四半期報告書-第25期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)

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2019/08/09 15:03
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文中の将来に関する記述は、当社グループが当四半期連結会計期間の末日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米中間の貿易摩擦激化や中国経済の減速など、海外環境の悪化が国内経済に及ぼす影響への懸念等により下押し要因となっております。また、人手不足に伴う供給制約や人件費の上昇が業況感の重石となっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社グループが属するIT業界は、一部のIT関連需要の低迷を背景に、設備投資を先送りする動きがみられますが、一方、人手不足を背景とした自動化、省力化への投資、昨今のクラウドファーストやデジタルトランスフォーメーションへの関心が高まり、市場は大きく成長しております。
当社グループは、持株会社体制2年目を迎え、IT業界における時代の変化に乗り遅れることなく、最新の技術動向を見据え、迅速な意思決定並びに機動力を持った経営推進を行い、事業会社の成長と持株会社によるガバナンス強化により、更なる企業価値の向上に努めてまいりました。
当第1四半期連結累計期間におきましては、顧客の「売上向上」、「生産性向上」の観点からサービスの提供に取り組んでまいりました。
デジタルマーケティング関連事業におきましては、成長市場を確実に捉え、当社グループの新たな事業の柱として、AR(拡張現実)からWebサイト誘導、サイト分析で見込み顧客から潜在顧客へ電子メールを自動発信するなど、自動的な販売促進活動を支援すべく統合型デジタルマーケティングサービスの「Cloud Circus(クラウドサーカス)」を拡販するなど、引き続きARや、MA (マーケティングオートメーション) ツールの提供などを行い、顧客が持っている情報をITサービスで最適化し、利益を上げる支援を実施してまいりました。また、ITインフラ関連事業におきましては、約2万社超の中小・中堅企業の顧客基盤と強固なリレーションシップを図り、オフィスに欠かせない基幹設備から事務サポートまでITやテクノロジーを手段として顧客に「解決」を提案・提供し、IT技術により顧客の事業運営をより良い方向に変化させるべく取り組みを行い、オーガニック成長をしてまいりました。
その結果、当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は2,873,774千円(前年同四半期比3.3%増)、営業損失は2,997千円(前年同四半期は営業利益37,008千円)、経常損失は12,324千円(前年同四半期は経常利益49,176千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は31,173千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益62,017千円)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、従来「ビジネスアプリケーション関連事業」として独立区分していた報告セグメントについて、「ITインフラ関連事業」がメインターゲットとする中小企業顧客が同事業においてもメインターゲットであり、また、事業としての親和性も高いことから、経営管理体制を統合し、同一セグメントとして事業運営することが当社グループの企業価値向上に資すると判断したため、報告セグメント区分を変更いたしました。以下の前年同四半期比較につきましては、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(デジタルマーケティング関連事業)
当第1四半期連結累計期間におけるデジタルマーケティング関連事業は、以下の通りであります。
デジタルマーケティング関連事業におきましては、AR(拡張現実)作成ソフト「COCOAR (ココアル)」や、MA (マーケティングオートメーション) ツール「BowNow(バウナウ)」、電子ブック作成ソフト「ActiBook(アクティブック)」や、コンテンツマネジメントシステム「CMS Blue Monkey」、アプリ制作ソフト「AppGoose(アップグース)」、商品データベース作成ソフト「Plusdb(プラスディービー)」を始めとしたアプリケーションの開発・販売を行っております。上記のソフトウェアのパッケージ販売、Web制作に留まらず、AR作成ソフトCOCOARをはじめとする複数の企業向けソフトウェアを定額で利用できる統合型デジタルマーケティングサービス「Cloud Circus(クラウドサーカス)」の提供などにより、デジタルマーケティングに関するトータルソリューションを広く顧客に提供することで、他社との差別化を進めてまいりました。更に価格センシティブな顧客に対して企業向けソフトウェアを無料から利用できるフリーミアムプランによって、顧客ニーズを引き出してまいりました。
また、アプリレスARを実現する「LESSAR(レッサー)」、空間認識ARの「WONDARFOR(ワンダーフォー)」をリリースし、顧客ニーズの裾野を広げ、ARソリューション拡充に努めました。
また、BowNowの機能拡張やフリーミアム展開によりシェアを広げながら、Webサイトのセキュリティニーズに応えることでストック売上が堅調に推移いたしました。
当第1四半期連結累計期間におきましては、COCOARの機能を自社アプリで利用可能となるCOCOAR SDKを大手企業に提供し、ARを活用したイベント企画から3Dコンテンツの作成支援、運用サポートまで幅広くサービスを提供することで、顧客が求める成果を最大化するためのホールプロダクトを推進いたしました。また、BowNow、CMS Blue Monkeyの既存顧客からデジタルマーケティングへの投資ニーズを受け、広告商材を大幅に追加受注することができました。
その結果、デジタルマーケティング関連事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は465,848千円(前年同四半期比3.5%減)、セグメント損失(営業損失)50,932千円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)14,827千円)となりました。
(ITインフラ関連事業)
当第1四半期連結累計期間におけるITインフラ関連事業は、以下の通りであります。
ITインフラ関連事業におきましては、MFP(複合機)、ビジネスホン、UTM(統合脅威管理)、ネットワーク機器等の情報通信機器の販売・施工・保守並びにサーバ構築から運用保守まで一貫したシステムインテグレーション及び機器メンテナンスを行っております。また、今期より、それぞれの事業の強みが融合することによるプラスアルファの成果を期待し、旧ビジネスアプリケーション関連事業のセグメントを変更しております。旧ビジネスアプリケーション関連事業につきましては、クラウドストレージサービスの「セキュアSAMBA」と、オフィスワーク業務を自動化するソリューションの「RPA(Robotic Process Automation)製品の「Robo-Pat(ロボパット)」の導入及び、企業の労働力不足や生産性向上といった課題に対するサービスとして、最適なツール選択から、導入後活用が軌道に乗るまでのコンサルティング業務を行っております。
IT機器・サービスは近年では高性能化と低価格化が進み、ITインフラ関連事業のターゲットである中小企業がこうした機器・サービスを活用し、売上向上や生産性アップに取り組む経営環境が一段と整備されてまいりました。
しかしながら、中小企業におきましては、人的制約からIT部門やIT専任者を社内に置くことができない、またはそうした人材を十分確保できないことが大半で、IT機器・サービスを導入できず、十分に活用できないといったことが課題になっております。
このような課題に対して、当社は顧客の健全な成長と存続に寄り添うことをミッションとし、お客様の目線に立って、最適なIT機器・サービスや関連するオフィス環境を提案し、販売・サポートを行ってまいりました。自社商材である「ビジネスで役に立つ」を軸として多種多様なサービスを定額で提供する「ビジ助」も順調に顧客数を伸ばしており、更に、前期より開始した空調、新電力サービスを中心とする環境関連サービスも顧客数が順調に増加しました。
当第1四半期連結累計期間におきましては、ネットワーク機器販売が前期に引き続き堅調に推移し、また、「ビジ助」、ネットワークの保守サービスであるストック商材が堅調に推移しました。
その結果、ITインフラ関連事業の当第1四半期連結累計期間における業績は、売上高は2,356,807千円(前年同四半期比3.7%増)、セグメント損失(営業損失)1,126千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)119千円)となりました。
(CVC関連事業)
当第1四半期連結累計期間におけるCVC関連事業は、以下の通りであります。
CVC関連事業におきましては、当社の100%子会社であるStartia Asia Pte. Ltd.(本社シンガポール)が当社グループの新事業創出への貢献を目的としたベンチャー企業への投資を行っております。活動の中心を東南アジアに置き、斬新なアイデアや革新的なテクノロジーによって新しいビジネスの創造に挑むアジアのIT系スタートアップ企業に出資する方針です。具体的には投資先の対日進出のサポート等の支援を行う一方、投資先との協業により当社グループの東南アジアでの営業基盤の構築の可能性を探ります。当第1四半期連結累計期間につきまして、投資実行はありませんでした。
その結果、CVC関連事業の当第1四半期連結累計期間における売上高はなく、セグメント損失(営業損失)249千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)1,037千円)となりました。
(海外関連事業)
当第1四半期連結累計期間における海外関連事業は、以下の通りであります。
海外関連事業におきましては、中国・シンガポールなどの現地法人の事業活動を行い、主に、大きな市場が見込める中国を中心したビジネスを展開する上海スターティア(上海思達典雅信息系統有限公司)が推進しております。上海スターティアでは、日本と中国を結ぶ国際回線を用いた日中間ブロードバンドインターネットを提供する「Global Gateway」、オンプレミスからクラウド移行におけるクラウド構築運用支援等のIT支援業務を中国国内の日系企業を中心に展開しています。
当第1四半期連結累計期間におきましては、Global Gatewayは前期比、および予算比で順調推移しており増収となりました。また、クラウド構築運用支援もストック売上が堅調積み上がってまいりました。
その結果、海外関連事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は48,680千円(前年同四半期比87.2%増)、セグメント利益(営業利益)20,264千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)28,757千円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は7,256,789千円、前連結会計年度末と比較して961,295千円減少いたしました。その主な内容は、現金及び預金の減少309,749千円、受取手形及び売掛金の減少303,027千円、その他流動資産の減少310,586千円があったことなどによるものであります。
負債の部は2,728,769千円となり、前連結会計年度末と比較して859,445千円減少いたしました。その主な内容は、買掛金の減少125,024千円、未払法人税等の減少198,378千円、賞与引当金の減少172,466千円、役員賞与引当金の減少28,680千円、長期借入金の減少124,520千円があったことなどによるものであります。
純資産の部は4,528,019千円となり、前連結会計年度末と比較して101,850千円減少いたしました。その主な内容は、親会社株主に帰属する四半期純損失31,173千円、配当金の支払59,454千円があったことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。