有価証券報告書-第33期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
[経営施策の取り組み状況]
当社グループは、「信頼されるブランドの浸透」により2025年のGlobal 3rd Stageにおいて、Global Top 5として世界のお客様から信頼される企業をめざしています。
中期経営計画(2019年度~2021年度)はGlobal 3rd Stageの達成をめざす上での重要な3カ年であり、今後の成長力の源泉となる強みを明確化して徹底的に磨き、実行していく期間となります。そのために、「変わらぬ信念、変える勇気によるグローバルで質の伴った成長」を推進しています。
「変わらぬ信念」では、当社の企業理念「情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」と「Long-Term Relationships(長期的信頼関係)」を根底に、事業と企業活動を通じてSDGsの達成に貢献するとともに、企業価値を持続的に向上させています。
具体的には、国内における地方自治体向けの給付金支給業務の自動化を支援するRPAソリューションの無償提供、海外においては、北米の学生向けのリモート学習環境及び欧州の医療関係者をサポートする遠隔診療ソリューションの提供等を行いました。世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症に対し、グローバル全体で事業を通じた貢献をしています。
加えて、脱炭素化が世界的な潮流となる中、当社自身のCO2削減、更には社会全体のCO2排出量の削減に向けて「気候変動アクション推進委員会」を設立し、全社を挙げて気候変動問題への取り組みを推進しています。
「変える勇気」では、デジタルへの取り組みの更なる加速とグローバルシナジーの最大化を実現してお客様への提供価値最大化を図っています。そのために以下の3つの戦略に基づく取り組みを推進するとともに、NTTグループ連携の強化を図っています。
戦略1:グローバルデジタルオファリング(注1)の拡充では、デジタル領域でグローバルシナジーを最大化し、戦うための武器づくりと戦い方のレベルアップを図っています。具体的には、「グローバルマーケティングの加速」、「積極投資によるオファリング創出」、「技術集約拠点(CoE(注2))の拡充」の3つに取り組んでいます。
グローバルマーケティングの加速では、グローバルワンチームによる各国横断での戦略策定、グローバルに事業を行っているお客様(グローバルアカウント)への提案やサポートの加速、デジタルサクセスストーリーの共有と活用の推進、グローバルマーケティングの高度化を実施しています。2020年度は、これらの活動により、グローバルアカウントから複数の受注を獲得することができました。
積極投資によるオファリング創出では、全社のデジタルビジネスを加速させるための組織であるDigital Strategy Office(DSO)を創設し、グローバルレベルで重点領域のオファリング創りを推進しています。2020年度は、DSOの取り組みの中で開発した保険業向けプラットフォームにより北米で大型案件を獲得するなど、これまで15件のグローバルデジタルオファリングがサービス提供段階となりました。
技術集約拠点(CoE)の拡充では、Blockchain、Digital Design、Agile/DevOps(注3)、AI等のデジタルの技術・知見の共有や展開をグローバルで推進しています。2020年度には、BlockchainやDigital Design、Agile/DevOpsを活用したサービスの受注・開発に大きく貢献しました。また、2020年度から新たに、IoT、IntelligentAutomation(注4)、Software Engineering Automation(注5)の3つの領域を立ち上げました。
戦略2:リージョン特性に合わせたお客様への価値提供の深化では、リージョンごとにお客様特性に合わせた魅力的な価値を提供し続けています。 当社グループは、国内においては、お客様との長期的な深い信頼関係に基づく既存システム領域を強みとしており、北米では、ITO等のアウトソーシングビジネスを強みとしています。これらの強みにデジタル技術を掛け合わせることで新たな価値を創出しています。
2020年度において、国内では、官公庁や金融機関、法人のお客様における基幹システム等、複数の大型案件受注に加え、Blockchain技術を活用した貿易プラットフォーム「Tradewaltz」や、地域通貨のデジタル化に向けたキャッシュレスサービス、次世代グローバルECサービスの提供等、デジタル関連案件の拡大に繋がりました。
また、北米・欧州においても、AIを活用した欧州機関の国境管理システムや大手エネルギー関連企業のDX案件等、複数年のデジタル大型案件の受注に繋がりました。
戦略3:グローバル全社員の力を高めた組織力の最大化では、戦略1、2を実現するため社員一人一人の自己実現と組織力の強化を図っています。
2020年度においても、2019年度に整備したデジタル活用人財強化のための研修プログラムやADP制度(注6)・TG制度(注7)等の人事制度を活用し、人財の拡充や社内風土及び意識の変革を進めています。また、デジタルを活用した働き方の変革にも力を入れており、コンテンツやノウハウを社内で共有するためのデジタルナレッジシェアの活用を進めています。
NTTグループ連携の強化:NTTグループ連携の強化では、技術活用やクロスセル等One NTTシナジーの発揮を狙いとし ています。2020年度には、IOWN推進室の設立により、当社のお客様にデジタルツインコンピューティング(DTC)(注8)を中心としたIOWNの革新的な技術適用を図り、新たな提供価値の創出に取り組んでおり、加えてトヨタ自動車㈱をはじめとするNTTグループの共創案件にも複数参画しています。
このように2020年度は、新型コロナウイルス感染症の発生により、経済、企業活動へのダメージという逆風が吹く厳しい環境下でも、国内を中心にレジリエンスを発揮することができました。
同時に、経済、企業活動の回復や様々な社会課題の解決に向けて、行政や企業が、分野、業界の枠を超えて連携する動きが加速しており、当社を取り巻く環境は変化しています。
このような変化へ対応していくため、公共、金融、法人の枠組みを超えた、全社横断組織としてソーシャルデザイン推進室を設立しました。行政のみならず社会全体のデジタルトランスフォーメーションに向けて、生活者起点の新たなサービスの創出に取り組んでいきます。
(業績等の概要)
(1) 業績
[事業活動の取り組み状況及び業績]
当期における業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うマイナス影響はあったものの、売上高は32期連続増収を達成、営業利益は増益を確保しました。
・受注高は、国内事業を中心とした更改案件の獲得による増加はあるものの、前期に獲得した大型案件の反動減等により減少となりました。
・売上高は、国内事業を中心とした規模拡大等により増収となりました。
・営業利益は、事業構造改革費用等の増加はあるものの、不採算案件の抑制及び増収等により増益となりました。
セグメント別の取り組み及び業績については、以下のとおりです。
(公共・社会基盤)
政府・インフラ企業の基幹業務のシステム更改を確実に獲得しつつ、これまでの当社グループの実績や培ってきたノウハウを活用した案件創出、Society 5.0に基づく成長戦略やデジタル・ガバメント実行計画に沿った官民融合の新たな社会システム実現に向けた新規ビジネス等により事業拡大をめざしました。
<公共機関向けのデジタルビジネスを推進>当社の保有する「Digital Community Platform」(注9)等のクラウド・デジタル技術を用いて「クラウド・バイ・デフォルト原則」(注10)に基づいた公共機関の高セキュリティ実現や利便性向上を推進しました。
・官庁及び自治体等に対し、「Digital Community Platform」の機能追加として、既存システムが保有するユーザー情報とクラウドサービスを安心・安全・便利につなぐ「DCPF クラウドコネクトサービス」の提供を2020年9月より開始しました。本サービスは既存のオンプレミス(注11)上でのユーザー・権限管理が可能なため、従来どおりの運用のまま管理者業務の簡素化が可能になります。更に情報漏えいの防止、ユーザーの利便性向上、コンプライアンス強化等により安心・安全なクラウドサービスを実現します。
・政府情報システムのクラウド活用を推進するため、「OpenCanvas for Government」(注12)を2021年2月より提供開始しました。本サービスはコスト削減やアジリティ向上、スケーラビリティ確保の要件から高信頼・高可用性の要件まで幅広く対応することで、お客様に最適なプラットフォームを提供します。また、「OpenCanvas」(注13)をベースにすることで、金融機関や他社クラウドとの連携を可能とするほか、政府情報システムに求められる高いセキュリティや運用品質を提供します。
<スマートシティの実現に向けた新ブランドを創設>スマートシティの実現に向けた新ブランド「SocietyOS」を2021年1月に創設しました。少子高齢化や環境問題等様々な課題への持続的な対応、行政デジタル化、生活者ニーズの多様化や変化等への対応手段として、スマートシティが注目されています。「SocietyOS」は、様々なサービス・ソリューションとの連携、システム・デバイスからの幅広いデータ収集・活用、クラウド環境を活用したサービスの高速デリバリ、NTTグループのノウハウ・技術力を用いて、スマートシティの実現、持続可能なまちづくりに貢献します。
当期の公共・社会基盤セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、中央府省及びテレコム向けサービスの規模拡大等により、540,482百万円(前期比8.1%増)となりました。
・営業利益は、増収及び不採算案件の抑制等により、67,825百万円(前期比28.5%増)となりました。
(金融)
規制緩和と技術革新により金融機関の事業環境は大きく変化しつつあり、デジタル技術を活用した金融サービスが
登場するなど、金融事業に参画するプレイヤーが多様化する中、当社は引き続きお客様へ高信頼で高品質なサービス
を提供し続けるとともに、時代の変化を先取りすることで、デジタル時代におけるビジネス拡大をめざしました。
・貿易業務に付随する書類作成、整合性の確認作業等の課題解決、及びより正確かつ安全に情報を受け渡す仕組みの提供を目的として、貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz」を運営する㈱トレードワルツへパートナー6社と共同出資を行いました。「TradeWaltz」は、これまで書面で作成されていた貿易文書を、Blockchain技術を活用してスマートデータ化し、原本性を確保した貿易の電子データの共有を業界横断で可能とします。それにより、貿易業務の事務処理効率化にとどまらず、今後は貿易に関わる全ての業務を電子データで一元管理することができるよう実用化を推進し、将来的には国内外の政府機関やサービスプロバイダーと連携して、ASEANをはじめとした世界の貿易業務のデジタル化への貢献をめざします。
<新たなアーキテクチャーを用いて金融ITのオープンイノベーションを推進>ニューノーマルの時代に対応した新たな標準アーキテクチャーである「Open Service Architecture」(注14)及び関連サービスの提供を開始しました。「Open Service Architecture」を用いて多くのステークホルダーとともに金融ITのオープンイノベーションを推進し、ニューノーマルの時代に求められる金融機関/行政/企業との共創による新しい社会の実現に貢献します。また、「Open Service Architecture」関連ソリューションとして27金融機関が採用するバンキングアプリ「My Pallete」をリニューアルし、「MyPalleteフルサービス版」として2021年1月より提供を開始しました。本サービスでは、金融機関店頭のタブレットでの口座開設等取引時にQRコードを用いてアプリを即時登録することができます。更に、当社が提供する個人向けインターネットバンキングサービス「AnserParaSOL」との連携により、紙で行っていたインターネットバンキングの申し込みが不要となるほか、ユーザーは本アプリだけで申し込み、口座開設、残高照会、振込等のフルバンキングサービスの利用が可能となります。
当期の金融セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、金融機関向けサービスの規模拡大等により、607,593百万円(前期比4.7%増)となりました。
・営業利益は、不採算案件の抑制等により、56,712百万円(前期比12.6%増)となりました。
(法人・ソリューション)
デジタルを活用する流れの更なる加速、グローバル競争力強化の要請の高まり、及び新型コロナウイルス感染症の世界的大流行における市場環境の大きな変化等により、製造業、流通業、サービス業等における事業環境が大きく変化しています。この変化に対応するとともに、業務と先進テクノロジーの専門性を掛け合わせた高い付加価値を提供し続け、お客様事業の成長を支援することで、ビジネス拡大を更に進めました。
<キャッシュレス関連事業を推進し、新たな技術を提供>キャッシュレス決済に関連する分野で、消費者にとってより便利で新しいサービスの提供を推進しました。
・税金・水道料金等の公共料金の決済を取り扱う当社サービス「公共決済プラットフォーム」において、2020年6月「PayPay請求書払い」の取扱いを追加しました。これにより、住民の利便性向上、収納率の向上が期待できます。
・決済総合プラットフォーム「CAFIS」にて、不正利用対策ソリューション「CAFIS Transaction Manager」の提供を2020年7月より開始しました。本サービスではクレジットカード会社が保有する不正取引監視機能の一部を「CAFIS」に共通化することでシステム負荷を軽減します。
<新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に対応するソリューションの提供・強化>ウィズコロナ社会における新しい生活様式に対応した新しいサービスの提供を推進しました。・㈱東急ハンズの協力のもと、オペレーターの動きと連動するアバターを介して遠隔から商品を提案するデジタルストアの実証実験を2020年10月から12月にかけて実施しました。本実証実験を通して、接客にアバターを介することで接触機会を減らしお客様が安心して買い物できる機会の実現や、接客スタッフの自宅を含む様々なロケーションからの勤務により柔軟かつ多様な働き方の検証を実施しました。
・新型コロナウイルス感染症の感染対策としてリモートワークを推進する企業が増えていることを受け、当社の提供するクラウドサービスである「BizXaaS Office」に、内部不正等のリスク検知を強化する「BXO Managed UEBA」を追加し、2020 年10 月より提供開始しました。「BXO Managed UEBA」は、機械学習によって内部不正や標的型攻撃等のリスク検知を強化し、適切なセキュリティを提供します。
当期の法人・ソリューションセグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、製造業を中心とした新型コロナウイルス感染症拡大影響等はあるものの、流通・サービス業向けサービ
スの規模拡大等により、590,881百万円(前期比0.4%増)となりました。
・営業利益は、新型コロナウイルス感染症拡大影響による売上高販管費率の悪化等により、52,310百万円(前期比2.3%減)となりました。
(北米)
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行における新たなニーズの拡大等、市場環境が大きく変化する中、オファ
リングの選択と集中やM&Aによるケイパビリティの拡充を通じて提供価値の向上を図るとともに、既存の強みとデジタ
ル技術を掛け合わせることで変化に対応し、お客様のデジタルトランスフォーメーションをサポートしました。
<買収を通じてServiceNow 及びSnowflake関連のケイパビリティを拡充し、デジタル対応力を強化>当社子会社であるNTT DATA Servicesは、M&Aを通じてデジタル対応力の強化を更に推進しました。
・ServiceNow, Inc.のElite Partner(注15)として認定されているAcorio LLCを2020年10月に買収し、お客様のデジタルワークフローの確立を支援するための専門的な知見を獲得しました。また、Acorio LLCの有する人財育成制度をデジタル関連に拡大して整備しており、デジタル人財拡充にも貢献しています。
・Snowflake Inc.のPremier Partner(注16)に認定されているHashmap, Inc.を2020年12月に買収し、「Snowflake」等のクラウド型のデータプラットフォームに関する専門的な知見をもとに、お客様によるデータ・アナリティクスの活用を支援しています。
<クラウドやAIの活用により、複数のお客様のデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みを推進>当社子会社であるNTT DATA Servicesは、デジタルオファリング強化の成果として、複数のお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援しました。 ・オーストラリア、ビクトリア州の公共交通機関を管轄するパブリック・トランスポート・ビクトリアと協力して、新たなモバイルアプリケーション機能(RideSpace) を作成しました。NTT Smart SolutionsによるAIを活用したリアルタイムでの混雑状況の把握やGoogleマップとの連携を可能とし、予測分析の活用によるオペレーションの改善に貢献するとともに、ウィズコロナ社会でのソーシャルディスタンスと安全確保を支援しています。
・北米の大手環境関連サービス会社からクラウド推進のパートナーとしてHashmap,Inc.が選定され、Hashmap,Inc.が強みを持つ「Snowflake」やAWSなどを用いたクラウドデータアナリティクスを活用することで、柔軟性と信頼性を両立した横断型のビジネスオペレーションを実現しました。・米国アラバマ州の年金機構から、クラウド変革推進を支援する案件を新たに受注し、MicrosoftAzure、Google Cloud、AWS やプライベートクラウドソリューション、自動化技術の活用により運用効率性の向上に貢献しました。
当期の北米セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大影響及び為替影響等による減収はあるものの、M&Aによる規模拡大等によ
り、429,376百万円(前期比0.8%増)となりました。
・営業利益は、将来に向けた事業構造改革の実施に伴う費用増及び新型コロナウイルス感染症拡大影響等により、△16,161百万円(前期比-%)となりました。
(EMEA・中南米)
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行における新たなニーズの拡大等、市場環境が大きく変化する中、事業構
造改革を通じた事業運営の効率化をめざすとともに、積極的な投資によりデジタル領域での新たなオファリング創出
やケイパビリティの拡充を図り、既存の強みと掛け合わせることで、お客様のデジタルトランスフォーメーションへ
のニーズに的確に対応しました。
<ウィズコロナ社会における新しいソリューションの構築により、医療従事者の負担を軽減>ウィズコロナ社会における様々な課題の解決、新しい社会の実現に向けて、事業を通じた社会貢献を加速しました。
・新型コロナウイルス感染症対応に特化した専用機能を拡充したクラウド型遠隔医療ソリューション「ehCOS RemoteHealth」を欧州・南米で無償提供することで、自宅療養が可能な軽症患者の遠隔診療を可能としました。また、ポルトガル最大の医療提供会社であるCUFより、新基幹システムの導入案件を受注しました。「ehCOS」の提供するデジタル技術を活用した新しいプロセスやイノベーションを促進していきます。
・ 英国最大のNHSトラスト(注17)のひとつであるUHL(University Hospitals of Leicester) のIT サービスパートナーに選定され、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でUHLが医療サービス事業者として実施する緊急対応を、AI、RPAといった最新技術を用いて支援しました。
<お客様事業のデジタル化をパートナーとして推進>お客様事業のデジタルトランスフォーメーションにおける豊富な実績や先進技術を活用する姿勢が高く評価され、複数の案件において戦略パートナーとしてデジタル化を推進しました。
・イタリアの大手エネルギー会社であるEni社から、アプリケーション開発領域におけるデジタルトランスフォーメーション案件を受注し、デジタル化構想のコンサルティングから導入までお客様のデジタル変革を一貫してサポートしました。
・イタリアの大手エネルギー会社から、次世代スマートメーターを活用したデジタルビジネス推進やプロダクトデザイン等の案件を受注し、デザイン思考アプローチにより、プロトタイピングを通じたプロダクトデザインサービスやテクニカルサポートを提供しました。
・欧州機関eu-LISA及びFrontexとの間で、AI技術活用による安全で効率的な国境管理のためのITシステム開発に係る複数年契約を締結しました。本開発案件では、ALMツール(注18)の活用や先端技術の適用による効率的な開発・運用を実現し、更に自動化されたセキュリティアラート管理ソリューションの導入により高度かつ迅速な安全管理を促進していきます。
当期のEMEA・中南米セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、イタリア等での堅実な売上確保はあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大影響等により、454,249百万円(前期比0.3%減)となりました。
・営業利益は、新型コロナウイルス感染症拡大影響等による減益はあるものの、事業構造改革の効果及び費用減等に
より、△6,081百万円(前期比57.8%増)となりました。
当期末における主な海外拠点の状況は以下のとおりです。
(2021年3月31日現在)
(注1)デジタルオファリング
最先端技術を活用してお客様へ提供する商品・サービス等のことです。
(注2)CoE(Center of Excellence)
高度な研究・開発活動を行い、人財及び事業の創出・育成の中核となる拠点のことです。
(注3)DevOps
開発チームと運用チームが連携してシステムに対するお客様要求に高品質・柔軟・短期間に対応するために、ツールや開発手法等で構成される仕組みのことです。
(注4)Intelligent Automation
人工知能(AI)、機械学習、およびデータ活用によって自動化されたビジネスプロセスを実行する技術のことです。
(注5)Software Engineering Automation
ソフトウェア開発工程全体を対象に抜本的生産性向上を狙った次世代生産技術のことです。
(注6)ADP(Advanced Professional)制度
AI、IoT、クラウドなど先進技術領域やコンサルティングの領域において卓越した専門性を有した人財を外部から市場価値に応じた報酬で採用する制度です。
(注7)TG(Technical Grade)制度
専門的スキルをもつ人財の潜在能力を最大限に活かして評価する制度です。
(注8)デジタルツインコンピューティング (DTC)
IOWN構想で掲げるデジタルツインコンピューティングとは、従来のデジタルツイン(仮想空間に現実世界の環境を再現し、シミュレーションを行う技術)を発展させて、多様な産業やヒトとモノのデジタルツイン同士を自在に掛け合わせて高度なシミュレートを行うことで全く新しい価値を創出するという革新的な技術のことです。
(注9)Digital Community Platform
2020年3月より提供している、官庁及び自治体等の公共機関のデジタル化を推進するマルチクラウドソリューションです。
(注10)クラウド・バイ・デフォルト原則
日本政府から2018年6月に公表され、2021年3月に改定された「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」において、政府情報システムの整備に関してクラウドサービスの利用を第一候補として検討を行うものとする方針のことです。
(注11)オンプレミス
情報システムの利用に必要となるサーバ等のハードウェアを自己の管理下に設置する運用形態のことです。
(注12)OpenCanvas for Government
「OpenCanvas」をベースとした政府向けのコミュニティクラウドサービスです。
(注13)OpenCanvas
ミッションクリティカルな要件に対応できる高い信頼性とセキュリティを兼ね備えたクラウドプラットフォームです。
(注14)Open Service Architecture
"Open" をコンセプトに「Open Platform」「OpenAPI」「Open Innovation」の3つの特徴を有する、新しい金融ITの姿を具体化する標準アーキテクチャーです。
(注15)ServiceNow, Inc.のElite Partner
ServiceNow, Inc.が提供するパートナープログラムの中でも、同社が提供するクラウド型ITサービスマネジメント製品であるServiceNowを利用した業務に一定以上の成果を上げ、豊富な導入実績、顧客満足度及び多数の認定資格者を有しているなど、トップレベルであると認定されたパートナーのことです。
(注16)Snowflake Inc.のPremier Partner
Snowflake Inc.が提供するパートナーネットワークの中でも、安定したSnowflakeプラクティスを有するサービスパートナーのことです。
(注17)NHSトラスト
英国イングランドとウェールズの国民保健サービス内の組織単位、独立行政法人のことです。
(注18)ALM(Application Lifecycle Management)
ソフトウェア開発・保守を各アプリケーションのライフサイクルにわたって継続的にプロセス管理する手法のことです。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産は、現金及び現金同等物や保有株式の時価評価によるその他の金融資産(非流動)の増加等により、前連結会計年度末に比べ211,008百万円増加して、2,897,015百万円となりました。負債は、営業債務及びその他の債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ71,875百万円増加して、1,770,468百万円となりました。 また、資本は、利益剰余金や保有株式の時価評価によるその他資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末に比べ139,133百万円増加して1,126,548百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は287,058百万円と前連結会計年度末に比べ81,702百万円増加となりました。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益81,701百万円、営業債務及びその他の債務の増減50,358百万円や非現金支出項目である減価償却費等214,324百万円の計上による収入の一方、法人税等の支払が34,911百万円となり、352,492百万円の収入(前期比72,463百万円の収入増加)となりました。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産、無形資産及び子会社の取得による支出により173,893百万円の支出(前期比83,347百万円の支出減少)となったことから、当期のフリー・キャッシュ・フローは178,598百万円の黒字(前期比155,810百万円増加)となりました。 また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債の返済による支出や配当金支払の実施等により、101,618百万円の支出(前期比35,538百万円の支出増加)となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりです。
(注)D/Eレシオ:有利子負債/自己資本(資本合計-非支配持分)
なお有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、社債及び借入金を対象としています。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価(販売価格)によっています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 ANSER、CAFIS等利用量に見合う料金をいただくサービスについては、受注高に含めていま
せん。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
各販売先における販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、主な相手先
別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
以下は、前年度実績対比及び2020年8月7日に公表の業績予想対比の分析を記載しています。
① 売上高の状況
前年度実績対比においては、公共・社会基盤セグメントの中央府省及びテレコム向けサービス、及び金融セグメントの金融機関向けサービス等の国内事業を中心とした規模拡大等により、前連結会計年度を上回りました。
また、業績予想対比においても、一部の事業や国を除いては新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響が想定より小さく、前連結会計年度までに受注済み案件が着実に売上展開されたこと、及び当連結会計年度に受注し売上に計上される案件が堅調に獲得できたことにより、全セグメントが業績予想に対し売上増となったため、業績予想を上回りました。
② 営業利益の状況
前年度実績対比においては、北米セグメントの事業構造改革等による費用の増加はあるものの、EMEA・中南米セグメントにおける事業構造改革の効果および費用の減少、公共・社会基盤及び金融セグメントにおける不採算案件の抑制及び増収等により、前連結会計年度を上回りました。
また、業績予想対比においても、EMEA・中南米セグメントにおける低採算事業の見直しに伴う費用の増加等はあるものの、各セグメントにおける売上増により、業績予想を上回りました。
③ 当社株主に帰属する当期利益の状況
前年度実績対比においては、営業利益の増益により、前連結会計年度を上回りました。
また、業績予想対比においても、営業利益の増益等により業績予想を上回りました。
(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における財政状態の概況については、「業績等の概要 (2) 財政状態の状況」をご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 財務方針
社会や金融・経済を支える大規模システムの開発・構築を担う企業として、ビジネスを安定的に継続し、中長期的な企業価値の向上を実現していくためには、強固な財務基盤を維持することが重要と考えています。D/Eレシオを重要指標と位置付け、目安としては、AA格の信用格付を維持できる水準かどうかを意識し、財務基盤の健全性を注視しています。
② 経営資源の配分(資金需要)・株主還元
社会を支える情報インフラの開発・運用のための先行投資に加え、グローバルで質の伴った成長をするために、デジタル対応力強化やM&A等の成長に必要な事業投資に優先的にキャッシュを振り向けていきます。
また、株主還元については、成長に必要な事業投資と健全な財務基盤の維持のバランスを総合的に勘案した上で、中長期的に充実していく方針であり、資本効率の向上については、投下資本の圧縮ではなく、利益拡大によって改善させていきます。
③ 資金調達
金融機関等からの借入、各種社債の発行等にて対応する方針です。
資金を好条件、安定的に調達するため、国内の2つの格付機関から長期債とコマーシャル・ペーパーの格付けを取得しています。
コマーシャル・ペーパーについて、150,000百万円の発行枠を保有するとともに、NTTグループのキャッシュマネジメントシステムにも加入しており、現金及び現金同等物の代替となる資金流動性も十分確保しています。また、当社グループ全体の有利子負債と支払利息の低減を図るため、国内外の子会社70社にグループキャッシュマネジメントシステムを導入し、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金について当社から貸し付けを実施しています。
なお、当連結会計年度において、借入金の返済及び子会社取得等の資金に充当するため、92,000百万円の長期資金の借入を主にNTTファイナンス株式会社より実施しました。
④ キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「業績等の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。
当社グループは、「信頼されるブランドの浸透」により2025年のGlobal 3rd Stageにおいて、Global Top 5として世界のお客様から信頼される企業をめざしています。
中期経営計画(2019年度~2021年度)はGlobal 3rd Stageの達成をめざす上での重要な3カ年であり、今後の成長力の源泉となる強みを明確化して徹底的に磨き、実行していく期間となります。そのために、「変わらぬ信念、変える勇気によるグローバルで質の伴った成長」を推進しています。
「変わらぬ信念」では、当社の企業理念「情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」と「Long-Term Relationships(長期的信頼関係)」を根底に、事業と企業活動を通じてSDGsの達成に貢献するとともに、企業価値を持続的に向上させています。
具体的には、国内における地方自治体向けの給付金支給業務の自動化を支援するRPAソリューションの無償提供、海外においては、北米の学生向けのリモート学習環境及び欧州の医療関係者をサポートする遠隔診療ソリューションの提供等を行いました。世界的大流行となった新型コロナウイルス感染症に対し、グローバル全体で事業を通じた貢献をしています。
加えて、脱炭素化が世界的な潮流となる中、当社自身のCO2削減、更には社会全体のCO2排出量の削減に向けて「気候変動アクション推進委員会」を設立し、全社を挙げて気候変動問題への取り組みを推進しています。
「変える勇気」では、デジタルへの取り組みの更なる加速とグローバルシナジーの最大化を実現してお客様への提供価値最大化を図っています。そのために以下の3つの戦略に基づく取り組みを推進するとともに、NTTグループ連携の強化を図っています。
戦略1:グローバルデジタルオファリング(注1)の拡充では、デジタル領域でグローバルシナジーを最大化し、戦うための武器づくりと戦い方のレベルアップを図っています。具体的には、「グローバルマーケティングの加速」、「積極投資によるオファリング創出」、「技術集約拠点(CoE(注2))の拡充」の3つに取り組んでいます。
グローバルマーケティングの加速では、グローバルワンチームによる各国横断での戦略策定、グローバルに事業を行っているお客様(グローバルアカウント)への提案やサポートの加速、デジタルサクセスストーリーの共有と活用の推進、グローバルマーケティングの高度化を実施しています。2020年度は、これらの活動により、グローバルアカウントから複数の受注を獲得することができました。
積極投資によるオファリング創出では、全社のデジタルビジネスを加速させるための組織であるDigital Strategy Office(DSO)を創設し、グローバルレベルで重点領域のオファリング創りを推進しています。2020年度は、DSOの取り組みの中で開発した保険業向けプラットフォームにより北米で大型案件を獲得するなど、これまで15件のグローバルデジタルオファリングがサービス提供段階となりました。
技術集約拠点(CoE)の拡充では、Blockchain、Digital Design、Agile/DevOps(注3)、AI等のデジタルの技術・知見の共有や展開をグローバルで推進しています。2020年度には、BlockchainやDigital Design、Agile/DevOpsを活用したサービスの受注・開発に大きく貢献しました。また、2020年度から新たに、IoT、IntelligentAutomation(注4)、Software Engineering Automation(注5)の3つの領域を立ち上げました。
戦略2:リージョン特性に合わせたお客様への価値提供の深化では、リージョンごとにお客様特性に合わせた魅力的な価値を提供し続けています。 当社グループは、国内においては、お客様との長期的な深い信頼関係に基づく既存システム領域を強みとしており、北米では、ITO等のアウトソーシングビジネスを強みとしています。これらの強みにデジタル技術を掛け合わせることで新たな価値を創出しています。
2020年度において、国内では、官公庁や金融機関、法人のお客様における基幹システム等、複数の大型案件受注に加え、Blockchain技術を活用した貿易プラットフォーム「Tradewaltz」や、地域通貨のデジタル化に向けたキャッシュレスサービス、次世代グローバルECサービスの提供等、デジタル関連案件の拡大に繋がりました。
また、北米・欧州においても、AIを活用した欧州機関の国境管理システムや大手エネルギー関連企業のDX案件等、複数年のデジタル大型案件の受注に繋がりました。
戦略3:グローバル全社員の力を高めた組織力の最大化では、戦略1、2を実現するため社員一人一人の自己実現と組織力の強化を図っています。
2020年度においても、2019年度に整備したデジタル活用人財強化のための研修プログラムやADP制度(注6)・TG制度(注7)等の人事制度を活用し、人財の拡充や社内風土及び意識の変革を進めています。また、デジタルを活用した働き方の変革にも力を入れており、コンテンツやノウハウを社内で共有するためのデジタルナレッジシェアの活用を進めています。
NTTグループ連携の強化:NTTグループ連携の強化では、技術活用やクロスセル等One NTTシナジーの発揮を狙いとし ています。2020年度には、IOWN推進室の設立により、当社のお客様にデジタルツインコンピューティング(DTC)(注8)を中心としたIOWNの革新的な技術適用を図り、新たな提供価値の創出に取り組んでおり、加えてトヨタ自動車㈱をはじめとするNTTグループの共創案件にも複数参画しています。
このように2020年度は、新型コロナウイルス感染症の発生により、経済、企業活動へのダメージという逆風が吹く厳しい環境下でも、国内を中心にレジリエンスを発揮することができました。
同時に、経済、企業活動の回復や様々な社会課題の解決に向けて、行政や企業が、分野、業界の枠を超えて連携する動きが加速しており、当社を取り巻く環境は変化しています。
このような変化へ対応していくため、公共、金融、法人の枠組みを超えた、全社横断組織としてソーシャルデザイン推進室を設立しました。行政のみならず社会全体のデジタルトランスフォーメーションに向けて、生活者起点の新たなサービスの創出に取り組んでいきます。
(業績等の概要)
(1) 業績
[事業活動の取り組み状況及び業績]
当期における業績につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴うマイナス影響はあったものの、売上高は32期連続増収を達成、営業利益は増益を確保しました。
・受注高は、国内事業を中心とした更改案件の獲得による増加はあるものの、前期に獲得した大型案件の反動減等により減少となりました。
・売上高は、国内事業を中心とした規模拡大等により増収となりました。
・営業利益は、事業構造改革費用等の増加はあるものの、不採算案件の抑制及び増収等により増益となりました。
| ・受注高 | 2,223,320百万円 | (前期比 | 2.3%減) |
| ・売上高 | 2,318,658百万円 | (同 | 2.3%増) |
| ・営業利益 | 139,173百万円 | (同 | 6.3%増) |
| ・税引前当期利益 | 130,452百万円 | (同 | 8.6%増) |
| ・当社株主に帰属する当期利益 | 76,843百万円 | (同 | 2.3%増) |
セグメント別の取り組み及び業績については、以下のとおりです。
(公共・社会基盤)
政府・インフラ企業の基幹業務のシステム更改を確実に獲得しつつ、これまでの当社グループの実績や培ってきたノウハウを活用した案件創出、Society 5.0に基づく成長戦略やデジタル・ガバメント実行計画に沿った官民融合の新たな社会システム実現に向けた新規ビジネス等により事業拡大をめざしました。
<公共機関向けのデジタルビジネスを推進>当社の保有する「Digital Community Platform」(注9)等のクラウド・デジタル技術を用いて「クラウド・バイ・デフォルト原則」(注10)に基づいた公共機関の高セキュリティ実現や利便性向上を推進しました。
・官庁及び自治体等に対し、「Digital Community Platform」の機能追加として、既存システムが保有するユーザー情報とクラウドサービスを安心・安全・便利につなぐ「DCPF クラウドコネクトサービス」の提供を2020年9月より開始しました。本サービスは既存のオンプレミス(注11)上でのユーザー・権限管理が可能なため、従来どおりの運用のまま管理者業務の簡素化が可能になります。更に情報漏えいの防止、ユーザーの利便性向上、コンプライアンス強化等により安心・安全なクラウドサービスを実現します。
・政府情報システムのクラウド活用を推進するため、「OpenCanvas for Government」(注12)を2021年2月より提供開始しました。本サービスはコスト削減やアジリティ向上、スケーラビリティ確保の要件から高信頼・高可用性の要件まで幅広く対応することで、お客様に最適なプラットフォームを提供します。また、「OpenCanvas」(注13)をベースにすることで、金融機関や他社クラウドとの連携を可能とするほか、政府情報システムに求められる高いセキュリティや運用品質を提供します。
<スマートシティの実現に向けた新ブランドを創設>スマートシティの実現に向けた新ブランド「SocietyOS」を2021年1月に創設しました。少子高齢化や環境問題等様々な課題への持続的な対応、行政デジタル化、生活者ニーズの多様化や変化等への対応手段として、スマートシティが注目されています。「SocietyOS」は、様々なサービス・ソリューションとの連携、システム・デバイスからの幅広いデータ収集・活用、クラウド環境を活用したサービスの高速デリバリ、NTTグループのノウハウ・技術力を用いて、スマートシティの実現、持続可能なまちづくりに貢献します。
当期の公共・社会基盤セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、中央府省及びテレコム向けサービスの規模拡大等により、540,482百万円(前期比8.1%増)となりました。
・営業利益は、増収及び不採算案件の抑制等により、67,825百万円(前期比28.5%増)となりました。
(金融)
規制緩和と技術革新により金融機関の事業環境は大きく変化しつつあり、デジタル技術を活用した金融サービスが
登場するなど、金融事業に参画するプレイヤーが多様化する中、当社は引き続きお客様へ高信頼で高品質なサービス
を提供し続けるとともに、時代の変化を先取りすることで、デジタル時代におけるビジネス拡大をめざしました。
<新たなアーキテクチャーを用いて金融ITのオープンイノベーションを推進>ニューノーマルの時代に対応した新たな標準アーキテクチャーである「Open Service Architecture」(注14)及び関連サービスの提供を開始しました。「Open Service Architecture」を用いて多くのステークホルダーとともに金融ITのオープンイノベーションを推進し、ニューノーマルの時代に求められる金融機関/行政/企業との共創による新しい社会の実現に貢献します。また、「Open Service Architecture」関連ソリューションとして27金融機関が採用するバンキングアプリ「My Pallete」をリニューアルし、「MyPalleteフルサービス版」として2021年1月より提供を開始しました。本サービスでは、金融機関店頭のタブレットでの口座開設等取引時にQRコードを用いてアプリを即時登録することができます。更に、当社が提供する個人向けインターネットバンキングサービス「AnserParaSOL」との連携により、紙で行っていたインターネットバンキングの申し込みが不要となるほか、ユーザーは本アプリだけで申し込み、口座開設、残高照会、振込等のフルバンキングサービスの利用が可能となります。
当期の金融セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、金融機関向けサービスの規模拡大等により、607,593百万円(前期比4.7%増)となりました。
・営業利益は、不採算案件の抑制等により、56,712百万円(前期比12.6%増)となりました。
(法人・ソリューション)
デジタルを活用する流れの更なる加速、グローバル競争力強化の要請の高まり、及び新型コロナウイルス感染症の世界的大流行における市場環境の大きな変化等により、製造業、流通業、サービス業等における事業環境が大きく変化しています。この変化に対応するとともに、業務と先進テクノロジーの専門性を掛け合わせた高い付加価値を提供し続け、お客様事業の成長を支援することで、ビジネス拡大を更に進めました。
<キャッシュレス関連事業を推進し、新たな技術を提供>キャッシュレス決済に関連する分野で、消費者にとってより便利で新しいサービスの提供を推進しました。
・税金・水道料金等の公共料金の決済を取り扱う当社サービス「公共決済プラットフォーム」において、2020年6月「PayPay請求書払い」の取扱いを追加しました。これにより、住民の利便性向上、収納率の向上が期待できます。
・決済総合プラットフォーム「CAFIS」にて、不正利用対策ソリューション「CAFIS Transaction Manager」の提供を2020年7月より開始しました。本サービスではクレジットカード会社が保有する不正取引監視機能の一部を「CAFIS」に共通化することでシステム負荷を軽減します。
<新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に対応するソリューションの提供・強化>ウィズコロナ社会における新しい生活様式に対応した新しいサービスの提供を推進しました。・㈱東急ハンズの協力のもと、オペレーターの動きと連動するアバターを介して遠隔から商品を提案するデジタルストアの実証実験を2020年10月から12月にかけて実施しました。本実証実験を通して、接客にアバターを介することで接触機会を減らしお客様が安心して買い物できる機会の実現や、接客スタッフの自宅を含む様々なロケーションからの勤務により柔軟かつ多様な働き方の検証を実施しました。
・新型コロナウイルス感染症の感染対策としてリモートワークを推進する企業が増えていることを受け、当社の提供するクラウドサービスである「BizXaaS Office」に、内部不正等のリスク検知を強化する「BXO Managed UEBA」を追加し、2020 年10 月より提供開始しました。「BXO Managed UEBA」は、機械学習によって内部不正や標的型攻撃等のリスク検知を強化し、適切なセキュリティを提供します。
当期の法人・ソリューションセグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、製造業を中心とした新型コロナウイルス感染症拡大影響等はあるものの、流通・サービス業向けサービ
スの規模拡大等により、590,881百万円(前期比0.4%増)となりました。
・営業利益は、新型コロナウイルス感染症拡大影響による売上高販管費率の悪化等により、52,310百万円(前期比2.3%減)となりました。
(北米)
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行における新たなニーズの拡大等、市場環境が大きく変化する中、オファ
リングの選択と集中やM&Aによるケイパビリティの拡充を通じて提供価値の向上を図るとともに、既存の強みとデジタ
ル技術を掛け合わせることで変化に対応し、お客様のデジタルトランスフォーメーションをサポートしました。
<買収を通じてServiceNow 及びSnowflake関連のケイパビリティを拡充し、デジタル対応力を強化>当社子会社であるNTT DATA Servicesは、M&Aを通じてデジタル対応力の強化を更に推進しました。
・ServiceNow, Inc.のElite Partner(注15)として認定されているAcorio LLCを2020年10月に買収し、お客様のデジタルワークフローの確立を支援するための専門的な知見を獲得しました。また、Acorio LLCの有する人財育成制度をデジタル関連に拡大して整備しており、デジタル人財拡充にも貢献しています。
・Snowflake Inc.のPremier Partner(注16)に認定されているHashmap, Inc.を2020年12月に買収し、「Snowflake」等のクラウド型のデータプラットフォームに関する専門的な知見をもとに、お客様によるデータ・アナリティクスの活用を支援しています。
<クラウドやAIの活用により、複数のお客様のデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みを推進>当社子会社であるNTT DATA Servicesは、デジタルオファリング強化の成果として、複数のお客様のデジタルトランスフォーメーションを支援しました。 ・オーストラリア、ビクトリア州の公共交通機関を管轄するパブリック・トランスポート・ビクトリアと協力して、新たなモバイルアプリケーション機能(RideSpace) を作成しました。NTT Smart SolutionsによるAIを活用したリアルタイムでの混雑状況の把握やGoogleマップとの連携を可能とし、予測分析の活用によるオペレーションの改善に貢献するとともに、ウィズコロナ社会でのソーシャルディスタンスと安全確保を支援しています。
・北米の大手環境関連サービス会社からクラウド推進のパートナーとしてHashmap,Inc.が選定され、Hashmap,Inc.が強みを持つ「Snowflake」やAWSなどを用いたクラウドデータアナリティクスを活用することで、柔軟性と信頼性を両立した横断型のビジネスオペレーションを実現しました。・米国アラバマ州の年金機構から、クラウド変革推進を支援する案件を新たに受注し、MicrosoftAzure、Google Cloud、AWS やプライベートクラウドソリューション、自動化技術の活用により運用効率性の向上に貢献しました。
当期の北米セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大影響及び為替影響等による減収はあるものの、M&Aによる規模拡大等によ
り、429,376百万円(前期比0.8%増)となりました。
・営業利益は、将来に向けた事業構造改革の実施に伴う費用増及び新型コロナウイルス感染症拡大影響等により、△16,161百万円(前期比-%)となりました。
(EMEA・中南米)
新型コロナウイルス感染症の世界的大流行における新たなニーズの拡大等、市場環境が大きく変化する中、事業構
造改革を通じた事業運営の効率化をめざすとともに、積極的な投資によりデジタル領域での新たなオファリング創出
やケイパビリティの拡充を図り、既存の強みと掛け合わせることで、お客様のデジタルトランスフォーメーションへ
のニーズに的確に対応しました。
<ウィズコロナ社会における新しいソリューションの構築により、医療従事者の負担を軽減>ウィズコロナ社会における様々な課題の解決、新しい社会の実現に向けて、事業を通じた社会貢献を加速しました。
・新型コロナウイルス感染症対応に特化した専用機能を拡充したクラウド型遠隔医療ソリューション「ehCOS RemoteHealth」を欧州・南米で無償提供することで、自宅療養が可能な軽症患者の遠隔診療を可能としました。また、ポルトガル最大の医療提供会社であるCUFより、新基幹システムの導入案件を受注しました。「ehCOS」の提供するデジタル技術を活用した新しいプロセスやイノベーションを促進していきます。
・ 英国最大のNHSトラスト(注17)のひとつであるUHL(University Hospitals of Leicester) のIT サービスパートナーに選定され、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でUHLが医療サービス事業者として実施する緊急対応を、AI、RPAといった最新技術を用いて支援しました。
<お客様事業のデジタル化をパートナーとして推進>お客様事業のデジタルトランスフォーメーションにおける豊富な実績や先進技術を活用する姿勢が高く評価され、複数の案件において戦略パートナーとしてデジタル化を推進しました。
・イタリアの大手エネルギー会社であるEni社から、アプリケーション開発領域におけるデジタルトランスフォーメーション案件を受注し、デジタル化構想のコンサルティングから導入までお客様のデジタル変革を一貫してサポートしました。
・イタリアの大手エネルギー会社から、次世代スマートメーターを活用したデジタルビジネス推進やプロダクトデザイン等の案件を受注し、デザイン思考アプローチにより、プロトタイピングを通じたプロダクトデザインサービスやテクニカルサポートを提供しました。
・欧州機関eu-LISA及びFrontexとの間で、AI技術活用による安全で効率的な国境管理のためのITシステム開発に係る複数年契約を締結しました。本開発案件では、ALMツール(注18)の活用や先端技術の適用による効率的な開発・運用を実現し、更に自動化されたセキュリティアラート管理ソリューションの導入により高度かつ迅速な安全管理を促進していきます。
当期のEMEA・中南米セグメントの業績は以下のとおりです。
・売上高は、イタリア等での堅実な売上確保はあるものの、新型コロナウイルス感染症拡大影響等により、454,249百万円(前期比0.3%減)となりました。
・営業利益は、新型コロナウイルス感染症拡大影響等による減益はあるものの、事業構造改革の効果及び費用減等に
より、△6,081百万円(前期比57.8%増)となりました。
当期末における主な海外拠点の状況は以下のとおりです。
| 55カ国・地域、208都市、約99,400人体制を確立(日本国内を含むと約139,500人体制) |
(2021年3月31日現在)
(注1)デジタルオファリング
最先端技術を活用してお客様へ提供する商品・サービス等のことです。
(注2)CoE(Center of Excellence)
高度な研究・開発活動を行い、人財及び事業の創出・育成の中核となる拠点のことです。
(注3)DevOps
開発チームと運用チームが連携してシステムに対するお客様要求に高品質・柔軟・短期間に対応するために、ツールや開発手法等で構成される仕組みのことです。
(注4)Intelligent Automation
人工知能(AI)、機械学習、およびデータ活用によって自動化されたビジネスプロセスを実行する技術のことです。
(注5)Software Engineering Automation
ソフトウェア開発工程全体を対象に抜本的生産性向上を狙った次世代生産技術のことです。
(注6)ADP(Advanced Professional)制度
AI、IoT、クラウドなど先進技術領域やコンサルティングの領域において卓越した専門性を有した人財を外部から市場価値に応じた報酬で採用する制度です。
(注7)TG(Technical Grade)制度
専門的スキルをもつ人財の潜在能力を最大限に活かして評価する制度です。
(注8)デジタルツインコンピューティング (DTC)
IOWN構想で掲げるデジタルツインコンピューティングとは、従来のデジタルツイン(仮想空間に現実世界の環境を再現し、シミュレーションを行う技術)を発展させて、多様な産業やヒトとモノのデジタルツイン同士を自在に掛け合わせて高度なシミュレートを行うことで全く新しい価値を創出するという革新的な技術のことです。
(注9)Digital Community Platform
2020年3月より提供している、官庁及び自治体等の公共機関のデジタル化を推進するマルチクラウドソリューションです。
(注10)クラウド・バイ・デフォルト原則
日本政府から2018年6月に公表され、2021年3月に改定された「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」において、政府情報システムの整備に関してクラウドサービスの利用を第一候補として検討を行うものとする方針のことです。
(注11)オンプレミス
情報システムの利用に必要となるサーバ等のハードウェアを自己の管理下に設置する運用形態のことです。
(注12)OpenCanvas for Government
「OpenCanvas」をベースとした政府向けのコミュニティクラウドサービスです。
(注13)OpenCanvas
ミッションクリティカルな要件に対応できる高い信頼性とセキュリティを兼ね備えたクラウドプラットフォームです。
(注14)Open Service Architecture
"Open" をコンセプトに「Open Platform」「OpenAPI」「Open Innovation」の3つの特徴を有する、新しい金融ITの姿を具体化する標準アーキテクチャーです。
(注15)ServiceNow, Inc.のElite Partner
ServiceNow, Inc.が提供するパートナープログラムの中でも、同社が提供するクラウド型ITサービスマネジメント製品であるServiceNowを利用した業務に一定以上の成果を上げ、豊富な導入実績、顧客満足度及び多数の認定資格者を有しているなど、トップレベルであると認定されたパートナーのことです。
(注16)Snowflake Inc.のPremier Partner
Snowflake Inc.が提供するパートナーネットワークの中でも、安定したSnowflakeプラクティスを有するサービスパートナーのことです。
(注17)NHSトラスト
英国イングランドとウェールズの国民保健サービス内の組織単位、独立行政法人のことです。
(注18)ALM(Application Lifecycle Management)
ソフトウェア開発・保守を各アプリケーションのライフサイクルにわたって継続的にプロセス管理する手法のことです。
(2) 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産は、現金及び現金同等物や保有株式の時価評価によるその他の金融資産(非流動)の増加等により、前連結会計年度末に比べ211,008百万円増加して、2,897,015百万円となりました。負債は、営業債務及びその他の債務の増加等により、前連結会計年度末に比べ71,875百万円増加して、1,770,468百万円となりました。 また、資本は、利益剰余金や保有株式の時価評価によるその他資本の構成要素の増加等により、前連結会計年度末に比べ139,133百万円増加して1,126,548百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は287,058百万円と前連結会計年度末に比べ81,702百万円増加となりました。
当期における営業活動によるキャッシュ・フローは、当期利益81,701百万円、営業債務及びその他の債務の増減50,358百万円や非現金支出項目である減価償却費等214,324百万円の計上による収入の一方、法人税等の支払が34,911百万円となり、352,492百万円の収入(前期比72,463百万円の収入増加)となりました。
一方、投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産、無形資産及び子会社の取得による支出により173,893百万円の支出(前期比83,347百万円の支出減少)となったことから、当期のフリー・キャッシュ・フローは178,598百万円の黒字(前期比155,810百万円増加)となりました。 また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、有利子負債の返済による支出や配当金支払の実施等により、101,618百万円の支出(前期比35,538百万円の支出増加)となりました。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりです。
| 区 分 | 2020年3月期 | 2021年3月期 |
| D/Eレシオ (倍) | 0.64 | 0.54 |
(注)D/Eレシオ:有利子負債/自己資本(資本合計-非支配持分)
なお有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、社債及び借入金を対象としています。
(生産、受注及び販売の状況)
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 公共・社会基盤 | 128,642 | △12.6 |
| 金融 | 95,612 | △4.7 |
| 法人・ソリューション | 86,770 | △13.4 |
| 北米 | - | - |
| EMEA・中南米 | - | - |
| その他 | 17,074 | 108.4 |
| 合計 | 328,099 | △7.8 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価(販売価格)によっています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
(2) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比 | ||
| 受注高 (百万円) | 期末受注残高 (百万円) | 受注高 (%) | 期末受注残高 (%) | |
| 公共・社会基盤 | 481,599 | 515,144 | 1.0 | 7.1 |
| 金融 | 542,150 | 894,897 | 25.9 | 10.1 |
| 法人・ソリューション | 343,976 | 150,556 | 0.3 | 7.5 |
| 北米 | 344,513 | 762,850 | △26.9 | △10.3 |
| EMEA・中南米 | 475,931 | 392,832 | △7.3 | 17.4 |
| その他 | 35,150 | 18,840 | △10.8 | 3.8 |
| 合計 | 2,223,320 | 2,735,119 | △2.3 | 3.7 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 ANSER、CAFIS等利用量に見合う料金をいただくサービスについては、受注高に含めていま
せん。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月 1日 至 2021年3月31日) (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 公共・社会基盤 | 452,043 | 9.3 |
| 金融 | 518,063 | 2.5 |
| 法人・ソリューション | 427,753 | △0.1 |
| 北米 | 422,772 | 0.8 |
| EMEA・中南米 | 446,703 | △0.7 |
| その他 | 51,325 | 1.4 |
| 合計 | 2,318,658 | 2.3 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
各販売先における販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため、主な相手先
別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載を省略しています。
3 金額には、消費税等を含んでいません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
以下は、前年度実績対比及び2020年8月7日に公表の業績予想対比の分析を記載しています。
① 売上高の状況
| 当連結会計年度の実績値 | 比較情報 | 増減金額 | 増減率 |
| 2,318,658百万円 | 前年度実績対比 | 51,850百万円 | 2.3%の増加 |
| 業績予想対比 | 148,658百万円 | 6.9%の増加 |
前年度実績対比においては、公共・社会基盤セグメントの中央府省及びテレコム向けサービス、及び金融セグメントの金融機関向けサービス等の国内事業を中心とした規模拡大等により、前連結会計年度を上回りました。
また、業績予想対比においても、一部の事業や国を除いては新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響が想定より小さく、前連結会計年度までに受注済み案件が着実に売上展開されたこと、及び当連結会計年度に受注し売上に計上される案件が堅調に獲得できたことにより、全セグメントが業績予想に対し売上増となったため、業績予想を上回りました。
② 営業利益の状況
| 当連結会計年度の実績値 | 比較情報 | 増減金額 | 増減率 |
| 139,173百万円 | 前年度実績対比 | 8,236百万円 | 6.3%の増加 |
| 業績予想対比 | 19,173百万円 | 16.0%の増加 |
前年度実績対比においては、北米セグメントの事業構造改革等による費用の増加はあるものの、EMEA・中南米セグメントにおける事業構造改革の効果および費用の減少、公共・社会基盤及び金融セグメントにおける不採算案件の抑制及び増収等により、前連結会計年度を上回りました。
また、業績予想対比においても、EMEA・中南米セグメントにおける低採算事業の見直しに伴う費用の増加等はあるものの、各セグメントにおける売上増により、業績予想を上回りました。
③ 当社株主に帰属する当期利益の状況
| 当連結会計年度の実績値 | 比較情報 | 増減金額 | 増減率 |
| 76,843百万円 | 前年度実績対比 | 1,695百万円 | 2.3%の増加 |
| 業績予想対比 | 5,843百万円 | 8.2%の増加 |
前年度実績対比においては、営業利益の増益により、前連結会計年度を上回りました。
また、業績予想対比においても、営業利益の増益等により業績予想を上回りました。
(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における財政状態の概況については、「業績等の概要 (2) 財政状態の状況」をご参照ください。
(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 財務方針
社会や金融・経済を支える大規模システムの開発・構築を担う企業として、ビジネスを安定的に継続し、中長期的な企業価値の向上を実現していくためには、強固な財務基盤を維持することが重要と考えています。D/Eレシオを重要指標と位置付け、目安としては、AA格の信用格付を維持できる水準かどうかを意識し、財務基盤の健全性を注視しています。
② 経営資源の配分(資金需要)・株主還元
社会を支える情報インフラの開発・運用のための先行投資に加え、グローバルで質の伴った成長をするために、デジタル対応力強化やM&A等の成長に必要な事業投資に優先的にキャッシュを振り向けていきます。
また、株主還元については、成長に必要な事業投資と健全な財務基盤の維持のバランスを総合的に勘案した上で、中長期的に充実していく方針であり、資本効率の向上については、投下資本の圧縮ではなく、利益拡大によって改善させていきます。
③ 資金調達
金融機関等からの借入、各種社債の発行等にて対応する方針です。
資金を好条件、安定的に調達するため、国内の2つの格付機関から長期債とコマーシャル・ペーパーの格付けを取得しています。
コマーシャル・ペーパーについて、150,000百万円の発行枠を保有するとともに、NTTグループのキャッシュマネジメントシステムにも加入しており、現金及び現金同等物の代替となる資金流動性も十分確保しています。また、当社グループ全体の有利子負債と支払利息の低減を図るため、国内外の子会社70社にグループキャッシュマネジメントシステムを導入し、グループ資金を当社に集中するとともに、各社の必要資金について当社から貸し付けを実施しています。
なお、当連結会計年度において、借入金の返済及び子会社取得等の資金に充当するため、92,000百万円の長期資金の借入を主にNTTファイナンス株式会社より実施しました。
④ キャッシュ・フロー
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「業績等の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4) 重要な会計方針及び見積り
当社グループにおける重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記3.重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりです。