有価証券報告書-第25期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績等の概要
新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々及びご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表しますとともに、罹患されている方々には改めてお見舞い申し上げます。また、昼夜を問わず新型コロナウイルスの治療にあたられている医療従事者の皆さま、そして社会を支えるために各所で働かれている皆さまに、心から感謝と敬意の念を表します。
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における世界経済は、国際情勢の不安定さが増すなかで景気下振れリスクが懸念され、国内でも各種景気指数の悪化が懸念されました。また第4四半期には、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、世界的に経済活動が自粛され主要国の株式市場は大幅に低迷いたしました。
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度における事業状況は以下のとおりです。
① 通期売上高として11期連続増収・ストック売上比率77.4%
当連結会計年度は、売上高が1,875百万円(前期比10.1%増)となり11期連続で増収いたしました。後述のとおりクラウドサービス(ASP・SaaS)※1が前期比18.3%増と好調に推移し、大幅に伸長したことが主な要因です。しかしながら、コンサルティング事業は大口の特定顧客からの契約が解除された影響で初の減収となり、EC事業は2019年のゴールデンウィーク10連休や天候不順によるアパレル消費の低迷に加えて第4四半期では新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年2月下旬から入荷されている春夏物の新作が入荷されないことによる機会損失の影響もあり次年度に課題を残す形となりました。これらの結果、第4四半期連結会計期間(2020年1月~3月)のストック売上比率は77.9%と高い水準を維持しました。
② 営業利益が対前期比24.5%増・過去最高益を更新
当社は当連結会計年度の営業利益は462百万円と対前期比24.5%増加し、過去最高益を更新いたしました。上記のとおりコンサルティング事業やEC事業は売上高が低迷いたしましたが、もともと利益率が高い事業ではないことから営業利益への影響は少なく、一方で利益率の高いアプリケーション事業はクラウドサービスを中心に2ケタ成長を達成し、コンサルティング事業やEC事業の損失を補填し当初の営業利益計画を達成いたしました。
③ クラウドサービスが前期比18.3%増と大幅に伸長・対前期比の増加額は2倍以上に増加
クラウドサービスはいわゆるサブスクリプションモデルで安定的な成長が見込まれる収益基盤であり、当社が長年強化をしてきたサービスです。当社のクラウドサービスは廉価プランである「ASP」と高価格帯プランである「SaaS」に大きく分かれます。クラウドサービス全体の売上高はASPの初期と月額、SaaSの初期と月額で構成されます。
当連結会計年度では、ASP・SaaSともに月額の積み上げが着実に実現できたこと、SaaSにおいて大型案件が前倒しで進捗したことにより、ASP初期売上が対前期比13.0%増、ASP月額売上が同17.0%増、SaaS初期売上が同30.3%増、SaaS月額売上が同16.9%増となりました。
クラウドサービスの対前期比の増加額も172百万円増と前年の増加額の2倍以上となり過去最高を記録しました。
(単位:千円)
これらの取り組みの結果、当連結会計年度においては、売上高1,875,840千円(前期比10.1%増)、営業利益462,511千円(前期比24.5%増)、経常利益470,355千円(前期比27.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益320,630千円(前期比147.0%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アプリケーション事業
当連結会計年度においては、クラウドサービスが前期比18.3%増となり大幅に伸長いたしました。
一方、ライセンス販売は、クラウド化への流れの中で対前期比10.1%減の143百万円に留まりました。
また、製品開発においては、主力のメール配信システム「WEBCAS e-mail」のメジャーバージョンアップ開発を終え2020年3月より販売開始しました。新バージョンでは、主に以下の機能を追加搭載しております。
・標準版で多言語配信が可能となり今後のインバウンド需要に対応
・管理画面のUI/UXを全面改善
・配信するメールの種別を施策毎にカテゴリー設定し分析機能を強化
加えて、LINEの料金プランが変更となることによりLINE公式アカウントを保有する企業はこれまでの一斉配信がコスト的に大きく負担増となり、LINEユーザー毎の購買履歴や属性に応じて必要な人にだけ適切なメッセージを配信するパーソナライズ配信の需要が高まることを見越し、パーソナライズLINEメッセージ配信システム「WEBCAS taLk」の機能追加開発を終え2019年12月に機能追加をいたしました。
その結果、アプリケーション事業全体の売上高は1,438,860千円(前期比12.2%増)、売上高総利益率71.7%(前期比2.6ポイント増)となりました。
②コンサルティング事業
子会社FUCAで推進してきた大型Web制作案件の受注が一巡したものの、下期から注力した新規営業が奏功しデザインサービスは対前期比13.1%増となりました。一方、メールコンテンツの定期案件がいくつか顧客都合により終了するなどしたため対前期比22.2%減と大きく減少しました。また第4四半期連結会計期間においては新型コロナウイルス感染拡大による影響で顧客企業がメルマガ業務のアウトソーシング化を控える傾向が出ており新規受注に苦戦しています。
その結果、コンサルティング事業全体の売上高は286,886千円(前期比6.2%減)、売上高総利益率21.4%(前期比5.2ポイント増)となりました。
③オーダーメイド開発事業
当該セグメントは、アプリケーション事業における製品開発を推進するべく社内エンジニアリソースをアプリケーション事業に集中させたため、今期も新規の受注活動を積極的には展開せず、利益率の高い案件を継続していく活動をいたしました。しかしながら、特定顧客において当社が保守をしているシステムの一部刷新があり、受託開発案件を納品したため、減少幅は若干少なくなっております。
その結果、オーダーメイド開発事業全体の売上高は13,710千円(前期比2.9%減)、売上高総利益率43.0%(前期比15.9ポイント減)となりました。
④EC事業
当該セグメントは、アプリケーション事業における製品開発を強化するため、EC事業のマーケティングノウハウ吸収を目的にベビー服ECサイトを2018年9月1日に事業買収し新設した事業セグメントです。
当該事業は100%子会社「株式会社ままちゅ」が運営する自社ECサイト「べびちゅ」(https://babychu.jp/)がセグメント対象となります。
当連結会計年度においては、春物の繁忙期となる4月は順調に推移したものの、2019年のゴールデンウィークの10連休が連休後の消費に想定以上に影響したことや天候不良による影響、消費増税による買い控えの影響によりアパレル消費が低迷したことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大により例年2月下旬より入荷される春夏物の新作の入荷が遅れた影響で販売状況が振るいませんでした。
当連結会計年度としては、前期が2018年9月~2019年3月の7ヶ月間であったのに対して当期は2019年4月~2020年3月の12ヶ月間となったため売上高の対前期比は35.2%増と大幅に増加しております。
その結果、EC事業の売上高は136,383千円、売上高総利益率は41.6%となりました。
セグメント別売上高及び売上高総利益率
※1 クラウドサービス(ASP・SaaS)
ソフトウェア提供者(この場合、当社グループ)が管理するサーバー上で稼動しているソフトウェアを、ユーザー企業がインターネット経由でサービスとして利用する形態。ユーザー企業は、サーバー・ソフトウェアの管理やライセンス費用の負担なく、毎月の使用料を支払うことで、比較的安価な利用が可能となります。
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて254,260千円増加し、1,942,374千円(前連結会計年度末比15.1%増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が143,180千円増加したことにより148,075千円増加いたしました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ有形固定資産が6,722千円減少し、無形固定資産が79,786千円、投資その他の資産が33,120千円それぞれ増加したことにより106,184千円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ69,224千円増加し、392,482千円(前連結会計年度末比21.4%増)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ未払法人税等が33,942千円、未払消費税等が21,757千円、賞与引当金が18,528千円増加したことなどにより57,826千円増加いたしました。
固定負債は、株式給付引当金が6,773千円、株主優待引当金が5,695千円増加したことにより11,398千円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ185,035千円増加し、1,549,891千円(前連結会計年度末比13.6%増)となりました。これは、剰余金の配当80,588千円を行った一方で、主に親会社株主に帰属する当期純利益320,630千円の計上によるものであります。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて138,034千円増加し、983,223千円(前連結会計年度末比16.3%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な発生要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、440,255千円(前期比109.7%増)となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益463,118千円、減価償却費35,465千円によるものであり、主な資金減少要因は、たな卸資産の増加額15,574千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支払われた資金は、221,840千円(前期に投資活動の結果支払われた資金217,959千円)となりました。資金減少要因は、無形固定資産の取得による支出91,456千円、投資有価証券の取得による支出105,995千円、有形固定資産の取得による支出22,658千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支払われた資金は、80,389千円(前期に財務活動の結果支払われた資金268,662千円)となりました。主な資金減少要因は、配当金の支払額80,356千円によるものであります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、当連結会計年度における財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)アプリケーション事業、コンサルティング事業、オーダーメイド開発事業は、仕入実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
②受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替高は含まれておりません。
4.EC事業については、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費を中心とした製造費用、販売費及び一般管理費等の費用であります。また、継続的なソフトウェアの開発、サーバー等の設備、事業拡大のための株式や事業の取得に関する投資を目的とした資金需要があります。
当該資金については、内部留保による手元資金で十分賄えている状況です。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)当期のキャッシュ・フローの概況」をご参照ください。
(6)今後の見通し
■新型コロナウイルス感染拡大の影響について
2020年3月から始まった外出自粛要請、さらに政府が発表した緊急事態宣言を受け働き方や生活様式が全く変わりましたが、弊社の営業状況への影響は以下のとおりです。
・新規問合せ数は堅調であり、従来同様月間200件以上の問い合わせがコロナ影響下でも継続中
・開示日時点において、既存顧客との契約状況に大きな変動はなく、解約率は大きく変わっていない
・既に受注済の案件は当初予定通り納品が進んでいる
・電話やWeb会議により商談は継続的に進行中
・新規見込顧客企業の多くもテレワークに入っており、最終的な発注までの所要時間が伸びている
・新規案件の引合い後のコロナ影響による失注は1割程度
・一方、アンケートシステムにおいて、コロナ影響調査などの新規需要が発生している
経済活動が全く止まっている状況ではなく、むしろ新規問合せ数は感染拡大前の状況を維持しており、既存顧客の契約も継続している状況です。しかしながら、新規商談のリードタイムが長くなっており、お客様もテレワークが主となったことで組織的な意思決定に時間を要している状況と認識しています。
■売上高について
当社は長年培ってきた「WEBCAS」シリーズの製品強化を引き続き進めていき、盤石な顧客基盤を活かした営業・マーケティングを展開していきます。
しかしながら、上記のとおり、昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響で新規商談の進捗に支障がでるケースがみられます。商談自体がなくなった訳ではありませんが、成就に時間がかかる状況が足元では続いております。そのため、2021年3月期の業績予想を以下の前提にたって見積もりました。
前提条件① 解約率は悪化しない(現時点で悪化しておりませんが、それが継続する前提)
前提条件② 2020年4月~6月の新規受注は、保守的に現在申込をいただいている案件のみカウントする
前提条件③ 2020年7月から2020年10月までに徐々に商談が成立していき2020年11月から元の水準に戻る
※上記影響のイメージ図

※ASPプラン(廉価プラン)、SaaSプラン(高価格プラン)の月別受注件数・前期比


上記の結果、当社単体の売上高を以下のとおり予想いたしました。
単位:千円
主力のクラウドサービスは上記の前提条件で見積った結果、微増に留まる計画となりました。なお、上記の前提条件による新型コロナウイルス感染拡大の影響で見込んでいる新規受注の減少影響は126百万円見込んでおります。
ライセンス販売は2021年3月期のみ大型の特殊案件があり、そのため大幅な増加を見込んでおりますが、2022年3月期には発生しない案件であるため、その反動で大幅に減少する見込みです。
ライセンス保守は微減となる見込みです。
コンサルティング事業は2019年6月末で一部の案件が終了した影響と、2020年3月期に既存大型案件が増加し一旦落ち着いたため2021年3月期にはその反動で減少するため、2021年3月期は減少する見込みです。
オーダーメイド開発事業は2020年3月期に既存顧客のサイトリニューアルの案件が入り納品が終わったため、2021年3月期はその反動で減少する見込みで、既存の保守案件のみ予想に織り込んでおります。
子会社の株式会社FUCA(フーカ)(コンサルティング事業に該当)は今までの売上増加基調から昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響などを加味し新規受注を保守的に見積もり、人員体制を見直すことで黒字化するまで費用圧縮する計画です。
子会社の株式会社ままちゅ(EC事業に該当)は、2019年のゴールデンウィークでは10連休の影響で連休直前から急激に受注が低下していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でゴールデンウィークでも全国的に外出自粛となったことで受注トレンドが変わり、2020年のゴールデンウィーク直前から急激に受注が伸びております。また、現在着手中のサイトリニューアルが完成する予定です。これにより、サイト内で商品を見つけやすくなり購入しやすいサイトとなる見込みです。さらには、現在着手できていないマーケティング施策をサイトリニューアルに合わせて実行していくことで、秋冬物の新作がスタートする2020年9月より受注が例年通りに戻る前提で売上を見込んでおります。
■EBITDAについて
当社は重要な経営指標の1つとして、2020年3月期までは営業利益の増加額と利益率を指標にしておりました。
しかしながら、製品開発投資の増加による減価償却費の増加等により期間比較をしていく指標として適切でないと判断し2021年3月期よりEBITDAを新たな指標とすることといたしました。
EBITDAの計算方法は以下のとおりです。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+株式報酬費用
翌連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)のEBITDAは以下のとおり見込んでおります。
単位:千円
前述の新型コロナウイルス感染拡大の影響でクラウドサービスの成長が一時的に鈍化することによる増収効果が減少します。前述のとおり、その影響額は126百万円と見積もっております。
一方で新卒は9名(2020年4月入社が7名、9月入社が2名)増加し2020年3月期の途中で入社した中途社員の人件費も2021年3月期には12ヶ月分に増加するため、人件費が相当程度増加します。また、2020年4月に大阪に営業所を開設したので、その運営費用などがコストアップ要因となっております。
(%表示は、通期は対前期、第2四半期累計期間は対前年同四半期増減率)
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
なお、当連結会計年度末における上記見積りを行うにあたっては、新型コロナウイルス感染症の影響が年間にわたり続くとの仮定をおいております。
① 固定資産の減損
当社グループは、有形及び無形固定資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判断しております。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
なお、市場環境等の変化により収益性が著しく低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得見込額等に基づいて回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得等の見積りによるものであるため、その見積りの前提に変更が生じた場合は、繰延税金資産の計上に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(1)業績等の概要
新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々及びご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表しますとともに、罹患されている方々には改めてお見舞い申し上げます。また、昼夜を問わず新型コロナウイルスの治療にあたられている医療従事者の皆さま、そして社会を支えるために各所で働かれている皆さまに、心から感謝と敬意の念を表します。
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)における世界経済は、国際情勢の不安定さが増すなかで景気下振れリスクが懸念され、国内でも各種景気指数の悪化が懸念されました。また第4四半期には、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、世界的に経済活動が自粛され主要国の株式市場は大幅に低迷いたしました。
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度における事業状況は以下のとおりです。
① 通期売上高として11期連続増収・ストック売上比率77.4%
当連結会計年度は、売上高が1,875百万円(前期比10.1%増)となり11期連続で増収いたしました。後述のとおりクラウドサービス(ASP・SaaS)※1が前期比18.3%増と好調に推移し、大幅に伸長したことが主な要因です。しかしながら、コンサルティング事業は大口の特定顧客からの契約が解除された影響で初の減収となり、EC事業は2019年のゴールデンウィーク10連休や天候不順によるアパレル消費の低迷に加えて第4四半期では新型コロナウイルス感染拡大の影響で例年2月下旬から入荷されている春夏物の新作が入荷されないことによる機会損失の影響もあり次年度に課題を残す形となりました。これらの結果、第4四半期連結会計期間(2020年1月~3月)のストック売上比率は77.9%と高い水準を維持しました。
② 営業利益が対前期比24.5%増・過去最高益を更新
当社は当連結会計年度の営業利益は462百万円と対前期比24.5%増加し、過去最高益を更新いたしました。上記のとおりコンサルティング事業やEC事業は売上高が低迷いたしましたが、もともと利益率が高い事業ではないことから営業利益への影響は少なく、一方で利益率の高いアプリケーション事業はクラウドサービスを中心に2ケタ成長を達成し、コンサルティング事業やEC事業の損失を補填し当初の営業利益計画を達成いたしました。
③ クラウドサービスが前期比18.3%増と大幅に伸長・対前期比の増加額は2倍以上に増加
クラウドサービスはいわゆるサブスクリプションモデルで安定的な成長が見込まれる収益基盤であり、当社が長年強化をしてきたサービスです。当社のクラウドサービスは廉価プランである「ASP」と高価格帯プランである「SaaS」に大きく分かれます。クラウドサービス全体の売上高はASPの初期と月額、SaaSの初期と月額で構成されます。
当連結会計年度では、ASP・SaaSともに月額の積み上げが着実に実現できたこと、SaaSにおいて大型案件が前倒しで進捗したことにより、ASP初期売上が対前期比13.0%増、ASP月額売上が同17.0%増、SaaS初期売上が同30.3%増、SaaS月額売上が同16.9%増となりました。
クラウドサービスの対前期比の増加額も172百万円増と前年の増加額の2倍以上となり過去最高を記録しました。
(単位:千円)
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| クラウドサービス売上高 | 862,794 | 943,212 | 1,116,195 |
| 前期比増減額 | +93,178 | +80,416 | +172,982 |
| 前期比増減率 | +12.1% | +9.3% | +18.3% |
これらの取り組みの結果、当連結会計年度においては、売上高1,875,840千円(前期比10.1%増)、営業利益462,511千円(前期比24.5%増)、経常利益470,355千円(前期比27.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益320,630千円(前期比147.0%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アプリケーション事業
当連結会計年度においては、クラウドサービスが前期比18.3%増となり大幅に伸長いたしました。
一方、ライセンス販売は、クラウド化への流れの中で対前期比10.1%減の143百万円に留まりました。
また、製品開発においては、主力のメール配信システム「WEBCAS e-mail」のメジャーバージョンアップ開発を終え2020年3月より販売開始しました。新バージョンでは、主に以下の機能を追加搭載しております。
・標準版で多言語配信が可能となり今後のインバウンド需要に対応
・管理画面のUI/UXを全面改善
・配信するメールの種別を施策毎にカテゴリー設定し分析機能を強化
加えて、LINEの料金プランが変更となることによりLINE公式アカウントを保有する企業はこれまでの一斉配信がコスト的に大きく負担増となり、LINEユーザー毎の購買履歴や属性に応じて必要な人にだけ適切なメッセージを配信するパーソナライズ配信の需要が高まることを見越し、パーソナライズLINEメッセージ配信システム「WEBCAS taLk」の機能追加開発を終え2019年12月に機能追加をいたしました。
その結果、アプリケーション事業全体の売上高は1,438,860千円(前期比12.2%増)、売上高総利益率71.7%(前期比2.6ポイント増)となりました。
②コンサルティング事業
子会社FUCAで推進してきた大型Web制作案件の受注が一巡したものの、下期から注力した新規営業が奏功しデザインサービスは対前期比13.1%増となりました。一方、メールコンテンツの定期案件がいくつか顧客都合により終了するなどしたため対前期比22.2%減と大きく減少しました。また第4四半期連結会計期間においては新型コロナウイルス感染拡大による影響で顧客企業がメルマガ業務のアウトソーシング化を控える傾向が出ており新規受注に苦戦しています。
その結果、コンサルティング事業全体の売上高は286,886千円(前期比6.2%減)、売上高総利益率21.4%(前期比5.2ポイント増)となりました。
③オーダーメイド開発事業
当該セグメントは、アプリケーション事業における製品開発を推進するべく社内エンジニアリソースをアプリケーション事業に集中させたため、今期も新規の受注活動を積極的には展開せず、利益率の高い案件を継続していく活動をいたしました。しかしながら、特定顧客において当社が保守をしているシステムの一部刷新があり、受託開発案件を納品したため、減少幅は若干少なくなっております。
その結果、オーダーメイド開発事業全体の売上高は13,710千円(前期比2.9%減)、売上高総利益率43.0%(前期比15.9ポイント減)となりました。
④EC事業
当該セグメントは、アプリケーション事業における製品開発を強化するため、EC事業のマーケティングノウハウ吸収を目的にベビー服ECサイトを2018年9月1日に事業買収し新設した事業セグメントです。
当該事業は100%子会社「株式会社ままちゅ」が運営する自社ECサイト「べびちゅ」(https://babychu.jp/)がセグメント対象となります。
当連結会計年度においては、春物の繁忙期となる4月は順調に推移したものの、2019年のゴールデンウィークの10連休が連休後の消費に想定以上に影響したことや天候不良による影響、消費増税による買い控えの影響によりアパレル消費が低迷したことに加えて、新型コロナウイルス感染拡大により例年2月下旬より入荷される春夏物の新作の入荷が遅れた影響で販売状況が振るいませんでした。
当連結会計年度としては、前期が2018年9月~2019年3月の7ヶ月間であったのに対して当期は2019年4月~2020年3月の12ヶ月間となったため売上高の対前期比は35.2%増と大幅に増加しております。
その結果、EC事業の売上高は136,383千円、売上高総利益率は41.6%となりました。
セグメント別売上高及び売上高総利益率
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | ||||
| 金額・利益率 | 構成比 | 金額・利益率 | 構成比 | ||
| アプリケーション事業 | 売上高(千円) | 1,282,840 | 75.3% | 1,438,860 | 76.7% |
| 売上高総利益率 | 69.1% | - | 71.7% | - | |
| コンサルティング事業 | 売上高(千円) | 305,944 | 18.0% | 286,886 | 15.3% |
| 売上高総利益率 | 16.2% | - | 21.4% | - | |
| オーダーメイド開発事業 | 売上高(千円) | 14,118 | 0.8% | 13,710 | 0.7% |
| 売上高総利益率 | 58.9% | - | 43.0% | - | |
| EC事業 | 売上高(千円) | 100,855 | 5.9% | 136,383 | 7.3% |
| 売上高総利益率 | 40.5% | - | 41.6% | - | |
| 合計 | 売上高(千円) | 1,703,758 | 100.0% | 1,875,840 | 100.0% |
| 売上高総利益率 | 57.8% | - | 61.6% | - | |
※1 クラウドサービス(ASP・SaaS)
ソフトウェア提供者(この場合、当社グループ)が管理するサーバー上で稼動しているソフトウェアを、ユーザー企業がインターネット経由でサービスとして利用する形態。ユーザー企業は、サーバー・ソフトウェアの管理やライセンス費用の負担なく、毎月の使用料を支払うことで、比較的安価な利用が可能となります。
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて254,260千円増加し、1,942,374千円(前連結会計年度末比15.1%増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が143,180千円増加したことにより148,075千円増加いたしました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ有形固定資産が6,722千円減少し、無形固定資産が79,786千円、投資その他の資産が33,120千円それぞれ増加したことにより106,184千円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ69,224千円増加し、392,482千円(前連結会計年度末比21.4%増)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ未払法人税等が33,942千円、未払消費税等が21,757千円、賞与引当金が18,528千円増加したことなどにより57,826千円増加いたしました。
固定負債は、株式給付引当金が6,773千円、株主優待引当金が5,695千円増加したことにより11,398千円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ185,035千円増加し、1,549,891千円(前連結会計年度末比13.6%増)となりました。これは、剰余金の配当80,588千円を行った一方で、主に親会社株主に帰属する当期純利益320,630千円の計上によるものであります。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて138,034千円増加し、983,223千円(前連結会計年度末比16.3%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な発生要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、440,255千円(前期比109.7%増)となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益463,118千円、減価償却費35,465千円によるものであり、主な資金減少要因は、たな卸資産の増加額15,574千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支払われた資金は、221,840千円(前期に投資活動の結果支払われた資金217,959千円)となりました。資金減少要因は、無形固定資産の取得による支出91,456千円、投資有価証券の取得による支出105,995千円、有形固定資産の取得による支出22,658千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支払われた資金は、80,389千円(前期に財務活動の結果支払われた資金268,662千円)となりました。主な資金減少要因は、配当金の支払額80,356千円によるものであります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
| 2018年 | 2019年 | 2020年 | |
| 3月期 | 3月期 | 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 80.6 | 80.4 | 79.4 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 345.7 | 320.5 | 240.0 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | - | - | - |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | - | - | - |
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、当連結会計年度における財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| EC事業(千円) | 80,436 | +27.1 |
| 合計(千円) | 80,436 | +27.1 |
(注)アプリケーション事業、コンサルティング事業、オーダーメイド開発事業は、仕入実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
②受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
| アプリケーション事業 | 1,437,954 | 13.9 | 30,516 | △2.9 |
| コンサルティング事業 | 285,865 | △7.3 | 8,007 | △11.3 |
| オーダーメイド開発事業 | 10,710 | △37.4 | - | - |
| 合計 | 1,734,530 | 9.3 | 38,523 | △11.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替高は含まれておりません。
4.EC事業については、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| アプリケーション事業(千円) | 1,438,860 | +12.2 |
| コンサルティング事業(千円) | 286,886 | △6.2 |
| オーダーメイド開発事業(千円) | 13,710 | △2.9 |
| EC事業(千円) | 136,383 | +35.2 |
| 合計(千円) | 1,875,840 | +10.1 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費を中心とした製造費用、販売費及び一般管理費等の費用であります。また、継続的なソフトウェアの開発、サーバー等の設備、事業拡大のための株式や事業の取得に関する投資を目的とした資金需要があります。
当該資金については、内部留保による手元資金で十分賄えている状況です。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)当期のキャッシュ・フローの概況」をご参照ください。
(6)今後の見通し
■新型コロナウイルス感染拡大の影響について
2020年3月から始まった外出自粛要請、さらに政府が発表した緊急事態宣言を受け働き方や生活様式が全く変わりましたが、弊社の営業状況への影響は以下のとおりです。
・新規問合せ数は堅調であり、従来同様月間200件以上の問い合わせがコロナ影響下でも継続中
・開示日時点において、既存顧客との契約状況に大きな変動はなく、解約率は大きく変わっていない
・既に受注済の案件は当初予定通り納品が進んでいる
・電話やWeb会議により商談は継続的に進行中
・新規見込顧客企業の多くもテレワークに入っており、最終的な発注までの所要時間が伸びている
・新規案件の引合い後のコロナ影響による失注は1割程度
・一方、アンケートシステムにおいて、コロナ影響調査などの新規需要が発生している
経済活動が全く止まっている状況ではなく、むしろ新規問合せ数は感染拡大前の状況を維持しており、既存顧客の契約も継続している状況です。しかしながら、新規商談のリードタイムが長くなっており、お客様もテレワークが主となったことで組織的な意思決定に時間を要している状況と認識しています。
■売上高について
当社は長年培ってきた「WEBCAS」シリーズの製品強化を引き続き進めていき、盤石な顧客基盤を活かした営業・マーケティングを展開していきます。
しかしながら、上記のとおり、昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響で新規商談の進捗に支障がでるケースがみられます。商談自体がなくなった訳ではありませんが、成就に時間がかかる状況が足元では続いております。そのため、2021年3月期の業績予想を以下の前提にたって見積もりました。
前提条件① 解約率は悪化しない(現時点で悪化しておりませんが、それが継続する前提)
前提条件② 2020年4月~6月の新規受注は、保守的に現在申込をいただいている案件のみカウントする
前提条件③ 2020年7月から2020年10月までに徐々に商談が成立していき2020年11月から元の水準に戻る
※上記影響のイメージ図

※ASPプラン(廉価プラン)、SaaSプラン(高価格プラン)の月別受注件数・前期比


上記の結果、当社単体の売上高を以下のとおり予想いたしました。
単位:千円
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減率 | |
| クラウドサービス | 1,116,016 | 1,149,403 | +3.0% |
| ライセンス販売 | 143,542 | 224,740 | +56.6% |
| ライセンス保守 | 179,037 | 176,723 | ▲1.3% |
| アプリケーション事業計 | 1,438,596 | 1,550,743 | +7.8% |
| コンサルティング事業 | 81,170 | 63,000 | ▲22.4% |
| オーダーメイド開発事業 | 13,710 | 5,776 | ▲57.9% |
| 売上高合計 | 1,533,476 | 1,619,519 | +5.6% |
主力のクラウドサービスは上記の前提条件で見積った結果、微増に留まる計画となりました。なお、上記の前提条件による新型コロナウイルス感染拡大の影響で見込んでいる新規受注の減少影響は126百万円見込んでおります。
ライセンス販売は2021年3月期のみ大型の特殊案件があり、そのため大幅な増加を見込んでおりますが、2022年3月期には発生しない案件であるため、その反動で大幅に減少する見込みです。
ライセンス保守は微減となる見込みです。
コンサルティング事業は2019年6月末で一部の案件が終了した影響と、2020年3月期に既存大型案件が増加し一旦落ち着いたため2021年3月期にはその反動で減少するため、2021年3月期は減少する見込みです。
オーダーメイド開発事業は2020年3月期に既存顧客のサイトリニューアルの案件が入り納品が終わったため、2021年3月期はその反動で減少する見込みで、既存の保守案件のみ予想に織り込んでおります。
子会社の株式会社FUCA(フーカ)(コンサルティング事業に該当)は今までの売上増加基調から昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響などを加味し新規受注を保守的に見積もり、人員体制を見直すことで黒字化するまで費用圧縮する計画です。
子会社の株式会社ままちゅ(EC事業に該当)は、2019年のゴールデンウィークでは10連休の影響で連休直前から急激に受注が低下していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でゴールデンウィークでも全国的に外出自粛となったことで受注トレンドが変わり、2020年のゴールデンウィーク直前から急激に受注が伸びております。また、現在着手中のサイトリニューアルが完成する予定です。これにより、サイト内で商品を見つけやすくなり購入しやすいサイトとなる見込みです。さらには、現在着手できていないマーケティング施策をサイトリニューアルに合わせて実行していくことで、秋冬物の新作がスタートする2020年9月より受注が例年通りに戻る前提で売上を見込んでおります。
■EBITDAについて
当社は重要な経営指標の1つとして、2020年3月期までは営業利益の増加額と利益率を指標にしておりました。
しかしながら、製品開発投資の増加による減価償却費の増加等により期間比較をしていく指標として適切でないと判断し2021年3月期よりEBITDAを新たな指標とすることといたしました。
EBITDAの計算方法は以下のとおりです。
EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費+株式報酬費用
翌連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)のEBITDAは以下のとおり見込んでおります。
単位:千円
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減率 | |
| EBITDA | 510,043 | 435,075 | ▲14.1% |
| 対売上比率 | 27.2% | 22.9% | ▲4.3 point |
| (平常時)EBITDA | 510,043 | 579,716 | +13.7% |
| (平常時)対売上比率 | 27.2% | 33.2% | +6.0 point |
前述の新型コロナウイルス感染拡大の影響でクラウドサービスの成長が一時的に鈍化することによる増収効果が減少します。前述のとおり、その影響額は126百万円と見積もっております。
一方で新卒は9名(2020年4月入社が7名、9月入社が2名)増加し2020年3月期の途中で入社した中途社員の人件費も2021年3月期には12ヶ月分に増加するため、人件費が相当程度増加します。また、2020年4月に大阪に営業所を開設したので、その運営費用などがコストアップ要因となっております。
(%表示は、通期は対前期、第2四半期累計期間は対前年同四半期増減率)
| 売上高 | EBITDA | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1株当たり 当期純利益 | |||||||
| 第2四半期累計期間 | 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 円 | 銭 |
| 835 | △5.3 | 142 | △29.9 | 100 | △44.8 | 105 | △44.6 | 73 | △43.0 | 18 | 44 | |
| 通期 | 1,900 | 1.3 | 435 | △14.1 | 330 | △28.7 | 330 | △29.8 | 225 | △29.8 | 56 | 85 |
(6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
なお、当連結会計年度末における上記見積りを行うにあたっては、新型コロナウイルス感染症の影響が年間にわたり続くとの仮定をおいております。
① 固定資産の減損
当社グループは、有形及び無形固定資産が減損している可能性を示す兆候の有無を判断しております。減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
なお、市場環境等の変化により収益性が著しく低下した場合には、減損損失を計上する可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得見込額等に基づいて回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。
なお、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得等の見積りによるものであるため、その見積りの前提に変更が生じた場合は、繰延税金資産の計上に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。