四半期報告書-第22期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
医療業界は世界的に治療技術の発展が目覚ましい状況が続いています。遺伝子治療は免疫不全症・血液系疾患・代謝異常症などの難治性疾患に対する革新的な治療法として注目され、再生医療分野では患者様を対象とした臨床試験が世界の複数国で開始されています。そのような世界的な潮流の中で、当社グループは、新しい医療技術・医薬品の開発に貢献すべく、再生医療等の領域において技術開発を推進するとともに、医薬品等の臨床開発を多角的に支援しています。
創業以来の中核事業であるSMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)事業におきましては、製薬企業の医薬品の開発ニーズが、がんやその他の希少疾患に変化してきているとともに、医薬品・医療機器等の開発のグローバル化、開発期間の短縮化、ならびに開発手法の変化等により臨床試験に対するニーズも多様化してきています。このような市場環境の変化に対応すべく、CRC(臨床研究コーディネーター)の質を高めるため、教育研修制度や社内認定制度等の充実を図るとともに、積極的なM&Aや業務提携により、高度専門医療機関を中心とした医療機関との提携を広げています。平成29年6月にグループ化した㈱エシックとの相乗効果等により、地域中核病院との提携やがん・腎疾患領域を中心として支援領域の拡大が進んでいます。
CRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)事業では、オーストラリアを核として、欧米や日本を含むアジア・オセアニア地域の製薬企業等の医薬品開発を支援しています。南オーストラリア州において臨床試験実施施設を運営するCMAX CLINICAL RESEARCH PTY LTDでは、グローバルな大規模臨床試験や被験薬をヒトに対して世界で初めて投与するFIH(First In Human)試験を含む早期臨床試験等の支援を行っており、その豊富な実績とサービスの品質が国際的に高く評価されています。
先端医療事業では、臨床用および研究用のiPS細胞作製キットCytoTune®-iPSを全世界で販売するとともに、茨城県つくば市にあるGMP(Good Manufacturing Practice:医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準)ベクター製造施設・CPC(Cell Processing Center:細胞培養加工施設)において、医薬品製造受託機関として、臨床用ベクター・遺伝子治療製剤・再生医療等製品を受託製造しています。また、基盤技術として持つセンダイウイルスベクター等のベクター技術を用いた遺伝子治療製剤等の研究開発を進めています。
メディカルサポート事業においては、クリニックモールの開設・運営を通じて患者様の利便を図り通院の負担を軽減する医療環境の提案を行っています。医療機関・薬局などに対しては、新規開業のための診療圏の調査や物件紹介等を行うことに加え、グループの知見を活かし、クリニックの開業を目指す医師を強力にサポートしています。
その結果、当第2四半期連結累計期間においては、売上高は4,762百万円(前年同四半期比21.4%増)、営業利益は694百万円(前年同四半期比36.0%増)、経常利益は705百万円(前年同四半期比26.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は539百万円(前年同四半期比56.5%減)となりました。
当社グループでは、SMO事業およびCRO事業において安定した売上・利益を確保するとともに、当社グループの保有する知的資産や各事業間の相乗効果を最大限に活用することで、グループの更なる発展に向けて各事業を推進しています。今後中期的には、人材教育をこれまで以上に強化するとともに、これまで築き上げてきた事業基盤を活かしながら、各事業の変革と革新に積極的に取り組むことで、模倣困難な優位性の確立を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① SMO事業
当セグメントにおきましては、㈱エシックのグループ化により支援領域や支援地域が拡大するとともに、各社における積極的な施設開拓により、大学病院や専門医療センター等の基幹病院との提携拡大が進んでおり、がんや難治性疾患等の疾患領域の新規受託が好調に推移しています。製薬企業の開発パイプラインの件数は例年に比べ若干の減少がみられるものの、当社グループが支援する臨床試験の件数は堅調に推移しており、その中でも特にがん・腎疾患領域の割合が伸びています。難治性疾患を中心に臨床試験が複雑化かつ高度化していることに伴い、より高品質なサービス提供を進めるとともに、支援内容に応じた適切な受託単価の設定により収益向上を図っています。また、グループシナジーを活かした試験支援や確実な実績の積み重ねにより、臨床薬理試験の受託も堅調に推移しています。
その結果、売上高は3,746百万円(前年同四半期比30.1%増)、営業利益は1,185百万円(前年同四半期比41.1%増)となりました。
② CRO事業
当セグメントにおきましては、当社グループの主要海外拠点である南オーストラリア州のCMAX CLINICAL RESEARCH PTY LTDを中心とした事業拡大を図っています。当第1四半期までは、前期において受託した新規試験の開始件数が減少していましたが、積極的な営業活動を進めている日本を含むアジア地域の製薬企業等からの新規受託が増加しており、とくに下期に開始が予定されている早期臨床試験の受託が順調に進んでいます。国内においては、企業主導の臨床試験支援を行うとともに、大学での難治性疾患等の医師主導型治験・臨床研究支援を行っており、当社グループの注力領域である先端医療製品等の臨床試験支援へと事業拡大を図っています。
その結果、売上高は543百万円(前年同四半期比21.2%減)、営業損失は21百万円(前年同四半期は営業利益40百万円)となりました。
③ 先端医療事業
当セグメントにおきましては、研究用のiPS細胞作製キットの販売が堅調に推移するとともに、センダイウイルスベクターを用いたiPS細胞を作製する技術の特許実施許諾に関わる引き合いが増加しています。また、複数の企業や研究機関と、創薬スクリーニングや各種分化細胞の誘導を目的とした共同研究を積極的に実施することで、センダイウイルスベクターを用いた事業機会を創出し、基盤技術の利用拡大を推進しています。センダイウイルスベクターをはじめとした当社グループのベクター技術を用いた研究開発は活発化しており、それらに関する研究論文等の公表が進むとともに、大手製薬企業による当社グループの技術をもとにした開発の実施等も報告されています。
GMPベクター製造施設・CPCにおいては、国内外の製薬企業・研究機関・バイオベンチャー等からの臨床用ベクターの製造や細胞培養等の受託件数が堅調に伸びており、臨床試験に用いられる遺伝子治療製剤の受託製造等も進んでいます。また、医療機関において提供される第三種再生医療等に用いられる細胞の培養受託も開始しました。製造体制や品質の更なる強化を図りながら、当社グループのSMO事業がもつ医療機関とのネットワーク等を活かすことで、同様の案件を積極的に受託し、製造実績を積み重ねてまいります。
開発を進めている虚血肢治療製剤については、日本、オーストラリア、および中国での臨床試験を推進しており、中国においても第I相臨床試験における投与が開始されています。引き続き早期上市に向けた環境整備等を進めてまいります。
その結果、売上高は144百万円(前年同四半期比62.4%増)、営業損失は50百万円(前年同四半期は営業損失62百万円)となりました。
④ メディカルサポート事業
当セグメントにおきましては、開発事業者や不動産会社などと連携して、駅からのアクセスや地域の医療機関の需要など、様々な条件を満たす主に新築の物件を厳選し、クリニックモールを開設しています。また、クリニックモールでの開業を検討する医師に対して開業支援を手がけるとともに、開業後の医療機関に臨床試験を紹介するなどその経営を多角的に支援しており、収益は堅調に推移しています。
さらにクリニックモール事業で培ったネットワークや不動産取引のノウハウを活かして不動産事業を手がけております。規模の拡大等により長期化しているプロジェクトについては、平成31年3月期での成約を目指して引き続き推進してまいります。
その結果、売上高は321百万円(前年同四半期比23.3%増)、営業利益64百万円(前年同四半期比23.3%増)となりました。
⑤ その他
その他の事業におきましては、上記以外の事業等により、売上高は6百万円(前年同四半期比4.7%増)、営業利益は29百万円(前年同四半期は営業損失30百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、38百万円増加し、2,422百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、241百万円(前年同四半期は973百万円の取得)となりました。これは、法人税の支払額264百万円、税金等調整前四半期純利益706百万円の計上が主な原因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、5百万円(前年同四半期は490百万円の取得)となりました。これは、貸付による支出141百万円、貸付金の回収による収入81百万円及び、定期預金の払戻による収入70百万円が主な原因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、209百万円(前年同四半期は863百万円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入200百万円、長期借入金の返済による支出170百万円、配当金の支払116百万円が主な原因となっております。
(3)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、56百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
医療業界は世界的に治療技術の発展が目覚ましい状況が続いています。遺伝子治療は免疫不全症・血液系疾患・代謝異常症などの難治性疾患に対する革新的な治療法として注目され、再生医療分野では患者様を対象とした臨床試験が世界の複数国で開始されています。そのような世界的な潮流の中で、当社グループは、新しい医療技術・医薬品の開発に貢献すべく、再生医療等の領域において技術開発を推進するとともに、医薬品等の臨床開発を多角的に支援しています。
創業以来の中核事業であるSMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)事業におきましては、製薬企業の医薬品の開発ニーズが、がんやその他の希少疾患に変化してきているとともに、医薬品・医療機器等の開発のグローバル化、開発期間の短縮化、ならびに開発手法の変化等により臨床試験に対するニーズも多様化してきています。このような市場環境の変化に対応すべく、CRC(臨床研究コーディネーター)の質を高めるため、教育研修制度や社内認定制度等の充実を図るとともに、積極的なM&Aや業務提携により、高度専門医療機関を中心とした医療機関との提携を広げています。平成29年6月にグループ化した㈱エシックとの相乗効果等により、地域中核病院との提携やがん・腎疾患領域を中心として支援領域の拡大が進んでいます。
CRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)事業では、オーストラリアを核として、欧米や日本を含むアジア・オセアニア地域の製薬企業等の医薬品開発を支援しています。南オーストラリア州において臨床試験実施施設を運営するCMAX CLINICAL RESEARCH PTY LTDでは、グローバルな大規模臨床試験や被験薬をヒトに対して世界で初めて投与するFIH(First In Human)試験を含む早期臨床試験等の支援を行っており、その豊富な実績とサービスの品質が国際的に高く評価されています。
先端医療事業では、臨床用および研究用のiPS細胞作製キットCytoTune®-iPSを全世界で販売するとともに、茨城県つくば市にあるGMP(Good Manufacturing Practice:医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準)ベクター製造施設・CPC(Cell Processing Center:細胞培養加工施設)において、医薬品製造受託機関として、臨床用ベクター・遺伝子治療製剤・再生医療等製品を受託製造しています。また、基盤技術として持つセンダイウイルスベクター等のベクター技術を用いた遺伝子治療製剤等の研究開発を進めています。
メディカルサポート事業においては、クリニックモールの開設・運営を通じて患者様の利便を図り通院の負担を軽減する医療環境の提案を行っています。医療機関・薬局などに対しては、新規開業のための診療圏の調査や物件紹介等を行うことに加え、グループの知見を活かし、クリニックの開業を目指す医師を強力にサポートしています。
その結果、当第2四半期連結累計期間においては、売上高は4,762百万円(前年同四半期比21.4%増)、営業利益は694百万円(前年同四半期比36.0%増)、経常利益は705百万円(前年同四半期比26.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は539百万円(前年同四半期比56.5%減)となりました。
当社グループでは、SMO事業およびCRO事業において安定した売上・利益を確保するとともに、当社グループの保有する知的資産や各事業間の相乗効果を最大限に活用することで、グループの更なる発展に向けて各事業を推進しています。今後中期的には、人材教育をこれまで以上に強化するとともに、これまで築き上げてきた事業基盤を活かしながら、各事業の変革と革新に積極的に取り組むことで、模倣困難な優位性の確立を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① SMO事業
当セグメントにおきましては、㈱エシックのグループ化により支援領域や支援地域が拡大するとともに、各社における積極的な施設開拓により、大学病院や専門医療センター等の基幹病院との提携拡大が進んでおり、がんや難治性疾患等の疾患領域の新規受託が好調に推移しています。製薬企業の開発パイプラインの件数は例年に比べ若干の減少がみられるものの、当社グループが支援する臨床試験の件数は堅調に推移しており、その中でも特にがん・腎疾患領域の割合が伸びています。難治性疾患を中心に臨床試験が複雑化かつ高度化していることに伴い、より高品質なサービス提供を進めるとともに、支援内容に応じた適切な受託単価の設定により収益向上を図っています。また、グループシナジーを活かした試験支援や確実な実績の積み重ねにより、臨床薬理試験の受託も堅調に推移しています。
その結果、売上高は3,746百万円(前年同四半期比30.1%増)、営業利益は1,185百万円(前年同四半期比41.1%増)となりました。
② CRO事業
当セグメントにおきましては、当社グループの主要海外拠点である南オーストラリア州のCMAX CLINICAL RESEARCH PTY LTDを中心とした事業拡大を図っています。当第1四半期までは、前期において受託した新規試験の開始件数が減少していましたが、積極的な営業活動を進めている日本を含むアジア地域の製薬企業等からの新規受託が増加しており、とくに下期に開始が予定されている早期臨床試験の受託が順調に進んでいます。国内においては、企業主導の臨床試験支援を行うとともに、大学での難治性疾患等の医師主導型治験・臨床研究支援を行っており、当社グループの注力領域である先端医療製品等の臨床試験支援へと事業拡大を図っています。
その結果、売上高は543百万円(前年同四半期比21.2%減)、営業損失は21百万円(前年同四半期は営業利益40百万円)となりました。
③ 先端医療事業
当セグメントにおきましては、研究用のiPS細胞作製キットの販売が堅調に推移するとともに、センダイウイルスベクターを用いたiPS細胞を作製する技術の特許実施許諾に関わる引き合いが増加しています。また、複数の企業や研究機関と、創薬スクリーニングや各種分化細胞の誘導を目的とした共同研究を積極的に実施することで、センダイウイルスベクターを用いた事業機会を創出し、基盤技術の利用拡大を推進しています。センダイウイルスベクターをはじめとした当社グループのベクター技術を用いた研究開発は活発化しており、それらに関する研究論文等の公表が進むとともに、大手製薬企業による当社グループの技術をもとにした開発の実施等も報告されています。
GMPベクター製造施設・CPCにおいては、国内外の製薬企業・研究機関・バイオベンチャー等からの臨床用ベクターの製造や細胞培養等の受託件数が堅調に伸びており、臨床試験に用いられる遺伝子治療製剤の受託製造等も進んでいます。また、医療機関において提供される第三種再生医療等に用いられる細胞の培養受託も開始しました。製造体制や品質の更なる強化を図りながら、当社グループのSMO事業がもつ医療機関とのネットワーク等を活かすことで、同様の案件を積極的に受託し、製造実績を積み重ねてまいります。
開発を進めている虚血肢治療製剤については、日本、オーストラリア、および中国での臨床試験を推進しており、中国においても第I相臨床試験における投与が開始されています。引き続き早期上市に向けた環境整備等を進めてまいります。
その結果、売上高は144百万円(前年同四半期比62.4%増)、営業損失は50百万円(前年同四半期は営業損失62百万円)となりました。
④ メディカルサポート事業
当セグメントにおきましては、開発事業者や不動産会社などと連携して、駅からのアクセスや地域の医療機関の需要など、様々な条件を満たす主に新築の物件を厳選し、クリニックモールを開設しています。また、クリニックモールでの開業を検討する医師に対して開業支援を手がけるとともに、開業後の医療機関に臨床試験を紹介するなどその経営を多角的に支援しており、収益は堅調に推移しています。
さらにクリニックモール事業で培ったネットワークや不動産取引のノウハウを活かして不動産事業を手がけております。規模の拡大等により長期化しているプロジェクトについては、平成31年3月期での成約を目指して引き続き推進してまいります。
その結果、売上高は321百万円(前年同四半期比23.3%増)、営業利益64百万円(前年同四半期比23.3%増)となりました。
⑤ その他
その他の事業におきましては、上記以外の事業等により、売上高は6百万円(前年同四半期比4.7%増)、営業利益は29百万円(前年同四半期は営業損失30百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、38百万円増加し、2,422百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、241百万円(前年同四半期は973百万円の取得)となりました。これは、法人税の支払額264百万円、税金等調整前四半期純利益706百万円の計上が主な原因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、5百万円(前年同四半期は490百万円の取得)となりました。これは、貸付による支出141百万円、貸付金の回収による収入81百万円及び、定期預金の払戻による収入70百万円が主な原因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、209百万円(前年同四半期は863百万円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入200百万円、長期借入金の返済による支出170百万円、配当金の支払116百万円が主な原因となっております。
(3)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、56百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。