有価証券報告書-第28期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:48
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(1)経営成績等の状況の概要
当期における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景として個人消費が底堅く推移し、景気は緩やかな回復基調にありましたが、年明け以降は中東情勢の緊迫化に伴う原油高や物流面の制約等の影響に対する懸念から消費者マインドに低下がみられます。また、世界経済においても中東情勢や米国の通商政策を巡る不確実性等を背景に、先行き不透明感が残る状況となりました。国内株式市場は、生成AI需要拡大への期待や円安基調を追い風として高値圏で推移する局面があったものの、期末にかけては中東情勢の悪化や米ハイテク株安等を受け、価格変動の大きい展開となりました。
このような事業環境の下、当企業グループの当期における連結業績は、収益が前期比31.4%増の1兆8,966億円、連結税引前利益は同83.0%増の5,167億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同163.7%増の4,276億円とそれぞれ過去最高を更新し、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は28.0%となりました。なお、連結税引前利益とROEは、2025年5月に公表した中期ビジョンにおける目標(連結税引前利益:5,000億円、ROE:15%)を上回りました。
金融サービス事業においては、銀行事業・証券事業・保険事業がそれぞれ堅調に推移し、当企業グループの安定的な収益基盤として引き続き業績を牽引したことに加え、資産運用事業は、運用資産残高の拡大を背景に業績が伸長しました。また、次世代事業においては、Web3関連領域やマイナビをはじめとする持分法適用関連会社の貢献等により大幅な改善が見られ、グループ全体として、既存金融事業の安定的な成長と新領域の業績貢献が同時に進展した年度となりました。
また、当企業グループの国内外顧客基盤は、2026年3月末時点で8,256万件となりました。このうち国内顧客基盤は約5千万件となり、SBI証券、SBI新生銀行、SBI損保、SBI生命等が提供する各サービスが幅広い顧客接点を形成しています。海外においても、TPBank、SBI貯蓄銀行等を中心に約3,274万件の顧客基盤を有するに至りました。
これらの顧客基盤はAI、オンチェーン金融、ネオメディアといった新たな領域で事業を展開する上でも当企業グループの明確な強みになると考えています。
当企業グループは、「金融サービス事業」や「資産運用事業」、「PE投資事業」に加え、今後も成長領域として期待される「暗号資産事業」、バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほかWeb3関連の先進的な分野に取り組む事業等が含まれる「次世代事業」の5つの事業セグメントを報告セグメントとしております。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、当期の期首より、従来の「投資事業」のセグメント名称を「PE投資事業」に変更しております。
また、前期まで「金融サービス事業」に含めていた一部の有価証券投資について、当期の第2四半期連結累計期間より「PE投資事業」に含めております。このため、前期についても当期のセグメント構成に合わせて組み替えております。
収益税引前利益
前期当期前期当期
百万円百万円%百万円百万円%
金融サービス事業1,174,1051,582,50834.8197,267424,961115.4
資産運用事業33,81141,63423.15,4478,63358.5
PE投資事業140,810158,28212.495,29082,001(13.9)
暗号資産事業80,79789,61510.921,22021,202(0.1)
次世代事業30,66256,18283.2(9,944)21,968-
1,460,1851,928,22132.1309,280558,76580.7
消去又は全社(16,452)(31,614)-(26,990)(42,098)-
連結1,443,7331,896,60731.4282,290516,66783.0

(%表示は対前期増減率)
(金融サービス事業)
国内外における証券関連事業、銀行事業、保険事業を中核とした多様な金融関連事業を行っております。
当期における収益は1,582,508百万円(前期比34.8%増加)、税引前利益は424,961百万円(同115.4%増加)となりました。これは主に、住信SBIネット銀行株式の譲渡に伴う関連会社株式売却益及び銀行事業における「償却原価で測定される金融資産から生じる受取利息」の増加等の要因によるものであります。
(資産運用事業)
投資信託の設定、募集、運用などの投資運用や投資助言、金融商品の情報提供等を行っております。
当期における収益は41,634百万円(同23.1%増加)、税引前利益は8,633百万円(同58.5%増加)となりました。これは主に、好調な国内株式市場を背景とした各社の運用資産残高の増加等の要因によるものであります。
(PE投資事業)
国内外のIT、フィンテック、AI・ビッグデータ、ブロックチェーン、金融及びバイオ関連のベンチャー企業等への投資に関する事業等を行っております。
当期における収益は158,282百万円(同12.4%増加)、税引前利益は82,001百万円(同13.9%減少)となりました。これは主に、企業への投資において認識される「FVTPLで測定する金融資産から生じる収益」の変動等の要因によるものであります。
(暗号資産事業)
暗号資産の交換・取引サービスを提供する暗号資産交換業等を行っております。
当期における収益は89,615百万円(同10.9%増加)、税引前利益は21,202百万円(同0.1%減少)となりました。これは主に、暗号資産価格の変動等の要因によるものであります。
(次世代事業)
天然のアミノ酸5-ALA(5-アミノレブリン酸)等を利用した医薬品・健康食品及び化粧品の開発・販売等を行うバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほか、Web3関連の先進的な分野に取り組む事業や再生可能エネルギー事業、人材関連事業及びメディア関連事業を行っております。
当期における収益は56,182百万円(同83.2%増加)、税引前利益は21,968百万円の利益(前期は9,944百万円の損失)となりました。
なお、当期末の総資産は38,290,797百万円となり、前期末の32,113,430百万円から6,177,367百万円の増加となりました。また、資本は前期末に比べ649,570百万円増加し、2,413,363百万円となりました。
② キャッシュ・フロー
当期末の現金及び現金同等物残高は6,400,580百万円となり、前期末の5,500,548百万円から900,032百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,694,751百万円の収入(前期は1,508,745百万円の収入)となりました。これは主に、「営業債権及びその他の債権の増減」が1,477,943百万円の支出となった一方で、「顧客預金の増減」が2,482,230百万円の収入及び「社債及び借入金(銀行業)の増減」が944,339百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,135,572百万円の支出(前期は1,060,455百万円の支出)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」が2,088,187百万円となった一方で、「投資有価証券の取得による支出」が3,134,172百万円となったこと等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、442,712百万円の収入(前期は445,892百万円の収入)となりました。これは主に、「社債の償還による支出」が2,996,098百万円となった一方で、「社債の発行による収入」が3,304,520百万円及び「非支配持分への子会社持分売却による収入」が315,420百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産及び受注の実績については、該当する情報がないため記載しておりません。また、販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」に各セグメントの収益として記載しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当企業グループの連結財務諸表はIFRS会計基準に準拠して作成しております。IFRS会計基準に準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、他の情報源から直ちに明らかにならない資産及び負債の帳簿価額について、見積もり、判断及び仮定の設定を行う必要があります。見積もり及びそれに関する仮定は、関係が深いと思われる過去の経験及びその他の要素に基づいております。実績はこれらの見積もりと異なる場合があります。
当企業グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。また、当該会計方針のうち、将来に関する仮定及び報告期間末における見積もりの不確実性の要因となる事項で、特に重要性があるものについては、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 (4) 見積もり及び判断の利用」に記載しております。これらは、当期及び来期以降に資産や負債の帳簿価額に対して重大な調整をもたらすリスクを含んでおります。
② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当期における当企業グループを取り巻く事業環境は、雇用・所得環境の改善を背景として個人消費が底堅く推移し、景気は緩やかな回復基調にありましたが、年明け以降は中東情勢の緊迫化に伴う原油高や物流面の制約等の影響に対する懸念から消費者マインドに低下がみられます。また、世界経済においても中東情勢や米国の通商政策を巡る不確実性等を背景に、先行き不透明感が残る状況となりました。
国内株式市場は、生成AI需要拡大への期待や円安基調を追い風として高値圏で推移する局面があったものの、期末にかけては中東情勢の悪化や米ハイテク株安等を受け、価格変動の大きい展開となりました。
(金融サービス事業)
SBI新生銀行(日本会計基準)は、営業性資産残高の拡大に伴う貸出利鞘の増加、住宅ローンや融資関連手数料の増加等により、業務粗利益3,346億円、実質業務純益1,566億円、税引前利益1,221億円、親会社株主に帰属する当期純利益1,134億円となり、いずれも新生銀行発足以降で過去最高となりました。
SBI証券(日本会計基準)は、「顧客中心主義」に基づく商品・サービス・手数料体系の提供に努めた結果、営業収益2,846億円、営業利益868億円、経常利益905億円、親会社株主に帰属する当期純利益536億円と、いずれも過去最高となりました。また、SBIグループの証券口座数は2026年5月1日に業界初となる1,600万口座を突破し、証券事業における預り資産残高も2026年3月末時点で66兆円を突破しました。
SBIインシュアランスグループ(日本会計基準)は、保有契約件数が堅調に増加し、2026年3月期の連結業績は、経常収益1,404億円、経常利益132億円、親会社株主に帰属する当期純利益29億円と、いずれも過去最高となりました。
上記の結果、金融サービス事業の収益は前期比34.8%増の1兆5,825億円、税引前利益は同115.4%増の4,250億円となり、収益・税引前利益ともに過去最高を更新しました。
(資産運用事業)
好調な国内株式市場を背景に運用資産残高が順調に伸長したこと等により、資産運用事業の収益は前期比23.1%増の416億円、税引前利益は同58.5%増の86億円となりました。
世界有数の運用会社とのアライアンスやAIエージェントを活用したリスク管理・業務効率化の推進等を通じ、次世代型総合アセット・プラットフォーマーとして商品・サービス提供体制の強化に取り組んでいます。
(PE投資事業)
PE投資事業の収益は前期比12.4%増の1,583億円、税引前利益は同13.9%減の820億円となりました。
当事業年度における投資先企業のIPO・M&A等の実績は17社となり、今後も国内外の成長領域への投資、投資先企業の育成、EXIT機会の最大化を通じて、グループ全体の収益基盤拡大に貢献していきます。
(暗号資産事業)
暗号資産事業の収益は前期比10.9%増の896億円と過去最高となり、税引前利益は同0.1%減の212億円となりました。
SBI VCトレードはM&Aを通じて個人顧客基盤を拡大しているほか、法人向けビジネスを強化しており、暗号資産市場の拡大に伴う新たな収益機会の獲得に取り組んでいます。
(次世代事業)
次世代事業の収益は前期比83.2%増の562億円、税引前利益は220億円となり、前期の損失から黒字へ転換しました。
Web3関連事業において、バリデータ報酬として獲得・保有している暗号資産の評価益を計上したことに加え、マイナビ(2024年11月に持分法適用関連会社化)が持分法による投資損益として52億円の業績貢献をしたことが寄与しました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。
④ 戦略的事業展開について
戦略的事業展開については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(a) 資金需要及び資金の調達源
当企業グループの事業活動における主な資金需要としては、証券関連事業における信用取引に係る顧客への貸付資金、銀行関連事業及び海外金融サービス事業における貸付資金、PE投資事業における投資資金等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、銀行借入による間接金融、社債やエクイティファイナンス等の直接金融、証券会社や証券金融会社との取引、コールマネー、顧客預金の受入及び貸出金その他の資産の流動化等により資金を調達しております。
(b) キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」に記載しております。

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