有価証券報告書-第14期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/23 16:12
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
新型コロナウイルスの脅威にさらされることで社会活動が一変し、企業活動もテレワーク(在宅勤務)を前提とした働き方へ一気に変容するなどニューノーマル(新常態)に突入しています。多くの企業において数々のクラウドサービスを活動基盤として徹底活用するなど、ITによる変革“デジタルトランスフォーメーション”が進行しており、従業員のサイバーセキュリティを含めたデジタル活用力、いわゆるデジタル力(デジ力)向上も経営課題として捉えられてきています。今後もこれらに対応するIT投資は堅調に推移し、ますますデジタルを活用する社会に変容していくものと推測されます。
昨年4月に発出された政府による緊急事態宣言を受けて、その場しのぎでテレワークの導入を進めた企業も多々見られましたが、長引く感染症対策のもと、宣言解除後も多くの企業で事業継続対策としてテレワークの併用は必須と捉え、安全かつ継続的に利用できる環境を定着させる必要性に迫られています。さらに、今後のデジタル社会を睨んだ各国の覇権争いや組織犯罪に関連したと見られるサイバー攻撃も増大しており、セキュリティ対策への重要性は一層高まっていくものと考えています。
当社においては、前期に働き方改革の一環として社内IT変革を実施したこともあり、昨年2月以降、事業継続上の判断からテレワーク中心の勤務形態に問題なく移行できており、昨年の政府による緊急事態宣言後も最大限のテレワーク体制により事業には大きな影響なく企業活動を行っています。一方で、特に第1四半期にお客様の企業活動の停滞等により営業・受注活動に制約を受け、想定より収益が落ち込む事業部門もあり、また今年1月には再び緊急事態宣言が発出されるなど、事業環境は依然として予断を許さない状況が続いています。
このような状況下、第1四半期での落ち込みはあったものの、期末にかけてセキュリティ対策サービスの需要が拡大したことにより、セキュリティソリューションサービス事業(SSS事業)はコンサルティングや診断等のサービス売上が伸長するとともに製品販売が拡大したことによって増収となり、システムインテグレーションサービス事業(SIS事業)もソリューションサービスや開発サービス等の拡大で増収となったことにより、当連結会計年度の売上高は43,693百万円(前期比8.0%増)となりました。利益面では、SSS事業における人員体制強化や業務効率改善のための社内ITシステム刷新等の投資、在宅勤務等の負担に対する全社員への特別支援一時金の支給などがあったものの、営業利益は2,117百万円(同19.8%増)、経常利益は2,242百万円(同19.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、長期滞留仕掛品評価損を特別損失として計上したことなどにより、304百万円(同72.1%減)となりました。
(財政状態の状況)
当連結会計年度においては、社内基幹システムの統合・刷新に向けた社内ITシステムやセキュリティ監視センター「JSOC®」基盤システムの追加開発等のソフトウエア資産への投資、配当基本方針に基づく株主還元を実行する一方、長期借入れによる資金調達により、手元流動性や資本効率性に配慮しつつ引き続き安定した財務基盤を維持しております。
当連結会計年度末における財政状態の状況は次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べ2,242百万円増加し、24,626百万円となりました。変動は主に現金及び預金の増加1,713百万円、受取手形及び売掛金の増加1,011百万円、仕掛品の減少1,113百万円、ソフトウエアの増加701百万円等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,545百万円増加し、12,965百万円となりました。変動は主に短期借入金の減少1,500百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の増加3,268百万円等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ302百万円減少し、11,661百万円となりました。変動は主に配当などによる利益剰余金の減少320百万円等によるものであります。この結果、自己資本比率は47.3%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,713百万円増加し、6,367百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,969百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,001百万円に減価償却費860百万円、のれん償却額72百万円、長期滞留仕掛品評価損1,248百万円、売上債権の増加額1,010百万円、法人税等の支払額526百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,358百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出453百万円、ソフトウエアの取得による支出1,074百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,091百万円となりました。これは主に短期借入金の純減少額1,500百万円、長期借入れによる収入4,000百万円、長期借入金の返済による支出732百万円、配当金の支払額622百万円等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業(百万円)8,093109.3
システムインテグレーションサービス事業(百万円)13,59599.2
合計(百万円)21,689102.7

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業18,484102.48,45798.0
システムインテグレーションサービス事業24,940114.38,64598.9
合計43,424108.917,10398.5

(注)1.上記の金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
セキュリティソリューションサービス事業(百万円)18,659113.5
システムインテグレーションサービス事業(百万円)25,033104.2
合計(百万円)43,693108.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、販売実績額が総販売実績額の100分の10以上となる販売先がないため省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
(経営成績の認識及び分析)
当社グループは、2018年度(2018年4月)から始まった3ヵ年の中期経営計画『TRY 2021 ステージ 2』において、セキュリティを切り口とした価値創造型のビジネス推進に向けた「ビジネスモデルの変革」に取り組んでいます。当連結会計年度は、本中期経営計画の最終年度として、業務効率改善のための社内IT投資やセキュリティ事業の人員体制強化のほか、各事業において新サービスの開発・提供ならびに協業などを進めました。
セキュリティソリューションサービス事業においては、事業ポートフォリオの転換に向けてストック型ビジネス比率の拡大を図るとともに、クラウド環境向けのセキュリティサービス展開など大手企業グループ向けのサービス進化に取り組みました。さらに、子会社による低価格診断サービスを活用した中堅・中小企業向けのビジネス展開、ならびに協業によるビジネスの推進に取り組みました。
システムインテグレーションサービス事業においては、クラウド基盤によるシステム開発案件の更なる拡大に取り組みました。加えて、アジャイル開発センターによる金融業界向けの案件の拡大と社内向け教育の推進、ならびにソフトウェアエンジニアリングセンターによる開発技術者向け支援・訓練を進めるなど、開発管理体制の強化に取り組みました。また、マルチクラウド開発管理ソリューションをはじめとするDevSecOps導入支援サービスの拡大、ならびにテレワーク需要に対応するリモートワーク支援ソリューションの拡大に取り組みました。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ3,227百万円増加し、43,693百万円(前期比8.0%増)となりました。これは主に、セキュリティソリューションサービス事業の売上高の増加によるものであります。各セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、セキュリティソリューションサービス事業が42.7%、システムインテグレーションサービス事業が57.3%となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ633百万円増加し、9,577百万円(同7.1%増)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ0.2ポイント減少し、21.9%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、基幹システム刷新など業務効率向上のための社内IT投資などにより、前連結会計年度に比べ283百万円増加し、7,460百万円(同4.0%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ350百万円増加し、2,117百万円(同19.8%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、持分法による投資利益は減少したものの助成金収入による増加等により、前連結会計年度に比べ36百万円増加し、179百万円(同25.5%増)となりました。営業外費用は、支払利息などの増加により、前連結会計年度に比べ14百万円増加し、55百万円(同35.6%増)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ372百万円増加し、2,242百万円(同19.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、投資有価証券売却益の計上があったことにより、前連結会計年度に比べ182百万円増加し、183百万円(同289.9倍)となりました。また、特別損失は、長期滞留仕掛品評価損およびコスト削減に向けた子会社等の拠点集約費用の計上等により、前連結会計年度に比べ1,185百万円増加し、1,424百万円(同496.1%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ786百万円減少し、304百万円(同72.1%減)となりました。
(財政状態の認識及び分析)
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(セキュリティソリューションサービス事業)
セキュリティコンサルティングサービスは、教育サービスは感染症の影響を受け苦戦したものの、猛威を振るったサイバー攻撃に対し企業への緊急対応サービスが大きく伸長したことなどにより、売上高は3,510百万円(前期比
11.6%増)となりました。
セキュリティ診断サービスは、第1四半期はお客様のシステム開発延期等の影響を受け前年同期比で減収となりましたが、第2四半期以降、Webアプリケーション診断やプラットフォーム診断の受注が伸長したこと、またIoTセキュリティ診断サービス等の新サービスの拡大もあり、売上高は2,651百万円(同13.7%増)となりました。
セキュリティ運用監視サービスは、中部地域大手製造業グループ向けなどの運用監視サービスの売上が拡大したことにより、売上高は5,993百万円(同4.1%増)となりました。
セキュリティ製品販売は、サービス妨害型攻撃にも対応したWebセキュリティ対策をはじめとするクラウド対応製品などが拡大したことにより、売上高は5,063百万円(同31.7%増)となりました。
セキュリティ保守サービスは、既存案件の更新等により、売上高は1,441百万円(同5.6%増)となりました。
この結果、SSS事業の売上高は18,659百万円(同13.5%増)、セグメント利益は人員増強などの体制強化を推進しながらも2,541百万円(同4.2%増)となりました。
セキュリティソリューションサービス事業の主な資産は、各サービスの提供や製品販売、保守サービス等に係る売掛金、セキュリティ運用監視サービス提供のためのソフトウエア及びIT機器等の有形固定資産、中長期的に事業シナジーを期待できるセキュリティ関連企業への資本参加による投資等であります。主な負債は、製品販売、保守サービスの仕入れに伴う買掛金、セキュリティ運用監視サービスに際して顧客より受領する前受収益等であります。
(システムインテグレーションサービス事業)
主力ビジネスである開発サービスは、銀行や保険など金融業向け案件が減少したものの、公共および情報サービス業向けなどの案件が伸長したことにより、売上高は15,316百万円(前期比0.2%増)となりました。
HW/SW販売は、クラウドサービスの拡大等により需要は縮小しているものの、更新案件の獲得等により、売上高は2,641百万円(同3.1%増)となりました。
IT保守サービスは、前期のHW/SW販売が堅調に推移し契約更新案件が増加したことにより、売上高は4,818百万円(同3.2%増)となりました。
ソリューションサービスは、テレワーク需要に対応したリモート接続ソリューションやマルチクラウドにおける開発管理ソリューションの販売拡大等により、売上高は2,257百万円(同50.2%増)となりました。
この結果、SIS事業の売上高は25,033百万円(同4.2%増)、セグメント利益は開発サービスの管理体制強化等
により収益性が改善し、3,172百万円(同9.2%増)となりました。
システムインテグレーションサービス事業の主な資産は、開発サービスの提供やHW/SW販売、IT保守サービス等に係る売掛金、HW/SW販売、IT保守サービスにおける商品等であります。主な負債は、開発サービスにおけるビジネスパートナーへの外注やHW/SW販売、IT保守サービスの仕入れに伴う買掛金等であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は経常的な運転資金及びセキュリティソリューションサービス事業の設備資金、関連事業を営む企業の買収や資本参加のための投資資金であります。資金は使途に応じて内部資金または金融機関からの借り入れにより調達しております。また、当社グループは、運転資金の効率的かつ機動的な調達を行うため、取引銀行16行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約(総額8,970百万円)を締結しております。当連結会計年度末の借入実行残高はなく、借入未実行残高は8,970百万円であります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたり基本となる重要事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。また当社は財務諸表の作成にあたり、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積りおよび判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、不透明な社会・経済状況が続くことが想定されるものの、このような環境を前提とした、テレワーク等による働き方の変容への対応やクラウド基盤を活用したサービス・業務システムの導入など、ITによる変革「デジタルトランスフォーメーション」への投資は一層拡大するとともに、ITの利活用と連動してセキュリティ対策需要も引き続き伸長していくことが見込まれます。また、当社では、最大限のテレワーク体制により、新型コロナウイルス感染症による影響を大きく受けることなく企業活動を継続しております。当社は、このような見込み及び業務体制の下、計画を策定しており、当該前提において会計上の見積りを行っております。
(のれんの回収可能性)
当社グループは、のれんについて、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。のれんの回収可能性については子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定した収益等が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、スケジューリング可能な将来減算一時差異について回収可能性があるものとして繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提となる条件や仮定に変更が生じ、課税所得が変動した場合には、繰延税金資産の評価に影響を与える可能性があります。

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