四半期報告書-第25期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/08 15:05
【資料】
PDFをみる
【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当社グループが当四半期連結会計期間の末日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、米中間の貿易摩擦激化や中国経済の減速に加え長期化するEU離脱問題など、海外環境の悪化が国内経済に及ぼす影響への懸念となっております。また、人手不足に伴う供給制約や人件費の上昇が業況感の重石となっており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社グループが属するIT業界は、一部のIT関連需要の低迷を背景に、設備投資を先送りする動きがみられますが、一方、人手不足を背景とした自動化、省力化への投資、昨今のクラウドファーストやデジタルトランスフォーメーションへの関心が高まり、市場は大きく成長しております。
当社グループは、持株会社体制2年目を迎え、IT業界における時代の変化に乗り遅れることなく、最新の技術動向を見据え、迅速な意思決定並びに機動力を持った経営推進を行い、事業会社の成長と持株会社によるガバナンス強化により、更なる企業価値の向上に努め、当第2四半期連結累計期間につきましても、顧客の「売上向上」、「生産性向上」の観点からサービスの提供に取り組んでまいりました。
デジタルマーケティング関連事業におきましては、成長市場を確実に捉え、当社グループの新たな事業の柱として、AR(拡張現実)からWebサイト誘導、サイト分析で見込み顧客から潜在顧客へ電子メールを自動発信するなど、自動的な販売促進活動を支援すべく統合型デジタルマーケティングサービスの「Cloud Circus(クラウドサーカス)」を拡販するなど、引き続きARや、MA (マーケティングオートメーション) ツールの提供などを行い、顧客が持っている情報をITサービスで最適化し、利益を上げる支援を実施してまいりました。
また、ITインフラ関連事業におきましては、約2万社超の中小・中堅企業の顧客基盤と強固なリレーションシップを図り、オフィスに欠かせない基幹設備から事務サポートまでITやテクノロジーを手段として顧客に「解決」を提案・提供し、IT技術により顧客の事業運営をより良い方向に変化させるべく取り組みを行い、オーガニック成長をしてまいりました。
その結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は6,240,021千円(前年同四半期比8.9%増)、営業利益320,140千円(前年同四半期比8.6%増)、経常利益は335,625千円(前年同四半期比1.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は180,094千円(前年同四半期比21.1%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次の通りであります。
なお、当連結会計年度より、従来「ビジネスアプリケーション関連事業」として独立区分していた報告セグメントについて、「ITインフラ関連事業」がメインターゲットとする中小企業顧客が同事業においてもメインターゲットであり、また、事業としての親和性も高いことから、経営管理体制を統合し、同一セグメントとして事業運営することが当社グループの企業価値向上に資すると判断したため、当連結会計年度より報告セグメント区分を変更いたしました。以下の前年比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
(デジタルマーケティング関連事業)
当第2四半期連結累計期間におけるデジタルマーケティング関連事業は、以下の通りであります。
デジタルマーケティング関連事業におきましては、AR(拡張現実)作成ソフト「COCOAR (ココアル)」や、MA (マーケティングオートメーション) ツール「BowNow(バウナウ)」、電子ブック作成ソフト「ActiBook(アクティブック)」や、コンテンツマネジメントシステム「CMS Blue Monkey」、アプリ制作ソフト「AppGoose(アップグース)」、商品データベース作成ソフト「Plusdb(プラスディービー)」を始めとしたアプリケーションの開発・販売を行っております。上記のソフトウェアのパッケージ販売、Web制作に留まらず、AR作成ソフトCOCOARをはじめとする複数の企業向けソフトウェアを定額で利用できる統合型デジタルマーケティングサービス「Cloud Circus(クラウドサーカス)」の提供などにより、デジタルマーケティングに関するトータルソリューションを広く顧客に提供することで、他社との差別化を進めてまいりました。更に価格センシティブな顧客に対して企業向けソフトウェアを無料から利用できるフリーミアムプランによって、顧客ニーズを引き出してまいりました。
また、アプリレスARを実現する「LESSAR(レッサー)」、空間認識ARの「WONDARFOR(ワンダーフォー)」をリリースし、顧客ニーズの裾野を広げ、ARソリューション拡充に努めるとともに、BowNowの機能拡張やフリーミアム展開によりシェアを広げながら、Webサイトのセキュリティニーズに応えてまいりました。
当第2四半期連結累計期間におきましては、BowNowの導入社数が3,000社を突破し、機能拡張が進んだことにより、大手企業からの導入も増加いたしました。また、アプリを必要としないWebARの「LESSAR(レッサー)」に顔認証ARを実現できる新プラン「LESSAR Face」を提供開始したことにより、さらに様々なAR活用のシーンやニーズにお応えすることができるようになりました。
以上のことから、特にサブスクリプション型のサービスに注力したことで、サブスクリプション売上は堅調に推移いたしましたが、一方、フロー売上であるソフトウェア等パッケージ販売は苦戦いたしました。
その結果、デジタルマーケティング関連事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は1,006,307千円(前年同四半期比4.0%増)、セグメント損失(営業損失)は13,648千円(前年同四半期はセグメント利益(営業利益)54,941千円)となりました。
(ITインフラ関連事業)
当第2四半期連結累計期間におけるITインフラ関連事業は、以下の通りであります。
ITインフラ関連事業におきましては、MFP(複合機)、UTM(統合脅威管理)、ネットワーク機器、ビジネスフォン等の情報通信機器の販売・施工・保守並びにサーバ構築から運用保守まで一貫したシステムインテグレーション及び機器メンテナンスを行っております。また、今期より、それぞれの事業の強みが融合することによるシナジー効果を期待し、旧ビジネスアプリケーション関連事業のセグメントを変更しております。旧ビジネスアプリケーション関連事業は、クラウドストレージサービスの「セキュアSAMBA」と、オフィスワーク業務を自動化するソリューションの「RPA(Robotic Process Automation)製品の「Robo-Pat(ロボパット)」の導入及び、企業の労働力不足や生産性向上といった課題に対するサービスとして、最適なツール選択から、導入後活用が軌道に乗るまでのコンサルティング業務を行っております。
IT機器・サービスは近年では高性能化と低価格化が進み、ITインフラ関連事業のターゲットである中小企業がこうした機器・サービスを活用し、売上向上や生産性アップに取り組む経営環境が一段と整備されてまいりました。
しかしながら、中小企業におきましては、人的制約からIT部門やIT専任者を社内に置くことができない、またはそうした人材を十分確保できないことが大半で、IT機器・サービスを導入できず、十分に活用できないといったことが課題になっております。このような課題に対して、当社は顧客の健全な成長と存続に寄り添うことをミッションとし、お客様の目線に立って、最適なIT機器・サービスや関連するオフィス環境を提案し、販売・サポートを行ってまいりました。自社商材である「ビジネスで役に立つ」を軸として、多種多様なサービスを定額で提供する「ビジ助」も順調に顧客数を伸ばしております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、前期に引き続きUTM(統合脅威管理)、ネットワーク機器、MFP販売が堅調に推移しました。また前期から本格的に取り組みを始めました新電力の取次、中小企業をターゲットとしたWeb製作販売、ネット集客支援サービスの拡販を行い、契約数を伸ばしました。
さらにサブスクリプション商材であるネットワーク機器保守サービス、「セキュアSAMBA」、「RPA」製品の「Robo-Pat」の販売が堅調に推移した結果、サブスクリプション売上が増収となったとともに、消費増税の影響による需要と納期前倒しにより、特に、UTM(統合脅威管理)、ネットワーク機器、MFP販売などフロー商材も大きく増収となりました。
その結果、ITインフラ関連事業の当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は5,156,263千円(前年同四半期比9.7%増)、セグメント利益(営業利益)は291,190千円(前年同四半期比93.7%増)となりました。
(CVC関連事業)
当第2四半期連結累計期間におけるCVC関連事業は、以下の通りであります。
CVC関連事業におきましては、当社の100%子会社であるStartia Asia Pte. Ltd.(本社シンガポール)が当社グループの新事業創出への貢献を目的としたベンチャー企業への投資を行っております。活動の中心を東南アジア、とくにベトナムに置き、斬新なアイデアや革新的なテクノロジーによって新しいビジネスの創造に挑むアジアのIT系スタートアップ企業に出資する方針です。具体的には投資先の対日進出のサポート等の支援を行う一方、投資先との協業により当社グループの東南アジアでの営業基盤の構築の可能性を探ります。当第2四半期連結累計期間につきまして、投資実行はありませんでした。
その結果、CVC関連事業の当第2四半期連結累計期間における売上高はなく、セグメント損失(営業損失)499千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)2,087千円)となりました。
(海外関連事業)
当第2四半期連結累計期間における海外関連事業は、以下の通りであります。
海外関連事業におきましては、中国・シンガポールなどの現地法人の事業活動を行い、主に、大きな市場が見込める中国を中心したビジネスを展開する上海スターティア(上海思達典雅信息系統有限公司)が推進しております。上海スターティアでは、日本と中国を結ぶ国際回線を用いた日中間ブロードバンドインターネットを提供する「Global Gateway」を中心としたビジネスを展開しております。
当第2四半期連結累計期間におきましては、売上高は前期比、および予算比で順調に推移しており増収となりましたが、回線設備を強化したため営業利益ベースでは前期比では増収ですが、予算比では若干下回る結果となりました。
その結果、海外関連事業の当第2四半期連結累計期間における売上高は73,996千円(前年同四半期比18.2%増)、セグメント利益(営業利益)9,364千円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)38,521千円)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は7,519,062千円となり、前連結会計年度末と比較して699,022千円減少いたしました。その主な内容は、受取手形及び売掛金の増加65,326千円がありましたが、その一方で、現金及び預金の減少437,470千円、のれんの減少31,503千円、投資有価証券の減少20,073千円、繰延税金資産の減少36,193千円などによるものであります。
負債の部は2,767,905千円となり、前連結会計年度末と比較して820,309千円減少いたしました。その主な内容は、その他の流動負債の減少263,468千円、賞与引当金の減少93,162千円、役員賞与引当金の減少28,680千円、未払法人税等の減少80,608千円、長期借入金の減少253,014千円があったことなどによるものであります。
純資産の部は4,751,157千円となり、前連結会計年度末と比較して121,286千円増加いたしました。その主な内容は、利益剰余金が120,639千円増加したことなどによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の四半期末残高は、前連結会計年度末と比べ437,470千円減少し、2,855,948千円となりました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは49,835千円の収入となりました(前年同四半期は108,334千円の支出)。その主な内容は、税金等調整前四半期純利益338,366千円、減価償却費129,723千円の計上、売上債権の増加64,725千円があったことなどによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは178,667千円の支出となりました(前年同四半期は113,819千円の支出)。その主な内容は、固定資産の取得による支出174,055千円があったことなどによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは294,134千円の支出となりました(前年同四半期は372,336千円の支出)。その主な内容は、長期借入金の返済による支出253,014千円、配当金の支払額59,454千円があったことなどによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。