有価証券報告書-第17期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/25 16:05
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158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類へ移行し、社会・経済活動は正常化に向けた動きが進みました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や円安の影響等により原油をはじめとした資源・エネルギー価格が高騰するとともに、中東情勢の緊迫化の影響が懸念されるなど、社会・経済情勢は依然として不透明な状況が続きました。
このような状況のなかでも、企業や官公庁等におけるデジタル化が進められ、クラウド基盤の活用推進やビジネス変革、事業領域の拡大を目的としたデジタル投資は、様々な業種・業界で増加基調にあります。また、破壊的なテクノロジーともいわれる生成AIの登場により、あらゆる分野においてAI活用の可能性が探られるなど、デジタルビジネスを活性化させる動きも出ています。
このようなデジタル化の進展に伴ってサイバー脅威の領域が拡大しており、身代金要求型攻撃(ランサム攻撃)により部品製造業者がシステムを停止させられ、生産ラインも止めざるを得なくなったことでサプライチェーン全般にまで影響が及ぶようになるなど、サイバー被害は従来にも増して甚大化、複雑化しています。また、大手通信事業者の子会社において大規模な情報持ち出し被害などが報道され、内部不正対策は都度社会的な課題となり組織的な強化が図られるものの、年が経つにつれその記憶が忘れ去られてしまうことを改めて社会に認知させるに至りました。さらには、安全保障の観点で重要情報の管理を厳格化する動きがみられるなど、サイバーセキュリティ対策は一層の強化が求められる状況になっています。
当社は、セキュリティ事故において長年にわたりお客様に寄り添い対策してきた経験をもとに、検知から対策まで迅速かつ高度な対応を行う外部の脅威だけでなく内部不正を含めた対応力のさらなる向上のため、緊急対応サービスの事業体制強化や運用監視サービスのサービス力強化への取り組みを推進してきました。
当連結会計年度の売上高は、セキュリティソリューションサービス事業は製品販売や診断サービスなどが拡大し、またシステムインテグレーションサービス事業は開発サービスやHW/SW販売などが伸長したことにより、49,477百万円(前期比12.4%増)となりました。利益面では、営業利益は2,174百万円(同22.5%増)、経常利益は2,153百万円(同18.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,379百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失147百万円)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、セキュリティソリューションサービス事業のサブセグメント間において組み替えを行っています。エンドポイント対策支援サービスをセキュリティコンサルティングサービスからセキュリティ運用監視サービスに、また標的型メール訓練サービスをセキュリティ診断サービスからセキュリティコンサルティングサービスへと組み替えています。それに伴い、前期比較においては、前期の数値を変更後の数値に組み替えて比較しております。
(セキュリティソリューションサービス事業)
セキュリティコンサルティングサービスは、緊急対応サービス案件の減少はあったものの、体制・対策強化に向けたコンサルティング案件の拡大や標的型メール訓練など教育サービスが伸長したことにより、売上高は3,898百万円(前期比1.0%増)となりました。
セキュリティ診断サービスは、年間で手掛ける大型案件の売上計上があったことや実践的な疑似攻撃を行い潜在的な脅威を調査するペネトレーションテストの案件が拡大したことなどにより、売上高は3,018百万円(同17.2%増)となりました。
セキュリティ運用監視サービスは、特定企業向けに高度な対策を行う個別監視サービスや内部不正監視サービスが伸長するとともに、エンドポイント対策支援サービスが拡大したことにより、売上高は6,598百万円(同6.1%増)となりました。
セキュリティ製品販売は、エンドポイント対策向けおよびサービス妨害型攻撃にも対応したWebセキュリティ対策向けクラウド対応製品や、潜在的な脅威情報を収集・分析するセキュリティ製品などが大幅に拡大したことにより、売上高は7,773百万円(同29.5%増)となりました。
セキュリティ保守サービスは、クラウド対応製品の拡大等で需要が縮小している影響はあるものの、既存案件等が増加したことにより、売上高は869百万円(同1.0%増)となりました。
この結果、セキュリティソリューションサービス事業の売上高は22,159百万円(同13.5%増)、セグメント利益は事業体制・サービス力強化のための先行投資などの影響により、2,260百万円(同4.5%減)となりました。
(システムインテグレーションサービス事業)
主力ビジネスである開発サービスは、大手銀行やクレジットカードなどの金融業向け案件に加え、公共向け案件が大幅に伸長したことにより、売上高は18,218百万円(前期比11.4%増)となりました。
HW/SW販売は、クラウドサービスの拡大等で需要は縮小しているものの、更新案件等の獲得により大幅に伸長し、売上高は3,530百万円(同43.5%増)となりました。
IT保守サービスは、更新案件等が減少したことにより、売上高は3,092百万円(同6.3%減)となりました。
ソリューションサービスは、サイバーセキュリティ対策にも寄与するクラウドソリューション製品の販売が拡大したことにより、売上高は2,475百万円(同3.9%増)となりました。
この結果、システムインテグレーションサービス事業の売上高は27,317百万円(同11.5%増)、セグメント利益は3,854百万円(同12.4%増)となりました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度においては、セキュリティ事業基盤拡張のための内部システム開発投資を継続しております。また、株主還元については、中長期的な視点に立った投資やキャッシュ・フローの状況を勘案しつつ、DOE(株主資本配当率)を指標とする配当を継続しております。
総資産は、前連結会計年度末に比べ1,198百万円増加し、23,770百万円となりました。変動は主に現金及び預金の減少649百万円、売掛金の増加1,387百万円、商品の増加776百万円等によります。
負債は、前連結会計年度末に比べ613百万円増加し、8,365百万円となりました。変動は主に買掛金の増加703百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少1,336百万円、未払法人税等の増加404百万円、契約負債の増加307百万円等によります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ584百万円増加し、15,404百万円となりました。変動は主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加579百万円等によります。この結果、自己資本比率は64.8%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ649百万円減少し、5,494百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,177百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,004百万円に減価償却費1,023百万円、のれん償却額72百万円、売上債権の増加額1,385百万円、棚卸資産の増加額938百万円、仕入債務の増加額703百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は708百万円となりました。これは主にソフトウエアの取得による支出442百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は2,134百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,336百万円、配当金の支払額798百万円等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業(百万円)10,040113.4
システムインテグレーションサービス事業(百万円)14,250108.8
合計(百万円)24,290110.7

b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業23,562113.011,464113.9
システムインテグレーションサービス事業30,242115.312,845129.5
合計53,804114.324,309121.7

(注)上記の金額は、販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業(百万円)22,159113.5
システムインテグレーションサービス事業(百万円)27,317111.5
合計(百万円)49,477112.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、販売実績額が総販売実績額の100分の10以上となる販売先がないため省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
(経営成績の認識及び分析)
当連結会計年度は、セキュリティ事業における体制強化やサービス力強化などの成長施策を推進するとともに、SI事業における収益改善に向けた取り組みや、生成AIを活用した社内生産性の向上と事業開発の検証などを進めました。
セキュリティソリューションサービス事業では、特定企業向けに高度な対策を行う個別監視サービスの前期受注案件の運用開始と受注拡大を着実に進めたほか、企業のIT環境を包括し監視対象領域を拡大する新たなサービス開発や、大規模監視向けに低コスト化を実現する分析基盤の導入などの取り組みを推進しました。また、自動ツールとノウハウを組み合わせた診断サービスにおいて、顧客の利便性を高める管理プラットフォームを活用した案件拡大に取り組むとともに、大規模案件を迅速かつ効率的に対応するための緊急対応サービスの事業体制強化を推進しました。
システムインテグレーションサービス事業では、クラウド型サービスの導入・活用を支援する付加価値の高いシステム開発案件の拡大とともに、高度な専門性を持つ先端IT人材のリスキリングを進めました。また、先進的なクラウドソリューション製品の取り扱い製品の拡充と販売拡大などに取り組みました。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ5,458百万円増加し、49,477百万円(前期比12.4%増)となりました。これは、セキュリティソリューションサービス事業とシステムインテグレーションサービス事業の売上高の増加によるものであります。各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティソリューションサービス事業が44.8%、システムインテグレーションサービス事業が55.2%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ476百万円増加し、10,086百万円(同5.0%増)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ1.4ポイント減少し、20.4%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の社内基幹システム開発に伴う費用の減少があったもののオフィス更改関連やIT投資などの費用が増加したことにより、前連結会計年度に比べ76百万円増加し、7,912百万円(同1.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ399百万円増加し、2,174百万円(同22.5%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、助成金収入や持分法による投資利益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ55百万円減少し、31百万円(同63.6%減)となりました。営業外費用は、持分法による投資損失や投資事業組合運用損の計上があったことなどにより、前連結会計年度に比べ3百万円増加し、52百万円(同8.1%増)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ340百万円増加し、2,153百万円(同18.8%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益や投資有価証券売却益を計上したことにより、前連結会計年度に比べ63百万円増加し、63百万円(前期は特別利益は0百万円)となりました。特別損失は、前連結会計年度は社内基幹システム開発の中止に伴う損失の計上があったことなどにより、前連結会計年度に比べ1,743百万円減少し、212百万円(同89.1%減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,379百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失147百万円)となりました。
(財政状態の認識及び分析)
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(セキュリティソリューションサービス事業)
セキュリティソリューションサービス事業の主な資産は、各サービスの提供や製品販売、保守サービス等に係る売掛金、セキュリティ運用監視サービス提供のためのソフトウエア及びIT機器等の有形固定資産、中長期的に事業シナジーを期待できるセキュリティ関連企業への資本参加による投資等であります。主な負債は、製品販売、保守サービスの仕入れに伴う買掛金、セキュリティ運用監視サービスに際して顧客より受領する前受金に関連する契約負債等であります。
(システムインテグレーションサービス事業)
システムインテグレーションサービス事業の主な資産は、開発サービスの提供やHW/SW販売、IT保守サービス等に係る売掛金、HW/SW販売、IT保守サービスにおける商品等であります。主な負債は、開発サービスにおけるビジネスパートナーへの外注やHW/SW販売、IT保守サービスの仕入れに伴う買掛金等であります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は経常的な運転資金及びセキュリティソリューションサービス事業の設備資金、関連事業を営む企業の買収や資本参加のための投資資金であります。資金は使途に応じて内部資金、増資または金融機関からの借り入れにより調達しております。また、当社グループは、運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行13行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約(総額8,420百万円)を締結しております。当連結会計年度末の借入実行残高はなく、借入未実行残高は8,420百万円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり基本となる重要事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。また当社は財務諸表の作成にあたり、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、スケジューリング可能な将来減算一時差異について回収可能性があるものとして繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じ、課税所得が変動した場合には、繰延税金資産の評価に影響を与える可能性があります。

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