有価証券報告書-第23期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/29 12:35
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文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績等の概要
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国の経済は、国際情勢の不安定さが増すなかで景気下振れリスクが懸念されたものの、全体では緩やかな回復基調が続きました。当社グループにとって重要な市場であるEC市場においては、平成28年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は15.1兆円と前年比9.9%増加し、全ての商取引における、ECによる取引の割合を示す「EC化率」についても前年から0.68ポイント上昇して5.43%となりました。(経済産業省「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」より抜粋)
このような状況の下、当社グループは、“メールアプリケーションソフトのエイジア”から、“eコマースの売上UPソリューション(アプリケーションソフトと関連サービスを組み合わせたもの)を世界に提供するエイジア”へ事業領域を拡大し、売上・利益の増大を図っております。
当社株式は平成29年12月22日に、東京証券取引所市場第一部銘柄に指定されました。これもひとえに、株主の皆様をはじめ、お取引先様など、多くの関係者の皆様の温かいご支援の賜物と深く感謝申し上げます。
当社は本件を記念し、当連結会計年度の期末配当金として、1株当たり2.5円の記念増配を実施させていただくことを同日に発表いたしました。期末配当金は普通配当15.5円と合わせて18.0円となります。
更には、9期連続の増収、これにともなう過去最高益を計上することができました。
当連結会計年度では、以下の施策に重点的に取り組みました。
①製品開発の強化
当連結会計年度においては、「WEBCASシリーズ」の中で4製品のメジャーバージョンアップを目標に取り組んでおり、うち3製品は計画通り開発が進みましたが「WEBCAS Auto Relations」のメジャーバージョンアップに関しては、開発途中に新たな仕様を追加したために開発完了時期を延伸いたしました。
また、AIのマーケティング活用に関する実証実験を既存大手顧客3社と取り組むプロジェクトを進行しております。最初に取り組んだ顧客との実証実験では配信時間の最適化を目的としたAIの活用に取り組みました。結果、配信時間を最適化することの効果が確認でき、AIアルゴリズム自体の改善を更に推し進め、現在2社目との実証実験準備に着手している状況です。
これらのプロジェクトと並行し、別の既存大手顧客より要望があり、平成30年3月5日にユーザー一人ひとりの感性を学習するパーソナル人工知能「SENSY」を開発する慶應大発AIベンチャー・SENSY株式会社との業務提携を発表し、WEBCASとパーソナル人工知能「SENSY」との連携開発に着手いたしました。
②クラウドサービス(ASP・SaaS)※1の強化
成長のために必要な投資を維持・強化し、事業領域の拡大に伴い発生するリスクに耐えうる収益力を確保するため、アプリケーション事業において、利益率と売上継続性(ストック性)の高いクラウドサービスの販売増強に引き続き注力すべく活動しております。なお、当社には、同一環境を複数の顧客が共同利用する「ASP型」と、顧客専用環境を準備する高価格帯のクラウドサービス「SaaS型」の提供形態があります。
平成29年5月30日には、LINEを活用したマーケティングを加速させるフィードフォース社の「Next ID Alliance」に参加し顧客IDとLINE IDを連携しOne to Oneコミュニケーションを実現するソリューションの提供が可能となりました。
また、当社が2011年8月に資本業務提携したナレッジスイート株式会社(旧社名:ブランドダイアログ株式会社)が平成29年12月18日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場いたしました。同社とは、当社が出資し、両社の提供するアプリケーションを連携したソリューションを提供してまいりました。これまでの共同開発の実績やパートナーシップを生かし、今後もより一層両社のサービス向上、企業価値向上に努めてまいります。
以上の結果、売上継続性(ストック性)の高いクラウドサービスの月額利用料の推移は以下のとおりです。
■ASP型の月額利用料売上の推移(金額単位:千円)
※第3四半期においては、スポットで約10百万円の超過料金が発生しております。
※第4四半期においては、スポットで約13百万円の超過料金が発生しております。
■SaaS型の月額利用料売上の推移(金額単位:千円)
これらの取り組みの結果、クラウドサービス全体の売上高は93,178千円増加(前年同期比12.1%増)し、862,795千円となりました。アプリケーション事業全体については、後述セグメントの業績をご参照ください。
(単位:千円)
平成28年3月期平成29年3月期平成30年3月期
クラウドサービス売上高659,181769,616862,795
前期比増減額+105,093+110,435+93,178
前期比増減率+19.0%+16.8%+12.1%

利益につきましては、上記に加えて、新卒入社社員の戦力化が進み中途採用計画を縮小することができ人件費や採用費が効率化したこと、広告宣伝施策の見直しにより費用が低減できたことが主な利益増加要因となりました。
また、保有有価証券の売却益による特別利益が47,905千円、別の保有有価証券の評価損、不要となった固定資産の除却損により特別損失59,449千円を計上いたしました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度においては、売上高1,523,021千円(前年同期比14.5%増)、営業利益348,214千円(前年同期比21.3%増)、経常利益361,931千円(前年同期比24.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益236,283千円(前年同期比33.6%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
①アプリケーション事業
上述のとおり当連結会計年度では、製品開発の強化とクラウドサービスの強化に取り組んでまいりました。また、中期的な成長ドライバーを育成すべく「人工知能のマーケティング活用」実証実験を進めてまいりました。
更には、ライセンス販売型の案件も順調に推移いたしました。
これらの取り組みの結果、アプリケーション事業全体の売上高は1,228,794千円(前年同期比9.2%増)、売上高総利益率71.8%(前年同期比+0.4ポイント)となりました。
②コンサルティング事業
従来からのメールコンテンツ企画・制作を主としたコンサルティングサービスの売上高が前年比36.1%増と堅調に推移するとともに、Web制作を主としたデザインサービスの売上高が前年比70.0%増(約1.7倍)と大幅に増加いたしました。
子会社FUCA(フーカ)が昨年度より推進してきたWebの戦略提案から入る営業施策、体制構築が奏功し子会社FUCA単体では前年同期比49.7%増(約1.5倍)となり連結業績に寄与いたしました。
これらの取り組みの結果、コンサルティング事業全体の売上高は272,367千円(前年同期比49.2%増)、売上高総利益率19.4%(前年同期比+1.8ポイント)となりました。
③オーダーメイド開発事業
当該セグメントは、重点施策①「製品開発の強化」を推進するべく社内エンジニアリソースをアプリケーション事業に集中させたため、従前より新規の受注活動を積極的には展開せず、従来の利益率の高い案件を継続していく活動をいたしました。
その結果、オーダーメイド開発事業全体の売上高は21,859千円(前年同期比3.6%減)、売上高総利益率39.2%(前年同期比△20.6ポイント)となりました。
セグメント別売上高及び売上高総利益率
平成29年3月期平成30年3月期
金額・利益率構成比金額・利益率構成比
アプリケーション事業売上高(千円)1,125,15184.6%1,228,79480.7%
売上高総利益率71.4%-71.8%-
コンサルティング事業売上高(千円)182,58613.7%272,36717.9%
売上高総利益率17.6%-19.4%-
オーダーメイド開発事業売上高(千円)22,6871.7%21,8591.4%
売上高総利益率59.8%-39.2%-
合計売上高(千円)1,330,425100.0%1,523,021100.0%
売上高総利益率63.8%-61.9%-

※1 クラウドサービス(ASP・SaaS)
ソフトウェア提供者(この場合、当社グループ)が管理するサーバー上で稼動しているソフトウェアを、ユーザー企業がインターネット経由でサービスとして利用する形態です。ユーザー企業は、サーバー・ソフトウェアの管理やライセンス費用の負担なく、毎月の使用料を支払うことで、比較的安価な利用が可能となります。
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて345,521千円増加し、1,851,111千円(前連結会計年度末比22.9%増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が243,283千円増加したことにより234,090千円増加いたしました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ有形固定資産が12,536千円減少し、無形固定資産が53,362千円、投資その他の資産が70,605千円それぞれ増加したことにより111,431千円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ52,806千円増加し、352,158千円(前連結会計年度末比17.6%増)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ前受収益が14,031千円減少し、未払法人税等が26,431千円、未払消費税等が13,865千円、未払費用が13,858千円それぞれ増加したことなどにより46,241千円増加いたしました。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ長期前受収益が5,341千円減少し、株式給付引当金が9,489千円、資産除去債務が1,923千円増加したことにより6,565千円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ292,715千円増加し、1,498,953千円(前連結会計年度末比24.3%増)となりました。これは、主に剰余金の配当51,860千円を行った一方で、親会社株主に帰属する当期純利益236,283千円の計上、その他有価証券評価差額金106,294千円増加によるものであります。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて243,283千円増加し、1,122,066千円(前連結会計年度末比27.7%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な発生要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、349,063千円(前年同期比45.9%増)となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益350,387千円によるものであり、主な資金減少要因は、法人税等の支払額97,824千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支払われた資金は、54,578千円(前年同期に投資活動の結果支払われた資金167,557千円)となりました。主な資金減少要因は、有形固定資産の取得による支出15,674千円、無形固定資産の取得による支出85,807千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支払われた資金は、51,732千円(前年同期に財務活動の結果支払われた資金122,710千円)となりました。資金減少要因は、配当金の支払額51,732千円によるものであります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
平成28年平成29年平成30年
3月期3月期3月期
自己資本比率(%)81.379.780.6
時価ベースの自己資本比率(%)334.8308.6345.7
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)---
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)---

自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、当連結会計年度における財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
②受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
アプリケーション事業1,266,776+12.352,276+265.7
コンサルティング事業270,562+49.56,715△21.2
オーダーメイド開発事業21,859△3.6--
合計1,559,198+17.158,991+158.6

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替高は含まれておりません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
アプリケーション事業(千円)1,228,794+9.2
コンサルティング事業(千円)272,367+49.2
オーダーメイド開発事業(千円)21,859△3.6
合計(千円)1,523,021+14.5

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費を中心とした製造費用、販売費及び一般管理費等の費用であります。また、継続的なソフトウェアの開発、サーバー等の設備、事業拡大のための株式や事業の取得に関する投資を目的とした資金需要があります。
当該資金については、内部留保による手元資金で十分賄えている状況です。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 業績等の概要 (3)当期のキャッシュ・フローの概況」をご参照ください。
(6)今後の見通し
当社グループは、「“メールアプリケーションソフトのエイジア”から、“eコマース売上UPソリューション(アプリケーションソフトと関連サービスを組み合わせたもの)を世界に提供するエイジア”へ」をスローガンに掲げ、事業領域の拡大を進めております。経済産業省が発表した「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、平成28年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は15.1兆円と前年比9.9%増加し、今後も増加していくものと見込んでおります。
このような状況下、当社は平成29年5月に発表した中期経営計画では「クロスチャネル対応マーケティングプラットフォームの構築」を中期経営ビジョンに掲げ、ターゲットやメッセージ内容に応じて人工知能が最適な手段(e-mailだけでなく、LINEや紙のDMなど)を選択し、消費者にとって「ちょうどよい」コミュニケーションを実現するプラットフォームの構築に取り組んでおります。
中期経営計画の初年度となる平成30年3月期では、上記経営ビジョンの基幹製品として位置付けるWEBCAS Auto Relationsの全面改良に取り組んでおり、平成31年3月期も引き続き取り組んで行く方針です。
そのような戦略方針のもと、平成31年3月期は以下の2点を重点施策としております。
①製品開発の強化
今後主力製品へと成長させるマーケティングオートメーション「WEBCAS Auto Relations」の次期バージョン開発を中心として、売上に直結する開発計画を更新いたしました。平成31年3月期では「WEBCAS Auto Relations」の次期バージョンとしてe-mailに加えてLINEや紙のDMでもメッセージを自動配信できる機能を実装する計画です。また、それに合わせてLINEメッセージ配信「WEBCAS taLk」では、LINEビジネスコネクトだけでなく、LINE@アカウントにも対応できるよう改良する計画です。これにより、顧客企業はe-mail、LINE、紙のDMによるコミュニケーションの最適化をWEBCASワンプラットフォームで実現することができます。
この開発計画にもとづいてエンジニアリソースの調整をはかり、競争優位性が高く品質の高い開発をスピーディに実行してまいります。
②クラウドサービス(SaaS、ASP)の強化
前述の重点施策①「製品開発の強化」と連動した形でプロモーション、営業活動を行い、継続的にクラウドサービスの強化をはかります。具体的には、既存製品の機能改善による製品競争力の強化、新製品サービスや既存製品のバージョンアップ(上記重点施策①)、平成30年3月期まで強化してきた見込案件創出のWebマーケティング手法の維持強化に加えて、平成31年3月期より営業体制を改編・強化し製品問合せに対してよりスピーディかつ的確に対応できる体制に改善し受注率向上をはかります。
更には、マーケティングコンサルティング力の向上をはかり、アプリケーションだけでなく、それを使って実行するマーケティング施策内容が顧客企業の売上アップにつながるようコンサルティングサービスのラインナップを拡充いたします。
以上の状況を鑑み、次期の業績予想を以下の通り見込んでおります。
(%表示は、通期は対前期、第2四半期累計期間は対前年同四半期増減率)
売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する当期純利益1株当たり
当期純利益
百万円%百万円%百万円%百万円%
第2四半期累計期間7859.41606.41602.41057.32576
通期1,70011.642020.642016.027516.46747

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