有価証券報告書-第23期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/25 16:48
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり、重要である会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
この連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産を計上しており、その繰延税金資産の回収可能性がないと考えられる金額については、その資産の帳簿価額を調整するため評価性引当額を設定しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りと税務上の実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、営業債権及び利息を含む金融債権について、顧客の返済能力を考慮し、回収不能額を見積もった上で、貸倒引当金を計上しています。また、特定の顧客について債務の返済が困難であることが明らかになった場合には、債権の担保資産の価格を考慮の上、個別に引当を行います。貸倒引当金の金額に重大な影響を及ぼす状況としては、国内及び主な海外市場の経済状況の悪化や医療関係諸制度の変更に伴い顧客の財政状態が悪化した場合や、債権の担保となっている顧客の資産価値が下落した場合が考えられます。
③ 投資有価証券
当社グループは、毎期末に投資有価証券の評価の見直しを行っております。
その他有価証券のうち時価のあるものについては、決算期末日の市場価格等に基づく時価法によっております(評価差額は、全部純資産直入法により処理し、時価と比較する取得原価は移動平均法により算定)。時価が著しく下落したときは、その回復可能性につきまして、合理的な判断を行うようにしております。
また、その他有価証券のうち時価のないものについては、移動平均法による原価法によっております。実質価額が著しく低下したときは、事業計画等によりその回復可能性につきまして、合理的な判断を行うようにしております。
④ 収益認識
SMO事業収入は、治験の実態等を鑑み、治験症例単位ごとの業務終了に基づく検収基準により計上しております。
(2) 経営成績
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行により、世界中の人々の健康で安全な生活が脅かされており、経済活動の制限等による世界経済への影響など、依然として先行きが不透明な状況が続いています。そのような環境の中、医療業界においては、全世界で新型コロナウイルスに対するワクチンおよび治療薬の開発が待ち望まれており、国内外での研究・開発が急ピッチで進められています。
当社グループにおいても、基盤技術として保有するセンダイウイルスベクターを用いた新型コロナウイルスに対する新規ワクチンの開発を開始いたしました。センダイウイルスベクターを用いたワクチン開発については、これまでに国立感染症研究所や中国の研究機関等と共同で、エイズ(HIV)ワクチンや結核菌ワクチン等の研究開発を進めています。それらの研究開発の成果から、センダイウイルスベクターを用いたワクチンは高い安全性と有効性が期待でき、そのワクチン製造技術は日本やアジアだけでなく世界的に意義深いものであります。
当社グループは、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大や第二波・第三波といった将来の再流行を防ぐための重要な手段として、新型コロナウイルスに対する新規ワクチンの開発を最重点課題として位置付け、当社グループの総力をあげて開発を推進してまいります。
既存の事業においては、パイプラインの一つである虚血肢治療製剤(DVC1-0101)および網膜色素変性治療製剤(DVC1-0401)について、国内外の製薬企業への導出も視野に入れて開発を進めています。また、新たに販売を開始したiPS細胞作製キットCytoTuneEX™-iPSおよび遺伝子改変キットGenoTune™の販売や技術等のライセンス活動により、新たな製品・技術の研究開発を推進しています。さらに、国内および中国において一般用医薬品や医薬部外品、化粧品等の販売を行うEC事業(Electronic Commerce:電子商取引)を開始いたしました。
一方で、新型コロナウイルス感染症の流行により、先端医療事業で推進している細胞バンク事業における海外医療ツーリズムの事業計画の見直しや、SMO事業の一部の臨床試験において新規試験の開始時期の見直しや実施中試験の新規被験者登録の中断などの影響が発生しております。
その結果、売上高は10,593百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は1,207百万円(前年同期比0.9%減)、経常利益は1,149百万円(前年同期比3.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,236百万円(前年同期比35.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
SMO事業
当セグメントにおきましては、医薬品・医療機器等の臨床試験において多様化する手法に対応するとともに、GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)ガイダンスの改正に対応するため、CRC(Clinical Research Coordinator:臨床研究コーディネーター)の教育研修制度や社内認定制度等の充実を継続的に推進しています。また、医薬品開発における疾患領域がアンメット・メディカル・ニーズの高いがんやその他の希少疾患にシフトしているため、がんや腎疾患の専門研修を開始し、大学病院や専門医療センター等の基幹病院との提携を広げております。さらに、臨床試験の複雑化かつ高度化、疾患領域毎・試験毎に異なる手順等、支援内容に応じた適切な受託単価の設定や、アンメット・メディカル・ニーズが高い領域への人的資源の投入を促進することにより、引き続き収益の向上を図っています。
一方で、新型コロナウイルス感染症の流行により、一部の臨床試験において新規試験の開始時期の見直しや実施中試験の新規被験者登録の中断があり、売上高が減少しております。
その結果、売上高は6,250百万円(前年同期比5.8%減)、営業利益は2,318百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
CRO事業
当セグメントにおきましては、日本・オーストラリア両国にて保有する臨床試験実施施設において、欧米や日本を含むアジア・オセアニア地域の製薬企業等の早期段階の医薬品開発を支援しています。
海外においては、新規臨床試験の受託が増加するとともに、開始が延期となっていた試験が順次開始したことにより、売上および利益がそれぞれ対前期比で増加いたしました。
国内においては、早期臨床試験で失注となった大型案件の補填を進めるとともに、医師主導治験や臨床研究の支援、企業主導治験のモニタリング業務等の受託を推進しています。㈱IBERICAのグループ化により、統計解析分野の強みを活かし、アカデミアを中心とした新規臨床試験の受託が拡大しました。また、㈱IDファーマが治験国内管理人である椎間板変性症治療製剤(IDCT-001)の治験業務を受託し、再生医療等製品の開発支援を開始しました。
その結果、売上高は2,495百万円(前年同期比9.3%増)、営業利益は97百万円(前年同期比21.4%減)となりました。
先端医療事業
当セグメントにおきましては、新たに新型コロナウイルスに対する新規ワクチンの開発を開始いたしました。開発を進めている虚血肢治療製剤(DVC1-0101)および網膜色素変性治療製剤(DVC1-0401)については、同製剤を用いた臨床試験を実施している大学病院と、臨床試験の結果等のデータ利用等に関するライセンス契約を締結し、国内外の製薬企業への導出も視野に入れて本品の上市に向けた開発を推進しています。また、褐色脂肪細胞製造技術を用いた褐色脂肪様細胞を臨床で使用するために、提携医療機関と再生医療等の提供にかかる手続きを進めています。
細胞バンク事業については、新型コロナウイルス感染症の流行の影響等で計画の見直しを余儀なくされています。
新たに販売を開始したiPS細胞作製キットCytoTuneEX™-iPSおよび遺伝子改変キットGenoTune™については、販売を促進するとともに技術使用等のライセンスについて国内外の企業やアカデミアと協議を進めており、当社が保有する技術を用いた新たな製品・技術の研究開発を推進しています。
また、国内および中国において一般用医薬品や医薬部外品、化粧品等の販売を行うEC事業を開始いたしました。
その結果、売上高は1,024百万円(前年同期比141.9%増)、営業利益は20百万円(前年同期は営業損失29百万円)となりました。
メディカルサポート事業
当セグメントにおきましては、開発事業者や不動産会社などと連携して、駅からのアクセスや地域の医療需要など、様々な条件を満たす物件を厳選してクリニックモールを開設しています。また、クリニックモールでの開業を検討する医師に対して開業支援を手がけるとともに、開業後の医療機関に臨床試験を紹介するなど、その経営を多角的に支援しており、収益は堅調に推移しています。また、前期は不動産売却による売上がありましたが、今期は販売を予定していた不動産について、安定した賃料収入が見込めることから売却を見直すことといたしました。
その結果、売上高は794百万円(前年同期比34.9%減)、営業利益は200百万円(前年同期比160.6%増)となりました。
その他
その他の事業におきましては、上記以外の事業等により、売上高は29百万円(前年同期比66.3%増)、営業利益は20百万円(前年同期は営業損失8百万円)となりました。
(注)売上高は外部取引のみの合計であり、セグメントの営業利益は、セグメント間の内部取引による利益を含んだ合計であります。
生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
SMO事業6,40789.1
合計6,40789.1

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記金額は販売価格によっております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
4 CRO事業、先端医療事業、メディカルサポート事業、及びその他は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
SMO事業4,93665.77,41985.3
合計4,93665.77,41985.3

(注) 1 上記金額には消費税等は含まれておりません。
2 CRO事業、先端医療事業、メディカルサポート事業、及びその他は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載に馴染まないため、記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高 (百万円)前年同期比(%)
SMO事業6,25094.2
CRO事業2,495109.3
先端医療事業1,024241.9
メディカルサポート事業79465.1
その他29166.3
合計10,593100.1

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、100分の10以上の販売先がないため、記載を省略しております。
(3) 財政状態
総資産につきましては、前連結会計年度末より1,591百万円増加し、15,105百万円となりました。これは、建物および構築物、土地が増加した一方、投資有価証券が減少したことが主な要因となっております。
負債につきましては、前連結会計年度末より488百万円増加し、7,938百万円となりました。これは長期借入金、1年内返済予定の長期借入金が増加したことが主な要因となっております。
純資産につきましては、前連結会計年度末より1,102百万円増加し、7,167百万円となりました。これは、利益剰余金の増加、新株予約権の行使による資本金および資本剰余金が増加したことが主な要因となっております。
セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。
SMO事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて13百万円増加し、3,604百万円となりました。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて336百万円減少し、1,959百万円となりました。これは短期借入金が減少したことが主な要因となっております。
CRO事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて669百万円増加し、2,443百万円となりました。これは売掛金及び有形固定資産が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて1,118百万円増加し、1,738百万円となりました。これはリース債務が増加したことが主な要因となっております。
先端医療事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて690百万円増加し、1,577百万円となりました。これは売掛金及び投資有価証券が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて697百万円増加し、918百万円となりました。これは短期借入金が増加したことが主な要因となっております。
メディカルサポート事業
当セグメント資産は、前連結会計年度末と比べて904百万円増加し、5,069百万円となりました。これは建物及び構築物が増加したことが主な要因となっております。
当セグメント負債は、前連結会計年度末と比べて758百万円増加し、4,004百万円となりました。これは短期借入金が増加したことが主な要因となっております。
(4) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末のキャッシュ・フローについては、営業活動により637百万円増加し、投資活動により1,542百万円減少し、財務活動により258百万円増加した結果、現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、期首残高2,816百万円よりも642百万円減少し、2,174百万円(前年同期比22.8%減)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、637百万円(前年同期は504百万円の取得)となりました。
これは、税金等調整前当期純利益の計上1,127百万円が主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,542百万円(前年同期は2,216百万円の支出)となりました。
これは、有形固定資産の取得による支出1,401百万円、投資有価証券の売却による収入729百万円が主な要因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、258百万円(前年同期は2,148百万円の取得)となりました。
これは、長期借入金の借入による収入2,690百万円、長期借入金の返済による支出2,090百万円が主な要因となっております。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループの資金状況における運転資金及び設備投資資金につきましては、主として営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行等からの借入金により資金調達をしております。資金計画につきましては営業活動により得られた資金を有効活用しております。当社は、当事業年度末現在の現金及び現金同等物、今後の営業活動によって得られるキャッシュ・フロー並びに既存の調達による資金が、当面の営業活動を維持するのに十分な水準であると考えております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)50.444.547.2
時価ベースの自己資本比率(%)318.5128.6101.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.510.48.9
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)37.29.98.6

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利息を支払っている全ての負債を対象としております。

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