は、冬季の電力需給ひっ迫の影響に伴う燃料及び電力の調達費用の増加はあったものの、小売販売電力量の減少による原料費の減少に加え、経営全般にわたる効率化に努めたことなどから、1兆1,939億円と前連結会計年度に比べ548億円の減少となった。
この結果、小売販売電力量の減少に加え、電力需給ひっ迫の影響などにより、126億円の営業損失となり、前連結会計年度に比べ323億円の減益となった。
○ 送配電事業
売上高(営業収益)は、電力の需給ひっ迫により供給力が不足した中国エリア内の発電・小売会社への電力供給量の増加や市場価格の高騰により、不足インバランス収入が増加したこと、及び猛暑や厳冬により電灯需要が増加したことなどから、4,238億円と前連結会計年度に比べ710億円の増収となった。
営業費用は、経営全般にわたる効率化に努めたものの、需給ひっ迫の影響に伴い、他の一般送配電事業者からの電力融通費用が増加したことなどから、3,828億円と前連結会計年度に比べ532億円の増加となった。
この結果、営業利益は410億円となり、前連結会計年度に比べ178億円の増益となった。
○ 情報通信事業
売上高(営業収益)は、システム受託増加などにより情報関係事業収入が増加したことなどから、451億円と前連結会計年度に比べ21億円の増収となった。
営業費用は、情報関係事業費用が増加したことなどから、417億円と前連結会計年度に比べ21億円の増加となった。
この結果、営業利益は34億円となり、前連結会計年度並みとなった。
区分 | 総合エネルギー 事業 (億円) | 送配電事業 (億円) | 情報通信事業 (億円) | |
売上高 | 前連結会計年度 | 12,684 | 3,527 | 429 |
当連結会計年度 | 11,813 | 4,238 | 451 | |
差 引 | △871 | 710 | 21 | |
営業費用 | 前連結会計年度 | 12,487 | 3,296 | 395 |
当連結会計年度 | 11,939 | 3,828 | 417 | |
差 引 | △548 | 532 | 21 | |
営業利益又は 営業損失(△) | 前連結会計年度 | 197 | 231 | 34 |
当連結会計年度 | △126 | 410 | 34 | |
差 引 | △323 | 178 | △0 |
(3) 財政状態
資産は、島根原子力発電所の原子力安全対策工事及び三隅発電所2号機建設工事進捗による固定資産仮勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,197億円増加し、3兆3,851億円となった。
負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,061億円増加し、2兆7,248億円となった。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ136億円増加し、6,603億円となった。
この結果、自己資本比率は、19.4%となった。
区分 | 前連結会計年度末 (億円) | 当連結会計年度末 (億円) | 差引 (億円) | |
資産 | 32,653 | 33,851 | 1,197 | |
(うち電気事業固定資産) (うち固定資産仮勘定) (うち流動資産) | (12,986) (10,322) (2,893) | (12,950) (11,244) (2,962) | (△36) (921) (69) | |
負債 | 26,186 | 27,248 | 1,061 | |
(うち有利子負債) | (21,939) | (22,918) | (979) | |
純資産 | 6,466 | 6,603 | 136 | |
(うち自己資本) | (6,433) | (6,571) | (138) |
(注)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金と社債の金額及び利子を支払っている負債を
対象としており、無利子のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を含んでいる。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
(当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況)
○ 営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ194億円減少の1,102億円の収入となった。
○ 投資活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度に比べ6億円増加の1,727億円の支出となった。
この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、625億円のマイナスとなった。
○ 財務活動によるキャッシュ・フロー
社債・借入金による資金の調達を行ったことなどにより、752億円の収入となった。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ124億円増加し、598億円となった。
区分 | 前連結会計年度 (億円) | 当連結会計年度 (億円) | 差引 (億円) | |
○営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,296 | 1,102 | △194 | |
○投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,721 | △1,727 | △6 | |
差引フリー・キャッシュ・フロー | △424 | △625 | △200 | |
○財務活動によるキャッシュ・フロー | △14 | 752 | 766 | |
うち社債・借入金による純増減 | 176 | 957 | 780 | |
うち配当金の支払額 | △172 | △181 | △8 | |
現金及び現金同等物(増減額) | △440 | 124 | ||
現金及び現金同等物(期末残高) | 473 | 598 | 124 |
(連結キャッシュ・フローの推移)
当面、島根原子力発電所の安全対策工事や三隅発電所2号機の設備投資といった大型電源工事によりフリー・キャッシュ・フローはマイナスが続くが、新規電源の稼働後には、反転していくものと試算しており、2030年度までの10年間で、キャッシュ・フローの均衡を図る。

(キャッシュ配分の考え方)
大型電源工事期間中は、キャッシュアウトの抑制に努める。
その時々の事業環境等を踏まえ、適宜、見直しながら、既存領域や成長領域への投資、株主還元等のバランスを取ってキャッシュ配分を行う。株主還元については安定配当を基本としつつ、財務体質やビジョン「エネルギアチェンジ2030」に基づく当社グループの成長の成果を踏まえ、将来的な株主還元のあり方についても検討していく。
② 資本の財源
エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化や更なる成長に向けた新たな事業への挑戦などに必要な資金を、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、主に社債及び長期借入金により調達している。
また、グループ全体の資金を効率的に活用するため、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を通じてグループ内資金融通を行っており、グループ全体で必要な資金を当社が一括して調達している。
さらに、中長期的に安定的かつ低利な資金調達を実現するため、取引先金融機関の拡大や、個人向け社債、外貨建社債、転換社債の発行などによる調達手段・調達先の多様化に取り組んでいる。
なお、当社は、一般担保付社債の経過措置に係る認定に基づき、最長2024年度まで一般担保付社債を発行していく。
③ 資金の流動性
月次資金繰りに基づき十分な現預金を保有するとともに、金融機関とのコミットメントライン契約や当座貸越契約などにより、不測の資金需要に備える体制をとっている。
(5) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の売上高(営業収益)は、競争の進展に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う上期の生産活動の停滞などによる小売販売電力量の減少により、電気料金収入が減少したことなどから、前連結会計年度に比べ398億円の減収となった。
連結経常利益は、グループを挙げて経営全般にわたる効率化に努めたものの、小売販売電力量の減少や、冬季の電力需給ひっ迫の影響で150億円減益となったことなどにより、前連結会計年度に比べ97億円減益の300億円となった。
親会社株主に帰属する当期純利益については、冬季の電力需給ひっ迫及び市場価格高騰の影響を受けた小売電気事業者向け債権の一部について、貸倒引当金繰入額114億円を特別損失として計上した結果、前連結会計年度では原子力発電工事償却準備引当金の全額を取崩したこともあり、754億円の減益となった。
冬季の全国的な電力需給ひっ迫の要因は、厳しい寒波の影響により、ここ数年で最も高い水準まで電力需要が急増するなか、発電用燃料の在庫減少や大型火力発電所の計画外停止など、複数の事象が同時期に発生したことにあると考えている。このような、電力需要の増加や電力の供給力の低下に伴い、燃料価格や卸電力市場のスポット価格が高騰した結果、当社においても、燃料・電力の調達費用が大きく増加したことなどから、前連結会計年度に比べて減益となったものと認識している。
(6) 目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2020年1月に公表した新たな中国電力グループ経営ビジョンにおいて、2030年度に実現を目指す利益・財務の目標として「連結経常利益600億円以上」及び「連結自己資本比率25%」を設定している。
当連結会計年度においては、連結経常利益300億円、連結自己資本比率19.4%となっている。
利益・財務の目標の実現に向けては、安全確保を大前提に、島根原子力発電所及び三隅発電所2号機などの稼働・運開により競争力のある大型電源を確保することで、エリア内需要の獲得はもとより、小売、卸売及び様々な市場を活用し、販売電力量の減少の反転・拡大を目指すとともに、海外発電事業をはじめ、更なる成長に向けた新たな事業へも挑戦していく。
区分 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
連結経常利益 | 126億円 | 398億円 | 300億円 |
連結自己資本比率 | 17.0% | 19.7% | 19.4% |