有価証券報告書-第13期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 14:09
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127項目
(経営成績等の状況の概要)
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、新型感染症の世界的流行の影響により国内外の人々の移動や経済活動が厳しく抑制されたことから、インバウンド消費がほぼ消失、国内個人消費も外食・宿泊等のサービス消費を中心に大きく落ち込み、企業収益は大幅に悪化する等、きわめて厳しい状況が続きました。この間、段階的に経済活動再開に向けた政策が講じられる等、一時的には回復の兆しが見られたものの、波動的な動きを伴う新型感染症の感染拡大が繰返す等、感染流行の収束時期は未だ見通しが立っておらず、景気の先行きには依然として不透明感があります。
このような環境下において、当社グループは、「アフターコロナ」や「新しい生活様式」の定着も見据え、グループ内間接業務のシェアード化やRPA(注1)導入等DX(注2)による企業体質の向上に取組みました。また、創立100周年事業の一環で、グループ内の経営資源の活用による事業シナジーの創出に努めた他、合併等グループ内組織・事業の再編による経営資源の効率活用にも取組みました。
しかしながら、新型感染症の拡大及び流行の長期化により想定を超える甚大な影響を受け、業績は大幅に悪化いたしました。
この結果、当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)の連結営業収益は88,289,559千円と、前連結会計年度に比べ10,555,210千円減少(前期比10.7%減)となりました。また、連結営業損失は2,326,448千円と、前連結会計年度に比べ3,157,816千円悪化(前連結会計年度は831,367千円の営業利益)となりました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(注)1.RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の略称。ソフトウェアロボットで定型業務を自動化することによる業務の効率化を図る手法をいいます。
(注)2.DXとは、「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略称。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することをいいます。
当連結会計年度のセグメント別の概況は次のとおりであります。
運輸事業の営業収益は6,930,970千円と、前期に比べ6,651,430千円減少(前期比49.0%減)となりました。また、営業損失は2,378,399千円と、前期に比べ2,314,203千円悪化(前期は64,195千円の営業損失)となりました。
流通事業の営業収益は75,076,178千円と、前期に比べ2,781,637千円増加(前期比3.8%増)となりました。また、営業利益は2,143,272千円と、前期に比べ849,500千円増加(前期比65.7%増)となりました。
レジャー・サービス事業の営業収益は5,126,837千円と、前期に比べ6,699,938千円減少(前期比56.7%減)となりました。また、営業損失は1,716,304千円と、前期に比べ1,774,556千円悪化(前期は58,251千円の営業利益)となりました。
不動産事業の営業収益は1,143,620千円と、前期に比べ82,091千円減少(前期比6.7%減)となりました。また、営業利益は113,845千円と、前期に比べ6,641千円減少(前期比5.5%減)となりました。
その他のサービス事業の営業収益は284,734千円と、前期に比べ36,892千円減少(前期比11.5%減)となりました。また、営業利益は45,873千円と、前期に比べ38,933千円減少(前期比45.9%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ286,669千円増加(前期比8.4%増)し、3,692,817千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,966,669千円に、減価償却費3,460,587千円、減損損失293,597千円、仕入債務の減少額128,085千円等の項目を加減した結果、1,911,107千円の資金収入(前期比0.5%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,083,878千円、無形固定資産の取得による支出122,920千円、補助金収入104,411千円等により、971,487千円の資金支出(前期比17.4%減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入5,000,000千円、長期借入金の返済による支出4,864,026千円、リース債務の返済による支出1,441,311千円等により、652,950千円の資金支出(前期比85.2%減)となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループの各事業は、受注生産形態をとらない事業であるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況については、「(経営成績等の状況の概要) (1)財政状態及び経営成績の状況」における各事業の区分の業績に関連づけて示しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討等)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産総額は56,979,088千円となり、前連結会計年度末に比べ3,392,540千円減少いたしました。これは、主に償却等により有形固定資産が減少したことによるものであります。
(負債合計)
負債総額は46,316,318千円となり、前連結会計年度末に比べ660,474千円減少いたしました。これは、主にリース債務の返済によるものであります。
純資産残高は親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により、前連結会計年度末に比べ2,732,066千円減少し、10,662,770千円となりました。
② 経営成績
(営業収益)
当連結会計年度における連結営業収益は、新型感染症の影響により、主に運輸事業及びレジャー・サービス事業において売上が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ10.7%減の88,289,559千円となりました。
(営業費)
当連結会計年度における運輸業等営業費及び売上原価は、売上減少に伴う売上原価の減少等から、前連結会計年度に比べ7.3%減の65,150,429千円、販売費及び一般管理費では8.3%減の25,465,578千円となりました。
(営業損失)
当連結会計年度における営業損失は、運輸事業及びレジャー・サービス事業において人件費等の経費抑制を実施したものの、売上が減少したこと等から、前連結会計年度に比べ3,157,816千円悪化し、2,326,448千円(前連結会計年度は831,367千円の営業利益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
親会社株主に帰属する当期純損失は、営業利益が減少したこと等により、2,629,314千円(前連結会計年度は150,043千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(経営成績等の状況の概要) (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、従来から認識していた、労働人口の減少、消費行動の変化、社会規範の厳格化、技術革新の加速等に加えて、新型感染症の拡大及び流行の長期化を大きな要因として認識しております。
これらの事業環境に対応すべく、長野県内における各事業シェアの拡大、保有・運営する施設と商品及びサービスの質の向上、経営資源の効率活用や経営基盤の強化に取り組んでいる他、新型感染症の感染対策の徹底に努めております。
ここ数年の具体的な取組みとして、運輸事業におきましては、タクシー事業では松本タクシー株式会社をグループ入りさせました。また、アルピコ交通大阪株式会社をアルピコ交通株式会社に、アルプス交通株式会社をアルピコタクシー株式会社にそれぞれ吸収合併し、経営効率化を図っております。流通事業におきましては、食品スーパー「デリシア」50店舗及び業務スーパー「ユーパレット」9店舗の合計59店舗の展開に加え、移動販売「とくし丸」を14台運行、ネットスーパーを8拠点で展開しマルチチャネル化による顧客・マーケットの拡大・深耕を進めております。レジャー・サービス事業におきましては、旗艦ホテルである「ホテルブエナビスタ」及び「信州松本 美ケ原温泉 翔峰」の大型改装、旅行事業におけるグループ内統合を実施してまいりました。
このような諸施策の実行に加えて、当社グループは以下の事業戦略を確実に実施してまいります。
・新型感染症の感染防止も含め、「安心」「安全」を顧客と従業員にコミット
・外部環境に左右されない強靭な経営基盤への変革
・SDGsに取組み、社会課題解決に資すること
・グループ内の経営資源の活用による事業シナジーの創出
・市場や社会をリードする特徴と意義のある商品・サービスの提供
(4) 資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、運輸事業における車両維持管理費、流通事業における仕入原価及び物流費、その他各事業における一般管理費等があります。また、設備資金需要としては運輸事業における車両更新投資、流通事業における老朽化店舗への更新投資及びレジャー・サービス事業におけるホテル・旅館等に対する設備投資等があります。
(財務政策)
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、金融機関からの借入により資金調達を行い、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により効率的に資金を運用しております。また、運転資金及び設備資金につきましては、当社において一元管理しております。
当社グループの主要な事業資産に対しては、各事業を取り巻く事業環境を考慮したバランスのとれた投資を行うことで、回収効率を高め、当社グループの全体の有利子負債の削減を図ってまいります。
また、資金調達コストの低減に努める一方、過度の金利変動リスクに晒されないよう、借入の一部について金利スワップ等の手段を活用しております。
(5) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが、中期経営計画「Change&Challenge 2023」において定めた主な指標等は次のとおりであります。
①生産性向上に向け、グループ間接部門業務の集約と合理化・システム化に取組みます
②また、生産性向上に向けては、事業構造の変革により高い固定費比率の改善にも取組みます。
③新たな事業価値の創造に向けて、新たな収益の柱構築に取組みます。新技術や新サービスをグループ横断的に導入し連携を強化します。
④企業文化の変革に向けて、従業員のモチベーションとエンゲージメントの向上を図ります。
(6) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(運輸事業)
バス事業は、2020年度初頭からの新型感染症の拡大及び流行の長期化による利用客減退の影響が年度を通じて継続し、売上高は前年を大きく下回りました。この間、高速バス全路線について大幅に減便、運休を実施し、これに該当するバス車両について減車・休車も実施した他、グループ会社のアルピコ交通東京株式会社の江戸川営業所の閉鎖も実施する等、経営効率化及び経費削減による収益改善に努めました。しかしながらこれらの収益改善も新型感染症の拡大による需要の縮小をカバーするには至らず業績の大幅な悪化を余儀なくされました。
鉄道事業は、新型感染症の拡大に伴う二度に渡る緊急事態宣言発出等により首都圏との往来を中心に観光客が大幅に減少していること、学校休校措置を契機としたオンライン授業の普及やリモートワークの拡大の動きが広がったこと等から利用客数が減少し定期外収入及び定期収入がともに減少いたしました。
タクシー事業は、2020年10月1日に松本タクシー株式会社がグループ入りし、これにより事業の効率化及び経営基盤の強化を図りました。一方で、新型感染症の拡大及び流行の長期化により需要が大きく減退したことに加え、乗務員数の減少による乗用タクシーの稼働台数減も影響し大幅な減収となりました。
これらの結果、運輸事業の営業収益は6,930,970千円と、前期に比べ6,651,430千円減少(前期比49.0%減)となりました。また、営業損失は2,378,399千円と、前期に比べ2,314,203千円悪化(前期は64,195千円の営業損失)となりました。
(流通事業)
流通事業は、長野県内において2021年3月末現在で食品スーパー「デリシア」50店舗(うちフランチャイズ1店舗)及び業務スーパー「ユーパレット」9店舗の合計59店舗を展開しております。また、移動販売「とくし丸」は当連結会計年度中に10台を新規開業し計14台を運行しております。この他、店舗近隣エリアのお客様に商品をお届けする「デリシアネットスーパー」は8拠点で展開しております。
新型感染症の拡大及び流行の長期化により個人消費は外食・宿泊等のサービス消費を中心に大きく落ち込んだものの、小売業界は所謂“巣ごもり消費”等の内食需要が増加し、食料品を中心とした生活必需品の売上は堅調に推移しました。
店舗運営においては、新型感染症に対して様々な感染症対策を講じながら営業を継続してまいりました。店舗におきましては、営業時間の短縮、店舗設備の消毒、飛沫防止対策、また、従業員の検温、マスク着用、手洗い消毒等を徹底して行いました。この他、感染リスクの軽減及びお客様の利便性向上への取組みとして、QRコードマルチ決済を全店に導入しました。
これらの結果、流通事業の営業収益は75,076,178千円と、前期に比べ2,781,637千円増加(前期比3.8%増)となりました。また、営業利益は2,143,272千円と、前期に比べ849,500千円増加(前期比65.7%増)となりました。
(レジャー・サービス事業)
ホテル・旅館事業は、松本市5施設、諏訪市1施設の合計6施設の運営を行っております。新型感染症の拡大及び流行の長期化により、国内外ともに宿泊需要が急速に低下したことに加え、政府のイベント自粛要請等により宴会のキャンセルが相次ぎました。この間、経済活動再開に向けた“Go Toキャンペーン”等の政策が講じられ、一定の営業収益回復の効果も見られたものの、新型感染症拡大の長期化により年度を通じては、総じて需要の回復には至りませんでした。
サービスエリア事業は、諏訪湖(中央道上り)、梓川(長野道上り)、姨捨(長野道上り及び下り)の4か所で売店、レストラン、スナックコーナー等を運営しております。年度を通じて新型感染症の拡大及び流行の長期化により県境を越えた移動は自粛を求められる場面が多く見られました。特に、例年は人が移動し売上を伸ばすゴールデンウィークやお盆時期、年末年始、年度末について国や自治体等による移動自粛要請が行われたことから、前年比大幅減収を余儀なくされました。
旅行事業は、新型感染症の拡大及び流行の長期化により甚大な影響を蒙りました。募集型企画旅行では催行の取り止めや募集中止を余儀なくされました。また、受注型企画旅行についても一般団体の受注が途絶えた他、教育旅行も中止や延期が相次ぎました。
これらの結果、レジャー・サービス事業の営業収益は5,126,837千円と、前期に比べ6,699,938千円減少(前期比56.7%減)となりました。また、営業損失は1,716,304千円と、前期に比べ1,774,556千円悪化(前期は58,251千円の営業利益)となりました。
(不動産事業)
別荘分譲地管理事業は、長野県茅野市の「蓼科高原別荘地」及び長野県原村の「八ヶ岳中央高原四季の森」分譲地の区画販売において成約件数が伸び悩みました。また、新型感染症の拡大及び流行の長期化によりテナント賃貸事業においては、退店や賃料引下げを余儀なくされるケースも一部で発生した他、リーシングも総じて低調でした。
これらの結果、不動産事業の営業収益は1,143,620千円と、前期に比べ82,091千円減少(前期比6.7%減)となりました。また、営業利益は113,845千円と、前期に比べ6,641千円減少(前期比5.5%減)となりました。
(その他のサービス事業)
保険代理店事業は、引き続き高い品質を伴う保険業務運営の確保に向けた態勢整備に取組みつつ、グループ外への販売等に注力しましたが、保険手数料収入は伸び悩みました。
これらの結果、その他のサービス事業の営業収益は284,734千円と、前期に比べ36,892千円減少(前期比11.5%減)となりました。また、営業利益は45,873千円と、前期に比べ38,933千円減少(前期比45.9%減)となりました。
(7) 継続企業の前提に関する重要事象等を解消するための改善策
当社グループは「2 事業等のリスク ⑭継続企業の前提に関する重要事項等について」に記載のとおり、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループはこのような状況を解消すべく、環境変化に耐性のある経営体質への変換を図るとともに、金融機関との間での財務制限条項に抵触している①2016年3月29日付シンジケートローン契約による借入金10,202,153千円及び②2017年9月27日付シンジケートローン契約による借入金1,488,000千円に係る期限の利益の喪失に係る権利行使をしない旨の同意を得ております。

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