有価証券報告書-第10期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は企業収益や設備投資の持ち直しにより緩やかな回復傾向が続き、個人消費は雇用・所得環境情勢の改善により底堅く推移しました。一方で人口減少と高齢化の進行による雇用需給の逼迫や米国の政策動向、東アジア地域の地政学的リスクの存在による世界経済の不確実性など、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況において、当社グループは、中期経営計画「VALUE UP ALPICO 2020」で設定した経営目標と事業計画に基づき、当社グループ各事業のサービスと設備の質の向上や将来の成長に向けた事業規模と設備投資の拡大を実施いたしました。具体的にはホテルの新規運営、タクシー事業の増強、バス事業の首都圏拠点の強化及び進出、並びに松本バスターミナルビルのテナント入替とスーパーマーケットの新規出店にも取り組みました。
この結果、当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)の連結営業収益は98,433,577千円と、前期に比べ290,674千円増加(前期比0.3%増)となりました。また、連結営業利益は1,093,758千円と、前期に比べ678,364千円減少(前期比38.3%減)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の概況は次のとおりであります。
運輸事業の営業収益は12,784,685千円と、前期に比べ200,927千円増加(前期比1.6%増)となりました。また、営業利益は352,867千円と、前期に比べ572,712千円減少(前期比61.9%減)となりました。
流通事業の営業収益は71,579,246千円と、前期に比べ149,600千円増加(前期比0.2%増)となりました。また、営業利益は859,178千円と、前期に比べ379,528千円増加(前期比79.1%増)となりました。
レジャー・サービス事業の営業収益は11,923,505千円と、前期に比べ181,044千円増加(前期比1.5%増)となりました。また、営業利益は211,544千円と、前期に比べ173,995千円減少(前期比45.1%減)となりました。
不動産事業の営業収益は1,181,198千円と、前期に比べ94,147千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は147,431千円と、前期に比べ234,505千円減少(前期比61.4%減)となりました。
その他のサービス事業の営業収益は2,002,912千円と、前期に比べ160,413千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は149,063千円と、前期に比べ9,968千円減少(前期比6.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、有形固定資産の取得による支出及び長期借入金の返済による支出等により一部相殺されたものの、長期借入の実施、仕入債務の増加、減価償却費の計上等により、前連結会計年度末と比べ1,794,905千円増加(前期比27.6%増)し、8,285,534千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失869,535千円(前期は1,337,105千円の税金等調整前当期純利益)、減価償却費3,950,776千円、仕入債務の増加額3,432,213千円、減損損失1,480,561千円等の項目を加減した結果、9,650,265千円の資金収入(前期比175.9%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出5,283,133千円、補助金収入140,655千円、預り保証金の返還による支出428,279千円などにより、5,383,010千円の資金支出(前期比88.0%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入3,500,000千円、長期借入金の返済による支出4,071,684千円、リース債務の返済による支出1,728,994千円などにより、2,472,349千円の資金支出(前期比58.8%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」における各事業の区分の業績に関連づけて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産総額は71,584,129千円となり、前連結会計年度末と比較して3,098,648千円増加いたしました。これは、主に有形固定資産の取得に伴い固定資産が増加したことなどによるものであります。
(負債合計)
負債総額は58,089,800千円となり、前連結会計年度末と比較して4,282,211千円増加いたしました。これは、主に新規借入金の増加及び借入金返済などによるものであります。
(純資産合計)
純資産残高は親会社株主に帰属する当期純損失の計上などにより、前連結会計年度末と比較して1,183,563千円減少し、13,494,329千円となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における連結営業収益は、流通事業におけるスーパーマーケット14店舗の改装による休業期間があ
ったものの、新店1店舗を開店し、レジャー・サービス事業では平成29年11月に松本駅前で「アルピコプラザホテル」を開業したことなどから、前連結会計年度に比べ0.2%増の98,433,577千円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における運輸業等営業費及び売上原価は、原油価格の上昇による軽油費、LPガス費などの燃料費が増加したことから、前連結会計年度に比べ運輸業等営業費及び売上原価では0.4%増の69,771,221千円、販売費及び一般管理費では2.4%増の27,568,597千円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、スーパーマーケット14店舗の改装、旗艦ホテルの改装、新規運営、首都圏バ
ス営業拠点の新規設置等による開業に関わる諸経費、及び設備投資の拡大による減価償却費が増加したことから、前
連結会計年度に比べ38.3%減の1,093,758千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失は、収益性の低下した事業用資産にかかる減損損失を計上したことなどにより、972,594千円(前連結会計年度は1,010,643千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、人口減少の加速、消費行動の変化、コストの上昇、社会規範の厳格化、技術革新の加速などがあります。
これらの事業環境に対しまして、長野県内における事業シェアの拡大、保有施設とサービスの質の向上、長野県外からの誘客強化に取り組んでおります。
具体的には、過去3ヵ年において、運輸事業におきましてはバス運行及び営業拠点を関西圏初となる大阪市と首都
圏2拠点目となる東京都江戸川区に営業所を設け、松本市内の同業タクシー会社を株式譲受によりグループ入りさせ
ました。流通事業におきましては、株式会社マツヤのグループ入りと株式会社デリシアとしての統合、25店舗の改装、新店への投資を実施いたしました。レジャー・サービス事業におきましては、旗艦ホテルである「ホテルブエナ
ビスタ」及び「信州松本 美ケ原温泉 翔峰」の大型改装、アルピコプラザホテルの新規運営を実施いたしました。その他事業におきましては、松本駅前にアルピコプラザを開業、旅行事業のグループ内統合を実施してまいりました。
このような諸施策の実行に加えて、当社グループは以下の事業戦略を確実に実施してまいります。
・これまでに獲得した新たな事業基盤の収益顕在化と最大化
・首都圏、関西圏及び海外への積極的な営業展開による成長
・グループシナジーを徹底して追及する共通施策の強化
・企業価値の向上に資する戦略投資の効果モニタリング
・経営強化に直結する働き方改革、人事政策、採用、人材育成・配置
・コンプライアンスの不断の強化、経営理念・企業倫理の遵守
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、運輸事業における車両維持管理費、流通事業における仕入原価及び物流費、その他各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては運輸事業における車両更新投資、流通事業における老朽化店舗への更新投資等があります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行い、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により効率的に資金を運用しております。また、運転資金及び設備資金につきましては、当社において一元管理しております。
当社グループの主要な事業資産に対しては、各事業を取り巻く事業環境を考慮したバランスのとれた投資を行うことで、回収効率を高め、当社グループの全体の有利子負債の削減を図ってまいります。
また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部について金利スワップなどの手段を活用しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが、中期経営計画「VALUE UP ALPICO 2020」において定めた主な指標等は次のとおりであります。
①長野県最大の総合生活サービス企業として、グループを支える全ての関係者と従業員の価値を高めます。②株式上場の実現によりグループ知名度と信用力、企業価値を高めます。③地域のインフラを支える自負と誇りを背景に、社会の重要な責務を担います。④「ひとつのアルピコ」として、強い企業集団を形成してまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(運輸事業)
バス事業では、長野県において前年度の大河ドラマ放映による観光客入込などのイベント効果がなく、市街地一般路線及び高速バス大都市圏県内路線の乗客数は前年並みに推移しました。訪日外国人個人旅行客の増加により、長野白馬線、長野大町線、松本高山線などの近距離路線において乗客数は堅調に増加いたしました。夏季における週末を中心とした天候不順、道路通行止め等の災害や秋季の台風の影響により、上高地・乗鞍地区への観光路線において乗客数は前年比99.6%と伸び悩みました。なお、アルピコ交通東京株式会社では首都圏でのバス事業拡大に向けて、2拠点目として平成29年12月に東京都江戸川区に営業所を開設いたしました。
鉄道事業は沿線人口の緩やかな減少が続いており定期券利用乗客は前年同期比1.8%減少したものの、一日フリー乗車券の拡販やインバウンド個人旅行客の増加により、乗客総数は1,689千人、同0.1%増となりました。
タクシー事業では消費者の節約志向が続き夜間市街地の個人需要が弱含みで推移したこと、及び乗務員の高齢化により稼働台数が伸び悩みました。また、平成29年10月より株式譲受により取得しました松本地区のタクシー事業者であるアルプス交通株式会社を新規連結し、グループ入りに伴う車両架装等の経費を計上いたしました。
損益面では原油価格の上昇による軽油費、LPガス費などの燃料費、及び長期計画に基づく車両更新投資による減価償却費が増加したことに加え、東京第二営業所新設に伴う開業費用などを計上しております。
これらの結果、運輸事業の営業収益は12,784,685千円と、前期に比べ200,927千円増加(前期比1.6%増)となりました。また、営業利益は352,867千円と、前期に比べ572,712千円減少(前期比61.9%減)となりました。
(流通事業)
流通事業は、平成28年4月1日に株式会社デリシアとして食品スーパーマーケット事業を統合して以降、提案型食品スーパー「デリシア」及び業務スーパー「ユーパレット」の2ブランドへの集約を進めており、長野県内において平成30年3月末現在で「デリシア」52店(うちフランチャイズ1店)、「ユーパレット」10店の合計62 店舗を展開しております。当期においては老朽化店舗への更新投資を中心に13店舗の改装を実施し、平成30年2月には松本バスターミナルビル「アルピコプラザ」に松本駅前店を新規出店いたしました。改装工事閉店期間の発生により既存店前年比売上は減少したものの、新店化に合わせた店舗オペレーションの改善、惣菜を中心に特徴ある品揃えの強化、売上原価及び販売管理費の削減を進めた結果、営業利益は増加しました。
これらの結果、流通事業の営業収益は71,579,246千円と、前期に比べ149,600千円増加(前期比0.2%増)となりました。また、営業利益は859,178千円と、前期に比べ379,528千円増加(前期比79.1%増)となりました。
(レジャー・サービス事業)
ホテル旅館事業では、既存の松本市4施設、諏訪市1施設に加えて、平成29年11月より新たに松本駅前に都市型ホテル「アルピコプラザホテル」の営業を開始し、合計6施設の運営を行っております。当期においては宿泊施設営業区域での大型の観光イベントが少なかったものの、ビジネス需要やインバウンド宿泊客の堅調な増加により、総宿泊者数は前年比1.9%増の249千人となりました。またシティホテルのホテルブエナビスタ及び大型温泉旅館の翔峰を中心に、各宿泊施設で実施した設備、客室のグレードアップ投資による効果もあり、客室単価は上昇しました。
サービスエリア事業は諏訪湖(中央道上り)、梓川(長野道上り)、姨捨(長野道上り及び下り)の4か所で売店、レストラン、スナック等を運営しております。長野県内における大型イベントの減少や夏季、秋季の天候不順により観光バスの立寄り台数の減少や観光客消費の停滞が見られ、運営する4サービスエリア全体で客数減となりました。
旅行事業は、長野県内発の企業等団体旅行受注件数は減少しましたが、募集型企画旅行において信州まつもと空港利用のチャーター便企画商品や地元サッカークラブ「松本山雅FC」応援ツアーなどを中心に催行客数が増加いたしました。
これらの結果、レジャー・サービス事業の営業収益は11,923,505千円と、前期に比べ181,044千円増加(前期比1.5%増)となりました。また、営業利益は211,544千円と、前期に比べ173,995千円減少(前期比45.1%減)となりました。
(不動産事業)
蓼科地区別荘分譲地管理事業では新規区画販売を計上したほか、既設別荘建物のリフォーム工事や景観整備請負による売上が増加いたしました。松本駅前に位置する松本バスターミナルビル事業では核テナントの平成29年9月中旬閉店を受けて、改装リニューアル後のテナント入替を進めており、12月には「アルピコプラザ」として一部先行オープンし、また地階には平成30年2月に食品スーパー「デリシア 松本駅前店」が入居、開店いたしました。この改装費用の計上及びテナント募集期間における賃料収入の減少により、損益面では大幅な減益となりました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は1,181,198千円と、前期に比べ94,147千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は147,431千円と、前期に比べ234,505千円減少(前期比61.4%減)となりました。
(その他のサービス事業)
自動車整備事業では、自社特許商品である「クリアー25車検」の営業強化や鈑金等のサービスの拡充に取り組みましたが、車検対象車両の減少や事業エリアにおける競合整備業者の新規出店の影響、長野地区の事業所統合により、受託車検整備台数は伸び悩みました。保険代理店事業では、外部代理店提携件数の増加により事務委託手数料収入が増加いたしました。
これらの結果、その他のサービス事業の営業収益は2,002,912千円と、前期に比べ160,413千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は149,063千円と、前期に比べ9,968千円減少(前期比6.3%減)となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は企業収益や設備投資の持ち直しにより緩やかな回復傾向が続き、個人消費は雇用・所得環境情勢の改善により底堅く推移しました。一方で人口減少と高齢化の進行による雇用需給の逼迫や米国の政策動向、東アジア地域の地政学的リスクの存在による世界経済の不確実性など、先行きは不透明な状況が続いております。
このような状況において、当社グループは、中期経営計画「VALUE UP ALPICO 2020」で設定した経営目標と事業計画に基づき、当社グループ各事業のサービスと設備の質の向上や将来の成長に向けた事業規模と設備投資の拡大を実施いたしました。具体的にはホテルの新規運営、タクシー事業の増強、バス事業の首都圏拠点の強化及び進出、並びに松本バスターミナルビルのテナント入替とスーパーマーケットの新規出店にも取り組みました。
この結果、当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)の連結営業収益は98,433,577千円と、前期に比べ290,674千円増加(前期比0.3%増)となりました。また、連結営業利益は1,093,758千円と、前期に比べ678,364千円減少(前期比38.3%減)となりました。
当連結会計年度のセグメント別の概況は次のとおりであります。
運輸事業の営業収益は12,784,685千円と、前期に比べ200,927千円増加(前期比1.6%増)となりました。また、営業利益は352,867千円と、前期に比べ572,712千円減少(前期比61.9%減)となりました。
流通事業の営業収益は71,579,246千円と、前期に比べ149,600千円増加(前期比0.2%増)となりました。また、営業利益は859,178千円と、前期に比べ379,528千円増加(前期比79.1%増)となりました。
レジャー・サービス事業の営業収益は11,923,505千円と、前期に比べ181,044千円増加(前期比1.5%増)となりました。また、営業利益は211,544千円と、前期に比べ173,995千円減少(前期比45.1%減)となりました。
不動産事業の営業収益は1,181,198千円と、前期に比べ94,147千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は147,431千円と、前期に比べ234,505千円減少(前期比61.4%減)となりました。
その他のサービス事業の営業収益は2,002,912千円と、前期に比べ160,413千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は149,063千円と、前期に比べ9,968千円減少(前期比6.3%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、有形固定資産の取得による支出及び長期借入金の返済による支出等により一部相殺されたものの、長期借入の実施、仕入債務の増加、減価償却費の計上等により、前連結会計年度末と比べ1,794,905千円増加(前期比27.6%増)し、8,285,534千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失869,535千円(前期は1,337,105千円の税金等調整前当期純利益)、減価償却費3,950,776千円、仕入債務の増加額3,432,213千円、減損損失1,480,561千円等の項目を加減した結果、9,650,265千円の資金収入(前期比175.9%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出5,283,133千円、補助金収入140,655千円、預り保証金の返還による支出428,279千円などにより、5,383,010千円の資金支出(前期比88.0%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入3,500,000千円、長期借入金の返済による支出4,071,684千円、リース債務の返済による支出1,728,994千円などにより、2,472,349千円の資金支出(前期比58.8%減)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」における各事業の区分の業績に関連づけて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産総額は71,584,129千円となり、前連結会計年度末と比較して3,098,648千円増加いたしました。これは、主に有形固定資産の取得に伴い固定資産が増加したことなどによるものであります。
(負債合計)
負債総額は58,089,800千円となり、前連結会計年度末と比較して4,282,211千円増加いたしました。これは、主に新規借入金の増加及び借入金返済などによるものであります。
(純資産合計)
純資産残高は親会社株主に帰属する当期純損失の計上などにより、前連結会計年度末と比較して1,183,563千円減少し、13,494,329千円となりました。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における連結営業収益は、流通事業におけるスーパーマーケット14店舗の改装による休業期間があ
ったものの、新店1店舗を開店し、レジャー・サービス事業では平成29年11月に松本駅前で「アルピコプラザホテル」を開業したことなどから、前連結会計年度に比べ0.2%増の98,433,577千円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における運輸業等営業費及び売上原価は、原油価格の上昇による軽油費、LPガス費などの燃料費が増加したことから、前連結会計年度に比べ運輸業等営業費及び売上原価では0.4%増の69,771,221千円、販売費及び一般管理費では2.4%増の27,568,597千円となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、スーパーマーケット14店舗の改装、旗艦ホテルの改装、新規運営、首都圏バ
ス営業拠点の新規設置等による開業に関わる諸経費、及び設備投資の拡大による減価償却費が増加したことから、前
連結会計年度に比べ38.3%減の1,093,758千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失は、収益性の低下した事業用資産にかかる減損損失を計上したことなどにより、972,594千円(前連結会計年度は1,010,643千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、人口減少の加速、消費行動の変化、コストの上昇、社会規範の厳格化、技術革新の加速などがあります。
これらの事業環境に対しまして、長野県内における事業シェアの拡大、保有施設とサービスの質の向上、長野県外からの誘客強化に取り組んでおります。
具体的には、過去3ヵ年において、運輸事業におきましてはバス運行及び営業拠点を関西圏初となる大阪市と首都
圏2拠点目となる東京都江戸川区に営業所を設け、松本市内の同業タクシー会社を株式譲受によりグループ入りさせ
ました。流通事業におきましては、株式会社マツヤのグループ入りと株式会社デリシアとしての統合、25店舗の改装、新店への投資を実施いたしました。レジャー・サービス事業におきましては、旗艦ホテルである「ホテルブエナ
ビスタ」及び「信州松本 美ケ原温泉 翔峰」の大型改装、アルピコプラザホテルの新規運営を実施いたしました。その他事業におきましては、松本駅前にアルピコプラザを開業、旅行事業のグループ内統合を実施してまいりました。
このような諸施策の実行に加えて、当社グループは以下の事業戦略を確実に実施してまいります。
・これまでに獲得した新たな事業基盤の収益顕在化と最大化
・首都圏、関西圏及び海外への積極的な営業展開による成長
・グループシナジーを徹底して追及する共通施策の強化
・企業価値の向上に資する戦略投資の効果モニタリング
・経営強化に直結する働き方改革、人事政策、採用、人材育成・配置
・コンプライアンスの不断の強化、経営理念・企業倫理の遵守
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、運輸事業における車両維持管理費、流通事業における仕入原価及び物流費、その他各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては運輸事業における車両更新投資、流通事業における老朽化店舗への更新投資等があります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行い、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により効率的に資金を運用しております。また、運転資金及び設備資金につきましては、当社において一元管理しております。
当社グループの主要な事業資産に対しては、各事業を取り巻く事業環境を考慮したバランスのとれた投資を行うことで、回収効率を高め、当社グループの全体の有利子負債の削減を図ってまいります。
また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部について金利スワップなどの手段を活用しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが、中期経営計画「VALUE UP ALPICO 2020」において定めた主な指標等は次のとおりであります。
①長野県最大の総合生活サービス企業として、グループを支える全ての関係者と従業員の価値を高めます。②株式上場の実現によりグループ知名度と信用力、企業価値を高めます。③地域のインフラを支える自負と誇りを背景に、社会の重要な責務を担います。④「ひとつのアルピコ」として、強い企業集団を形成してまいります。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(運輸事業)
バス事業では、長野県において前年度の大河ドラマ放映による観光客入込などのイベント効果がなく、市街地一般路線及び高速バス大都市圏県内路線の乗客数は前年並みに推移しました。訪日外国人個人旅行客の増加により、長野白馬線、長野大町線、松本高山線などの近距離路線において乗客数は堅調に増加いたしました。夏季における週末を中心とした天候不順、道路通行止め等の災害や秋季の台風の影響により、上高地・乗鞍地区への観光路線において乗客数は前年比99.6%と伸び悩みました。なお、アルピコ交通東京株式会社では首都圏でのバス事業拡大に向けて、2拠点目として平成29年12月に東京都江戸川区に営業所を開設いたしました。
鉄道事業は沿線人口の緩やかな減少が続いており定期券利用乗客は前年同期比1.8%減少したものの、一日フリー乗車券の拡販やインバウンド個人旅行客の増加により、乗客総数は1,689千人、同0.1%増となりました。
タクシー事業では消費者の節約志向が続き夜間市街地の個人需要が弱含みで推移したこと、及び乗務員の高齢化により稼働台数が伸び悩みました。また、平成29年10月より株式譲受により取得しました松本地区のタクシー事業者であるアルプス交通株式会社を新規連結し、グループ入りに伴う車両架装等の経費を計上いたしました。
損益面では原油価格の上昇による軽油費、LPガス費などの燃料費、及び長期計画に基づく車両更新投資による減価償却費が増加したことに加え、東京第二営業所新設に伴う開業費用などを計上しております。
これらの結果、運輸事業の営業収益は12,784,685千円と、前期に比べ200,927千円増加(前期比1.6%増)となりました。また、営業利益は352,867千円と、前期に比べ572,712千円減少(前期比61.9%減)となりました。
(流通事業)
流通事業は、平成28年4月1日に株式会社デリシアとして食品スーパーマーケット事業を統合して以降、提案型食品スーパー「デリシア」及び業務スーパー「ユーパレット」の2ブランドへの集約を進めており、長野県内において平成30年3月末現在で「デリシア」52店(うちフランチャイズ1店)、「ユーパレット」10店の合計62 店舗を展開しております。当期においては老朽化店舗への更新投資を中心に13店舗の改装を実施し、平成30年2月には松本バスターミナルビル「アルピコプラザ」に松本駅前店を新規出店いたしました。改装工事閉店期間の発生により既存店前年比売上は減少したものの、新店化に合わせた店舗オペレーションの改善、惣菜を中心に特徴ある品揃えの強化、売上原価及び販売管理費の削減を進めた結果、営業利益は増加しました。
これらの結果、流通事業の営業収益は71,579,246千円と、前期に比べ149,600千円増加(前期比0.2%増)となりました。また、営業利益は859,178千円と、前期に比べ379,528千円増加(前期比79.1%増)となりました。
(レジャー・サービス事業)
ホテル旅館事業では、既存の松本市4施設、諏訪市1施設に加えて、平成29年11月より新たに松本駅前に都市型ホテル「アルピコプラザホテル」の営業を開始し、合計6施設の運営を行っております。当期においては宿泊施設営業区域での大型の観光イベントが少なかったものの、ビジネス需要やインバウンド宿泊客の堅調な増加により、総宿泊者数は前年比1.9%増の249千人となりました。またシティホテルのホテルブエナビスタ及び大型温泉旅館の翔峰を中心に、各宿泊施設で実施した設備、客室のグレードアップ投資による効果もあり、客室単価は上昇しました。
サービスエリア事業は諏訪湖(中央道上り)、梓川(長野道上り)、姨捨(長野道上り及び下り)の4か所で売店、レストラン、スナック等を運営しております。長野県内における大型イベントの減少や夏季、秋季の天候不順により観光バスの立寄り台数の減少や観光客消費の停滞が見られ、運営する4サービスエリア全体で客数減となりました。
旅行事業は、長野県内発の企業等団体旅行受注件数は減少しましたが、募集型企画旅行において信州まつもと空港利用のチャーター便企画商品や地元サッカークラブ「松本山雅FC」応援ツアーなどを中心に催行客数が増加いたしました。
これらの結果、レジャー・サービス事業の営業収益は11,923,505千円と、前期に比べ181,044千円増加(前期比1.5%増)となりました。また、営業利益は211,544千円と、前期に比べ173,995千円減少(前期比45.1%減)となりました。
(不動産事業)
蓼科地区別荘分譲地管理事業では新規区画販売を計上したほか、既設別荘建物のリフォーム工事や景観整備請負による売上が増加いたしました。松本駅前に位置する松本バスターミナルビル事業では核テナントの平成29年9月中旬閉店を受けて、改装リニューアル後のテナント入替を進めており、12月には「アルピコプラザ」として一部先行オープンし、また地階には平成30年2月に食品スーパー「デリシア 松本駅前店」が入居、開店いたしました。この改装費用の計上及びテナント募集期間における賃料収入の減少により、損益面では大幅な減益となりました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は1,181,198千円と、前期に比べ94,147千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は147,431千円と、前期に比べ234,505千円減少(前期比61.4%減)となりました。
(その他のサービス事業)
自動車整備事業では、自社特許商品である「クリアー25車検」の営業強化や鈑金等のサービスの拡充に取り組みましたが、車検対象車両の減少や事業エリアにおける競合整備業者の新規出店の影響、長野地区の事業所統合により、受託車検整備台数は伸び悩みました。保険代理店事業では、外部代理店提携件数の増加により事務委託手数料収入が増加いたしました。
これらの結果、その他のサービス事業の営業収益は2,002,912千円と、前期に比べ160,413千円減少(前期比7.4%減)となりました。また、営業利益は149,063千円と、前期に比べ9,968千円減少(前期比6.3%減)となりました。