有価証券報告書-第20期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ469,623千円減少し、2,807,875千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ85,824千円減少し、378,851千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ383,799千円減少し、2,429,024千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は売上高1,905,093千円(前年同期比18.8%減)、営業損失206,408千円(前期は35,484千円の利益)、経常損失202,202千円(前期は38,997千円の利益)となりました。当社が2017年4月に連結子会社化、2018年7月に合併いたしました、旧株式会社エーアイコーポレーション(現、ソフトウェアディストリビューション事業)について、新型コロナウイルス感染症拡大等の外部環境の悪化を踏まえ、今後の計画を見直した結果、当初想定されていた収益が見込めなくなったため、当連結会計年度において、同社に関するのれんの減損損失として106,323千円を特別損失に計上したこと、並びに減損損失の計上と併せて、2021年3月期の業績及び今後の業績動向を踏まえ、将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額(損)を103,121千円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、426,799千円(前期は77,194千円の利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
「ソフトウェアプロダクト事業」は、組込みネットワークソフトウェア及びセキュリティ関連ソフトウェア製品、データベース製品、高速起動製品等の主に自社開発によるデバイス組込み用ソフトウェアの開発及び販売等に関するセグメントであります。
「ソフトウェアディストリビューション事業」は、海外ソフトウェアの輸入販売、テクニカルサポート、及びカスタマイズ開発に関するセグメントであります。
「ソフトウェアサービス事業」は、株式会社エイムにおける、組込みソフトウェア等の受託を中心とした各種ソフトウェアの設計、開発、及びデータコンテンツのライセンス販売等に関するセグメントであります。
セグメント及び分野別の売上内訳及び事業状況は、以下のとおりです。
(注)売上高は、セグメント間取引を消去しております。
■ソフトウェアプロダクト事業
当事業の売上高は556,344千円(前期比11.2%減)、セグメント利益は9,754千円(前期比68.6%減)となりました。
ネットワーク関連製品では、セキュアなIoTサービスを実現するソリューションである「Edge Trust」の半導体メーカーとの研究開発案件およびIoT機器へのセキュリティ実装に関連する研究開発案件の売上、デジタルAV関連の既存顧客からのロイヤルティ売上、デジタルイメージング関連の既存顧客からの受託開発売上を計上いたしました。
高速起動製品では、車載機器関連、海外民生機器の既存顧客からのロイヤルティ売上を計上いたしました。引き続き、カーナビゲーションシステム等車載向け機器を中心に、複数社との間で大・中規模案件の開発が継続しております。
データベース製品では、産業機器、車載機器の既存顧客からのロイヤルティ売上等を計上いたしました。
2020年5月、組込みソフトウェアとIIoT(Industrial Internet of Things)プラットフォームの連携で産業機器のIoT化を支援することを目的として、PTCジャパン株式会社と協業することを発表いたしました。
2020年6月、株式会社サーバーワークスとの協業により、セキュアなIoTサービスを実現するソリューション「Edge Trust」が、アマゾン ウェブ サービスが提供するAWS IoTに対応し、AWS環境向けの提供を開始したことを発表いたしました。同社のAWSに関する豊富な実績と、当社のIoT機器向けのセキュリティに関する製品・技術を組み合わせることで、AWSを活用したクラウドのシステム構築から機器開発まで、IoTサービスを実現するためのワンストップの提案が可能となります。
2020年7月、IoTシステムとブロックチェーンを組み合わせたデータ改ざん防止ソリューションに関する独自技術を開発し、特許を申請したことを発表いたしました。
2020年12月、IIoTプラットフォームThingWorxⓇのクライアント機能に対応し、MCU上で動作可能なソフトウェアをPTCジャパン株式会社と共同開発し、「Ubiquitous Network Framework ThingWorx Edge Package」として提供開始することを発表し、2021年2月1日に提供を開始いたしました。
■ソフトウェアディストリビューション事業
当事業の売上高は968,274千円(前期比24.9%減)、のれん償却額106,323千円を含めたセグメント損失は214,582千円(前期は3,735千円の利益)となりました。
BIOS製品では、ノートブックPCの既存顧客から、「InsydeH2OⓇ」(「EFI/UEFI」仕様を実装したC言語ベースBIOS)のロイヤルティ売上等を計上いたしました。
品質向上支援ツール製品では、車載機器、産業機器等の既存顧客から、「CodeSonar」(ソフトウェアの動的不具合をソースコードで静的に検出することができる解析ツール)やECU関連開発ツールなど年間ライセンスのリピート及び新規顧客からの年間ライセンス及びサポート売上を計上いたしました。
ワイヤレス製品では、車載機器等の既存顧客から、「Blue SDK」(Bluetoothプロトコルスタック)のロイヤルティ売上等を計上いたしました。
AIソリューション製品では、車載機器の既存顧客から「CoDriver」(ドライバー・キャビンモニタリングシステム)の受託開発売上、産業機器の既存顧客から「GenSynth」(ディープラーニングモデル最適化プラットフォーム)のライセンス売上を計上いたしました。
その他、多数の取扱い製品より、新規、既存顧客からのロイヤルティ売上等を計上いたしました。
2020年7月、株式会社エー・アンド・デイとの間で、車載システムソフトウェア開発用シミュレーターの共同開発ならびに販売に関する業務提携で合意し、個別の車載システム開発環境に合わせて最適化できるPCベースの車載システムソフトウェア開発用シミュレーターを共同開発することを発表し、2021年3月、車載向けECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール「GSIL(ジーシル)」を販売開始することを発表し、2021年4月1日に販売を開始いたしました。
2021年2月、AI分野での協業を目的として、株式会社チームAIBODとの間で資本・業務提携を行うことにつき合意いたしました。
また、当期において、以下の製品の販売を開始いたしました。
・非接触ヒューマン・マシン・インターフェース「MagiaTouch」 (イスラエル Jungo Connectivity Ltd.)
・SPI NAND専用 電源断対応ファイルシステム「Reliance EdgeNANDTM」 (アメリカ Datalight, Inc.)
・遠隔患者モニタリングソフトウェア「CoMedico SDK」 (イスラエル Jungo Connectivity Ltd.)
・ASIL-B準拠ハイパーバイザー「COQOS Hypervisor SDKTM」 (ドイツ OpenSynergy GmbH)
・外付けストレージ向け高性能NTFSファイルシステム「Microsoft NTFS by Tuxera」(フィンランド Tuxera, Inc.)
・IoTデバイス管理プラットフォーム「TR-369 ユーザーサービスプラットフォーム(USP)」(イスラエル Friendly Technologies Ltd.)
・車載専用ノイズ/エコーキャンセラー「BdSound S2C-A(Simply Sound Clear for Automotive)」(イタリア BdSound SRL.)
・TLS1.3仕様に準拠したソフトウェア製品「HE-TLS1.3」(ハンガリー HCC Embedded Kft.)
・車載ECUソフト開発向け各種ツール、ミドルウェア(ドイツ Visu-IT! GmbH)
・Bluetoothメッシュプロトコルスタック「Blue SDK Mesh」(ドイツ OpenSynergy GmBH.)
・AIによる外観検査システム開発用ソリューション「VIA-ヴィア」(アメリカ Neurala, Inc.)
・先端SAST(静的アプリケーションセキュリティテスト)ツール「ThunderScanⓇ」(アイルランド DefenseCode Group)
・AI特許技術でIoT/M2Mデータ伝送量を70-90%削減するIoTデータ圧縮・セキュア通信AIソリューション 「AtomBeamⓇ」(米国 AtomBeam Technologies, Inc.)
・ネイティブUEFIに準拠したハードウェア異常診断ツール「Pc-CheckⓇ UEFI」(UK Eurosoft(UK)Ltd)
・ディープラーニング(DNN)モデル自動最適化・圧縮ソフトウェア「NeutrinoTM」(カナダ Deeplite Inc.)
■ソフトウェアサービス事業
当事業の売上高は380,475千円(前期比11.6%減)、のれん償却額103,835千円を含めたセグメント損失は1,580千円(前期は666千円の利益)となりました。
ソフトウェアサービス事業では、既存顧客との各種受託開発売上、データコンテンツ「YOMI」に関する車載機器向けを中心としたライセンス使用料売上等を計上いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,628,769千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は24,882千円(前期は217,650千円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純損失や営業債務の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は80,635千円(前期は357,232千円の増加)となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は68千円(前期は1,010千円の増加)となりました。その要因は、自己株式の取得による支出であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引を消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、2,414,845千円(前期比148,614千円減)となりました。その主な要因は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、393,030千円(前期比321,009千円減)となりました。その主な要因は、のれんの減少であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、298,425千円(前期比84,197千円減)となりました。その主な要因は、未払消費税等や前受金の減少であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、80,426千円(前期比1,627千円減)となりました。その要因は、退職給付に係る負債の減少であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,429,024千円(前期比383,799千円減)となりました。その主な要因は、利益剰余金の減少であります。
この結果、自己資本比率は86.5%となりました。
2)経営成績
■ソフトウェアプロダクト事業
当連結会計年度は、特に次の2項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・高速起動製品を収益の核とした事業展開、車載機器を中心にLinux/Android搭載機器向けに幅広く展開、更なる高速化
・自動車・IoT分野を中心とした組込み機器向けネットワーク・セキュリティ関連ソフトウェアの展開を、協業によるサービス含めて推進
この結果、売上・利益ともに前年比減となるも、計画値の営業利益を確保いたしました。
翌連結会計年度以降は、次のような対策を講じて取り組んでまいります。
・高速起動製品の次世代プラットフォーム対応、海外市場への積極的な展開による売上拡大
・更なる高速化に向けた研究開発等への取組と案件獲得のための人材獲得強化
・自動車、IoT分野を中心とした組込み機器向けネットワーク、セキュリティ関連ソフトウェア製品の展開を推進
▲「Ubiquitous QuickBoot」累計出荷数6,000万本見込む
▲「Edge Trust」によるIoT機器のライフサイクル管理
■ソフトウェアディストリビューション事業
当連結会計年度は、特に次の項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・海外組込みソフトウェア製品取扱増のための採用強化、人員増により売上拡大
・商品ライフサイクルに対応するための積極的な新商品獲得
・開発品質向上支援ツールの取扱強化、サービスも含めたサブスクリプションモデルによる安定した売上の確保
・海外パートナーとの共同開発による安定した販売権の確保と日本のニーズに合わせた製品化
この結果、主力商品は収益に寄与したものの、新規案件、年間サブスクリプションモデルの品質向上支援ツールは、コロナ禍による顧客の費用支出抑制などによって通期で大きく影響を受け、売上・営業利益とも前年を大幅に下回る結果となりました。
翌連結会計年度以降は、次のような対策を講じて取り組んでまいります。
・ソフトウェア品質向上支援ツールの販売強化継続、エー・アンド・デイ社と共同開発した新製品「GSIL」、重点分野とするIoTセキュリティ関連製品「beSTORM X」とこれを活用した「IoT機器のセキュリティ検証サービス」販売に注力
・AI関連製品の商材強化と収益化の実現
・2021年3月期までに新規獲得した新商材の販売強化、継続的な新商材確保による収益基盤強化
▲多様な海外ソフトウェアパートナー
▲エッジAI関連製品ラインアップの強化
▲車載ECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール「GSIL」
▲IoTセキュリティ検証ツール「BeSTORM X」
■ソフトウェアサービス事業
当連結会計年度は、特に次の2つの項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・車載機器メーカーを中心とした受託開発・音楽関連データコンテンツライセンス取引の継続
・Web・スマートデバイス向けから組込みまで幅広い範囲の対応により、安定した顧客との取引と、グループ連携による受託開発案件の獲得
この結果、売上・利益共に前年比減となるも、計画値の営業利益を確保いたしました。
翌連結会計年度以降は、昨年同様、引き続き取り組んでまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度における連結売上高合計は1,905,093千円(前年同期比18.8%減)となりました。
詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価1,061,208千円(前年同期比13.5%減)、販売費及び一般管理費1,050,293千円(同3.2%減)を計上いたしました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、給料及び手当403,309千円(同1.5%増)、のれん償却額210,158千円(前年同額)、支払手数料86,782千円(同12.3%減)であります。
(経常損失)
経常損失202,202千円(前年同期は38,997千円の利益)を計上いたしました。
これは、主に営業損失206,408千円(前年同期は35,484千円の利益)、受取配当金1,930千円(前年同期比12.0%増)を計上したためであります。
(特別損失)
特別損失106,323千円(前年同期はなし)を計上しました。
当社が2017年4月に連結子会社化、2018年7月に合併いたしました、旧株式会社エーアイコーポレーション(現、ソフトウェアディストリビューション事業)について、新型コロナウイルス感染症拡大等の外部環境の悪化を踏まえ、今後の計画を見直した結果、当初想定されていた収益が見込めなくなったため、同社に関するのれんの減損損失を計上したためです。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
法人税、住民税及び事業税15,153千円、法人税等調整額(損)103,121千円の計上により、法人税等合計118,274千円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は426,799千円(前年同期は77,194千円の利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資産の流動性
資金の流動性につきましては、中長期的な株主価値の向上を図る観点から、M&A等の成長戦略及び財務の健全性強化のための内部留保の積上げと、株主の皆様への利益還元の拡充とのバランスを考慮することを基本としております。成長戦略に伴うM&Aや投資のための所要資金につきましては、グループ内での営業活動による自己資金で調達しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ469,623千円減少し、2,807,875千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ85,824千円減少し、378,851千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ383,799千円減少し、2,429,024千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は売上高1,905,093千円(前年同期比18.8%減)、営業損失206,408千円(前期は35,484千円の利益)、経常損失202,202千円(前期は38,997千円の利益)となりました。当社が2017年4月に連結子会社化、2018年7月に合併いたしました、旧株式会社エーアイコーポレーション(現、ソフトウェアディストリビューション事業)について、新型コロナウイルス感染症拡大等の外部環境の悪化を踏まえ、今後の計画を見直した結果、当初想定されていた収益が見込めなくなったため、当連結会計年度において、同社に関するのれんの減損損失として106,323千円を特別損失に計上したこと、並びに減損損失の計上と併せて、2021年3月期の業績及び今後の業績動向を踏まえ、将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産を取り崩し、法人税等調整額(損)を103,121千円計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、426,799千円(前期は77,194千円の利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
「ソフトウェアプロダクト事業」は、組込みネットワークソフトウェア及びセキュリティ関連ソフトウェア製品、データベース製品、高速起動製品等の主に自社開発によるデバイス組込み用ソフトウェアの開発及び販売等に関するセグメントであります。
「ソフトウェアディストリビューション事業」は、海外ソフトウェアの輸入販売、テクニカルサポート、及びカスタマイズ開発に関するセグメントであります。
「ソフトウェアサービス事業」は、株式会社エイムにおける、組込みソフトウェア等の受託を中心とした各種ソフトウェアの設計、開発、及びデータコンテンツのライセンス販売等に関するセグメントであります。
セグメント及び分野別の売上内訳及び事業状況は、以下のとおりです。
| セグメント | 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減率 (%) | ||
| 売上高(注) (千円) | 売上割合 (%) | 売上高(注) (千円) | 売上割合 (%) | ||
| ソフトウェアプロダクト事業 | 556,344 | 29.2 | 626,295 | 26.7 | △11.2 |
| ソフトウェアディストリビュー ション事業 | 968,274 | 50.8 | 1,290,042 | 55.0 | △24.9 |
| ソフトウェアサービス事業 | 380,475 | 20.0 | 430,346 | 18.3 | △11.6 |
| 合計 | 1,905,093 | 100.0 | 2,346,683 | 100.0 | △18.8 |
(注)売上高は、セグメント間取引を消去しております。
■ソフトウェアプロダクト事業
当事業の売上高は556,344千円(前期比11.2%減)、セグメント利益は9,754千円(前期比68.6%減)となりました。
ネットワーク関連製品では、セキュアなIoTサービスを実現するソリューションである「Edge Trust」の半導体メーカーとの研究開発案件およびIoT機器へのセキュリティ実装に関連する研究開発案件の売上、デジタルAV関連の既存顧客からのロイヤルティ売上、デジタルイメージング関連の既存顧客からの受託開発売上を計上いたしました。
高速起動製品では、車載機器関連、海外民生機器の既存顧客からのロイヤルティ売上を計上いたしました。引き続き、カーナビゲーションシステム等車載向け機器を中心に、複数社との間で大・中規模案件の開発が継続しております。
データベース製品では、産業機器、車載機器の既存顧客からのロイヤルティ売上等を計上いたしました。
2020年5月、組込みソフトウェアとIIoT(Industrial Internet of Things)プラットフォームの連携で産業機器のIoT化を支援することを目的として、PTCジャパン株式会社と協業することを発表いたしました。
2020年6月、株式会社サーバーワークスとの協業により、セキュアなIoTサービスを実現するソリューション「Edge Trust」が、アマゾン ウェブ サービスが提供するAWS IoTに対応し、AWS環境向けの提供を開始したことを発表いたしました。同社のAWSに関する豊富な実績と、当社のIoT機器向けのセキュリティに関する製品・技術を組み合わせることで、AWSを活用したクラウドのシステム構築から機器開発まで、IoTサービスを実現するためのワンストップの提案が可能となります。
2020年7月、IoTシステムとブロックチェーンを組み合わせたデータ改ざん防止ソリューションに関する独自技術を開発し、特許を申請したことを発表いたしました。
2020年12月、IIoTプラットフォームThingWorxⓇのクライアント機能に対応し、MCU上で動作可能なソフトウェアをPTCジャパン株式会社と共同開発し、「Ubiquitous Network Framework ThingWorx Edge Package」として提供開始することを発表し、2021年2月1日に提供を開始いたしました。
■ソフトウェアディストリビューション事業
当事業の売上高は968,274千円(前期比24.9%減)、のれん償却額106,323千円を含めたセグメント損失は214,582千円(前期は3,735千円の利益)となりました。
BIOS製品では、ノートブックPCの既存顧客から、「InsydeH2OⓇ」(「EFI/UEFI」仕様を実装したC言語ベースBIOS)のロイヤルティ売上等を計上いたしました。
品質向上支援ツール製品では、車載機器、産業機器等の既存顧客から、「CodeSonar」(ソフトウェアの動的不具合をソースコードで静的に検出することができる解析ツール)やECU関連開発ツールなど年間ライセンスのリピート及び新規顧客からの年間ライセンス及びサポート売上を計上いたしました。
ワイヤレス製品では、車載機器等の既存顧客から、「Blue SDK」(Bluetoothプロトコルスタック)のロイヤルティ売上等を計上いたしました。
AIソリューション製品では、車載機器の既存顧客から「CoDriver」(ドライバー・キャビンモニタリングシステム)の受託開発売上、産業機器の既存顧客から「GenSynth」(ディープラーニングモデル最適化プラットフォーム)のライセンス売上を計上いたしました。
その他、多数の取扱い製品より、新規、既存顧客からのロイヤルティ売上等を計上いたしました。
2020年7月、株式会社エー・アンド・デイとの間で、車載システムソフトウェア開発用シミュレーターの共同開発ならびに販売に関する業務提携で合意し、個別の車載システム開発環境に合わせて最適化できるPCベースの車載システムソフトウェア開発用シミュレーターを共同開発することを発表し、2021年3月、車載向けECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール「GSIL(ジーシル)」を販売開始することを発表し、2021年4月1日に販売を開始いたしました。
2021年2月、AI分野での協業を目的として、株式会社チームAIBODとの間で資本・業務提携を行うことにつき合意いたしました。
また、当期において、以下の製品の販売を開始いたしました。
・非接触ヒューマン・マシン・インターフェース「MagiaTouch」 (イスラエル Jungo Connectivity Ltd.)
・SPI NAND専用 電源断対応ファイルシステム「Reliance EdgeNANDTM」 (アメリカ Datalight, Inc.)
・遠隔患者モニタリングソフトウェア「CoMedico SDK」 (イスラエル Jungo Connectivity Ltd.)
・ASIL-B準拠ハイパーバイザー「COQOS Hypervisor SDKTM」 (ドイツ OpenSynergy GmbH)
・外付けストレージ向け高性能NTFSファイルシステム「Microsoft NTFS by Tuxera」(フィンランド Tuxera, Inc.)
・IoTデバイス管理プラットフォーム「TR-369 ユーザーサービスプラットフォーム(USP)」(イスラエル Friendly Technologies Ltd.)
・車載専用ノイズ/エコーキャンセラー「BdSound S2C-A(Simply Sound Clear for Automotive)」(イタリア BdSound SRL.)
・TLS1.3仕様に準拠したソフトウェア製品「HE-TLS1.3」(ハンガリー HCC Embedded Kft.)
・車載ECUソフト開発向け各種ツール、ミドルウェア(ドイツ Visu-IT! GmbH)
・Bluetoothメッシュプロトコルスタック「Blue SDK Mesh」(ドイツ OpenSynergy GmBH.)
・AIによる外観検査システム開発用ソリューション「VIA-ヴィア」(アメリカ Neurala, Inc.)
・先端SAST(静的アプリケーションセキュリティテスト)ツール「ThunderScanⓇ」(アイルランド DefenseCode Group)
・AI特許技術でIoT/M2Mデータ伝送量を70-90%削減するIoTデータ圧縮・セキュア通信AIソリューション 「AtomBeamⓇ」(米国 AtomBeam Technologies, Inc.)
・ネイティブUEFIに準拠したハードウェア異常診断ツール「Pc-CheckⓇ UEFI」(UK Eurosoft(UK)Ltd)
・ディープラーニング(DNN)モデル自動最適化・圧縮ソフトウェア「NeutrinoTM」(カナダ Deeplite Inc.)
■ソフトウェアサービス事業
当事業の売上高は380,475千円(前期比11.6%減)、のれん償却額103,835千円を含めたセグメント損失は1,580千円(前期は666千円の利益)となりました。
ソフトウェアサービス事業では、既存顧客との各種受託開発売上、データコンテンツ「YOMI」に関する車載機器向けを中心としたライセンス使用料売上等を計上いたしました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,628,769千円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は24,882千円(前期は217,650千円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前四半期純損失や営業債務の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は80,635千円(前期は357,232千円の増加)となりました。その主な要因は、無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は68千円(前期は1,010千円の増加)となりました。その要因は、自己株式の取得による支出であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| ソフトウェアプロダクト事業 | 55,793 | △31.7 |
| ソフトウェアディストリビューション事業 | 153,513 | △15.4 |
| ソフトウェアサービス事業 | 216,520 | 20.2 |
| 合計 | 425,827 | △3.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| ソフトウェアプロダクト事業 | 55,793 | △29.4 | - | - |
| ソフトウェアディストリビュー ション事業 | 154,457 | △36.1 | 1,300 | 333.3 |
| ソフトウェアサービス事業 | 247,741 | 20.7 | 28,822 | 204.0 |
| 合計 | 457,991 | △12.9 | 30,122 | 208.0 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| ソフトウェアプロダクト事業 | 556,344 | △11.2 |
| ソフトウェアディストリビューション事業 | 968,274 | △24.9 |
| ソフトウェアサービス事業 | 380,475 | △11.6 |
| 合計 | 1,905,093 | △18.8 |
(注)1.セグメント間取引を消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、2,414,845千円(前期比148,614千円減)となりました。その主な要因は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少であります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、393,030千円(前期比321,009千円減)となりました。その主な要因は、のれんの減少であります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、298,425千円(前期比84,197千円減)となりました。その主な要因は、未払消費税等や前受金の減少であります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、80,426千円(前期比1,627千円減)となりました。その要因は、退職給付に係る負債の減少であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、2,429,024千円(前期比383,799千円減)となりました。その主な要因は、利益剰余金の減少であります。
この結果、自己資本比率は86.5%となりました。
2)経営成績
■ソフトウェアプロダクト事業
当連結会計年度は、特に次の2項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・高速起動製品を収益の核とした事業展開、車載機器を中心にLinux/Android搭載機器向けに幅広く展開、更なる高速化
・自動車・IoT分野を中心とした組込み機器向けネットワーク・セキュリティ関連ソフトウェアの展開を、協業によるサービス含めて推進
この結果、売上・利益ともに前年比減となるも、計画値の営業利益を確保いたしました。
翌連結会計年度以降は、次のような対策を講じて取り組んでまいります。
・高速起動製品の次世代プラットフォーム対応、海外市場への積極的な展開による売上拡大
・更なる高速化に向けた研究開発等への取組と案件獲得のための人材獲得強化
・自動車、IoT分野を中心とした組込み機器向けネットワーク、セキュリティ関連ソフトウェア製品の展開を推進
▲「Ubiquitous QuickBoot」累計出荷数6,000万本見込む
▲「Edge Trust」によるIoT機器のライフサイクル管理■ソフトウェアディストリビューション事業
当連結会計年度は、特に次の項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・海外組込みソフトウェア製品取扱増のための採用強化、人員増により売上拡大
・商品ライフサイクルに対応するための積極的な新商品獲得
・開発品質向上支援ツールの取扱強化、サービスも含めたサブスクリプションモデルによる安定した売上の確保
・海外パートナーとの共同開発による安定した販売権の確保と日本のニーズに合わせた製品化
この結果、主力商品は収益に寄与したものの、新規案件、年間サブスクリプションモデルの品質向上支援ツールは、コロナ禍による顧客の費用支出抑制などによって通期で大きく影響を受け、売上・営業利益とも前年を大幅に下回る結果となりました。
翌連結会計年度以降は、次のような対策を講じて取り組んでまいります。
・ソフトウェア品質向上支援ツールの販売強化継続、エー・アンド・デイ社と共同開発した新製品「GSIL」、重点分野とするIoTセキュリティ関連製品「beSTORM X」とこれを活用した「IoT機器のセキュリティ検証サービス」販売に注力
・AI関連製品の商材強化と収益化の実現
・2021年3月期までに新規獲得した新商材の販売強化、継続的な新商材確保による収益基盤強化
▲多様な海外ソフトウェアパートナー
▲エッジAI関連製品ラインアップの強化
▲車載ECUソフトウェア開発向けシミュレーションツール「GSIL」
▲IoTセキュリティ検証ツール「BeSTORM X」■ソフトウェアサービス事業
当連結会計年度は、特に次の2つの項目に重点を置いて取り組んでまいりました。
・車載機器メーカーを中心とした受託開発・音楽関連データコンテンツライセンス取引の継続
・Web・スマートデバイス向けから組込みまで幅広い範囲の対応により、安定した顧客との取引と、グループ連携による受託開発案件の獲得
この結果、売上・利益共に前年比減となるも、計画値の営業利益を確保いたしました。
翌連結会計年度以降は、昨年同様、引き続き取り組んでまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、以下のとおりとなりました。
(売上高)
当連結会計年度における連結売上高合計は1,905,093千円(前年同期比18.8%減)となりました。
詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価1,061,208千円(前年同期比13.5%減)、販売費及び一般管理費1,050,293千円(同3.2%減)を計上いたしました。販売費及び一般管理費の主な内訳は、給料及び手当403,309千円(同1.5%増)、のれん償却額210,158千円(前年同額)、支払手数料86,782千円(同12.3%減)であります。
(経常損失)
経常損失202,202千円(前年同期は38,997千円の利益)を計上いたしました。
これは、主に営業損失206,408千円(前年同期は35,484千円の利益)、受取配当金1,930千円(前年同期比12.0%増)を計上したためであります。
(特別損失)
特別損失106,323千円(前年同期はなし)を計上しました。
当社が2017年4月に連結子会社化、2018年7月に合併いたしました、旧株式会社エーアイコーポレーション(現、ソフトウェアディストリビューション事業)について、新型コロナウイルス感染症拡大等の外部環境の悪化を踏まえ、今後の計画を見直した結果、当初想定されていた収益が見込めなくなったため、同社に関するのれんの減損損失を計上したためです。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
法人税、住民税及び事業税15,153千円、法人税等調整額(損)103,121千円の計上により、法人税等合計118,274千円となり、親会社株主に帰属する当期純損失は426,799千円(前年同期は77,194千円の利益)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資産の流動性
資金の流動性につきましては、中長期的な株主価値の向上を図る観点から、M&A等の成長戦略及び財務の健全性強化のための内部留保の積上げと、株主の皆様への利益還元の拡充とのバランスを考慮することを基本としております。成長戦略に伴うM&Aや投資のための所要資金につきましては、グループ内での営業活動による自己資金で調達しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。