有価証券報告書-第11期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/19 16:08
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
IoTやAIの進展など、先端テクノロジーにより破壊的な環境変化が起きており、働き方改革の実現を目指す国を挙げた動きとあいまって、今後、企業の成長や収益拡大にセキュリティをより重視したITの活用はますます欠かせないものとなっています。これにより、国内のIT投資は着実に増加する傾向にあります。加えて、サイバー空間では、身代金要求型ウイルス事件に見せかけたサイバーテロなど、企業システムや社会インフラを機能停止に追い込む新たな脅威が世界各地で発生しています。しかしながら、国内ではセキュリティ対策への需要は伸長しているものの、このような脅威に対する認識不足もあり、昨今のサイバー攻撃の巧妙化、悪質化に応じた十分な対策まで取られているとは言えない状況が続きました。
このような状況のもと、中期経営計画『TRY 2021 ステージ 1』の最終年度である当期は、人々の生活をより良い方向に変化させるデジタルトランスフォーメーションに向けた改革が進むなか、来期からスタートする『ステージ 2』での飛躍に向け、人的投資を中心としたセキュリティを中核とする事業の強化・拡大や、事業構造変革による強い収益体質の構築に取り組みました。
コンサルティングや診断など主力のセキュリティサービスにおいては、常駐型サービスへの対応など、高品質で信頼性の高いセキュリティ対策への需要を確実に取り込みました。開発サービスにおいては、当期から開始した過去最高水準の受注額となる政府系金融業向け大型SI案件で、より強固なパートナーシップ体制の構築などプロジェクト推進体制を確立し、基本設計工程を終え、開発設計工程へと進捗しました。
さらなる拡大が期待されるセキュリティ市場に対し、事業拡大と業務効率改善に向けセキュリティ監視センター「JSOC®」の全面リニューアルを行うとともに、米国アカマイ社との戦略的パートナーシップを活用したクラウド対応型や、中部地域大手製造業向けなどの新たなセキュリティ運用監視サービスを開発するなど、戦略投資を実施しました。また、KDDI株式会社との間で、au経済圏の最大化に向けて総合的なセキュリティソリューションを提供する合弁会社「KDDIデジタルセキュリティ株式会社」を設立しました。
セキュリティ人材の増強に向けては、キャリア採用キャンペーンの推進や、社内の配置転換および人材教育の強化などに取り組みました。キャリア採用については、一定数の人材を確保したものの、採用環境の激化もあり計画を大きく下回りました。一方、運用監視サービスにおいてシステムの保守・メンテナンスで協力関係にある株式会社アジアンリンクの子会社化など、パートナーシップ深化による人員強化を進めました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)が好調に推移したことにより、384億32百万円(前期比3.6%増)となりました。一方、利益面では、期初からの積極的な人材採用などの労務費増および新サービスの開発などセキュリティ事業強化に向けた戦略投資の経費増により、営業利益は22億24百万円(同9.1%減)、経常利益は23億49百万円(同4.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、のれん減損損失を計上した影響もあり12億52百万円(同16.0%減)となりました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度においては、関連事業拡大のための出資やセキュリティ運用監視サービス拡充のための設備投資等の積極的投資に加え、配当基本方針に基づく普通配当及び設立10周年記念配当の株主還元を実行する一方、純資産の積上げも図ることにより、資本効率性に配慮しつつ引き続き安定した財務基盤を維持しております。当連結会計年度末における財政状態の状況は次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べ11億87百万円増加し、199億9百万円となりました。これは主に仕掛品の増加
2億59百万円、前払費用の増加3億37百万円、のれんの減少6億90百万円、投資有価証券の増加9億73百万円等によ
るものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ7億34百万円増加し、98億17百万円となりました。これは主に前受収益の増加10
億33百万円、長期借入金の減少5億31百万円等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ4億52百万円増加し、100億92百万円となりました。これは主に親会社株主に
帰属する当期純利益の計上などによる利益剰余金の増加4億51百万円等によるものであります。この結果、自己資本
比率は50.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億34百万円増加し、51億3百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は34億51百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益21億83百万円に減価償却費6億33百万円、のれん償却額5億32百万円、その他の流動負債(主に前受収益)の増加額13億98百万円、法人税等の支払額8億95百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は19億7百万円となりました。これは主に関係会社株式の取得による支出2億45百万円、有形固定資産の取得による支出6億87百万円、ソフトウエアの取得による支出2億99百万円、投資有価証券の取得による支出6億46百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は14億9百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出5億34百万円、配当金の支払額7億98百万円等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業(千円)6,154,879125.9
システムインテグレーションサービス事業(千円)13,327,186100.5
合計(千円)19,482,065107.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業15,424,629115.57,025,453142.4
システムインテグレーションサービス事業22,766,25174.110,917,29682.4
合計38,190,88086.617,942,74998.7

(注)1.上記の金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業(千円)13,333,027113.2
システムインテグレーションサービス事業(千円)25,099,13299.1
合計(千円)38,432,160103.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 平成28年4月1日
至 平成29年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
みずほ情報総研株式会社4,179,88211.33,337,9798.7

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり基本となる重要事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。また当社は財務諸表の作成にあたり、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
(経営成績の認識及び分析)
当社グループの当連結会計年度は、中期経営計画『TRY 2021 ステージ 1』の最終年度にあたり、次の『ステージ 2』での飛躍に向け、人的投資を中心としたセキュリティを中核とする事業の強化・拡大や、事業構造変革による強い収益体質の構築に取り組みました。
中期経営計画『TRY 2021 ステージ 1』では、広く社会から支持され、持続した成長を実現できるラックグループを目指し、M&Aや事業提携を含めた「新事業への挑戦」、処遇改善や管理部門の人員拡充などの「経営基盤の強化」を進め、さらに最終年度ではセキュリティを軸とした成長に向けて「セキュリティ事業の更なる強化」を推進しました。
平成30年3月期の経営目標として、売上高500億円、ROE15%以上、東京証券取引所 本則市場第一部への変更を掲げ、売上高500億円については、M&Aの条件やタイミングの不一致があったことや新規事業の進捗が遅れたこと、HW/SW販売の金融機関向けの需要が減少したことなどから未達となりました。ROE15%以上は、セキュリティ事業強化のための戦略投資により最終年度は未達となりました。東京証券取引所 本則市場第一部への変更は、セキュリティを軸に激しい環境変化に対応するための事業構造変革を優先し、目標期日内での申請を一旦見合わせております。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ13億22百万円増加し、384億32百万円(前期比3.6%増)となりました。これは主に、セキュリティソリューションサービス事業の売上高の増加によるものであります。各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティソリューションサービス事業が34.7%、システムインテグレーションサービス事業が65.3%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ2百万円減少し、84億69百万円(同0.0%減)となりました。また、売上総利益率は、処遇改善や人材採用などの労務費の増加やセキュリティ事業強化に向けた戦略投資の経費増に伴い、前連結会計年度に比べ0.8ポイント減少し、22.0%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、本社オフィスの増床や管理部門の人材拡充等により、前連結会計年度に比べ2億19百万円増加し、62億44百万円(同3.6%増)となりました。以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ2億22百万円減少し、22億24百万円(同9.1%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、前連結会計年度に比べ持分法による投資利益の増加等により83百万円増加し、1億56百万円(同114.5%増)となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べ24百万円減少し、31百万円(同43.7%減)となりました。以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ1億14百万円減少し、23億49百万円(同4.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は、連結子会社であるネットエージェント株式会社ののれん減損損失の計上等により、前連結会計年度に比べ1億29百万円増加し、1億66百万円(前年同期比344.5%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ2億38百万円減少し、12億52百万円(同16.0%減)となりました。
(財政状態の認識及び分析)
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フローの認識及び分析)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は経常的な運転資金及び設備資金、関連事業を営む企業の買収や資本参加のための投資資金であります。資金は使途に応じて内部資金または金融機関からの借り入れにより調達しております。また、当社グループは、運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行18行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約(総額84億20百万円)を締結しております。当連結会計年度末の借入実行残高はなく、借入未実行残高は84億20百万円であります。
当社グループでは、経営上の目標達成状況が客観的に判断可能な指標として、ROE(自己資本利益率)を採用しており、中長期的に15%以上の水準を維持することを目標に掲げております。当連結会計年度におけるROEは12.7%(前年同期比3.6ポイント悪化)でありましたが、引き続き当該指標の改善に向け努力していく所存でございます。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(セキュリティソリューションサービス事業)
セキュリティコンサルティングサービスは、顧客企業内でサイバーセキュリティ事故対応チーム「CSIRT」等が立ち上がっていることにより、前期と比較して大規模なセキュリティ事故がなく、緊急対応サービス「サイバー119」の案件数は減少しているものの、セキュリティ監視の運用支援など常駐型サービスへの需要が大きく伸長し、売上高は35億36百万円(前期比25.4%増)となりました。
セキュリティ診断サービスは、引き続き拡大する安全性検査への好調な需要を背景に、主力である「Webアプリケーション診断」や「プラットフォーム診断」における大型案件、顧客ニーズに対応した常駐型案件、さらには自社の技術者が攻撃者と同じ手法で企業のネットワークに擬似攻撃を仕掛ける「ペネトレーション(侵入)テストサービス」の受注もあり、売上高は19億83百万円(同18.3%増)となりました。
セキュリティ運用監視サービスは、第1四半期での一部大手顧客における監視センターの企業内構築に伴う解約が発生したものの、これまでに獲得した新規案件に加えて既存案件の契約更新が堅調に推移したことに加え、第4四半期に開始した中部地域の大手製造業向け案件も寄与し、売上高は37億95百万円(同6.0%増)となりました。
セキュリティ製品販売は、WAF(Webアプリケーションファイアウォール)サービスやDDoS(分散型サービス妨害)攻撃※対策ソリューション、クラウドに対応した次世代ファイアウォールなど、高度な機能を備えた最先端の監視製品の販売が伸長し、売上高は27億59百万円(同4.6%増)となりました。
セキュリティ保守サービスは、前期のセキュリティ製品販売が好調に推移したことによる既存案件の更新需要に加え、新規案件の増加により、売上高は12億57百万円(同17.5%増)となりました。
この結果、SSS事業の売上高は133億33百万円(同13.2%増)、セグメント利益は、期初から取り組んでいる人的投資や、クラウドへの対応および大手製造業向けの運用監視サービス開発等への戦略投資に加え、SIS事業の営業リソースの一部シフトなどによる販売費の増加もあり22億39百万円(同13.5%減)となりました。
※ 標的となるコンピュータに対し、世界中の機器から大量にデータを送りつけ処理負荷を与え、サービス停止状態へ追い込む
サイバー攻撃。
セキュリティソリューションサービス事業の主な資産は、各サービスの提供や製品販売等に係る売掛金、セキュリティ運用監視サービス提供のためのIT機器等の有形固定資産、ソフトウエア等であります。主な負債は、セキュリティ運用監視サービスやセキュリティ保守サービス提供に際して顧客より受領する前受収益等であります。
(システムインテグレーションサービス事業)
開発サービスは、主力の金融業向け案件が堅調に推移するとともに、当期から開始した政府系金融業向けの新規大型案件が大きく売上に寄与しました。また金融業以外では、情報通信業や旅行業、人材派遣業などからの受注も堅調に推移しました。さらに、セキュリティ対策を切り口としたSI案件の獲得などもあり、売上高は153億88百万円(前期比3.8%増)となりました。
HW/SW販売は、前期に引き続き、クラウドサービスの活用などお客様のIT投資に対する選択肢の多様化を背景とした案件の減少や小型化が進み需要は依然として縮小傾向にあるものの、大型案件の獲得もあり、売上高は33億99百万円(同16.5%増)となりました。
IT保守サービスは、前期のHW/SW販売が想定以上に低調だったことに加え、戦略的に一部機種の保守契約を見直し、案件を削減したことにより、売上高は47億53百万円(同22.9%減)となりました。
ソリューションサービスは、データセンター関連等のサービスの伸長や、子会社の株式会社ジャパン・カレントが提供するデジタルマーケティングサービスの売上増も寄与し、売上高は15億57百万円(同10.1%増)となりました。
この結果、SIS事業の売上高はIT保守サービスの減収が影響し250億99百万円(同0.9%減)となったものの、セグメント利益は開発サービスにおける増収と営業リソースの一部シフトなどによる販売費の減少により26億23百万円(同19.4%増)となりました。
システムインテグレーションサービス事業の主な資産は、開発サービスの提供やHW/SW販売等に係る売掛金、開発サービスにおける仕掛品、IT保守サービス提供に伴う前払費用、ソリューションサービス提供のためのデータセンター設備等であります。主な負債は、開発サービスにおけるビジネスパートナーへの外注やHW/SW販売の仕入れ等に伴う買掛金、IT保守サービス提供に際して顧客より受領する前受収益等であります。

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