四半期報告書-第27期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

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2021/11/12 15:03
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文中の将来に関する事項は、当社グループが当四半期連結会計期間の末日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が各地で適用され、依然として経済活動の停滞や縮小により、個人消費及び企業収益の悪化が続く極めて厳しい状況となりました。一方、新型コロナワクチン接種策等の進展により、社会経済活動の再開により今後の景気回復への期待感は高まりつつあります。
このような事業環境のもと、当社グループが属する業界は、新型コロナウイルス感染症対策としてのテレワーク導入や業務のデジタルシフトへの環境整備が進むなど、ITを活用した経営改革は急務となっており、デジタルトランスフォーメーションなどの領域におけるIT投資需要が高まりを見せる一方、先行き不透明な景況感の中でIT投資判断に引き続き慎重さが見られております。
当社グループは、2020年5月15日発表の「中期経営計画 NEXT’S 2025」のとおり、2021年3月期から2025年3月期までの5ヵ年を対象とした中期経営計画を達成すべく、事業を推進しております。
特に、デジタルマーケティング関連事業においては、前期よりビジネスモデルをサブスクリプションモデル(継続課金型)としてSaaS型へ大きく舵を切り、これまでの高単価フロー型サービスには手が出せなかった顧客への導入ハードルを下げることで、顧客獲得数の増加に繋げ、ARR(年間経常収益)の増加に取り組んでおります。
また、ITインフラ関連事業におきましては、中小・中堅企業の顧客基盤と強固なリレーションシップを図り、オフィスに欠かせない基幹設備から事務サポートまでIT技術を手段として顧客に「解決」を提案・提供し、顧客の事業運営をより良い方向に変化させるべく、継続した生産性向上を支援してまいりました。
当第2四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動自粛等の影響を受けつつも、ウィズコロナ、アフターコロナを意識した顧客の事業活動に動きが見られ、デジタルマーケティング関連事業においては SaaSツール群「Cloud CIRCUS(クラウドサーカス)」の受注が堅調に推移しMRR(月次経常収益)を積み上げることができました。ITインフラ関連事業におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部顧客の事業活動の停滞・縮小が見られつつも、前年同期と比較し、売上高とセグメント利益共に大幅に増加致しました。また、クラウドストレージ事業を会社分割により新設会社Chatworkストレージテクノロジーズ株式会社(以下、「CST社」といいます。)を設立し、Chatwork株式会社(以下、「Chatwork社」といいます。)との合弁会社とするため、 Chatwork社へCST社の一部株式を譲渡し、CST社は2021年7月1日より当社の持分法適用関連会社となりました。本合弁会社設立により、Chatwork社が提供するビジネスチャット「Chatwork」との連携や、各々のサービス単体ではリーチできなかった顧客開拓を進めてまいります。また、両社が持つマーケティングの知見と販売力を活かした相互連携を行っていくことで、当社グループにおきましては、中小企業向けの RPA ツール「RoboTANGO」をはじめとした各種商品・サービスにおける顧客への提供価値の幅を広げ、課題解決に貢献し、将来的には中小企業の「働く」を支えるインフラになることを目指してまいります。
また、第2四半期連結累計期間において、持分法適用関連会社の業績が好調に推移したことによる持分法による投資利益が増加したことと、出資先の投資事業組合の運用益を計上したことで、経常利益が大幅に増加いたしました。さらに、7月には前述の合弁会社設立に伴う関係会社株式売却による売却益416百万円を計上したことと、8月には保有する投資有価証券の一部売却を行い売却益148百万円を計上したことで、特別利益が大幅に増加いたしました。
その結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は6,991,223千円(前年同四半期比17.0%増)、営業利益は127,538千円(前年同四半期は営業利益9,919千円)、経常利益は271,549千円(前年同四半期比749.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は394,482千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失15,462千円)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、従来「海外関連事業」として独立区分していた報告セグメントについて、当社子会社でありました上海思達典雅信息系統有限公司の全株式を譲渡したため、第1四半期連結会計期間より、「海外関連事業」につきましては、「その他」の区分に変更いたしました。以下の前年同四半期比較につきましては、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(デジタルマーケティング関連事業)
デジタルマーケティング関連事業におきましては、顧客を増やす5つの課題領域「情報発信」「集客」「体験・顧客体験価値向上」「見込顧客育成と顧客化」「解約防止・リピート増」を実現するSaaSツール群「Cloud CIRCUS※」を提供しております。Cloud CIRCUSは、初めてデジタルマーケティングにお取組みされる方でも、誰でも簡単にすぐ始められ使いこなせるツールとなっており、フリーミアム展開も進めております。また、Cloud CIRCUSに加えて、広告運用やサイト構築のノウハウを基に、マーケティングコンサルティングや運用のサポートも提供し、ツールと合わせて、マーケティング力の進化を統合的に支援することで、潜在的なデジタルシフトニーズに対応し、1社に複数のサービスを提供しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、デジタルマーケティング事業を手掛けるスターティアラボ株式会社とその100%子会社であるMtame株式会社が2021年7月1日付で合併し、経営資源の有効活用と、市場環境の変化や多様化する顧客ニーズへの対応力を高める体制とすると共に、会社名をクラウドサーカス株式会社に変更し、SaaSルール群の総称であるCloud CIRCUSと同一呼称にすることで、サービスブランド認知を更に深めてまいります。また、9月には「日本企業が実践し、成果につなげる、デジタルマーケティングとは」をテーマにした無料オンラインカンファレンス『Marketing CIRCUS DAY Autumn 2021』を開催し、社名変更を記念したキャンペーンを実施したことで、多くのお問い合わせや無料版ダウンロードを獲得することができました。これらにより、Cloud CIRCUSのクロスセルや新規受注が増加したことで、サブスクリプションモデルの売上高が好調に推移いたしました。さらに、テレビCMの放映時期を9月予定から10月実施に月ずれしたことで、第2四半期の広告費用が大幅に圧縮(通期の広告費投資予定に現段階で変更はありません。)したことと、一部中途採用が計画に対して進んでいないことによる人件費、求人費等の人材関連費用が圧縮いたしました。
※Cloud CIRCUS
課題領域提供ツール名サービス内容
情報発信ActiBook(アクティブック)電子Book制作ソフト、動画共有
BlueMonkey(ブルーモンキー)WebCMS&オウンドメディア構築
AppGoose(アップグース)アプリ運用
Plusdb(プラスディービー)データベース構築
creca(クリカ)スマホ用ランディングページ制作
集客・広告運用コンサルマーケティングコンサル、広告運用コンサル
体験COCOAR(ココアル)AR制作ソフト
LESSAR(レッサー)Webブラウザ用AR制作ソフト
顧客体験価値向上IZANAI(イザナイ)チャットボット
顧客育成・顧客化BowNow(バウナウ)マーケティングオートメーション
リピート・解約防止Fullstar(フルスタ)カスタマーサクセスマネジメント

その結果、デジタルマーケティング関連事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は1,236,868千円(前年同四半期比9.3%増)、セグメント損失(営業損失)は154,937千円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)40,828千円)となりました。
(ITインフラ関連事業)
ITインフラ関連事業におきましては、MFP(複合機)、UTM(統合脅威管理)、ネットワーク機器、ビジネスホン等の情報通信機器の販売・施工・保守並びにサーバ構築から運用保守まで一貫したシステムインテグレーション及び機器メンテナンスを行っております。また、オフィスワーク業務を自動化するRPA(Robotic Process Automation)ソリューションツールの「Robo-Pat(ロボパット)」や「RoboTANGO(ロボタンゴ)」など、複数のRPAツールの中から企業の課題等に合った最適なツール導入から導入後の活用が軌道に乗るまでのコンサルティングを行っております。更に、昨今、働き方改革や新型コロナウイルス感染症拡大を機にテレワークが推進される中、契約書の署名や捺印・受け渡し・保管などをクラウド上で完結する電子署名ツールの提供を行っております。
IT機器・サービスは近年では高性能化と低価格化が進み、ITインフラ関連事業のターゲットである中小企業がこうしたIT機器・サービスを活用し、売上向上や生産性アップに取り組む経営環境が一段と整備されてまいりました。
しかしながら、中小企業におきましては、人的制約からIT部門やIT専任者を社内に置くことができない、またはそうした人材を十分確保できないことが大半で、IT機器・サービスを十分に活用できないといったことが課題になっております。このような課題に対して、当社は顧客の健全な成長と存続に寄り添うことをミッションとし、お客様の目線に立ち、最適なIT機器・サービスや関連するオフィス環境を提案し、販売・サポートを提供しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大により緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が各地で適用され、先行きが不透明な状況が続いており、一部顧客の営業縮小等の影響や、半導体不足によるビジネスホンなどのメーカーの在庫不足の影響がありましたが、顧客の潜在ニーズの発掘と生産性向上のため、社内情報基盤の活用と和歌山コールセンター、カスタマーサクセス部門の体制と連携強化により、前年同期と比較し大幅に売上と利益が増加すると共に、WEB集客のコスト削減による広告費圧縮に加え、退職者及び欠員補充ができていないことによる人材関連費用が大幅に圧縮いたしました。
その結果、ITインフラ関連事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は5,753,892千円(前年同四半期比19.4%増)、セグメント利益(営業利益)は343,510千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)13,748千円)となりました。
(CVC関連事業)
CVC関連事業におきましては、新規の投資実行はありませんでした。
CVC関連事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は314千円(前年同四半期売上高なし)、セグメント損失(営業損失)は184千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)12,380千円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は8,814,088千円となり、前連結会計年度末と比較して23,824千円増加いたしました。その主な内容は、棚卸資産の増加180,190千円、ソフトウエアの増加104,067千円、有形固定資産の増加32,217千円がありましたが、その一方で、受取手形、売掛金及び契約資産の減少105,097千円、その他の減少66,266千円、現金及び預金の減少65,352千円、投資有価証券の減少46,323千円、のれんの減少7,855千円などによるものであります。
負債の部は4,022,256千円となり、前連結会計年度末と比較して190,747千円減少いたしました。その主な内容は、長期借入金の減少325,332千円、1年内返済予定の長期借入金の減少147,332千円、その他の減少74,480千円、買掛金の減少43,461千円、繰延税金負債の減少42,068千円がありましたが、その一方で、未払法人税等の増加414,559千円、賞与引当金の増加26,045千円、によるものであります。
純資産の部は4,791,832千円となり、前連結会計年度末と比較して214,571千円増加いたしました。その主な内容は、親会社株式に帰属する四半期純利益394,482千円、自己株式の減少18,257千円がありましたが、その一方で、その他有価証券評価差額金の減少126,485千円、配当金の支払71,682千円があったことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末と比較して65,352千円減少し、3,179,882千円となりました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは202,112千円の収入となりました(前年同四半期は95,566千円の収入)。その主な内容は、税金等調整前四半期純利益836,301千円、法人税等の還付額68,344千円、利息及び配当金の受取額10,807千円がありましたが、その一方で、法人税等の支払額36,598千円があったことなどによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは239,738千円の収入となりました(前年同四半期は262,035千円の支出)。その主な内容は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入453,900千円、投資有価証券の売却による収入160,431千円、投資事業組合からの分配による収入43,172千円がありましたが、その一方で、固定資産の取得による支出363,093千円、関係会社への出資による支出53,900千円があったことなどによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは508,346千円の支出となりました(前年同四半期は29,834千円の支出)。その主な内容は、自己株式の処分による収入37,222千円がありましたが、その一方で、長期借入金の返済による支出472,664千円、配当金の支払額71,682千円があったことなどによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は910千円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。