有価証券報告書-第27期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
(2)経営成績
当社グループは、創業以来の中核事業であるSMO事業及びCRO事業の拡大を推進するとともに、グループ戦略として、SMO事業及びCRO事業で創出される資金を原資として、先端医療事業及び創薬事業における医薬品や先端医療技術の開発、メディカルサポート事業のノウハウを活かした設備投資等を行うことで、各事業の事業基盤を強化し、多様化・高度化する市場の要求に応えることができる製品・サービスの品質向上及び研究開発力の強化を実現しています。
引き続き変革と革新に取り組み、グループシナジーをさらに拡大し競争優位性を高めることで、さらなる飛躍に向けた中長期的な企業価値の向上にも取り組んでいます。
当連結会計年度においては、SMO事業において、基幹病院との提携拡大及びがんや難治性疾患を含むあらゆる疾患領域の試験の受託が可能な体制を整備したことにより、安定した収益拡大の基盤を構築しています。一方で、第4四半期に実施を予定していた複数の短期収益型の大型案件において、治験依頼者による試験開始時期の見直しや準備段階の遅延等により、実施時期の後ろ倒し及び期ズレが発生しました。
CRO事業においては、海外の臨床試験実施施設における新規試験の受託が大きく増加し、海外事業の業績が伸長しました。また、国内事業においても受託業務の拡大や統計解析分野のさらなる強化などの取り組みにより医師主導治験をはじめとした新規試験の受託が増加しており、業績が拡大しています。
先端医療事業及び創薬事業では、上記グループ戦略に基づきSMO事業及びCRO事業で創出される資金を原資として、ワクチンやバイオシミラー等の研究開発を推進しています。当連結会計年度においては、ワクチン開発における第Ⅰ相試験の実施に加え、バイオシミラーの開発において国際共同第Ⅲ相試験を開始し、同試験が計画よりも早く進捗したことにより、創薬開発にかかる費用が集中して発生しました。
その結果、売上高は17,740百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は1,134百万円(前年同期比68.8%減)、経常利益は1,769百万円(前年同期比46.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,415百万円(前年同期比44.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
SMO事業
当セグメントにおきましては、引き続きアンメット・メディカル・ニーズの高いがんや難治性疾患等の疾患領域の開発が増加しているため、専門医療センターや大学病院等の基幹病院との提携を拡大し、あらゆる疾患領域の試験の受託が可能な体制構築を推進しています。また、がんや難治性疾患等の試験と比較して1試験あたりの規模が大きいプライマリー領域の試験の受託も推進しており、当連結会計年度においては、前期(2023年3月期)に受託した案件及び新規に受託し開始した案件が順調に進捗し、業績に寄与しました。
一方で、第4四半期に実施を予定していた複数の短期収益型の大型案件において、治験依頼者による試験開始時期の見直しや準備段階の遅延等により、実施時期の後ろ倒し及び期ズレが発生しました。
医薬品・医療機器等の開発はグローバル化や開発期間の短縮化が進むとともに、開発手法の変化により、臨床試験に対するニーズの多様化が続いており、当社グループのSMO事業では、医薬品開発を取り巻く環境の変化及び複雑化・高度化する臨床試験に迅速かつ柔軟に対応するため、より一層の人材教育の徹底を図っています。
その結果、売上高は8,698百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は3,506百万円(前年同期比33.2%減)となりました。
CRO事業
当セグメントにおきましては、日本・オーストラリア両国にて保有する臨床試験実施施設において、欧米や日本を含むアジア・オセアニア地域の製薬企業等の早期段階の医薬品開発を支援しています。また、国内において、国内外の製薬企業の臨床試験や申請業務等の支援を行うとともに、医師主導治験や臨床研究の支援を行っています。
当連結会計年度においては、海外の臨床試験実施施設における新規試験の受託が大きく増加し、業績が伸長しました。
国内の臨床試験実施施設や開発業務支援事業では、受託業務の拡大や統計解析分野の強化に継続的に取り組んでおり、医師主導治験をはじめとする複数の新規試験を受託するなど、事業基盤の強化によって業績が拡大しています。
その結果、売上高は6,365百万円(前年同期比17.6%増)、営業利益は489百万円(前年同期比747.3%増)となりました。
先端医療事業
当セグメントにおきましては、iPS細胞作製キット「Cyto Tune-iPS」のライセンス事業が堅調に推移しており、国内外の企業とのライセンス契約により、基盤技術であるセンダイウイルスベクターを用いた新たな事業機会の創出に取り組んでいます。
また、ワクチン開発において第Ⅰ相試験を実施し、国内初となるウイルスベクターワクチンの実用化を目指しています。
さらに、iPS細胞培養上清液を化粧品原料として使用した「iPSスーパーネイタントアプリケーション」の販売が堅調に推移するとともに、同原料を用いた製品のOEM(受託製造)の受託が拡大し業績に寄与いたしました。
当セグメントでは、ワクチン開発をはじめとする研究開発に注力しており、その経費が引き続き発生しておりますが、当セグメントにおける開発以外の各事業の推進により収益の改善を図っています。
その結果、売上高は1,549百万円(前年同期比6.2%増)、営業損失は133百万円(前年同期は営業利益35百万円)となりました。
創薬事業
当セグメントにおきましては、海外の大手製薬企業とのライセンス契約に基づき、バイオシミラーの国内共同開発を進めています。
バイオシミラー開発においては、実施中の国際共同第Ⅲ相試験において目標症例数の登録が完了するなど、2027年度の上市を目指し開発を進めています。また、実施中の臨床試験だけでなく、様々な可能性の検討にも取り組んでおり、それらの開発費用が発生しています。
その結果、営業損失は601百万円(前年同期は営業損失260百万円)となりました。
メディカルサポート事業
当セグメントにおきましては、開発事業者や不動産会社などと連携して、駅からのアクセスや地域の医療機関の需要など、様々な条件を満たす主に新築の物件を厳選してクリニックモールを開設しています。また、クリニックモールでの開業を検討する医師に対して開業支援を手がけるとともに、開業後の医療機関に臨床試験を紹介するなどその経営を多角的に支援しており、収益を確保しています。
また、グループ各社の施設・設備の整備支援を行うなど、グループの各事業の推進をサポートしています。
その結果、売上高は1,100百万円(前年同期比8.1%減)、営業利益は66百万円(前年同期比43.9%減)となりました。
その他
その他の事業におきましては、上記以外の事業等により、売上高は25百万円(前年同期比71.0%減)、営業損失は256百万円(前年同期は営業損失80百万円)となりました。
(注) 売上高は外部取引のみの合計であり、セグメントの営業利益は、セグメント間の内部取引による利益を含んだ合計であります。
生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額は販売価格によっております。
3 CRO事業、先端医療事業、創薬事業、メディカルサポート事業及びその他は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 CRO事業、先端医療事業、創薬事業、メディカルサポート事業及びその他は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の販売先がないため、記載を省略しております。
3 創薬事業は、販売実績がないため記載しておりません。
(3)財政状態
総資産につきましては、前連結会計年度末より2,018百万円増加し、37,148百万円となりました。これは売掛金
及び建設仮勘定が増加した一方、現金及び預金並びに投資有価証券が減少したことが主な要因となっております。
負債につきましては、前連結会計年度末より1,401百万円増加し、24,375百万円となりました。これは借入金が増加したことが主な要因となっております。
純資産につきましては、前連結会計年度末より617百万円増加し、12,772百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が主な要因となっております。
セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。
SMO事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて564百万円増加し、7,207百万円となりました。これは現金及び預金が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて241百万円増加し、2,164百万円となりました。これは買掛金が増加したことが主な要因となっております。
CRO事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて1,092百万円増加し、5,494百万円となりました。これは売掛金が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて778百万円増加し、4,244百万円となりました。これは契約負債が増加したことが主な要因となっております。
先端医療事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて456百万円減少し、2,266百万円となりました。これば現金及び預金が減少したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて300百万円減少し、2,148百万円となりました。これは前受金が減少したことが主な要因となっております。
メディカルサポート事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて1,795百万円増加し、10,673百万円となりました。これは土地及び建設仮勘定が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて2,008百万円増加し、11,812百万円となりました。これは長期借入金が増加したことが主な要因となっております。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末のキャッシュ・フローについては、営業活動により446百万円増加し、投資活動により2,783百万円減少し、財務活動により163百万円増加した結果、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、期首残高9,372百万円よりも2,147百万円減少し、7,224百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、446百万円(前年同期は3,561百万円の取得)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益の計上1,966百万円、売上債権の増加額976百万円及び法人税等の支払額577百万円が主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,783百万円(前年同期は4,842百万円の支出)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出4,025百万円及び有形固定資産の売却による収入1,149百万円が主な要因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、163百万円(前年同期は4,256百万円の取得)となりました。
これは、長期借入金の借入による収入3,279百万円、長期借入金の返済による支出2,048百万円及び配当金の支払額845百万円が主な要因となっております。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの資金状況における運転資金及び設備投資資金につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等からの借入金により資金調達をしております。資金計画につきましては営業活動により得られた資金を有効活用しております。当社は、当事業年度末現在の現金及び現金同等物、今後の営業活動によって得られるキャッシュ・フロー並びに既存の調達による資金が、当面の営業活動を維持するのに十分な水準であると考えております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
(2)経営成績
当社グループは、創業以来の中核事業であるSMO事業及びCRO事業の拡大を推進するとともに、グループ戦略として、SMO事業及びCRO事業で創出される資金を原資として、先端医療事業及び創薬事業における医薬品や先端医療技術の開発、メディカルサポート事業のノウハウを活かした設備投資等を行うことで、各事業の事業基盤を強化し、多様化・高度化する市場の要求に応えることができる製品・サービスの品質向上及び研究開発力の強化を実現しています。
引き続き変革と革新に取り組み、グループシナジーをさらに拡大し競争優位性を高めることで、さらなる飛躍に向けた中長期的な企業価値の向上にも取り組んでいます。
当連結会計年度においては、SMO事業において、基幹病院との提携拡大及びがんや難治性疾患を含むあらゆる疾患領域の試験の受託が可能な体制を整備したことにより、安定した収益拡大の基盤を構築しています。一方で、第4四半期に実施を予定していた複数の短期収益型の大型案件において、治験依頼者による試験開始時期の見直しや準備段階の遅延等により、実施時期の後ろ倒し及び期ズレが発生しました。
CRO事業においては、海外の臨床試験実施施設における新規試験の受託が大きく増加し、海外事業の業績が伸長しました。また、国内事業においても受託業務の拡大や統計解析分野のさらなる強化などの取り組みにより医師主導治験をはじめとした新規試験の受託が増加しており、業績が拡大しています。
先端医療事業及び創薬事業では、上記グループ戦略に基づきSMO事業及びCRO事業で創出される資金を原資として、ワクチンやバイオシミラー等の研究開発を推進しています。当連結会計年度においては、ワクチン開発における第Ⅰ相試験の実施に加え、バイオシミラーの開発において国際共同第Ⅲ相試験を開始し、同試験が計画よりも早く進捗したことにより、創薬開発にかかる費用が集中して発生しました。
その結果、売上高は17,740百万円(前年同期比3.3%減)、営業利益は1,134百万円(前年同期比68.8%減)、経常利益は1,769百万円(前年同期比46.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,415百万円(前年同期比44.3%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
SMO事業
当セグメントにおきましては、引き続きアンメット・メディカル・ニーズの高いがんや難治性疾患等の疾患領域の開発が増加しているため、専門医療センターや大学病院等の基幹病院との提携を拡大し、あらゆる疾患領域の試験の受託が可能な体制構築を推進しています。また、がんや難治性疾患等の試験と比較して1試験あたりの規模が大きいプライマリー領域の試験の受託も推進しており、当連結会計年度においては、前期(2023年3月期)に受託した案件及び新規に受託し開始した案件が順調に進捗し、業績に寄与しました。
一方で、第4四半期に実施を予定していた複数の短期収益型の大型案件において、治験依頼者による試験開始時期の見直しや準備段階の遅延等により、実施時期の後ろ倒し及び期ズレが発生しました。
医薬品・医療機器等の開発はグローバル化や開発期間の短縮化が進むとともに、開発手法の変化により、臨床試験に対するニーズの多様化が続いており、当社グループのSMO事業では、医薬品開発を取り巻く環境の変化及び複雑化・高度化する臨床試験に迅速かつ柔軟に対応するため、より一層の人材教育の徹底を図っています。
その結果、売上高は8,698百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は3,506百万円(前年同期比33.2%減)となりました。
CRO事業
当セグメントにおきましては、日本・オーストラリア両国にて保有する臨床試験実施施設において、欧米や日本を含むアジア・オセアニア地域の製薬企業等の早期段階の医薬品開発を支援しています。また、国内において、国内外の製薬企業の臨床試験や申請業務等の支援を行うとともに、医師主導治験や臨床研究の支援を行っています。
当連結会計年度においては、海外の臨床試験実施施設における新規試験の受託が大きく増加し、業績が伸長しました。
国内の臨床試験実施施設や開発業務支援事業では、受託業務の拡大や統計解析分野の強化に継続的に取り組んでおり、医師主導治験をはじめとする複数の新規試験を受託するなど、事業基盤の強化によって業績が拡大しています。
その結果、売上高は6,365百万円(前年同期比17.6%増)、営業利益は489百万円(前年同期比747.3%増)となりました。
先端医療事業
当セグメントにおきましては、iPS細胞作製キット「Cyto Tune-iPS」のライセンス事業が堅調に推移しており、国内外の企業とのライセンス契約により、基盤技術であるセンダイウイルスベクターを用いた新たな事業機会の創出に取り組んでいます。
また、ワクチン開発において第Ⅰ相試験を実施し、国内初となるウイルスベクターワクチンの実用化を目指しています。
さらに、iPS細胞培養上清液を化粧品原料として使用した「iPSスーパーネイタントアプリケーション」の販売が堅調に推移するとともに、同原料を用いた製品のOEM(受託製造)の受託が拡大し業績に寄与いたしました。
当セグメントでは、ワクチン開発をはじめとする研究開発に注力しており、その経費が引き続き発生しておりますが、当セグメントにおける開発以外の各事業の推進により収益の改善を図っています。
その結果、売上高は1,549百万円(前年同期比6.2%増)、営業損失は133百万円(前年同期は営業利益35百万円)となりました。
創薬事業
当セグメントにおきましては、海外の大手製薬企業とのライセンス契約に基づき、バイオシミラーの国内共同開発を進めています。
バイオシミラー開発においては、実施中の国際共同第Ⅲ相試験において目標症例数の登録が完了するなど、2027年度の上市を目指し開発を進めています。また、実施中の臨床試験だけでなく、様々な可能性の検討にも取り組んでおり、それらの開発費用が発生しています。
その結果、営業損失は601百万円(前年同期は営業損失260百万円)となりました。
メディカルサポート事業
当セグメントにおきましては、開発事業者や不動産会社などと連携して、駅からのアクセスや地域の医療機関の需要など、様々な条件を満たす主に新築の物件を厳選してクリニックモールを開設しています。また、クリニックモールでの開業を検討する医師に対して開業支援を手がけるとともに、開業後の医療機関に臨床試験を紹介するなどその経営を多角的に支援しており、収益を確保しています。
また、グループ各社の施設・設備の整備支援を行うなど、グループの各事業の推進をサポートしています。
その結果、売上高は1,100百万円(前年同期比8.1%減)、営業利益は66百万円(前年同期比43.9%減)となりました。
その他
その他の事業におきましては、上記以外の事業等により、売上高は25百万円(前年同期比71.0%減)、営業損失は256百万円(前年同期は営業損失80百万円)となりました。
(注) 売上高は外部取引のみの合計であり、セグメントの営業利益は、セグメント間の内部取引による利益を含んだ合計であります。
生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
SMO事業 | 8,518 | 85.1 |
合計 | 8,518 | 85.1 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額は販売価格によっております。
3 CRO事業、先端医療事業、創薬事業、メディカルサポート事業及びその他は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
SMO事業 | 7,892 | 68.7 | 11,361 | 93.5 |
合計 | 7,892 | 68.7 | 11,361 | 93.5 |
(注)1 CRO事業、先端医療事業、創薬事業、メディカルサポート事業及びその他は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
SMO事業 | 8,698 | 85.3 |
CRO事業 | 6,365 | 117.6 |
先端医療事業 | 1,549 | 106.2 |
メディカルサポート事業 | 1,100 | 91.9 |
その他 | 25 | 29.0 |
合計 | 17,740 | 96.7 |
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の販売先がないため、記載を省略しております。
3 創薬事業は、販売実績がないため記載しておりません。
(3)財政状態
総資産につきましては、前連結会計年度末より2,018百万円増加し、37,148百万円となりました。これは売掛金
及び建設仮勘定が増加した一方、現金及び預金並びに投資有価証券が減少したことが主な要因となっております。
負債につきましては、前連結会計年度末より1,401百万円増加し、24,375百万円となりました。これは借入金が増加したことが主な要因となっております。
純資産につきましては、前連結会計年度末より617百万円増加し、12,772百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加が主な要因となっております。
セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。
SMO事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて564百万円増加し、7,207百万円となりました。これは現金及び預金が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて241百万円増加し、2,164百万円となりました。これは買掛金が増加したことが主な要因となっております。
CRO事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて1,092百万円増加し、5,494百万円となりました。これは売掛金が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて778百万円増加し、4,244百万円となりました。これは契約負債が増加したことが主な要因となっております。
先端医療事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて456百万円減少し、2,266百万円となりました。これば現金及び預金が減少したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて300百万円減少し、2,148百万円となりました。これは前受金が減少したことが主な要因となっております。
メディカルサポート事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて1,795百万円増加し、10,673百万円となりました。これは土地及び建設仮勘定が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて2,008百万円増加し、11,812百万円となりました。これは長期借入金が増加したことが主な要因となっております。
(4)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末のキャッシュ・フローについては、営業活動により446百万円増加し、投資活動により2,783百万円減少し、財務活動により163百万円増加した結果、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、期首残高9,372百万円よりも2,147百万円減少し、7,224百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、446百万円(前年同期は3,561百万円の取得)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益の計上1,966百万円、売上債権の増加額976百万円及び法人税等の支払額577百万円が主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,783百万円(前年同期は4,842百万円の支出)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出4,025百万円及び有形固定資産の売却による収入1,149百万円が主な要因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、163百万円(前年同期は4,256百万円の取得)となりました。
これは、長期借入金の借入による収入3,279百万円、長期借入金の返済による支出2,048百万円及び配当金の支払額845百万円が主な要因となっております。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの資金状況における運転資金及び設備投資資金につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等からの借入金により資金調達をしております。資金計画につきましては営業活動により得られた資金を有効活用しております。当社は、当事業年度末現在の現金及び現金同等物、今後の営業活動によって得られるキャッシュ・フロー並びに既存の調達による資金が、当面の営業活動を維持するのに十分な水準であると考えております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
自己資本比率(%) | 38.1 | 34.6 | 34.4 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 87.5 | 65.2 | 61.6 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.6 | 4.8 | 41.3 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 25.8 | 25.1 | 2.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。