有価証券報告書-第26期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績等の概要
新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々及びご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表しますとともに、罹患されている方々には改めてお見舞い申し上げます。また、昼夜を問わず新型コロナウイルスの治療にあたられている医療従事者の皆さま、そして社会を支えるために各所で働かれている皆さまに、心から感謝と敬意の念を表します。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における世界経済は、蔓延が続く新型コロナウイルス感染拡大の影響が継続し、国際情勢の不安定さが増すなかで景気下振れリスクが懸念され、国内でも各種景気指数の悪化が懸念されました。
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度における事業状況は以下のとおりです。
① 通期売上高は前期比25.6%増加、12期連続で増収
当連結会計年度は、売上高が2,356百万円(前期比25.6%増)となり12期連続で増収いたしました。後述のとおりクラウドサービス(ASP・SaaS)※1が前期比18.4%増と好調に推移したこと、コンサルティング事業が株式会社コネクティをグループ参入したことにより前期比75.9%増と大きく拡大したことが主な要因です。
② EBITDAは対前期比11.0%増加、過去最高益を更新
当連結会計年度のEBITDAは565百万円と対前期比10.9%増加し、過去最高益を更新いたしました。上記のとおりクラウドサービスを中心としたアプリケーション事業やコンサルティング事業が大きく成長したことにより、過去最高を更新いたしました。
③ クラウドサービスは前期比18.4%増加
クラウドサービスは安定的な成長が見込まれる当社の収益基盤であり、長年強化をしてきたいわゆるサブスクリプションモデルの事業です。当社のクラウドサービスは廉価プランである「ASP」と高価格帯プランである「SaaS」に分かれ、クラウドサービス全体の売上高はASPの初期と月額、SaaSの初期と月額で構成されます。
当連結会計年度においては、コロナ禍の影響により期初は総じて低迷しましたが、2020年6月以降はコロナ禍が企業のデジタル化投資を促進し、新規問合せ数は増加に転じました。高価格帯のSaaSプランは前期並みの受注に留まりましたが、廉価版のASPプランの新規受注数は大きく増加しました。
これらの結果、前期比増加額、増加率ともに前期を上回る成長をいたしました。
(単位:千円)
また、製品開発の強化、ストックオプションの発行、株式会社コネクティのM&Aによる「のれん」の発生などが重なり減価償却費等の償却費関連が増加しコストアップ要因となりましたが、将来へ向けた成長投資と位置付けています。
一方、コロナ禍や天候不順の影響が1年を通じて大きかった、消費者向けに「お出掛け用」ベビー服をインターネット販売するEC事業運営子会社である株式会社ままちゅの業績が低迷し、固定資産の減損を行うこととなり、特別損失が23,225千円発生しました。なお、同社は、エイジアグループの主要顧客であるEC事業者のニーズ・シーズを把握し、製品開発に生かすために事業譲渡により3年前にグループに迎えました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度においては、売上高2,356,884千円(前期比25.6%増)、EBITDA565,679千円(前期比10.9%増)、営業利益411,563千円(前期比11.0%減)、経常利益425,240千円(前期比9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益222,562千円(前期比30.6%減)となりました。
なお、売上高が増収、EBITDAも増益であったものの、営業利益、経常利益が減益になったのは、上述のとおり、ストックオプションの発行、M&Aによるのれんの発生により、現金支出を伴わない償却性の費用が増えたためです。また、純利益が減少したのは、上記に加え子会社ままちゅの固定資産減損による特別損失が発生したためです。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アプリケーション事業
当連結会計年度においては、クラウドサービスが前期比18.4%増となり、またライセンス販売も大型案件の受注により前期比31.4%増と大幅に伸長いたしました。
その結果、アプリケーション事業全体の売上高は1,681,156千円(前期比16.8%増)、売上高総利益率64.6%(前期比7.1ポイント減)となりました。
②コンサルティング事業
2020年10月より株式会社コネクティがグループ参加したことで、サイト制作業務であるデザインサービスが大幅に伸長いたしました。
その結果、コンサルティング事業全体の売上高は504,582千円(前期比75.9%増)、売上高総利益率32.5%(前期比11.2ポイント増)となりました。
③オーダーメイド開発事業
当該セグメントは、競争力の高いアプリケーション事業に経営資源を集中する方針のもと、今期も新規の受注活動を積極的には展開せず、利益率の高い案件のみを継続していく活動をいたしました。
その結果、オーダーメイド開発事業全体の売上高は5,762千円(前期比58.0%減)、売上高総利益率49.3%(前期比6.3ポイント増)となりました。
④EC事業
当該セグメントは、アプリケーション事業における製品開発を強化するため、EC事業のマーケティングノウハウ吸収を目的にベビー服ECサイトを2018年9月1日に事業買収し新設した事業セグメントです。
当該事業は100%子会社「株式会社ままちゅ」が運営する自社ECサイト「べびちゅ」(https://babychu.jp/)がセグメント対象となります。
当連結会計年度においては、コロナ禍による商材仕入の遅れ、コロナ禍や天候不順による「お出掛け需要」の減衰、自社ECサイトリニューアルに遅れがでた影響などにより、損失を計上しました。
その結果、EC事業の売上高は165,382千円(前期比21.3%増)、売上高総利益率は38.7%(前期比3.0ポイント減)となりました。
セグメント別売上高及び売上高総利益率
※1 クラウドサービス(ASP・SaaS)
ソフトウェア提供者(この場合、当社グループ)が管理するサーバー上で稼動しているソフトウェアを、ユーザー企業がインターネット経由でサービスとして利用する形態。ユーザー企業は、サーバー・ソフトウェアの管理やライセンス費用の負担なく、毎月の使用料を支払うことで、比較的安価な利用が可能となります。
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,295,594千円増加し、3,237,968千円(前連結会計年度末比66.7%増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が281,489千円増加したことにより426,605千円増加いたしました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ有形固定資産が16,436千円増加し、無形固定資産が775,977千円、投資その他の資産が76,574千円それぞれ増加したことにより868,988千円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,032,345千円増加し、1,424,827千円(前連結会計年度末比263.0%増)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1年内返済予定の長期借入金が159,167千円増加したことなどにより305,391千円増加いたしました。
固定負債は、長期借入金が703,225千円増加したことにより726,953千円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ263,248千円増加し、1,813,140千円(前連結会計年度末比17.0%増)となりました。これは、剰余金の配当92,604千円を行った一方で、主に親会社株主に帰属する当期純利益222,562千円の計上によるものであります。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて287,219千円増加し、1,270,442千円(前連結会計年度末比29.2%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な発生要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、415,786千円(前期に営業活動の結果得られた資金440,255千円)となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益381,224千円によるものであり、主な資金減少要因は、売上債権の増加額30,651千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支払われた資金は、478,118千円(前期に投資活動の結果支払われた資金221,840千円)となりました。資金減少要因は、無形固定資産の取得による支出149,928千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出311,668千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、349,551千円(前期に財務活動の結果支払われた資金80,389千円)となりました。主な資金増加要因は、長期借入れによる収入500,000千円であり、主な資金減少要因は、配当金の支払額92,011千円によるものであります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、当連結会計年度における財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)アプリケーション事業、コンサルティング事業、オーダーメイド開発事業は、仕入実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
②受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替高は含まれておりません。
4.EC事業については、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費を中心とした製造費用、販売費及び一般管理費等の費用であります。また、継続的なソフトウェアの開発、サーバー等の設備、事業拡大のための株式や事業の取得に関する投資を目的とした資金需要があります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や事業拡大の資金の調達につきましては、自己資金を基本としているものの、金融機関からの長期借入及びエクイティファイナンスについて柔軟に対応することとしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は862,392千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,270,442千円となっております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)当期のキャッシュ・フローの概況」をご参照ください。
(6)今後の見通し
■セグメント情報の変更
2022年3月期より現在の事業内容に沿った開示に努めるため開示セグメントを以下のように変更いたします。
現状 変更後
■新型コロナウイルス感染拡大の影響について
2020年3月から始まった外出自粛要請、さらに政府が発表した緊急事態宣言を受け働き方や生活様式が全く変わりましたが、デジタル化需要の増大により当社の営業状況は2020年6月を境に好調に転じました。しかしながら、企業の大規模な設備投資に対する姿勢はまだ完全には復調してはおらず、クラウドサービスの高価格版であるSaaSプレミアムは2021年3月期並みの受注傾向で推移する見込みです。
■IFRSの適用と収益認識基準の変更について
海外投資家をより積極的に呼び込み、かつ拡大するグループ経営に適切に対応するため、会計基準を2023年3月期(中計最終年度)よりIFRS(国際会計基準)へ移行する計画です。
また、会計制度の改定により収益認識基準が以下のように変更となります。
・SaaSスタンダード初期売上は20ヶ月案分
・SaaSプレミアムとコネクティCMS初期売上は36ヶ月案分
これにより、クラウドサービスの初期費用売上は一括計上から20ヵ月または36ヶ月に亘って計上することになり、特定の大型案件の動向による業績影響が薄くなり、売上高の平準化が進みます。
■カスタマーサクセスの本格稼働
2021年3月期はカスタマーサクセスを本格的に推進するための「土台づくり」の年度と位置づけ、専任チームの立ち上げ、データベース刷新、プレイブックの策定に取り組んでまいりました。
2022年3月期は本格的に稼働を開始し、クラウドサービス年25%成長を目指します。具体的には①SaaSスタンダードの解約率低下、②SaaSスタンダードの製品併売(クロスセル)、③SaaSプレミアムの顧客単価向上(アップセル)の3つの効果を追求します。
■グループシナジーの創出
2020年10月より株式会社コネクティがグループ参加したことで、当社・株式会社FUCA・株式会社コネクティとの間でグループシナジーが発揮できる体制が整いました。
具体的には、当社・株式会社コネクティ間では、
・オンライン共催イベントの開催による新規見込客の獲得
・エイジアのカスタマーサクセスによる株式会社コネクティの製品販売
といったシナジーを見込んでおります。株式会社コネクティ・株式会社FUCA間では、
・共同でのDX提案
・リソース相互補填によるリソース稼働率向上
といったシナジーを見込んでおります。
■M&Aの推進による更なる成長
2022年3月期も引き続き機動的な資本政策により更なるM&Aを実行していく方針です。現在はM&A資金として潤沢な資金余力を有しており更に借入余地もあり、これらの資金力を活用し、データ分析機能強化やマーケティングにおける顧客とのタッチポイント拡大に資する領域等を積極的に追求してまいります。また、既存製品の機能向上や新製品開発への成長投資も継続してまいります。
2022年 3月期の連結業績予想(2021年 4月 1日~2022年 3月31日)
(%表示は、通期は対前期、第2四半期累計期間は対前年同四半期増減率)
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、株式会社CONNECTY HOLDINGののれんの評価及び減損の兆候であり、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末における上記見積りを行うにあたっては、注記事項(追加情報)に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの現時点での会計上の見積りに与える重要な影響はないものと考えております。しかしながら、今後の影響には不確定要素が多く、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績等に影響を与える可能性があります。
(1)業績等の概要
新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々及びご遺族の皆さまに謹んで哀悼の意を表しますとともに、罹患されている方々には改めてお見舞い申し上げます。また、昼夜を問わず新型コロナウイルスの治療にあたられている医療従事者の皆さま、そして社会を支えるために各所で働かれている皆さまに、心から感謝と敬意の念を表します。
当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)における世界経済は、蔓延が続く新型コロナウイルス感染拡大の影響が継続し、国際情勢の不安定さが増すなかで景気下振れリスクが懸念され、国内でも各種景気指数の悪化が懸念されました。
このような状況の下、当社グループの当連結会計年度における事業状況は以下のとおりです。
① 通期売上高は前期比25.6%増加、12期連続で増収
当連結会計年度は、売上高が2,356百万円(前期比25.6%増)となり12期連続で増収いたしました。後述のとおりクラウドサービス(ASP・SaaS)※1が前期比18.4%増と好調に推移したこと、コンサルティング事業が株式会社コネクティをグループ参入したことにより前期比75.9%増と大きく拡大したことが主な要因です。
② EBITDAは対前期比11.0%増加、過去最高益を更新
当連結会計年度のEBITDAは565百万円と対前期比10.9%増加し、過去最高益を更新いたしました。上記のとおりクラウドサービスを中心としたアプリケーション事業やコンサルティング事業が大きく成長したことにより、過去最高を更新いたしました。
③ クラウドサービスは前期比18.4%増加
クラウドサービスは安定的な成長が見込まれる当社の収益基盤であり、長年強化をしてきたいわゆるサブスクリプションモデルの事業です。当社のクラウドサービスは廉価プランである「ASP」と高価格帯プランである「SaaS」に分かれ、クラウドサービス全体の売上高はASPの初期と月額、SaaSの初期と月額で構成されます。
当連結会計年度においては、コロナ禍の影響により期初は総じて低迷しましたが、2020年6月以降はコロナ禍が企業のデジタル化投資を促進し、新規問合せ数は増加に転じました。高価格帯のSaaSプランは前期並みの受注に留まりましたが、廉価版のASPプランの新規受注数は大きく増加しました。
これらの結果、前期比増加額、増加率ともに前期を上回る成長をいたしました。
(単位:千円)
| 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| クラウドサービス売上高 | 943,212 | 1,116,195 | 1,321,878 |
| 前期比増減額 | +80,416 | +172,982 | +205,684 |
| 前期比増減率 | +9.3% | +18.3% | +18.4% |
また、製品開発の強化、ストックオプションの発行、株式会社コネクティのM&Aによる「のれん」の発生などが重なり減価償却費等の償却費関連が増加しコストアップ要因となりましたが、将来へ向けた成長投資と位置付けています。
一方、コロナ禍や天候不順の影響が1年を通じて大きかった、消費者向けに「お出掛け用」ベビー服をインターネット販売するEC事業運営子会社である株式会社ままちゅの業績が低迷し、固定資産の減損を行うこととなり、特別損失が23,225千円発生しました。なお、同社は、エイジアグループの主要顧客であるEC事業者のニーズ・シーズを把握し、製品開発に生かすために事業譲渡により3年前にグループに迎えました。
これらの取り組みの結果、当連結会計年度においては、売上高2,356,884千円(前期比25.6%増)、EBITDA565,679千円(前期比10.9%増)、営業利益411,563千円(前期比11.0%減)、経常利益425,240千円(前期比9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益222,562千円(前期比30.6%減)となりました。
なお、売上高が増収、EBITDAも増益であったものの、営業利益、経常利益が減益になったのは、上述のとおり、ストックオプションの発行、M&Aによるのれんの発生により、現金支出を伴わない償却性の費用が増えたためです。また、純利益が減少したのは、上記に加え子会社ままちゅの固定資産減損による特別損失が発生したためです。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
①アプリケーション事業
当連結会計年度においては、クラウドサービスが前期比18.4%増となり、またライセンス販売も大型案件の受注により前期比31.4%増と大幅に伸長いたしました。
その結果、アプリケーション事業全体の売上高は1,681,156千円(前期比16.8%増)、売上高総利益率64.6%(前期比7.1ポイント減)となりました。
②コンサルティング事業
2020年10月より株式会社コネクティがグループ参加したことで、サイト制作業務であるデザインサービスが大幅に伸長いたしました。
その結果、コンサルティング事業全体の売上高は504,582千円(前期比75.9%増)、売上高総利益率32.5%(前期比11.2ポイント増)となりました。
③オーダーメイド開発事業
当該セグメントは、競争力の高いアプリケーション事業に経営資源を集中する方針のもと、今期も新規の受注活動を積極的には展開せず、利益率の高い案件のみを継続していく活動をいたしました。
その結果、オーダーメイド開発事業全体の売上高は5,762千円(前期比58.0%減)、売上高総利益率49.3%(前期比6.3ポイント増)となりました。
④EC事業
当該セグメントは、アプリケーション事業における製品開発を強化するため、EC事業のマーケティングノウハウ吸収を目的にベビー服ECサイトを2018年9月1日に事業買収し新設した事業セグメントです。
当該事業は100%子会社「株式会社ままちゅ」が運営する自社ECサイト「べびちゅ」(https://babychu.jp/)がセグメント対象となります。
当連結会計年度においては、コロナ禍による商材仕入の遅れ、コロナ禍や天候不順による「お出掛け需要」の減衰、自社ECサイトリニューアルに遅れがでた影響などにより、損失を計上しました。
その結果、EC事業の売上高は165,382千円(前期比21.3%増)、売上高総利益率は38.7%(前期比3.0ポイント減)となりました。
セグメント別売上高及び売上高総利益率
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | ||||
| 金額・利益率 | 構成比 | 金額・利益率 | 構成比 | ||
| アプリケーション事業 | 売上高(千円) | 1,438,860 | 76.7% | 1,681,156 | 71.3% |
| 売上高総利益率 | 71.7% | - | 64.6% | - | |
| コンサルティング事業 | 売上高(千円) | 286,886 | 15.3% | 504,582 | 21.4% |
| 売上高総利益率 | 21.4% | - | 32.5% | - | |
| オーダーメイド開発事業 | 売上高(千円) | 13,710 | 0.7% | 5,762 | 0.2% |
| 売上高総利益率 | 43.0% | - | 49.3% | - | |
| EC事業 | 売上高(千円) | 136,383 | 7.3% | 165,382 | 7.0% |
| 売上高総利益率 | 41.6% | - | 38.7% | - | |
| 合計 | 売上高(千円) | 1,875,840 | 100.0% | 2,356,884 | 100.0% |
| 売上高総利益率 | 61.6% | - | 55.9% | - | |
※1 クラウドサービス(ASP・SaaS)
ソフトウェア提供者(この場合、当社グループ)が管理するサーバー上で稼動しているソフトウェアを、ユーザー企業がインターネット経由でサービスとして利用する形態。ユーザー企業は、サーバー・ソフトウェアの管理やライセンス費用の負担なく、毎月の使用料を支払うことで、比較的安価な利用が可能となります。
(2)当期の財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,295,594千円増加し、3,237,968千円(前連結会計年度末比66.7%増)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ現金及び預金が281,489千円増加したことにより426,605千円増加いたしました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ有形固定資産が16,436千円増加し、無形固定資産が775,977千円、投資その他の資産が76,574千円それぞれ増加したことにより868,988千円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,032,345千円増加し、1,424,827千円(前連結会計年度末比263.0%増)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1年内返済予定の長期借入金が159,167千円増加したことなどにより305,391千円増加いたしました。
固定負債は、長期借入金が703,225千円増加したことにより726,953千円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ263,248千円増加し、1,813,140千円(前連結会計年度末比17.0%増)となりました。これは、剰余金の配当92,604千円を行った一方で、主に親会社株主に帰属する当期純利益222,562千円の計上によるものであります。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて287,219千円増加し、1,270,442千円(前連結会計年度末比29.2%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な発生要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、415,786千円(前期に営業活動の結果得られた資金440,255千円)となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益381,224千円によるものであり、主な資金減少要因は、売上債権の増加額30,651千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支払われた資金は、478,118千円(前期に投資活動の結果支払われた資金221,840千円)となりました。資金減少要因は、無形固定資産の取得による支出149,928千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出311,668千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、349,551千円(前期に財務活動の結果支払われた資金80,389千円)となりました。主な資金増加要因は、長期借入れによる収入500,000千円であり、主な資金減少要因は、配当金の支払額92,011千円によるものであります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
| 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
| 3月期 | 3月期 | 3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 80.4 | 79.4 | 53.8 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 320.5 | 240.0 | 213.2 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | - | - | 2.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | - | - | 115.4 |
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.各指標は、当連結会計年度における財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
(4)生産、受注及び販売の状況
①仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| EC事業(千円) | 100,901 | 25.4 |
| 合計(千円) | 100,901 | 25.4 |
(注)アプリケーション事業、コンサルティング事業、オーダーメイド開発事業は、仕入実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
②受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) |
| アプリケーション事業 | 1,433,991 | △0.3 | 20,031 | △34.4 |
| コンサルティング事業 | 292,603 | 2.4 | 13,724 | 71.4 |
| オーダーメイド開発事業 | 14,710 | 37.3 | 1,000 | - |
| 合計 | 1,741,304 | 0.4 | 34,755 | △9.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記の金額は外部顧客に対するもので、セグメント間の内部取引及び振替高は含まれておりません。
4.EC事業については、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、記載を省略しております。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| アプリケーション事業(千円) | 1,681,156 | 16.8 |
| コンサルティング事業(千円) | 504,582 | 75.9 |
| オーダーメイド開発事業(千円) | 5,762 | △58.0 |
| EC事業(千円) | 165,382 | 21.3 |
| 合計(千円) | 2,356,884 | 25.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費を中心とした製造費用、販売費及び一般管理費等の費用であります。また、継続的なソフトウェアの開発、サーバー等の設備、事業拡大のための株式や事業の取得に関する投資を目的とした資金需要があります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や事業拡大の資金の調達につきましては、自己資金を基本としているものの、金融機関からの長期借入及びエクイティファイナンスについて柔軟に対応することとしております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は862,392千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,270,442千円となっております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)当期のキャッシュ・フローの概況」をご参照ください。
(6)今後の見通し
■セグメント情報の変更
2022年3月期より現在の事業内容に沿った開示に努めるため開示セグメントを以下のように変更いたします。
現状 変更後
| アプリケーション 事業 | クラウド (SaaS、ASP) | エンタープライズ・ソフトウェア | CRM | SaaSプレミアム版(旧SaaS) | |
| SaaSスタンダード版(旧ASP) | |||||
| WEBCASオンプレ | |||||
| ライセンス | CMS | コネクティCMS SaaS | |||
| コンサルティング 事業 | デジタル・マーケティング運用支援 | CRM | コンサルティング | ||
| FUCA | |||||
| CMS | コネクティ運用 | ||||
| オーダーメイド開発事業 | その他 | - | |||
| EC事業 | EC事業(変更なし) | ||||
■新型コロナウイルス感染拡大の影響について
2020年3月から始まった外出自粛要請、さらに政府が発表した緊急事態宣言を受け働き方や生活様式が全く変わりましたが、デジタル化需要の増大により当社の営業状況は2020年6月を境に好調に転じました。しかしながら、企業の大規模な設備投資に対する姿勢はまだ完全には復調してはおらず、クラウドサービスの高価格版であるSaaSプレミアムは2021年3月期並みの受注傾向で推移する見込みです。
■IFRSの適用と収益認識基準の変更について
海外投資家をより積極的に呼び込み、かつ拡大するグループ経営に適切に対応するため、会計基準を2023年3月期(中計最終年度)よりIFRS(国際会計基準)へ移行する計画です。
また、会計制度の改定により収益認識基準が以下のように変更となります。
・SaaSスタンダード初期売上は20ヶ月案分
・SaaSプレミアムとコネクティCMS初期売上は36ヶ月案分
これにより、クラウドサービスの初期費用売上は一括計上から20ヵ月または36ヶ月に亘って計上することになり、特定の大型案件の動向による業績影響が薄くなり、売上高の平準化が進みます。
■カスタマーサクセスの本格稼働
2021年3月期はカスタマーサクセスを本格的に推進するための「土台づくり」の年度と位置づけ、専任チームの立ち上げ、データベース刷新、プレイブックの策定に取り組んでまいりました。
2022年3月期は本格的に稼働を開始し、クラウドサービス年25%成長を目指します。具体的には①SaaSスタンダードの解約率低下、②SaaSスタンダードの製品併売(クロスセル)、③SaaSプレミアムの顧客単価向上(アップセル)の3つの効果を追求します。
■グループシナジーの創出
2020年10月より株式会社コネクティがグループ参加したことで、当社・株式会社FUCA・株式会社コネクティとの間でグループシナジーが発揮できる体制が整いました。
具体的には、当社・株式会社コネクティ間では、
・オンライン共催イベントの開催による新規見込客の獲得
・エイジアのカスタマーサクセスによる株式会社コネクティの製品販売
といったシナジーを見込んでおります。株式会社コネクティ・株式会社FUCA間では、
・共同でのDX提案
・リソース相互補填によるリソース稼働率向上
といったシナジーを見込んでおります。
■M&Aの推進による更なる成長
2022年3月期も引き続き機動的な資本政策により更なるM&Aを実行していく方針です。現在はM&A資金として潤沢な資金余力を有しており更に借入余地もあり、これらの資金力を活用し、データ分析機能強化やマーケティングにおける顧客とのタッチポイント拡大に資する領域等を積極的に追求してまいります。また、既存製品の機能向上や新製品開発への成長投資も継続してまいります。
2022年 3月期の連結業績予想(2021年 4月 1日~2022年 3月31日)
(%表示は、通期は対前期、第2四半期累計期間は対前年同四半期増減率)
| 売上高 | EBITDA | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1株当たり 当期純利益 | |||||||
| 第2四半期累計期間 | 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 百万円 | % | 円 | 銭 |
| 1,450 | 57.5 | 350 | 78.7 | 240 | 55.9 | 240 | 55.1 | 135 | 37.4 | 33 | 99 | |
| 通期 | 3,150 | 33.7 | 850 | 50.3 | 600 | 45.8 | 600 | 41.1 | 339 | 52.3 | 85 | 34 |
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、株式会社CONNECTY HOLDINGののれんの評価及び減損の兆候であり、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末における上記見積りを行うにあたっては、注記事項(追加情報)に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症の拡大による当社グループの現時点での会計上の見積りに与える重要な影響はないものと考えております。しかしながら、今後の影響には不確定要素が多く、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態、経営成績等に影響を与える可能性があります。