四半期報告書-第31期第3四半期(平成30年10月1日-平成30年12月31日)
当社グループは第1四半期連結会計期間より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前第3四半期連結会計期間及び累計期間、並びに前連結会計年度の数値もIFRSベースに組み替えて比較分析を行っています。
(1) 経営成績の分析
[事業活動の取り組み状況及び各セグメントの業績]
お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応した多様なITサービスの拡大と安定的な提供に努めました。セグメント別の取り組みについては、次のとおりです。
(公共・社会基盤)
政府・インフラ企業の基幹業務のシステム更改を確実に獲得しつつ、これまでの当社グループの実績や培ってきたノウハウを活用した国内・海外での案件創出、マイナンバー活用ビジネスやSociety 5.0、デジタル・ガバメント実行計画に沿った官民融合の新たな社会基盤実現に向けた新規ビジネス等により事業拡大をめざします。
<救急ビッグデータを用いた救急自動車最適運用システムの実証実験を開始>当社は、長年にわたる救急医療情報システムの開発及び運用保守に関する実績やノウハウを活かし、消防庁消防大学校消防研究センター及び日本電信電話㈱と、救急車搬送時間の短縮を目的に、救急ビッグデータを用いた救急自動車最適運用システムの共同研究を2018年2月より実施しています。その研究において、複数の消防局の協力のもと、以下の3つのテーマにおいて有効性を確認したため、2018年12月より実証実験を開始しました。
・過去の救急搬送事例、気象条件、動的人口データ等を用いた救急需要予測による傷病者発生確率が高い場所への救急隊の最適配置
・救急隊の出動履歴や医療機関の受入履歴等の情報解析によるリアルタイムでの搬送先医療機関の受入可能性の予測
・救急車等の走行情報や地図情報等を用いた道路状況の推定に基づく安全搬送に適したルートの提示
今後、各テーマでの予測精度を更に高めるとともに、実際の使用を想定した運用システムの構築を進めます。
<つくば市、町田市、横浜市、福岡市、郡山市、市川市と業務効率化に向けてAI-OCRの実用性検証を開始>当社は、複数のRPA先進地方公共団体と共に、地方公共団体の業務効率化に向けた企画開発の一環として、実帳票を用いたAI-OCR(注1)の読取率検証を2018年12月より開始しました。今回の効果検証では、AI inside㈱のAI-OCRソリューションである「DX Suite」と、当社が販売するRPAソリューションである「WinActor」(注2)を活用し、つくば市等の地方公共団体にて実帳票等の読取率を確認しています。今後、実際の検証結果については2018年度末をめどに公開し、各地方公共団体における当該ソリューションの実用性を示すとともに、各種申請書のデジタル化に伴う業務量削減効果の測定結果等、具体的にAI-OCRサービスの導入につながる情報提供を実施する予定です。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、テレコム業界及び中央府省向けサービスの規模拡大等により、317,420百万円(前年同四半期比6.2%増)となりました。
・営業利益は、増収による増益はあるものの、不採算額の増加等により、17,519百万円(同1.6%減)となりました。
(金融)
マイナス金利等による市場環境が金融機関の経営に影響する一方、規制緩和や技術革新の推進によりデジタル化の流れが加速するなど、金融業界の事業環境が大きく変化している中、引き続きお客様へ高信頼で高品質なサービスを提供し続けるとともに、事業環境の変化に対してはデジタル技術の組み合わせによる新たな価値を提供することで、デジタル時代の信頼される金融ITプラットフォーマーとしてビジネス拡大をめざします。
<パブリッククラウド活用を一元的に支援するソリューション「A-gate」の提供を開始>当社は、金融機関が安心かつ安全にAWSやAzure等のパブリッククラウドを活用するために、その導入検討から運用までを一元的に支援するソリューション「A-gate」を2018年10月より提供開始しました。本ソリューションにより、金融機関はパブリッククラウド活用に必要な専門的知識を有する組織やセキュアな基盤を自前で確立・維持することなく、パブリッククラウドの高い自由度や利便性を享受することができます。加えて、堅牢性が高く、金融機関向けの実績がある、当社クラウド基盤「OpenCanvas」と本ソリューションを連携させることにより、低コストで高いセキュリティを実現します。今後、金融機関を中心に本ソリューションを展開し、5年間で累計50億円規模の売上高をめざします。
<三菱UFJ信託銀行㈱の情報信託プラットフォーム「DPRIME(仮称)」の実証実験に参加>当社は、三菱UFJ信託銀行㈱が検討する情報信託機能(注3)を担うプラットフォーム「DPRIME(仮称)」β版(注4)の開発支援及び実証実験に参加しました。本プラットフォームは、個人自らがパーソナルデータ(注5)を活用し、パーソナルデータ利用企業へ提供することで、個人が得られる価値の最大化を実現するものです。今後も「DPRIME(仮称)」の商用サービス開始に向けて支援を継続していくとともに、本実証実験で得たノウハウを元に、これまでマイナンバービジネスやビッグデータビジネスを通じて得た技術も活用することで、2019年度以降に情報銀行(注6)やパーソナルデータストア(以下、PDS)(注7)の基盤を構築し、サービス提供を行う予定です。
<営農支援プラットフォーム「あい作」の提供を開始>当社は、農業協同組合及び農事組合法人等に向け、組合担当者と生産者間の情報連携等を支援する営農支援プラットフォーム「あい作」を2018年10月より提供開始しました。「あい作」の活用により、生産者がスマートフォンやタブレット等で入力した栽培計画及び実績に関する情報を組合担当者が把握可能となり、産地の栽培情報の見える化、双方のコミュニケーション促進、営農活動の質の向上と効率化を実現します。現在、本格導入に向けて、JAグループ茨城、JA香川県等にて試行運用を行っています。今後、当社グループの農地管理、病害虫診断、生育診断等の農業に関わる各ソリューションとも連携することで、営農支援プラットフォームの価値を向上させ、2020年度末までに国内100組織への導入をめざします。このような取り組みを通じて当社は農業全体を様々な側面から支援していきます。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、保険業界向けサービス等の増収はあるものの、前期における銀行向けサービスの反動減等により、399,340百万円(前年同四半期比2.1%減)となりました。
・営業利益は、保険業界向けサービス等の増益はあるものの、前期における銀行向けサービスの反動減等により、37,322百万円(同3.4%減)となりました。
(法人・ソリューション)
デジタルを活用する流れの更なる加速や、グローバル競争力強化の要請の高まり等、小売業・流通業・サービス業・製造業における事業環境が大きく変化しています。この変化に対応し、デジタル領域における先進技術・ノウハウや、数多くのお客様のシステムをトータルで支援してきた実績等の強みを活かして、お客様のデジタルトランスフォーメーションに貢献する事業パートナーとしてビジネス拡大を更に進めていきます。
<国内外の各種コード決済を一元的に対応可能とするサービスの拡充>当社が提供する国内最大の決済プラットフォームである「CAFIS」は、国内外の一次元バーコードやQRコードといった各種コード決済について、小売業者が1台の決済端末又は1つのインターフェースで対応が可能となるサービスの開始を決定しました。本サービスは、国内利用者向けのOrigami Pay、d払い、プリン(pring)、PayPay、LINE Pay、楽天ペイ(アプリ決済)や、中国で広く普及しているAlipay、WeChatPayをはじめとする海外のコード決済への対応を一元的に可能とすることに加え、当社の決済ソリューションを活かして、小売業者が既存のシステムインフラを活用しながら、より接続しやすいインターフェースやアプリケーションを選択することができるようになるものです。当社は本ソリューションの提供を2019年春より開始するとともに、今後も国内外の決済事業者との連携を進め、あらゆる一次元バーコードやQRコード決済への対応を検討及び推進していきます。
<インドAtom Technologies社の買収を通じたAPAC地域へのペイメント事業の拡大>当社は、インドのeコマースや小売店舗等に先進的な決済サービスを提供するAtom Technologies Limited(以下、Atom社)の発行済株式の過半数を譲り受け、子会社化することを2018年11月に合意しました。Atom社は、モバイル、インターネット及び店舗等のあらゆる利用シーンに対して、オムニチャネル決済サービスを提供する決済代行事業者で、約50以上のインド国内の銀行と提携し、インドの主要かつ先端的な決済手段を網羅しています。これまで当社は、東アジアや東南アジアでの決済手段を包括的に加盟店に提供する決済代行事業を推進してきましたが、本買収によりデジタル化推進によって著しく成長するインド電子決済市場に参入するとともに、インド国内において当社グループが展開するBPO事業等と組み合わせることで、より広範なお客様要望に対応する事業創出をめざします。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、前期のM&A等を含む製造業向けサービス及び流通業向けサービスの規模拡大等により、380,856百万円(前年同四半期比11.0%増)となりました。
・営業利益は、増収等により、37,823百万円(同9.0%増)となりました。
(北米)
北米における組織・体制の基盤固めを完了し、更なる成長に向けて、ITサービス市場の成長を牽引するデジタル領域への対応力を磨くとともに、特にヘルスケア、公共、金融の各分野においてアウトソーシング等の豊富な実績や知見を活かした事業の拡大を図り、進化を加速させていきます。
<北中米を中心に世界展開する食品会社Grupo Bimboとのビジネスを拡大、IT資産管理業務における先進の技術を活用した自動化を推進>当社子会社であるNTT DATA Servicesは、北中米を中心にグローバル展開する食品製造会社であるGrupo Bimboと自動化等先進の技術活用を含むITマネージドサービス(注8)にかかる契約を今期において新規に締結しました。本契約は世界4大陸、32カ国にまたがりサービスを提供するグローバル契約であり、セルフヒーリングツール(注9)を活用した異常検知・修復を含むIT資産管理等のエンドユーザサポートサービスを提供するものです。また、このITマネージドサービス導入の成功実績をもとに、IT技術の活用による、場所や時間を問わない働き方や業務環境を構築するダイナミックワークプレイスの導入にかかる契約についても追加で締結しました。これらのサービスを通じ、お客様の生産性向上やイノベーション推進に取り組んでいきます。
当社子会社であるNTT DATA Servicesは、カナダのSierra Systems Group, Inc.(以下、Sierra Systems)の買収について、2018年12月にクロージングを完了しました。本買収を通じて、NTT DATA ServicesはカナダITサービス市場におけるプレゼンスを拡大していきます。
Sierra Systemsは、カナダにおいて、州政府等の公共機関、ヘルスケア業界等に強固な顧客基盤を持ち、ITコンサルティング及びアプリケーション関連サービス等のITサービスを提供しています。特に業界やソリューションに特化したサービスに強みを持っており、例えばMicrosoft Dynamics(注11) 、Oracle、ServiceNow(注12)等を活用したサービスにおいて豊富な実績やノウハウを有することに加え、アナリティクス等の先端の技術を活用したサービスも提供しています。今後、両社のケイパビリティを組み合わせた幅広いソリューションにより、お客様の更なる成長に貢献し、北米でのサービス展開を更に加速させます。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、公共及び製造向けサービスの増収はあるものの、ヘルスケア及び金融向けサービスの減収により、313,903百万円(前年同四半期比3.8%減)となりました。
・営業利益は、減収による減益はあるものの、コスト改善効果が出始めていることや、PMI費用の減少等により、546百万円(同-%)となりました。
(EMEA・中南米)
EMEA・中南米においてグループ各社がそれぞれの持つ強みやリソースを結集し、事業の一体的運営を推進することでシナジー効果の発現による収益拡大を図るとともに、ますます需要の高まるデジタル領域でのサービス提供を強化し、更なるローカルプレゼンスの向上をめざします。
<イタリアの大手電力・エネルギー会社とグローバルSAPサービス契約を締結>当社子会社であるスペインのeveris Group (以下、everis)が主導するジョイントベンチャーは、イタリアに本拠を置く世界最大規模の電力会社と5年間のグローバルSAPサービス契約を締結し、2018年10月よりサービス提供を開始しました。本サービスでは、経営管理、財務、購買等の本社機能や発電、配電、電力小売、再生可能エネルギー導入等お客様のすべての業務を対象に、世界中で使われている同種のシステムの中でも最先端のSAPソリューションとプラットフォームをグローバルに展開することで革新的なサービスを提供していきます。提供エリアはイタリアをはじめ、スペイン、モロッコ、ギリシャ、ルーマニア、ロシア、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、米国、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、メキシコ、コロンビア等、最終的には世界30カ国以上で約4万人が本サービスを利用することになります。本契約締結は、everisのグローバルレベルでのトータルソリューションの提案及びプロジェクトマネジメント力が評価されたものであり、今後もそうした強みを磨くことにより、お客様の更なる業務拡大に貢献していきます。
当社子会社であるNTT DATA EMEA LTD.(以下、NTT DATA EMEA)とeverisは、それぞれ英国とブラジルにデザインスタジオを開設しました。当社グループでは、デザインスタジオをお客様やビジネスパートナーと共に革新的アプローチで新しい技術を試す共創の場と位置付け、更なる拡充を図るとともに、デザインスタジオを起点に先進技術を駆使したデジタルソリューションを展開することで、お客様の事業変革を支援するデジタルコンサルティング機能の更なる強化に努めていきます。
・NTT DATA EMEAは、2018年10月、Innovation Lab「Ensō」を英国・ロンドンに開設しました。「Ensō」の開設は、2017年10月のドイツ・ミュンヘンに続く2カ所目となります。
・everisは、2018年11月、Global Digital Design Studio「CHAZZ」をブラジル・サンパウロに開設しました。「CHAZZ」の開設は、2018年1月のスペイン・マドリッドに続く2カ所目となります。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、スペインやイタリアを中心とした欧州での規模拡大等により、322,470百万円(前年同四半期比14.5%増)となりました。
・営業利益は、増収による増益はあるものの、一過性の要因等により、3,233百万円(同1.0%増)となりました。
(注1)AI-OCR
従来のOCR技術と機械学習及び深層学習とを組み合わせ、学習した内容に基づいてルールを見出して読み取る技術のことで、手書き文字や項目ごとの認識を高い精度で行うことができるものです。
(注2)「WinActor」
2010年に日本電信電話㈱の研究所が開発した技術をベースとする純国産のRPAソリューションで、提供パートナー開拓や技術研修教材作成等を、販売元である当社が担当しています。
(注3)情報信託機能
個人がパーソナルデータの第三者提供可否を判断するための支援機能、又は指図に基づき本人に代わりパーソナルデータ提供の妥当性を判断する機能のことです。
(注4)β版
正式版を公開する前に、ユーザーとの接点を含めた一連の体験を検証するための、サンプルソフトウェアのことです。
(注5)パーソナルデータ
特定の個人を識別できる情報(=個人情報保護法第2条第1項に定める個人情報)に加え、個人の特定・選別につながらない情報を含めた、広範囲の個人に関する情報のことです。
(注6)情報銀行
個人とのパーソナルデータ活用に関する契約等に基づき、PDS等のシステムを活用してパーソナルデータを管理するとともに、個人の指示やあらかじめ指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、パーソナルデータを第三者(他の事業者)に提供する事業者のことです。
(注7)パーソナルデータストア(PDS)
データを活用したい企業等へパーソナルデータを提供するための制御機能を持ち、個人が自らの意思でパーソナルデータを蓄積・管理するための仕組み(システム)のことです。
(注8)ITマネージドサービス
社内ITインフラに関連するユーザーからの問い合わせ対応やIT資産の管理等を提供するサービスのことです。
(注9)セルフヒーリングツール
共通的に使用されるアプリケーションやシステムの問題や異常について、自動で検知し修復するツールのことです。
(注10)クロージング
M&Aにおいて、株式譲渡や事業譲渡等の一連の手続きを経て、対象企業の経営権の移転が完了することです。
(注11)Microsoft Dynamics
Microsoft Corporationが開発した業務用アプリケーションの製品シリーズ総称のことです。
(注12)ServiceNow
ServiceNow, Inc.が提供する企業向けのクラウド型のITサービスマネジメント製品のことです。
[技術開発の状況]
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の状況を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされています。そのような環境下で競争に勝ち残っていくため、システム開発の高速化、高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発に重点的に取り組んでいます。また、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」にも取り組んでいます。これら2つの取り組みに対して、状況の変化に柔軟に対応できる開発力を合わせ、お客様に魅力的なシステムを提案・提供するための研究開発を強化しています。
(生産技術の革新)
当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできており、これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっていました。そうした中で、自動化技術の更なる高度化に加え、レガシーモダナイゼーション(注1)や、開発環境の変化、顧客のビジネス環境の変化に機敏に対応するための開発プロセスの革新を加速しています。また、標準化についてもグローバルレベルでの取り組みを進めています。
<オープンミッションクリティカル基盤推進室を設置>当社は、近年の金融及び公共分野における基幹系システムのクラウド化の進展やFintechをはじめとするデジタルトランスフォーメーション時代に対応するため、オープンミッションクリティカル基盤推進室を2018年11月に設置しました。本推進室は主に金融及び公共分野のメインフレーム上で動作する大規模ミッションクリティカルシステム(注2)をターゲットに、オープン化に必要な共通機能の実現と、将来のクラウド利用を含む機能拡充をめざします。オープンアーキテクチャ(注3)に関する豊富な知識を持った技術者を集約し、各事業分野の関連組織と連携することで、お客様システムのオープン基盤構築を強力に支援します。今後、本推進室を2019年度内に140名から350名体制へ増員するとともに、お客様が自社戦略に最適なシステム基盤を選択できるように基盤ラインナップの更なる充実をめざします。
(最先端技術の活用)
特にAI、IoT、ITインフラ最先端技術(ブロックチェーン等)の技術テーマに注力し、該当する研究テーマやお客様とのPoC等に対して優先的な投資を行っています。また、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、政治・経済・社会・技術の4軸で将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注4)として策定・公開する取り組みを行っています。
<ブロックチェーン、IoT及びUX-UI(注5)に関する市場調査会社のレポートにおいて「リーダー」評価を獲得>当社グループは、ブロックチェーン、IoT及びUX-UIの取り組みに関する市場調査会社のレポートにおいて「リーダー」の評価を獲得しました。
・当社グループは、Everest社が2018年11月に発行した「Blockchain Services PEAK Matrix Assessment 2019: Race to Make Enterprise Blockchain Real」及びNelsonHall社が2018年12月に発行した「NelsonHall NEAT vendor evaluation for Blockchain in Business Process Transformation」において、「リーダー」に認定されました。当社グループでは全社横断組織であるブロックチェーン活用推進チーム(注6)を立ち上げ、2017年8月の活動開始からグローバルな体制強化を行った結果、2018年12月時点において世界20カ国にまたがる体制になっています。
・当社グループは、Everest社が2018年12月に発行した「Internet of Things (IoT) Services PEAK Matrix Assessment 2019」において、「リーダー」に認定されました。
・当社グループは、NelsonHall社が2018年12月に発行した「NelsonHall NEAT vendor evaluation for UX-UI Services」において、「リーダー」に認定されました。この認定は当社グループのUX-UIデザインと開発におけるグローバルメソドロジーの整備、イタリアを中心としたデザインスタジオネットワークの拡充等の取組実績が評価されたことによるものです。
今後も、ブロックチェーン、IoT及びUX-UIのグローバルレベルでの競争力強化に取り組んでいきます。
(注1)レガシーモダナイゼーション
長期間にわたり維持保守されてきたシステム(レガシーシステム)では、度重なる追加開発によって、システムの肥大化・複雑化・属人化が進み、現行システムが実現している業務全体に対する理解が難しくなっています。そのようなブラックボックス化したシステムの仕様を棚卸しして、既存の資産を活用しつつ、新たなシステムへと再構築(刷新)することです。
(注2)大規模ミッションクリティカルシステム
社会的に影響の大きい重要なシステムであり、高い信頼性・可用性・性能等が要求されるシステムのことです。
(注3)オープンアーキテクチャ
設計や仕様等が公開もしくは標準化されているものを利用することで、他のシステムと連携しやすく、特定のハードウェアや環境に依存しないシステムの構造のことです。
(注4)NTT DATA Technology Foresight
情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリングや議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。
(注5)UX(ユーザエクスペリエンス)-UI(ユーザインターフェース)
UX(ユーザエクスペリエンス)とは、ユーザーがサービスを通じて受け取る体験やそれに伴う感情のことです。UI(ユーザインターフェース)とは、ユーザーとサービスとの接点であり、両者の間で情報をやりとりするための仕組みのことです。
(注6)ブロックチェーン活用推進チーム
海外のグループ会社を含めた全社横断組織で、本推進チームを軸に、ブロックチェーン活用によるビジネスモデルの整備、技術開発、お客様のビジネスにおけるブロックチェーン活用を支援しています。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における業績につきましては、次のとおりとなりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産は、契約資産等の増加により2,314,297百万円と前期末に比べ44,095百万円の増加となり、負債は、営業債務の支払い及び金融負債の償還等により1,396,057百万円と前期末に比べ13,639百万円の減少となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期利益61,865百万円、非現金支出項目である減価償却費及び償却費117,535百万円の計上、及び営業債権等の回収による28,289百万円の収入の一方、法人税等の支払が54,620百万円となり、168,623百万円の収入(前年同四半期比2,061百万円収入減少)となりました。
一方、設備投資による支出が131,506百万円となる等、投資活動によるキャッシュ・フローは、143,187百万円の支出(同12,598百万円支出減少)となったことから、当期のフリー・キャッシュ・フローは25,436百万円の黒字(同10,538百万円増加)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、主に配当金の支払を実施したこと等により、15,627百万円の支出(同51,507百万円の支出減少)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は9,867百万円です。
この四半期報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは、各社等の登録商標又は商標です。
なお、将来に関する記述は、当社グループが当四半期連結会計期間の末日時点で把握可能な情報から判断する一定の前提に基づいており、今後様々な要因によって記載内容とは異なる可能性があることをご承知おきください。
(1) 経営成績の分析
[事業活動の取り組み状況及び各セグメントの業績]
お客様のグローバル市場への進出の加速や、ニーズの多様化・高度化に対応するため、グローバル市場でのビジネス拡大を図るとともに、市場の変化に対応した多様なITサービスの拡大と安定的な提供に努めました。セグメント別の取り組みについては、次のとおりです。
(公共・社会基盤)
政府・インフラ企業の基幹業務のシステム更改を確実に獲得しつつ、これまでの当社グループの実績や培ってきたノウハウを活用した国内・海外での案件創出、マイナンバー活用ビジネスやSociety 5.0、デジタル・ガバメント実行計画に沿った官民融合の新たな社会基盤実現に向けた新規ビジネス等により事業拡大をめざします。
<救急ビッグデータを用いた救急自動車最適運用システムの実証実験を開始>当社は、長年にわたる救急医療情報システムの開発及び運用保守に関する実績やノウハウを活かし、消防庁消防大学校消防研究センター及び日本電信電話㈱と、救急車搬送時間の短縮を目的に、救急ビッグデータを用いた救急自動車最適運用システムの共同研究を2018年2月より実施しています。その研究において、複数の消防局の協力のもと、以下の3つのテーマにおいて有効性を確認したため、2018年12月より実証実験を開始しました。
・過去の救急搬送事例、気象条件、動的人口データ等を用いた救急需要予測による傷病者発生確率が高い場所への救急隊の最適配置
・救急隊の出動履歴や医療機関の受入履歴等の情報解析によるリアルタイムでの搬送先医療機関の受入可能性の予測
・救急車等の走行情報や地図情報等を用いた道路状況の推定に基づく安全搬送に適したルートの提示
今後、各テーマでの予測精度を更に高めるとともに、実際の使用を想定した運用システムの構築を進めます。
<つくば市、町田市、横浜市、福岡市、郡山市、市川市と業務効率化に向けてAI-OCRの実用性検証を開始>当社は、複数のRPA先進地方公共団体と共に、地方公共団体の業務効率化に向けた企画開発の一環として、実帳票を用いたAI-OCR(注1)の読取率検証を2018年12月より開始しました。今回の効果検証では、AI inside㈱のAI-OCRソリューションである「DX Suite」と、当社が販売するRPAソリューションである「WinActor」(注2)を活用し、つくば市等の地方公共団体にて実帳票等の読取率を確認しています。今後、実際の検証結果については2018年度末をめどに公開し、各地方公共団体における当該ソリューションの実用性を示すとともに、各種申請書のデジタル化に伴う業務量削減効果の測定結果等、具体的にAI-OCRサービスの導入につながる情報提供を実施する予定です。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、テレコム業界及び中央府省向けサービスの規模拡大等により、317,420百万円(前年同四半期比6.2%増)となりました。
・営業利益は、増収による増益はあるものの、不採算額の増加等により、17,519百万円(同1.6%減)となりました。
(金融)
マイナス金利等による市場環境が金融機関の経営に影響する一方、規制緩和や技術革新の推進によりデジタル化の流れが加速するなど、金融業界の事業環境が大きく変化している中、引き続きお客様へ高信頼で高品質なサービスを提供し続けるとともに、事業環境の変化に対してはデジタル技術の組み合わせによる新たな価値を提供することで、デジタル時代の信頼される金融ITプラットフォーマーとしてビジネス拡大をめざします。
<パブリッククラウド活用を一元的に支援するソリューション「A-gate」の提供を開始>当社は、金融機関が安心かつ安全にAWSやAzure等のパブリッククラウドを活用するために、その導入検討から運用までを一元的に支援するソリューション「A-gate」を2018年10月より提供開始しました。本ソリューションにより、金融機関はパブリッククラウド活用に必要な専門的知識を有する組織やセキュアな基盤を自前で確立・維持することなく、パブリッククラウドの高い自由度や利便性を享受することができます。加えて、堅牢性が高く、金融機関向けの実績がある、当社クラウド基盤「OpenCanvas」と本ソリューションを連携させることにより、低コストで高いセキュリティを実現します。今後、金融機関を中心に本ソリューションを展開し、5年間で累計50億円規模の売上高をめざします。
<三菱UFJ信託銀行㈱の情報信託プラットフォーム「DPRIME(仮称)」の実証実験に参加>当社は、三菱UFJ信託銀行㈱が検討する情報信託機能(注3)を担うプラットフォーム「DPRIME(仮称)」β版(注4)の開発支援及び実証実験に参加しました。本プラットフォームは、個人自らがパーソナルデータ(注5)を活用し、パーソナルデータ利用企業へ提供することで、個人が得られる価値の最大化を実現するものです。今後も「DPRIME(仮称)」の商用サービス開始に向けて支援を継続していくとともに、本実証実験で得たノウハウを元に、これまでマイナンバービジネスやビッグデータビジネスを通じて得た技術も活用することで、2019年度以降に情報銀行(注6)やパーソナルデータストア(以下、PDS)(注7)の基盤を構築し、サービス提供を行う予定です。
<営農支援プラットフォーム「あい作」の提供を開始>当社は、農業協同組合及び農事組合法人等に向け、組合担当者と生産者間の情報連携等を支援する営農支援プラットフォーム「あい作」を2018年10月より提供開始しました。「あい作」の活用により、生産者がスマートフォンやタブレット等で入力した栽培計画及び実績に関する情報を組合担当者が把握可能となり、産地の栽培情報の見える化、双方のコミュニケーション促進、営農活動の質の向上と効率化を実現します。現在、本格導入に向けて、JAグループ茨城、JA香川県等にて試行運用を行っています。今後、当社グループの農地管理、病害虫診断、生育診断等の農業に関わる各ソリューションとも連携することで、営農支援プラットフォームの価値を向上させ、2020年度末までに国内100組織への導入をめざします。このような取り組みを通じて当社は農業全体を様々な側面から支援していきます。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、保険業界向けサービス等の増収はあるものの、前期における銀行向けサービスの反動減等により、399,340百万円(前年同四半期比2.1%減)となりました。
・営業利益は、保険業界向けサービス等の増益はあるものの、前期における銀行向けサービスの反動減等により、37,322百万円(同3.4%減)となりました。
(法人・ソリューション)
デジタルを活用する流れの更なる加速や、グローバル競争力強化の要請の高まり等、小売業・流通業・サービス業・製造業における事業環境が大きく変化しています。この変化に対応し、デジタル領域における先進技術・ノウハウや、数多くのお客様のシステムをトータルで支援してきた実績等の強みを活かして、お客様のデジタルトランスフォーメーションに貢献する事業パートナーとしてビジネス拡大を更に進めていきます。
<国内外の各種コード決済を一元的に対応可能とするサービスの拡充>当社が提供する国内最大の決済プラットフォームである「CAFIS」は、国内外の一次元バーコードやQRコードといった各種コード決済について、小売業者が1台の決済端末又は1つのインターフェースで対応が可能となるサービスの開始を決定しました。本サービスは、国内利用者向けのOrigami Pay、d払い、プリン(pring)、PayPay、LINE Pay、楽天ペイ(アプリ決済)や、中国で広く普及しているAlipay、WeChatPayをはじめとする海外のコード決済への対応を一元的に可能とすることに加え、当社の決済ソリューションを活かして、小売業者が既存のシステムインフラを活用しながら、より接続しやすいインターフェースやアプリケーションを選択することができるようになるものです。当社は本ソリューションの提供を2019年春より開始するとともに、今後も国内外の決済事業者との連携を進め、あらゆる一次元バーコードやQRコード決済への対応を検討及び推進していきます。
<インドAtom Technologies社の買収を通じたAPAC地域へのペイメント事業の拡大>当社は、インドのeコマースや小売店舗等に先進的な決済サービスを提供するAtom Technologies Limited(以下、Atom社)の発行済株式の過半数を譲り受け、子会社化することを2018年11月に合意しました。Atom社は、モバイル、インターネット及び店舗等のあらゆる利用シーンに対して、オムニチャネル決済サービスを提供する決済代行事業者で、約50以上のインド国内の銀行と提携し、インドの主要かつ先端的な決済手段を網羅しています。これまで当社は、東アジアや東南アジアでの決済手段を包括的に加盟店に提供する決済代行事業を推進してきましたが、本買収によりデジタル化推進によって著しく成長するインド電子決済市場に参入するとともに、インド国内において当社グループが展開するBPO事業等と組み合わせることで、より広範なお客様要望に対応する事業創出をめざします。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、前期のM&A等を含む製造業向けサービス及び流通業向けサービスの規模拡大等により、380,856百万円(前年同四半期比11.0%増)となりました。
・営業利益は、増収等により、37,823百万円(同9.0%増)となりました。
(北米)
北米における組織・体制の基盤固めを完了し、更なる成長に向けて、ITサービス市場の成長を牽引するデジタル領域への対応力を磨くとともに、特にヘルスケア、公共、金融の各分野においてアウトソーシング等の豊富な実績や知見を活かした事業の拡大を図り、進化を加速させていきます。
<北中米を中心に世界展開する食品会社Grupo Bimboとのビジネスを拡大、IT資産管理業務における先進の技術を活用した自動化を推進>当社子会社であるNTT DATA Servicesは、北中米を中心にグローバル展開する食品製造会社であるGrupo Bimboと自動化等先進の技術活用を含むITマネージドサービス(注8)にかかる契約を今期において新規に締結しました。本契約は世界4大陸、32カ国にまたがりサービスを提供するグローバル契約であり、セルフヒーリングツール(注9)を活用した異常検知・修復を含むIT資産管理等のエンドユーザサポートサービスを提供するものです。また、このITマネージドサービス導入の成功実績をもとに、IT技術の活用による、場所や時間を問わない働き方や業務環境を構築するダイナミックワークプレイスの導入にかかる契約についても追加で締結しました。これらのサービスを通じ、お客様の生産性向上やイノベーション推進に取り組んでいきます。
Sierra Systemsは、カナダにおいて、州政府等の公共機関、ヘルスケア業界等に強固な顧客基盤を持ち、ITコンサルティング及びアプリケーション関連サービス等のITサービスを提供しています。特に業界やソリューションに特化したサービスに強みを持っており、例えばMicrosoft Dynamics(注11) 、Oracle、ServiceNow(注12)等を活用したサービスにおいて豊富な実績やノウハウを有することに加え、アナリティクス等の先端の技術を活用したサービスも提供しています。今後、両社のケイパビリティを組み合わせた幅広いソリューションにより、お客様の更なる成長に貢献し、北米でのサービス展開を更に加速させます。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、公共及び製造向けサービスの増収はあるものの、ヘルスケア及び金融向けサービスの減収により、313,903百万円(前年同四半期比3.8%減)となりました。
・営業利益は、減収による減益はあるものの、コスト改善効果が出始めていることや、PMI費用の減少等により、546百万円(同-%)となりました。
(EMEA・中南米)
EMEA・中南米においてグループ各社がそれぞれの持つ強みやリソースを結集し、事業の一体的運営を推進することでシナジー効果の発現による収益拡大を図るとともに、ますます需要の高まるデジタル領域でのサービス提供を強化し、更なるローカルプレゼンスの向上をめざします。
<イタリアの大手電力・エネルギー会社とグローバルSAPサービス契約を締結>当社子会社であるスペインのeveris Group (以下、everis)が主導するジョイントベンチャーは、イタリアに本拠を置く世界最大規模の電力会社と5年間のグローバルSAPサービス契約を締結し、2018年10月よりサービス提供を開始しました。本サービスでは、経営管理、財務、購買等の本社機能や発電、配電、電力小売、再生可能エネルギー導入等お客様のすべての業務を対象に、世界中で使われている同種のシステムの中でも最先端のSAPソリューションとプラットフォームをグローバルに展開することで革新的なサービスを提供していきます。提供エリアはイタリアをはじめ、スペイン、モロッコ、ギリシャ、ルーマニア、ロシア、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、米国、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルー、メキシコ、コロンビア等、最終的には世界30カ国以上で約4万人が本サービスを利用することになります。本契約締結は、everisのグローバルレベルでのトータルソリューションの提案及びプロジェクトマネジメント力が評価されたものであり、今後もそうした強みを磨くことにより、お客様の更なる業務拡大に貢献していきます。
・NTT DATA EMEAは、2018年10月、Innovation Lab「Ensō」を英国・ロンドンに開設しました。「Ensō」の開設は、2017年10月のドイツ・ミュンヘンに続く2カ所目となります。
・everisは、2018年11月、Global Digital Design Studio「CHAZZ」をブラジル・サンパウロに開設しました。「CHAZZ」の開設は、2018年1月のスペイン・マドリッドに続く2カ所目となります。
当第3四半期連結累計期間の業績は次のとおりです。
・売上高は、スペインやイタリアを中心とした欧州での規模拡大等により、322,470百万円(前年同四半期比14.5%増)となりました。
・営業利益は、増収による増益はあるものの、一過性の要因等により、3,233百万円(同1.0%増)となりました。
(注1)AI-OCR
従来のOCR技術と機械学習及び深層学習とを組み合わせ、学習した内容に基づいてルールを見出して読み取る技術のことで、手書き文字や項目ごとの認識を高い精度で行うことができるものです。
(注2)「WinActor」
2010年に日本電信電話㈱の研究所が開発した技術をベースとする純国産のRPAソリューションで、提供パートナー開拓や技術研修教材作成等を、販売元である当社が担当しています。
(注3)情報信託機能
個人がパーソナルデータの第三者提供可否を判断するための支援機能、又は指図に基づき本人に代わりパーソナルデータ提供の妥当性を判断する機能のことです。
(注4)β版
正式版を公開する前に、ユーザーとの接点を含めた一連の体験を検証するための、サンプルソフトウェアのことです。
(注5)パーソナルデータ
特定の個人を識別できる情報(=個人情報保護法第2条第1項に定める個人情報)に加え、個人の特定・選別につながらない情報を含めた、広範囲の個人に関する情報のことです。
(注6)情報銀行
個人とのパーソナルデータ活用に関する契約等に基づき、PDS等のシステムを活用してパーソナルデータを管理するとともに、個人の指示やあらかじめ指定した条件に基づき個人に代わり妥当性を判断の上、パーソナルデータを第三者(他の事業者)に提供する事業者のことです。
(注7)パーソナルデータストア(PDS)
データを活用したい企業等へパーソナルデータを提供するための制御機能を持ち、個人が自らの意思でパーソナルデータを蓄積・管理するための仕組み(システム)のことです。
(注8)ITマネージドサービス
社内ITインフラに関連するユーザーからの問い合わせ対応やIT資産の管理等を提供するサービスのことです。
(注9)セルフヒーリングツール
共通的に使用されるアプリケーションやシステムの問題や異常について、自動で検知し修復するツールのことです。
(注10)クロージング
M&Aにおいて、株式譲渡や事業譲渡等の一連の手続きを経て、対象企業の経営権の移転が完了することです。
(注11)Microsoft Dynamics
Microsoft Corporationが開発した業務用アプリケーションの製品シリーズ総称のことです。
(注12)ServiceNow
ServiceNow, Inc.が提供する企業向けのクラウド型のITサービスマネジメント製品のことです。
[技術開発の状況]
当社グループの主力事業であるシステムインテグレーション(SI)事業は、日本経済の状況を受けて改善傾向にありますが、依然厳しい競争環境にさらされています。そのような環境下で競争に勝ち残っていくため、システム開発の高速化、高品質化等「生産技術の革新」に関する研究開発に重点的に取り組んでいます。また、新しい技術トレンドを積極的に取り入れる「最先端技術の活用」にも取り組んでいます。これら2つの取り組みに対して、状況の変化に柔軟に対応できる開発力を合わせ、お客様に魅力的なシステムを提案・提供するための研究開発を強化しています。
(生産技術の革新)
当社はこれまでにソフトウェア開発の自動化による高速・高品質な開発の実現に取り組んできており、これは当社にとって競争上非常に優位な要素となっていました。そうした中で、自動化技術の更なる高度化に加え、レガシーモダナイゼーション(注1)や、開発環境の変化、顧客のビジネス環境の変化に機敏に対応するための開発プロセスの革新を加速しています。また、標準化についてもグローバルレベルでの取り組みを進めています。
<オープンミッションクリティカル基盤推進室を設置>当社は、近年の金融及び公共分野における基幹系システムのクラウド化の進展やFintechをはじめとするデジタルトランスフォーメーション時代に対応するため、オープンミッションクリティカル基盤推進室を2018年11月に設置しました。本推進室は主に金融及び公共分野のメインフレーム上で動作する大規模ミッションクリティカルシステム(注2)をターゲットに、オープン化に必要な共通機能の実現と、将来のクラウド利用を含む機能拡充をめざします。オープンアーキテクチャ(注3)に関する豊富な知識を持った技術者を集約し、各事業分野の関連組織と連携することで、お客様システムのオープン基盤構築を強力に支援します。今後、本推進室を2019年度内に140名から350名体制へ増員するとともに、お客様が自社戦略に最適なシステム基盤を選択できるように基盤ラインナップの更なる充実をめざします。
(最先端技術の活用)
特にAI、IoT、ITインフラ最先端技術(ブロックチェーン等)の技術テーマに注力し、該当する研究テーマやお客様とのPoC等に対して優先的な投資を行っています。また、中長期的に取り組むべき研究テーマを見定めるための手段の一つとして、政治・経済・社会・技術の4軸で将来変化を捉え、近未来の「情報社会トレンド」、「技術トレンド」を導出し、NTT DATA Technology Foresight(注4)として策定・公開する取り組みを行っています。
<ブロックチェーン、IoT及びUX-UI(注5)に関する市場調査会社のレポートにおいて「リーダー」評価を獲得>当社グループは、ブロックチェーン、IoT及びUX-UIの取り組みに関する市場調査会社のレポートにおいて「リーダー」の評価を獲得しました。
・当社グループは、Everest社が2018年11月に発行した「Blockchain Services PEAK Matrix Assessment 2019: Race to Make Enterprise Blockchain Real」及びNelsonHall社が2018年12月に発行した「NelsonHall NEAT vendor evaluation for Blockchain in Business Process Transformation」において、「リーダー」に認定されました。当社グループでは全社横断組織であるブロックチェーン活用推進チーム(注6)を立ち上げ、2017年8月の活動開始からグローバルな体制強化を行った結果、2018年12月時点において世界20カ国にまたがる体制になっています。
・当社グループは、Everest社が2018年12月に発行した「Internet of Things (IoT) Services PEAK Matrix Assessment 2019」において、「リーダー」に認定されました。
・当社グループは、NelsonHall社が2018年12月に発行した「NelsonHall NEAT vendor evaluation for UX-UI Services」において、「リーダー」に認定されました。この認定は当社グループのUX-UIデザインと開発におけるグローバルメソドロジーの整備、イタリアを中心としたデザインスタジオネットワークの拡充等の取組実績が評価されたことによるものです。
今後も、ブロックチェーン、IoT及びUX-UIのグローバルレベルでの競争力強化に取り組んでいきます。
(注1)レガシーモダナイゼーション
長期間にわたり維持保守されてきたシステム(レガシーシステム)では、度重なる追加開発によって、システムの肥大化・複雑化・属人化が進み、現行システムが実現している業務全体に対する理解が難しくなっています。そのようなブラックボックス化したシステムの仕様を棚卸しして、既存の資産を活用しつつ、新たなシステムへと再構築(刷新)することです。
(注2)大規模ミッションクリティカルシステム
社会的に影響の大きい重要なシステムであり、高い信頼性・可用性・性能等が要求されるシステムのことです。
(注3)オープンアーキテクチャ
設計や仕様等が公開もしくは標準化されているものを利用することで、他のシステムと連携しやすく、特定のハードウェアや環境に依存しないシステムの構造のことです。
(注4)NTT DATA Technology Foresight
情報社会の近未来展望(情報社会トレンド)とITに関する技術トレンドです。政治・経済・社会・技術の4つの観点で実施するITに関連する動向の網羅的調査と、国内外の有識者へのヒアリングや議論を通じて導出しています。2012年度からトレンド情報の公開を開始し、毎年更新しています。
(注5)UX(ユーザエクスペリエンス)-UI(ユーザインターフェース)
UX(ユーザエクスペリエンス)とは、ユーザーがサービスを通じて受け取る体験やそれに伴う感情のことです。UI(ユーザインターフェース)とは、ユーザーとサービスとの接点であり、両者の間で情報をやりとりするための仕組みのことです。
(注6)ブロックチェーン活用推進チーム
海外のグループ会社を含めた全社横断組織で、本推進チームを軸に、ブロックチェーン活用によるビジネスモデルの整備、技術開発、お客様のビジネスにおけるブロックチェーン活用を支援しています。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における業績につきましては、次のとおりとなりました。
| ・売上高 | 1,550,686百万円 | (前年同四半期比 | 4.8%増 | ) |
| ・営業利益 | 94,308百万円 | (同 | 8.2%増 | ) |
| ・税引前四半期利益 | 94,608百万円 | (同 | 10.2%増 | ) |
| ・当社株主に帰属する四半期利益 | 59,521百万円 | (同 | 5.9%増 | ) |
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産は、契約資産等の増加により2,314,297百万円と前期末に比べ44,095百万円の増加となり、負債は、営業債務の支払い及び金融負債の償還等により1,396,057百万円と前期末に比べ13,639百万円の減少となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、四半期利益61,865百万円、非現金支出項目である減価償却費及び償却費117,535百万円の計上、及び営業債権等の回収による28,289百万円の収入の一方、法人税等の支払が54,620百万円となり、168,623百万円の収入(前年同四半期比2,061百万円収入減少)となりました。
一方、設備投資による支出が131,506百万円となる等、投資活動によるキャッシュ・フローは、143,187百万円の支出(同12,598百万円支出減少)となったことから、当期のフリー・キャッシュ・フローは25,436百万円の黒字(同10,538百万円増加)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、主に配当金の支払を実施したこと等により、15,627百万円の支出(同51,507百万円の支出減少)となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は9,867百万円です。
この四半期報告書に掲載されているサービス及び商品等は、当社あるいは、各社等の登録商標又は商標です。
なお、将来に関する記述は、当社グループが当四半期連結会計期間の末日時点で把握可能な情報から判断する一定の前提に基づいており、今後様々な要因によって記載内容とは異なる可能性があることをご承知おきください。