有価証券報告書-第41期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①業績等の概要
(経済及び業界の環境)
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にありました。
企業収益は同感染症の影響により減少が続き、顧客企業におけるシステム投資については抑制傾向にありましたが、第3四半期以降は一部業種を除き、回復傾向にありました。
(企業集団の営業の経過及び成果)
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動水準が厳しい状況にあるなか、ビジネス環境の変化に伴う企業のニューノーマルへの対応を進めてまいりました。お客様の新しい働き方のITニーズに対するコンサルティングサービスの提供をはじめ、柔軟でセキュアなテレワーク環境や契約・決裁業務のデジタル化・ペーパレス化等のデジタルワークプレースソリューションの迅速な提供等を行いました。
お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けた取り組みとして、2020年4月より全社のDXを推進する組織として「DX推進&ソリューション企画・コンサルティングセンター(DX&SCC)」を設立し、各事業本部・事業部やシステム研究開発センターと有機的な連携を生み出すことで、DX対応力を会社として最大限発揮できるよう体制を整えました(2021年4月より「DX&イノベーションセンター(DXIC)」に改組)。また、デジタルイノベーション共創プログラム「Angraecum」(アングレカム)の提供を開始し、プロジェクトの立ち上げからお客様と共同で活動することで、DXの加速の支援を行いました。加えて、製造・エネルギー業界を中心としたローカル5Gの実証実験や作業者をITで見守る「安全見守りくん」などの導入も進み、日本製鉄㈱をはじめとする多くの製造現場のDX推進に貢献しました。更には、医療分野におけるデータ利活用の推進など、社会課題の解決に向けた取り組みも行ってまいりました。
全社的な取り組みを進めている働き方変革につきましては、社員一人ひとり、より健康で意欲的に仕事に取り組むことができる就業環境を構築するべく、効率的な働き方の実現による総労働時間の削減や有休取得の拡大及び自律的なキャリア形成を支援する様々な仕組みの整備に継続して取り組みました。社内においては、ダイバーシティ&インクルージョン施策、働き方変革及び健康経営に取り組み、厚生労働大臣より「次世代育成支援対策推進法」に基づく優良な「子育てサポート」企業として「プラチナくるみん」の認定を受けました。このように、当社は豊かな社会づくりに向けてESGの観点で様々な事業活動に取り組んでおり、ESG投資のための株価指数である「FTSE4Good Index Series」及び「FTSE Blossom Japan Index」構成銘柄に2年連続で採用されました。
本社地区オフィスの2拠点化(虎ノ門地区:虎ノ門ヒルズビジネスタワー、新川地区:住友ツインビル)につきましては、執務環境の刷新・改善による社員間のコミュニケーション強化、コラボレーションの促進等による効率的かつ創造的な働き方の実現や大規模自然災害の発生等による事業継続リスク低減に向けて整備を完了しました。虎ノ門地区オフィスでは2020年5月より業務を開始するとともに、新川地区のオフィス再整備を実施し、働きやすく創造的な執務環境を実現いたしました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当社は社員及びパートナー社員の安全と健康に配慮して迅速にリモートワーク環境を整え、リモートワーク対象者、対象業務範囲を拡大し、事業継続性を確保する取り組みを行ってまいりました。
当連結会計年度の売上高は、251,992百万円と前連結会計年度(274,843百万円)と比べ22,850百万円の減収となりました。売上総利益は、減収の影響により減益となりました。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、営業力強化、研究開発、採用・教育等の費用が減少しました。経常利益は、25,101百万円と前年同期(28,275百万円)と比べ3,173百万円の減益となりました。
当連結会計年度をサービス分野別(業務ソリューション事業、サービスソリューション事業)に概観しますと、以下のとおりであります。
(業務ソリューション事業)
業務ソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は162,273百万円と前連結会計年度(180,071百万円)と比べ17,797百万円の減収となりました。
産業、流通・サービス分野
産業、流通・サービス分野向けにつきましては、主にプラットフォーマー・小売・輸送向けが堅調でしたが、製造業向けの大型基盤案件の反動減により、売上高は前年と比べ減収となりました。
金融分野
金融分野向けにつきましては、プロダクト及び規制対応案件等の増加により、売上高は前年と比べ増収となりました。
公共公益分野
公共公益分野向けにつきましては、公共分野での官公庁向けの基盤案件およびテレコム分野でのITプロダクト等の反動減により、売上高は前年と比べ減収となりました。
(サービスソリューション事業)
サービスソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は、89,719百万円と前連結会計年度(94,772百万円)と比べ5,052百万円の減収となりました。
ITインフラ分野
ITインフラ分野につきましては、主にITプロダクト等の減により、売上高は前年と比べ減収となりました。
鉄鋼分野
鉄鋼分野につきましては、前年度の日本製鉄㈱の商号変更対応及び製鉄所刷新案件等の反動減に加え、今期はシステム投資が抑制傾向にあったことにより、売上高は前年と比べ減収となりました。
② 経営成績の分析
1)売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の274,843百万円に対し8.3%減収の251,992百万円となりました。サービス分野別の状況は以下のとおりであります。
業務ソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は162,273百万円と前連結会計年度(180,071百万円)と比べ17,797百万円の減収となりました。
サービスソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は、89,719百万円と前連結会計年度(94,772百万円)と比べ5,052百万円の減収となりました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の218,244百万円に対し8.3%減少し200,042百万円となりました。その結果、売上高総利益率は、前連結会計年度の20.6%と同水準の20.6%となりました。
販売費及び一般管理費は、営業力強化、研究開発、採用・教育等の費用の減少により前連結会計年度の28,210百万円に対し2.9%減少し27,400百万円となりました。
3)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、売上総利益の減益により、前連結会計年度の28,387百万円に対し13.5%減少し24,549百万円となりました。
4)営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、特別調査費用等及び事業撤退損失引当金繰入額の減少等により、前連結会計年度の△112百万円に対し664百万円増加し552百万円となりました。
5)経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の28,275百万円に対し11.2%減少し25,101百万円となりました。
6)特別損益
当連結会計年度の特別損益は、オフィス整備費用があったものの、投資有価証券売却益により216百万円となりました。前連結会計年度の特別損益は、退職給付費用、退職給付制度終了損及びオフィス整備費用があったものの、投資有価証券売却益により388百万円でした。
7)税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の28,663百万円に対し11.7%減少し25,318百万円となりました。
8)法人税等
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の9,386百万円に対し17.8%減少し7,713百万円となりました。
9)非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の725百万円に対し14.2%減少し622百万円となりました。
10)親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の18,552百万円に対し8.5%減少し16,982百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の202.76円に対し8.5%減少し185.60円となりました。
③生産、受注及び販売の状況
当社は情報サービス単一セグメントでありますが、サービス分野別の当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の生産実績、受注実績及び販売実績を示すと、次のとおりであります。
1)生産実績
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)受注実績
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3)販売実績
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
(貸借対照表)
①資産の部
当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末240,448百万円から31,775百万円増加し、272,223百万円となりました。主な内訳は、投資有価証券の増加25,868百万円、預け金の増加19,735百万円、関係会社短期貸付金の減少△12,000百万円であります。
②負債の部
当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末85,055百万円から1,038百万円増加し、86,094百万円となりました。主な内訳は、繰延税金負債の増加8,663百万円、受注損失引当金の増加1,255百万円、未払金の減少△3,210百万円、支払手形及び買掛金の減少△1,808百万円、リース債務の減少△1,750百万円、未払法人税等の減少△1,471百万円であります。
③純資産の部
当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末155,392百万円から30,736百万円増加し、186,128百万円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益16,982百万円、配当金の支払5,261百万円、その他有価証券評価差額金の増加18,738百万円であります。その結果、自己資本比率は66.1%となります。
なお、自己株式の消却により、利益剰余金及び自己株式がそれぞれ10,024百万円減少しております。
(3) キャッシュ・フロー
(キャッシュ・フロー計算書)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、78,579百万円となりました。前連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額が9,599百万円であったのに対し、当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は20,543百万円となりました。各活動区分別には以下のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度は、税金等調整前当期純利益28,663百万円、減価償却費5,205百万円、たな卸資産の減少2,824百万円、企業間信用△6,644百万円、法人税等の支払△9,421百万円等により19,366百万円となりました。一方、当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益25,318百万円、減価償却費6,145百万円、たな卸資産の増加△1,531百万円、企業間信用△406百万円、法人税等の支払△8,846百万円等により17,544百万円となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度は、有形及び無形固定資産の取得による支出△5,577百万円、投資有価証券の取得による支出△1,652百万円、投資有価証券の売却による収入2,558百万円、投資有価証券の償還による収入2,000百万円等により△2,975百万円となりました。一方、当連結会計年度は、有形及び無形固定資産の取得による支出△3,644百万円、投資有価証券の売却による収入2,158百万円、関係会社短期貸付金の回収による収入12,000百万円等により10,414百万円となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度は、配当金の支払△5,490百万円、リース債務の返済による支出△1,072百万円等により△6,796百万円となりました。一方、当連結会計年度は、配当金の支払△5,261百万円、リース債務の返済による支出△1,869百万円等により△7,395百万円となりました。
(資本の財源、資金の流動性に係る情報)
①基本方針
当社グループは将来にわたり競争力を維持強化し、企業価値を高めていくことが重要と考えております。
そのため、最新テクノロジーによるSI業務の生産性向上や、DXビジネスの推進、グローバルビジネスの拡大、エンゲージメントの高い組織づくり等による事業成長及び広域災害等の事業リスクに備えて内部留保を確保するとともに、利益配分につきましては株主の皆様に対する適正かつ安定的な配当等を行うことを基本としております。
配当につきましては、連結業績に応じた利益還元を重視し連結配当性向30%を目安といたします。
②資金需要及び資金調達の主な内容
当社グループの主要な資金需要は、材料費、外注費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備投資等であります。これらの資金需要につきましては自己資金により充当しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内子会社において当社のキャッシュマネージメントシステム(CMS)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理をしております。また、当社は、日本製鉄㈱のCMSを利用しており、当連結会計年度末は73,530百万円を預け入れております。
突発的な資金需要に対しては、大手各行及び親会社である日本製鉄㈱に対し当座借越枠を確保することにより、流動性リスクに備えております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
その作成には、経営者による見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債、及び開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。これらの見積りについては過去の実績等、連結財務諸表及び財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
特に、受注損失引当金については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
①業績等の概要
(経済及び業界の環境)
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況にありました。
企業収益は同感染症の影響により減少が続き、顧客企業におけるシステム投資については抑制傾向にありましたが、第3四半期以降は一部業種を除き、回復傾向にありました。
(企業集団の営業の経過及び成果)
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動水準が厳しい状況にあるなか、ビジネス環境の変化に伴う企業のニューノーマルへの対応を進めてまいりました。お客様の新しい働き方のITニーズに対するコンサルティングサービスの提供をはじめ、柔軟でセキュアなテレワーク環境や契約・決裁業務のデジタル化・ペーパレス化等のデジタルワークプレースソリューションの迅速な提供等を行いました。
お客様のデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けた取り組みとして、2020年4月より全社のDXを推進する組織として「DX推進&ソリューション企画・コンサルティングセンター(DX&SCC)」を設立し、各事業本部・事業部やシステム研究開発センターと有機的な連携を生み出すことで、DX対応力を会社として最大限発揮できるよう体制を整えました(2021年4月より「DX&イノベーションセンター(DXIC)」に改組)。また、デジタルイノベーション共創プログラム「Angraecum」(アングレカム)の提供を開始し、プロジェクトの立ち上げからお客様と共同で活動することで、DXの加速の支援を行いました。加えて、製造・エネルギー業界を中心としたローカル5Gの実証実験や作業者をITで見守る「安全見守りくん」などの導入も進み、日本製鉄㈱をはじめとする多くの製造現場のDX推進に貢献しました。更には、医療分野におけるデータ利活用の推進など、社会課題の解決に向けた取り組みも行ってまいりました。
全社的な取り組みを進めている働き方変革につきましては、社員一人ひとり、より健康で意欲的に仕事に取り組むことができる就業環境を構築するべく、効率的な働き方の実現による総労働時間の削減や有休取得の拡大及び自律的なキャリア形成を支援する様々な仕組みの整備に継続して取り組みました。社内においては、ダイバーシティ&インクルージョン施策、働き方変革及び健康経営に取り組み、厚生労働大臣より「次世代育成支援対策推進法」に基づく優良な「子育てサポート」企業として「プラチナくるみん」の認定を受けました。このように、当社は豊かな社会づくりに向けてESGの観点で様々な事業活動に取り組んでおり、ESG投資のための株価指数である「FTSE4Good Index Series」及び「FTSE Blossom Japan Index」構成銘柄に2年連続で採用されました。
本社地区オフィスの2拠点化(虎ノ門地区:虎ノ門ヒルズビジネスタワー、新川地区:住友ツインビル)につきましては、執務環境の刷新・改善による社員間のコミュニケーション強化、コラボレーションの促進等による効率的かつ創造的な働き方の実現や大規模自然災害の発生等による事業継続リスク低減に向けて整備を完了しました。虎ノ門地区オフィスでは2020年5月より業務を開始するとともに、新川地区のオフィス再整備を実施し、働きやすく創造的な執務環境を実現いたしました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、当社は社員及びパートナー社員の安全と健康に配慮して迅速にリモートワーク環境を整え、リモートワーク対象者、対象業務範囲を拡大し、事業継続性を確保する取り組みを行ってまいりました。
当連結会計年度の売上高は、251,992百万円と前連結会計年度(274,843百万円)と比べ22,850百万円の減収となりました。売上総利益は、減収の影響により減益となりました。販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、営業力強化、研究開発、採用・教育等の費用が減少しました。経常利益は、25,101百万円と前年同期(28,275百万円)と比べ3,173百万円の減益となりました。
当連結会計年度をサービス分野別(業務ソリューション事業、サービスソリューション事業)に概観しますと、以下のとおりであります。
(業務ソリューション事業)
業務ソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は162,273百万円と前連結会計年度(180,071百万円)と比べ17,797百万円の減収となりました。
産業、流通・サービス分野
産業、流通・サービス分野向けにつきましては、主にプラットフォーマー・小売・輸送向けが堅調でしたが、製造業向けの大型基盤案件の反動減により、売上高は前年と比べ減収となりました。
金融分野
金融分野向けにつきましては、プロダクト及び規制対応案件等の増加により、売上高は前年と比べ増収となりました。
公共公益分野
公共公益分野向けにつきましては、公共分野での官公庁向けの基盤案件およびテレコム分野でのITプロダクト等の反動減により、売上高は前年と比べ減収となりました。
(サービスソリューション事業)
サービスソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は、89,719百万円と前連結会計年度(94,772百万円)と比べ5,052百万円の減収となりました。
ITインフラ分野
ITインフラ分野につきましては、主にITプロダクト等の減により、売上高は前年と比べ減収となりました。
鉄鋼分野
鉄鋼分野につきましては、前年度の日本製鉄㈱の商号変更対応及び製鉄所刷新案件等の反動減に加え、今期はシステム投資が抑制傾向にあったことにより、売上高は前年と比べ減収となりました。
② 経営成績の分析
1)売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度の274,843百万円に対し8.3%減収の251,992百万円となりました。サービス分野別の状況は以下のとおりであります。
業務ソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は162,273百万円と前連結会計年度(180,071百万円)と比べ17,797百万円の減収となりました。
サービスソリューション事業につきましては、当連結会計年度の売上高は、89,719百万円と前連結会計年度(94,772百万円)と比べ5,052百万円の減収となりました。
2)売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度の218,244百万円に対し8.3%減少し200,042百万円となりました。その結果、売上高総利益率は、前連結会計年度の20.6%と同水準の20.6%となりました。
販売費及び一般管理費は、営業力強化、研究開発、採用・教育等の費用の減少により前連結会計年度の28,210百万円に対し2.9%減少し27,400百万円となりました。
3)営業利益
当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費が減少したものの、売上総利益の減益により、前連結会計年度の28,387百万円に対し13.5%減少し24,549百万円となりました。
4)営業外損益
当連結会計年度の営業外損益は、特別調査費用等及び事業撤退損失引当金繰入額の減少等により、前連結会計年度の△112百万円に対し664百万円増加し552百万円となりました。
5)経常利益
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度の28,275百万円に対し11.2%減少し25,101百万円となりました。
6)特別損益
当連結会計年度の特別損益は、オフィス整備費用があったものの、投資有価証券売却益により216百万円となりました。前連結会計年度の特別損益は、退職給付費用、退職給付制度終了損及びオフィス整備費用があったものの、投資有価証券売却益により388百万円でした。
7)税金等調整前当期純利益
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の28,663百万円に対し11.7%減少し25,318百万円となりました。
8)法人税等
当連結会計年度の法人税等は、前連結会計年度の9,386百万円に対し17.8%減少し7,713百万円となりました。
9)非支配株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の725百万円に対し14.2%減少し622百万円となりました。
10)親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の18,552百万円に対し8.5%減少し16,982百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の202.76円に対し8.5%減少し185.60円となりました。
③生産、受注及び販売の状況
当社は情報サービス単一セグメントでありますが、サービス分野別の当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の生産実績、受注実績及び販売実績を示すと、次のとおりであります。
1)生産実績
(単位:百万円) | ||
サービス分野別の名称 | 生産高 | 前年同期比 |
業務ソリューション事業 | 162,971 | △9.1% |
サービスソリューション事業 | 90,530 | △2.3% |
合計 | 253,501 | △6.8% |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2)受注実績
(単位:百万円) | ||||
サービス分野別の名称 | 受注高 | 前年同期比 | 受注残高 | 前年同期比 |
業務ソリューション事業 | 171,266 | △3.0% | 83,218 | 12.1% |
サービスソリューション事業 | 88,510 | △3.4% | 51,446 | △2.3% |
合計 | 259,777 | △3.2% | 134,664 | 6.1% |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3)販売実績
(単位:百万円) | ||
サービス分野別の名称 | 販売高 | 前年同期比 |
業務ソリューション事業 | 162,273 | △9.9% |
サービスソリューション事業 | 89,719 | △5.3% |
合計 | 251,992 | △8.3% |
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||
相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
販売高 | 割合(%) | 販売高 | 割合(%) | |
日本製鉄㈱ | 55,983 | 20.4 | 52,634 | 20.9 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
(貸借対照表)
①資産の部
当連結会計年度末の資産の部は、前連結会計年度末240,448百万円から31,775百万円増加し、272,223百万円となりました。主な内訳は、投資有価証券の増加25,868百万円、預け金の増加19,735百万円、関係会社短期貸付金の減少△12,000百万円であります。
②負債の部
当連結会計年度末の負債の部は、前連結会計年度末85,055百万円から1,038百万円増加し、86,094百万円となりました。主な内訳は、繰延税金負債の増加8,663百万円、受注損失引当金の増加1,255百万円、未払金の減少△3,210百万円、支払手形及び買掛金の減少△1,808百万円、リース債務の減少△1,750百万円、未払法人税等の減少△1,471百万円であります。
③純資産の部
当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末155,392百万円から30,736百万円増加し、186,128百万円となりました。主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益16,982百万円、配当金の支払5,261百万円、その他有価証券評価差額金の増加18,738百万円であります。その結果、自己資本比率は66.1%となります。
なお、自己株式の消却により、利益剰余金及び自己株式がそれぞれ10,024百万円減少しております。
(3) キャッシュ・フロー
(キャッシュ・フロー計算書)
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、78,579百万円となりました。前連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額が9,599百万円であったのに対し、当連結会計年度の現金及び現金同等物の増減額は20,543百万円となりました。各活動区分別には以下のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度は、税金等調整前当期純利益28,663百万円、減価償却費5,205百万円、たな卸資産の減少2,824百万円、企業間信用△6,644百万円、法人税等の支払△9,421百万円等により19,366百万円となりました。一方、当連結会計年度は、税金等調整前当期純利益25,318百万円、減価償却費6,145百万円、たな卸資産の増加△1,531百万円、企業間信用△406百万円、法人税等の支払△8,846百万円等により17,544百万円となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度は、有形及び無形固定資産の取得による支出△5,577百万円、投資有価証券の取得による支出△1,652百万円、投資有価証券の売却による収入2,558百万円、投資有価証券の償還による収入2,000百万円等により△2,975百万円となりました。一方、当連結会計年度は、有形及び無形固定資産の取得による支出△3,644百万円、投資有価証券の売却による収入2,158百万円、関係会社短期貸付金の回収による収入12,000百万円等により10,414百万円となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
前連結会計年度は、配当金の支払△5,490百万円、リース債務の返済による支出△1,072百万円等により△6,796百万円となりました。一方、当連結会計年度は、配当金の支払△5,261百万円、リース債務の返済による支出△1,869百万円等により△7,395百万円となりました。
(資本の財源、資金の流動性に係る情報)
①基本方針
当社グループは将来にわたり競争力を維持強化し、企業価値を高めていくことが重要と考えております。
そのため、最新テクノロジーによるSI業務の生産性向上や、DXビジネスの推進、グローバルビジネスの拡大、エンゲージメントの高い組織づくり等による事業成長及び広域災害等の事業リスクに備えて内部留保を確保するとともに、利益配分につきましては株主の皆様に対する適正かつ安定的な配当等を行うことを基本としております。
配当につきましては、連結業績に応じた利益還元を重視し連結配当性向30%を目安といたします。
②資金需要及び資金調達の主な内容
当社グループの主要な資金需要は、材料費、外注費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに設備投資等であります。これらの資金需要につきましては自己資金により充当しております。
手許の運転資金につきましては、当社及び一部の国内子会社において当社のキャッシュマネージメントシステム(CMS)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理をしております。また、当社は、日本製鉄㈱のCMSを利用しており、当連結会計年度末は73,530百万円を預け入れております。
突発的な資金需要に対しては、大手各行及び親会社である日本製鉄㈱に対し当座借越枠を確保することにより、流動性リスクに備えております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表及び財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
その作成には、経営者による見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債、及び開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。これらの見積りについては過去の実績等、連結財務諸表及び財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
特に、受注損失引当金については重要な会計上の見積りが必要となります。当該見積り及び仮定の不確実性の内容やその変動により経営成績等に生じる影響などは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。