四半期報告書-第17期第1四半期(令和3年4月1日-令和3年6月30日)
以下の記載のうち将来に関する事項は、当第1四半期会計期間末現在において判断したものです。
(業績の状況)
当第1四半期累計期間の営業利益は70億4千9百万円(前年同四半期比38%増)、経常利益は69億1百万円(同36%増)、四半期純利益は46億7千5百万円(同39%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済環境の下にあっても、当社の業績は堅調に推移しております。また、今後の広がり方や収束時期等が不透明な状況ではありますが、当社のビジネスモデルは、長期的な経営環境の機会と課題の特徴に対応可能な安定したものであると考えています。
損益の経過
受入手数料
① 委託手数料
株式にかかる委託手数料2億5千8百万円(前年同四半期比2%減)、債券に係る委託手数料1百万円(同133%増)を計上しました。これにより合計で2億6千万円(同2%減)を計上しました。
② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
債券部門で3百万円(前年同四半期比68%減)の引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料を計上しました。
③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
株式部門で20億4百万円(前年同四半期計上なし)の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料を計上しました。
④ その他の受入手数料
その他の受入手数料として、主に株式関連業務103億9百万円(前年同四半期比7%増)、債券関連業務55億4千4百万円(同49%減)を含む165億2千4百万円(同24%減)を計上しました。
以上により合計で187億9千2百万円(同15%減)の受入手数料を計上しました。
トレーディング損益
株券等トレーディングでは31億3千6百万円の利益(前年同四半期31億2千9百万円の利益)を、債券等トレーディングでは32億1千4百万円の利益(同1億8千万円の損失)を、その他のトレーディングでは4千4百万円の利益(同1千1百万円の損失)を計上し、合計で63億9千4百万円の利益(同29億3千8百万円の利益)を計上しました。
金融収支
金融収益は有価証券貸借取引収益7億8千万円(前年同四半期比6%減)、トレーディング商品等から生じる受取配当金5億7千6百万円(前年同四半期△4億3千4百万円)、受取利息1億3千9百万円(前年同四半期比58%減)、現先取引収益△7億2千4百万円(同3%増)を中心に、9億3千2百万円(前年同四半期2億6千万円)を、金融費用は有価証券貸借取引費用17億8百万円(前年同四半期比10%減)、支払利息12億2千万円(同65%増)、現先取引費用△7億3千万円(同2%減)を主として、25億9千7百万円(同36%増)を計上し、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は16億6千5百万円の損失(前年同四半期16億4千9百万円の損失)となりました。
販売費・一般管理費
人件費68億1千9百万円(前年同四半期比28%減)、グループ会社間における配賦費用59億4千5百万円(同13%増)、取引関係費20億1千8百万円(同6%増)等、合計で164億7千2百万円(同10%減)を計上しました。
営業外損益
営業外収益は0百万円(前年同四半期比21%減)を計上し、営業外費用は1億4千8百万円(前年同四半期2千4百万円)を計上しました。
特別損益
当第1四半期累計期間は特別損益を計上しておりません。
なお、当社の報告セグメントは、「法人・機関投資家向け証券業務」という単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(財政状態)
当社における自己取引に関する期末上場デリバティブ未決済建玉の会計処理は、銘柄ごとにみなし決済損益を相殺し、資産の部又は負債の部の「デリバティブ取引」勘定のいずれか一方に計上する方法によっておりましたが、当第1四半期会計期間の期首から、金融商品取引清算機関との間で授受する先物取引差金の授受をもって当該先物取引の実現損益として処理する方法に変更しております。そのため、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値で比較分析を行っております。
① 資産の部
流動資産は7兆1,174億2千3百万円(前事業年度末比25%増)となりました。これは主に有価証券担保貸付金の増加によるものです。
固定資産は57億7千7百万円(同3%増)となりました。
以上の結果、当第1四半期会計期間末の総資産は7兆1,232億円(同25%増)となりました。
② 負債の部
流動負債は6兆5,698億7百万円(前事業年度末比28%増)となりました。これは主に有価証券担保借入金の増加によるものです。
固定負債は3,580億4千9百万円(同0%減)となりました。
特別法上の準備金は、当第1四半期累計期間における追加計上はありません。
以上の結果、当第1四半期会計期間末の負債合計は6兆9,383億1千万円(同26%増)となりました。
③ 純資産の部
純資産は1,848億8千9百万円(前事業年度末比0%増)となりました。これは主に剰余金の配当による利益剰余金の減少、四半期純利益による利益剰余金の増加によるものです。
(会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
経営方針
モルガン・スタンレー・グループの経営方針及び意思決定の基盤は、5つの企業指針に基づく健全で、かつ説明責任を尽くす企業文化にあります。かかる企業指針とは、(ⅰ)常に品位と誠実性をもって正しく行動し、(ⅱ)顧客の利益を第一にし、(ⅲ)顧客及びその他の関係者の利益のために卓越したアイデアで主導し、(ⅳ)ダイバーシティ&インクルージョンにコミットし、当社の社員とその職務行動が偏見やバイアスなく地域社会すべての個々人に対して反映されるよう努め、(ⅴ)必要とする人々のために当社が帰属するコミュニティに還元する、というものです。
日本においても同様の理念の下、日本独自の慣習やビジネスの伝統を尊重しながら、モルガン・スタンレー・グループのグローバル・ネットワークと豊富な経験を最大限に活用することで、最善のサービスを提供できるよう努めております。さらにモルガン・スタンレーと三菱UFJフィナンシャル・グループによる日本における証券合弁事業は、本年(2021年)、発足から12年目を迎えました。当社は、合弁事業のもう一つの柱である三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社と様々な角度からさらに緊密な連携を図ることにより、より強固な業務基盤を構築し、日本の証券業界における真に傑出した勢力となることを目指し、顧客の長期的な目標達成の実現と日本経済の活性化の一助となるべく全力を傾注していく所存です。
また、金融規制等への対応も引き続き取り組んでまいります。日本においても金融機関に対する規制には今後もさらなる変更があるとみられますが、かかる変更による将来の特定の期間における当社の事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響について正確に予測することは依然困難となっており、当社においても、注意深く対応を進めてまいります。
加えて、当社は、才能溢れる多様な人材を惹きつけ、つなぎとめることを重要な経営方針としています。当社は、従業員に対して家庭や個人的利益とのバランスをとりつつプロフェッショナルにやりがいを持って働ける環境を提供することで、成熟した、長期的視野に基づく、協調的な文化を発展及び維持できるとともに、これにより、健全な意思決定の実現、当社のレピュテーションの維持、さらには市場における高い競争力の保持が可能になると信じています。
経営環境
金融業界の経営環境は、景気循環の状況、ならびに、技術の発展の速度、人口構成の変化及び地政学的な変化等を含むより長期的な社会の傾向の双方に引き続き影響を受けています。
2020年初めに見られた景気の好循環傾向は、新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)により著しく影響を受けましたが、一方で、このパンデミックはリファイナンス、ポートフォリオのリポジショニング及びヘッジといった証券市場における取引の増加をもたらし、現在の財務業績を支えています。その結果、投資家の活動が一部前倒しされているため、2021年後半以降により困難な経営環境となる可能性があります。
長期的な社会の傾向は、長い目で見れば経営環境に機会と課題の両方をもたらします。特に情報処理速度、自動化及び機械学習に関する技術の急速な進歩は、生産性の向上及び製品の刷新につながる可能性があると同時に、新しい革新的なビジネスモデルの機会を提供します。同様に、環境、社会及びガバナンス(ESG)の緊急課題、例えば日本のカーボンニュートラルにむけた長期計画は、顧客企業の行動や優先事項に影響を与え始めています。高齢化に伴う人口構成の変化及びまだ十分サービスが提供されていない市場における個人資産の増加は、新たなビジネスの機会につながる可能性があります。しかし同時に、長期的な成長の見通しの低下を伴う場合もあります。
総合的に考慮すると、当社は、当社のビジネスモデルが、こうした長期的な経営環境の特徴に対応可能な安定したものであると考えています。
各部門の課題、取組みは以下のとおりです。
●株式統括本部
従来の電話等による発注方法から電子取引への移行が進行していく中で、手数料率の引き下げが進んでいるほか、金融機関に対する規制の強化を受け、バランス・シートや資本に配慮した効率的な業務運営がより求められています。また、顧客の要望と取引に関するルールや規制が多様化していく中で、注文執行とリスク管理におけるテクノロジーへの依存度が高まっており、そのインフラの安定性と正確性の確保がさらに重要になってきていると考えます。新型コロナウイルスの感染拡大により短期的には市場の変動率や取引高が激しく上下する環境が続く可能性があります。ビジネスモデルの見直しを継続し短期的な市場環境の変動に影響を受けにくい業務運営を目指します。長期的にはテクノロジーへの投資を通じ競合相手より優れた株式取引サービスの実現を目指します。
●債券統括本部
債券統括本部全体で株主資本利益率や税引前利益に対する意識が高まる中、収益機会の最大化及び効率的なコスト管理の徹底が主な課題であると考えます。同時に、国内外の規制動向に関する迅速な対応も求められており、バランス・シートの効率的運用のため、リスクの最適化を考慮に入れた戦略の構築を目指しています。また、関連業務のマーケットシェアを意識し、今後成長が見込まれる為替取引や金利・クレジットに係る仕組債などを含むデリバティブ・プロダクトの強化を図ってまいります。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市場変動や流動性低下が生じる可能性がありますが、こうした市場混乱時にも安定したマーケットメイク業務が継続できるよう、BCP、自動化などの体制整備に取り組んでおります。
●資本市場統括本部
グローバルの市場環境により資本市場全体の規模や収益性は左右されますが、今後も豊富な株式・債券の引受実績を背景に、グループ内の連携をさらに強化しながら競争力を堅持することを目指しています。金融機関に対する規制への対応として、インサイダー取引のリスクにかかる法人関係情報の管理を重要課題として取り組んでおります。また、ファイアーウォール規制について、顧客に関する非公開情報の共有制限はMUFGとの合弁事業における重要課題でもあるため、昨今の当局による規制緩和に係る実務対応について検討を重ねています。新型コロナウイルスの感染拡大は本邦企業の資金調達戦略に少なからず影響を及ぼしていますが、今後の更なる資金調達案件の受注を目指し、資本市場統括本部ではリスク管理を維持しながら営業体制の強化を図っています。
(業績の状況)
当第1四半期累計期間の営業利益は70億4千9百万円(前年同四半期比38%増)、経常利益は69億1百万円(同36%増)、四半期純利益は46億7千5百万円(同39%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済環境の下にあっても、当社の業績は堅調に推移しております。また、今後の広がり方や収束時期等が不透明な状況ではありますが、当社のビジネスモデルは、長期的な経営環境の機会と課題の特徴に対応可能な安定したものであると考えています。
損益の経過
受入手数料
① 委託手数料
株式にかかる委託手数料2億5千8百万円(前年同四半期比2%減)、債券に係る委託手数料1百万円(同133%増)を計上しました。これにより合計で2億6千万円(同2%減)を計上しました。
② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
債券部門で3百万円(前年同四半期比68%減)の引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料を計上しました。
③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
株式部門で20億4百万円(前年同四半期計上なし)の募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料を計上しました。
④ その他の受入手数料
その他の受入手数料として、主に株式関連業務103億9百万円(前年同四半期比7%増)、債券関連業務55億4千4百万円(同49%減)を含む165億2千4百万円(同24%減)を計上しました。
以上により合計で187億9千2百万円(同15%減)の受入手数料を計上しました。
トレーディング損益
株券等トレーディングでは31億3千6百万円の利益(前年同四半期31億2千9百万円の利益)を、債券等トレーディングでは32億1千4百万円の利益(同1億8千万円の損失)を、その他のトレーディングでは4千4百万円の利益(同1千1百万円の損失)を計上し、合計で63億9千4百万円の利益(同29億3千8百万円の利益)を計上しました。
金融収支
金融収益は有価証券貸借取引収益7億8千万円(前年同四半期比6%減)、トレーディング商品等から生じる受取配当金5億7千6百万円(前年同四半期△4億3千4百万円)、受取利息1億3千9百万円(前年同四半期比58%減)、現先取引収益△7億2千4百万円(同3%増)を中心に、9億3千2百万円(前年同四半期2億6千万円)を、金融費用は有価証券貸借取引費用17億8百万円(前年同四半期比10%減)、支払利息12億2千万円(同65%増)、現先取引費用△7億3千万円(同2%減)を主として、25億9千7百万円(同36%増)を計上し、金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は16億6千5百万円の損失(前年同四半期16億4千9百万円の損失)となりました。
販売費・一般管理費
人件費68億1千9百万円(前年同四半期比28%減)、グループ会社間における配賦費用59億4千5百万円(同13%増)、取引関係費20億1千8百万円(同6%増)等、合計で164億7千2百万円(同10%減)を計上しました。
営業外損益
営業外収益は0百万円(前年同四半期比21%減)を計上し、営業外費用は1億4千8百万円(前年同四半期2千4百万円)を計上しました。
特別損益
当第1四半期累計期間は特別損益を計上しておりません。
なお、当社の報告セグメントは、「法人・機関投資家向け証券業務」という単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(財政状態)
当社における自己取引に関する期末上場デリバティブ未決済建玉の会計処理は、銘柄ごとにみなし決済損益を相殺し、資産の部又は負債の部の「デリバティブ取引」勘定のいずれか一方に計上する方法によっておりましたが、当第1四半期会計期間の期首から、金融商品取引清算機関との間で授受する先物取引差金の授受をもって当該先物取引の実現損益として処理する方法に変更しております。そのため、当該会計方針の変更を反映した遡及修正後の数値で比較分析を行っております。
① 資産の部
流動資産は7兆1,174億2千3百万円(前事業年度末比25%増)となりました。これは主に有価証券担保貸付金の増加によるものです。
固定資産は57億7千7百万円(同3%増)となりました。
以上の結果、当第1四半期会計期間末の総資産は7兆1,232億円(同25%増)となりました。
② 負債の部
流動負債は6兆5,698億7百万円(前事業年度末比28%増)となりました。これは主に有価証券担保借入金の増加によるものです。
固定負債は3,580億4千9百万円(同0%減)となりました。
特別法上の準備金は、当第1四半期累計期間における追加計上はありません。
以上の結果、当第1四半期会計期間末の負債合計は6兆9,383億1千万円(同26%増)となりました。
③ 純資産の部
純資産は1,848億8千9百万円(前事業年度末比0%増)となりました。これは主に剰余金の配当による利益剰余金の減少、四半期純利益による利益剰余金の増加によるものです。
(会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
経営方針
モルガン・スタンレー・グループの経営方針及び意思決定の基盤は、5つの企業指針に基づく健全で、かつ説明責任を尽くす企業文化にあります。かかる企業指針とは、(ⅰ)常に品位と誠実性をもって正しく行動し、(ⅱ)顧客の利益を第一にし、(ⅲ)顧客及びその他の関係者の利益のために卓越したアイデアで主導し、(ⅳ)ダイバーシティ&インクルージョンにコミットし、当社の社員とその職務行動が偏見やバイアスなく地域社会すべての個々人に対して反映されるよう努め、(ⅴ)必要とする人々のために当社が帰属するコミュニティに還元する、というものです。
日本においても同様の理念の下、日本独自の慣習やビジネスの伝統を尊重しながら、モルガン・スタンレー・グループのグローバル・ネットワークと豊富な経験を最大限に活用することで、最善のサービスを提供できるよう努めております。さらにモルガン・スタンレーと三菱UFJフィナンシャル・グループによる日本における証券合弁事業は、本年(2021年)、発足から12年目を迎えました。当社は、合弁事業のもう一つの柱である三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社と様々な角度からさらに緊密な連携を図ることにより、より強固な業務基盤を構築し、日本の証券業界における真に傑出した勢力となることを目指し、顧客の長期的な目標達成の実現と日本経済の活性化の一助となるべく全力を傾注していく所存です。
また、金融規制等への対応も引き続き取り組んでまいります。日本においても金融機関に対する規制には今後もさらなる変更があるとみられますが、かかる変更による将来の特定の期間における当社の事業、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローへの影響について正確に予測することは依然困難となっており、当社においても、注意深く対応を進めてまいります。
加えて、当社は、才能溢れる多様な人材を惹きつけ、つなぎとめることを重要な経営方針としています。当社は、従業員に対して家庭や個人的利益とのバランスをとりつつプロフェッショナルにやりがいを持って働ける環境を提供することで、成熟した、長期的視野に基づく、協調的な文化を発展及び維持できるとともに、これにより、健全な意思決定の実現、当社のレピュテーションの維持、さらには市場における高い競争力の保持が可能になると信じています。
経営環境
金融業界の経営環境は、景気循環の状況、ならびに、技術の発展の速度、人口構成の変化及び地政学的な変化等を含むより長期的な社会の傾向の双方に引き続き影響を受けています。
2020年初めに見られた景気の好循環傾向は、新型コロナウイルスの世界的な大流行(パンデミック)により著しく影響を受けましたが、一方で、このパンデミックはリファイナンス、ポートフォリオのリポジショニング及びヘッジといった証券市場における取引の増加をもたらし、現在の財務業績を支えています。その結果、投資家の活動が一部前倒しされているため、2021年後半以降により困難な経営環境となる可能性があります。
長期的な社会の傾向は、長い目で見れば経営環境に機会と課題の両方をもたらします。特に情報処理速度、自動化及び機械学習に関する技術の急速な進歩は、生産性の向上及び製品の刷新につながる可能性があると同時に、新しい革新的なビジネスモデルの機会を提供します。同様に、環境、社会及びガバナンス(ESG)の緊急課題、例えば日本のカーボンニュートラルにむけた長期計画は、顧客企業の行動や優先事項に影響を与え始めています。高齢化に伴う人口構成の変化及びまだ十分サービスが提供されていない市場における個人資産の増加は、新たなビジネスの機会につながる可能性があります。しかし同時に、長期的な成長の見通しの低下を伴う場合もあります。
総合的に考慮すると、当社は、当社のビジネスモデルが、こうした長期的な経営環境の特徴に対応可能な安定したものであると考えています。
各部門の課題、取組みは以下のとおりです。
●株式統括本部
従来の電話等による発注方法から電子取引への移行が進行していく中で、手数料率の引き下げが進んでいるほか、金融機関に対する規制の強化を受け、バランス・シートや資本に配慮した効率的な業務運営がより求められています。また、顧客の要望と取引に関するルールや規制が多様化していく中で、注文執行とリスク管理におけるテクノロジーへの依存度が高まっており、そのインフラの安定性と正確性の確保がさらに重要になってきていると考えます。新型コロナウイルスの感染拡大により短期的には市場の変動率や取引高が激しく上下する環境が続く可能性があります。ビジネスモデルの見直しを継続し短期的な市場環境の変動に影響を受けにくい業務運営を目指します。長期的にはテクノロジーへの投資を通じ競合相手より優れた株式取引サービスの実現を目指します。
●債券統括本部
債券統括本部全体で株主資本利益率や税引前利益に対する意識が高まる中、収益機会の最大化及び効率的なコスト管理の徹底が主な課題であると考えます。同時に、国内外の規制動向に関する迅速な対応も求められており、バランス・シートの効率的運用のため、リスクの最適化を考慮に入れた戦略の構築を目指しています。また、関連業務のマーケットシェアを意識し、今後成長が見込まれる為替取引や金利・クレジットに係る仕組債などを含むデリバティブ・プロダクトの強化を図ってまいります。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市場変動や流動性低下が生じる可能性がありますが、こうした市場混乱時にも安定したマーケットメイク業務が継続できるよう、BCP、自動化などの体制整備に取り組んでおります。
●資本市場統括本部
グローバルの市場環境により資本市場全体の規模や収益性は左右されますが、今後も豊富な株式・債券の引受実績を背景に、グループ内の連携をさらに強化しながら競争力を堅持することを目指しています。金融機関に対する規制への対応として、インサイダー取引のリスクにかかる法人関係情報の管理を重要課題として取り組んでおります。また、ファイアーウォール規制について、顧客に関する非公開情報の共有制限はMUFGとの合弁事業における重要課題でもあるため、昨今の当局による規制緩和に係る実務対応について検討を重ねています。新型コロナウイルスの感染拡大は本邦企業の資金調達戦略に少なからず影響を及ぼしていますが、今後の更なる資金調達案件の受注を目指し、資本市場統括本部ではリスク管理を維持しながら営業体制の強化を図っています。