有価証券報告書-第9期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)業績等の概要
①業績
(単位:百万円)
当社グループは、2015-2017年度グループ中期経営計画「STEP UP 17」の最終年度を迎え、重点テーマ「成長の加速とさらなる収益性向上」に基づき、「優位事業の強化と新たな成長への挑戦」「環境変化に対応しうる収益力の強化」「グローバル展開の推進」「経営基盤の進化」に向けた取り組みを進めました。
食品セグメントでは、引き続きコア商品の売上成長を図るとともに、生産・物流・販売の効率化とコスト削減に努め、着実な成長に向けた取り組みを進めました。
医薬品セグメントでは、感染症治療薬・中枢神経系用薬の重点領域に経営資源を集中し、売上高・利益の最大化に努めました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1兆2,408億60百万円(前年同期比 0.1%減)、営業利益は 946億73百万円(同 7.1%増)、経常利益は 958億77百万円(同 7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 612億78百万円(同 0.8%増)となりました。また、ROE(自己資本利益率)は 13.1%、EPS(1株当たり当期純利益)は 422.15円となりました。
なお、流動資産は 3,926億74百万円、固定資産は 5,348億70百万円、総資産は 9,275億44百万円、流動負債は 2,944億30百万円、固定負債は 1,379億36百万円、純資産は 4,951億77百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 268億86百万円収入増の 1,087億75百万円の収入となりました。これは法人税等の支払額が減少したことや、たな卸資産の減少及び仕入債務の増加などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より 201億2百万円支出増の 643億94百万円の支出となりました。これは有形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものです。
これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、前連結会計年度より 67億83百万円収入増の 443億80百万円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 64億26百万円支出減の 401億21百万円の支出となりました。これは有利子負債が増加したことなどによるものです。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は 269億13百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額は、消費税等抜きの販売価額により表示しております。
2 セグメント間の取引は含まれておりません。
②受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。
一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する売上の割合が10%以上の相手先はありません。
3 セグメント間の取引は含まれておりません。
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、主として期末日現在の判断に基づく見積りによるものがあります。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績の分析
「STEP UP 17」では、重点カテゴリーの選択と集中および事業構造改革の徹底により、売上高については当初計画には未達となりましたが、連結営業利益およびROEについては当初計画を大きく上回りました。環境の変化に耐えうる強固な収益構造の確立、および海外での成長基盤の強化・拡大については、引き続き重点課題として取り組んでまいります。また、配当方針に沿って着実な増配を実施するとともに、自己株式の取得を行い、株主還元の充実に努めました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。
セグメントの業績の詳細は次のとおりであります。
Ⅰ.食品
当セグメントには発酵デイリー(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)、加工食品(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)、菓子(チョコレート、グミ、ガム等)、栄養(スポーツ栄養、粉ミルク、流動食、美容、一般用医薬品等)、海外、飼料、畜産品、砂糖及び糖化穀粉等の製造・販売、運送等が含まれております。
売上高は前連結会計年度並みとなりました。栄養事業は前連結会計年度を上回り、発酵デイリー事業およびその他事業は前連結会計年度並みとなりましたが、加工食品事業はアイスクリームの取引制度変更の影響、菓子事業はスナック菓子の販売エリア縮小などにより前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は国内外の乳原料調達コストの上昇があったものの、費用効率化の取り組みにより前連結会計年度を上回りました。コスト削減の取り組みが寄与した菓子事業および主力品が伸長した栄養事業は前連結会計年度を上回り、発酵デイリー事業および加工食品事業は前連結会計年度並みとなりましたが、その他事業は国内子会社の減収などにより前連結会計年度を下回りました。
事業別の概況は次のとおりです。
■発酵デイリー事業(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)
売上高は、「明治ブルガリアヨーグルト」が前連結会計年度における大幅な市場拡大の反動により前連結会計年度を下回りましたが、プロバイオティクスおよび牛乳類が前連結会計年度並みとなった結果、事業全体では前連結会計年度並みとなりました。
営業利益は、ヨーグルト減収の影響を各種費用の効率化によって補ったことで事業全体では前連結会計年度並みとなりました。
■加工食品事業(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)
売上高は、バターやマーガリンが伸長したことに加え、アイスクリームの「明治エッセルスーパーカップ Sweet's」シリーズが好調に推移しましたが、2017年4月からのアイスクリームの取引制度変更や冷凍食品の減収などの影響により事業全体では前連結会計年度を下回りました。
営業利益は、プロダクトミックスの改善があったものの、国内乳原料などのコストアップが影響し事業全体では前連結会計年度並みとなりました。
■菓子事業(チョコレート、グミ、ガム等)
売上高は、「チョコレート効果」シリーズや「明治 ザ・チョコレート」などの伸長によりチョコレートが引き続き好調に推移した一方、市場低迷の影響によりガムが大幅に減収となったことやスナック菓子「カール」の販売エリア縮小などにより事業全体では前連結会計年度を下回りました。
営業利益は、カカオ豆等の原材料コストが前連結会計年度を下回ったことに加え、販促費や物流費の削減にも取り組んだことから前連結会計年度を上回りました。
■栄養事業(スポーツ栄養、粉ミルク、流動食、美容、一般用医薬品等)
売上高は、「ザバス」が競技者層に加えてスタイルアップ層への取り組みにより新規ユーザーを獲得したことや在宅栄養食の「明治メイバランスMiniカップ」シリーズの新フレーバー追加などが寄与したことで、前連結会計年度を上回りました。
営業利益は、主力品の売り上げ伸長に加えて各種費用の効率化により前連結会計年度を上回りました。
■その他事業(海外、飼料、畜産品、砂糖及び糖化穀粉、運送等)
[海外]
売上高は、輸出事業では粉ミルクが台湾、パキスタン、ベトナム向けが好調に推移し、海外子会社では米国子会社や中国子会社が売上高を大幅に伸長させたことなどにより前連結会計年度を上回りました。
営業利益は、中国子会社の売り上げ拡大や好調な輸出事業が寄与したことにより前連結会計年度を上回りました。
[その他]
売上高は、物流子会社や飼料子会社などが伸長した一方、一部子会社の事業構造改革に伴う減収が発生したため全体では前連結会計年度並みとなりました。
営業利益は、物流子会社における人材確保に伴う人件費の増加などにより前連結会計年度を大幅に下回りました。
Ⅱ.医薬品
当セグメントには、医療用医薬品及び農薬・動物薬等の製造・販売が含まれております。
売上高は前連結会計年度を上回りました。医療用医薬品事業は、国内では先発医薬品が新薬の寄与により堅調に推移し、ジェネリック医薬品事業も大幅に伸長しました。海外ではインドやインドネシアおよび中国の子会社が好調に推移しました。生物産業事業は、ライセンス契約に基づく一時金収入の寄与がありましたが、主力品の減収により前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は前連結会計年度を大幅に上回りました。前連結会計年度に新薬普及費用が発生した反動による費用減に加え、経費削減の取り組みやライセンス契約に基づく一時金収入が寄与しました。
事業別の概況は次のとおりです。
■医療用医薬品事業
[国内]
主力の抗うつ薬「リフレックス」が普及活動強化により堅調に推移したことに加え、2016年度に発売した統合失調症治療薬「シクレスト」やアレルギー性疾患治療薬「ビラノア」が投薬期間制限の解除もあり大幅に伸長しました。また、ジェネリック医薬品の抗菌薬「タゾピペ配合静注用 明治」が市場におけるジェネリック化の加速や追加適応取得により大幅に伸長しました。
[海外]
海外では、抗菌薬「メイアクト」の輸出販売が大幅な減収となりましたが、インドやインドネシアおよび中国の子会社は好調に推移しました。その結果、事業全体の売上高は前連結会計年度を上回りました。
■生物産業事業(農薬・動物薬)
2018年3月にアリスタライフサイエンス株式会社と締結した新規農業用殺虫剤「フルピリミン」のライセンス契約に伴う一時金収入があったものの、主力であるいもち病防除剤「オリゼメート」の減収が影響し売上高は前連結会計年度を下回りました。
③財政状態の分析
Ⅰ.資産
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて 436億48百万円増加し、9,275億44百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が 119億52百万円、建物及び構築物(純額)が 172億11百万円、投資有価証券が 130億12百万円増加したことなどによるものです。
Ⅱ.負債
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて 56億62百万円増加し、4,323億67百万円となりました。これは社債(1年内償還予定を含む)が 100億円減少した一方、支払手形及び買掛金が 93億77百万円、その他流動負債が 40億15百万円、繰延税金負債が 28億90百万円増加したことなどによるものです。
Ⅲ.純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて 379億86百万円増加し、4,951億77百万円となりました。これは自己株式が 139億13百万円増加(純資産としては減少)した一方、利益剰余金が 434億20百万円、その他有価証券評価差額金が 80億68百万円増加したことなどによるものです。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の 50.8%から 52.5%に、1株当たり純資産は前連結会計年度末の 3,064円91銭から 3,360円70銭になりました。
④資金の財源及び資金の流動性の分析
Ⅰ.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりです。
(注)各指標の算出方法
自己資本比率:(純資産の部-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(期末株価終値×発行済株式総数)/総資産
債務償還年数:有利子負債(社債、借入金、コマーシャル・ペーパー)/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い(利息の支払額)
※ 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。
Ⅱ.資金需要
設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
当社グループは、グループ会社を対象に、資金調達の安定化と調達コストの低減を図るため、グループファイナンス制度を導入しております。
Ⅲ.資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行等によって調達しております。
①業績
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1株当たり 当期純利益 (円 銭) | |
当連結会計年度 | 1,240,860 | 94,673 | 95,877 | 61,278 | 422.15 |
前連結会計年度 | 1,242,480 | 88,395 | 88,839 | 60,786 | 413.11 |
前年同期比(%) | 99.9 | 107.1 | 107.9 | 100.8 | - |
当社グループは、2015-2017年度グループ中期経営計画「STEP UP 17」の最終年度を迎え、重点テーマ「成長の加速とさらなる収益性向上」に基づき、「優位事業の強化と新たな成長への挑戦」「環境変化に対応しうる収益力の強化」「グローバル展開の推進」「経営基盤の進化」に向けた取り組みを進めました。
食品セグメントでは、引き続きコア商品の売上成長を図るとともに、生産・物流・販売の効率化とコスト削減に努め、着実な成長に向けた取り組みを進めました。
医薬品セグメントでは、感染症治療薬・中枢神経系用薬の重点領域に経営資源を集中し、売上高・利益の最大化に努めました。
この結果、当連結会計年度の売上高は1兆2,408億60百万円(前年同期比 0.1%減)、営業利益は 946億73百万円(同 7.1%増)、経常利益は 958億77百万円(同 7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は 612億78百万円(同 0.8%増)となりました。また、ROE(自己資本利益率)は 13.1%、EPS(1株当たり当期純利益)は 422.15円となりました。
なお、流動資産は 3,926億74百万円、固定資産は 5,348億70百万円、総資産は 9,275億44百万円、流動負債は 2,944億30百万円、固定負債は 1,379億36百万円、純資産は 4,951億77百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
区分 | 前連結会計年度 (百万円) | 当連結会計年度 (百万円) | 増減額 (百万円) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 81,888 | 108,775 | 26,886 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △44,291 | △64,394 | △20,102 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △46,548 | △40,121 | 6,426 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △318 | 1 | 320 |
現金及び現金同等物の増減額(△減少) | △9,269 | 4,260 | 13,530 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 31,516 | 22,624 | △8,891 |
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額 | 378 | - | △378 |
合併に伴う現金及び現金同等物の増加額 | - | 28 | 28 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 22,624 | 26,913 | 4,288 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 268億86百万円収入増の 1,087億75百万円の収入となりました。これは法人税等の支払額が減少したことや、たな卸資産の減少及び仕入債務の増加などによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より 201億2百万円支出増の 643億94百万円の支出となりました。これは有形固定資産の取得による支出が増加したことなどによるものです。
これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、前連結会計年度より 67億83百万円収入増の 443億80百万円の収入となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ 64億26百万円支出減の 401億21百万円の支出となりました。これは有利子負債が増加したことなどによるものです。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は 269億13百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
食品 | 789,616 | 96.5 |
医薬品 | 81,088 | 96.4 |
報告セグメント計 | 870,704 | 96.5 |
合計 | 870,704 | 96.5 |
(注)1 上記金額は、消費税等抜きの販売価額により表示しております。
2 セグメント間の取引は含まれておりません。
②受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。
一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
食品 | 1,073,077 | 99.2 |
医薬品 | 167,783 | 104.3 |
報告セグメント計 | 1,240,860 | 99.9 |
合計 | 1,240,860 | 99.9 |
(注)1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する売上の割合が10%以上の相手先はありません。
3 セグメント間の取引は含まれておりません。
(3)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、主として期末日現在の判断に基づく見積りによるものがあります。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②経営成績の分析
指標 | STEP UP 17(計画) | 2017年度(実績) |
売上高(百万円) | 1,260,000 | 1,240,860 |
営業利益(百万円) | 64,000 | 94,673 |
ROE(%) | 8%以上 | 13.1 |
「STEP UP 17」では、重点カテゴリーの選択と集中および事業構造改革の徹底により、売上高については当初計画には未達となりましたが、連結営業利益およびROEについては当初計画を大きく上回りました。環境の変化に耐えうる強固な収益構造の確立、および海外での成長基盤の強化・拡大については、引き続き重点課題として取り組んでまいります。また、配当方針に沿って着実な増配を実施するとともに、自己株式の取得を行い、株主還元の充実に努めました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
報告セグメント | 合計 | ||||||||
食品 | 医薬品 | ||||||||
前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減 | |
売上高 | 1,082,115 | 1,073,655 | △8,460 | 161,620 | 168,466 | 6,845 | 1,243,736 | 1,242,121 | △1,615 |
セグメント 利益 | 82,950 | 84,189 | 1,239 | 5,781 | 11,025 | 5,244 | 88,731 | 95,214 | 6,483 |
(注)売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。
セグメントの業績の詳細は次のとおりであります。
Ⅰ.食品
当セグメントには発酵デイリー(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)、加工食品(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)、菓子(チョコレート、グミ、ガム等)、栄養(スポーツ栄養、粉ミルク、流動食、美容、一般用医薬品等)、海外、飼料、畜産品、砂糖及び糖化穀粉等の製造・販売、運送等が含まれております。
売上高は前連結会計年度並みとなりました。栄養事業は前連結会計年度を上回り、発酵デイリー事業およびその他事業は前連結会計年度並みとなりましたが、加工食品事業はアイスクリームの取引制度変更の影響、菓子事業はスナック菓子の販売エリア縮小などにより前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は国内外の乳原料調達コストの上昇があったものの、費用効率化の取り組みにより前連結会計年度を上回りました。コスト削減の取り組みが寄与した菓子事業および主力品が伸長した栄養事業は前連結会計年度を上回り、発酵デイリー事業および加工食品事業は前連結会計年度並みとなりましたが、その他事業は国内子会社の減収などにより前連結会計年度を下回りました。
事業別の概況は次のとおりです。
■発酵デイリー事業(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)
売上高は、「明治ブルガリアヨーグルト」が前連結会計年度における大幅な市場拡大の反動により前連結会計年度を下回りましたが、プロバイオティクスおよび牛乳類が前連結会計年度並みとなった結果、事業全体では前連結会計年度並みとなりました。
営業利益は、ヨーグルト減収の影響を各種費用の効率化によって補ったことで事業全体では前連結会計年度並みとなりました。
■加工食品事業(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)
売上高は、バターやマーガリンが伸長したことに加え、アイスクリームの「明治エッセルスーパーカップ Sweet's」シリーズが好調に推移しましたが、2017年4月からのアイスクリームの取引制度変更や冷凍食品の減収などの影響により事業全体では前連結会計年度を下回りました。
営業利益は、プロダクトミックスの改善があったものの、国内乳原料などのコストアップが影響し事業全体では前連結会計年度並みとなりました。
■菓子事業(チョコレート、グミ、ガム等)
売上高は、「チョコレート効果」シリーズや「明治 ザ・チョコレート」などの伸長によりチョコレートが引き続き好調に推移した一方、市場低迷の影響によりガムが大幅に減収となったことやスナック菓子「カール」の販売エリア縮小などにより事業全体では前連結会計年度を下回りました。
営業利益は、カカオ豆等の原材料コストが前連結会計年度を下回ったことに加え、販促費や物流費の削減にも取り組んだことから前連結会計年度を上回りました。
■栄養事業(スポーツ栄養、粉ミルク、流動食、美容、一般用医薬品等)
売上高は、「ザバス」が競技者層に加えてスタイルアップ層への取り組みにより新規ユーザーを獲得したことや在宅栄養食の「明治メイバランスMiniカップ」シリーズの新フレーバー追加などが寄与したことで、前連結会計年度を上回りました。
営業利益は、主力品の売り上げ伸長に加えて各種費用の効率化により前連結会計年度を上回りました。
■その他事業(海外、飼料、畜産品、砂糖及び糖化穀粉、運送等)
[海外]
売上高は、輸出事業では粉ミルクが台湾、パキスタン、ベトナム向けが好調に推移し、海外子会社では米国子会社や中国子会社が売上高を大幅に伸長させたことなどにより前連結会計年度を上回りました。
営業利益は、中国子会社の売り上げ拡大や好調な輸出事業が寄与したことにより前連結会計年度を上回りました。
[その他]
売上高は、物流子会社や飼料子会社などが伸長した一方、一部子会社の事業構造改革に伴う減収が発生したため全体では前連結会計年度並みとなりました。
営業利益は、物流子会社における人材確保に伴う人件費の増加などにより前連結会計年度を大幅に下回りました。
Ⅱ.医薬品
当セグメントには、医療用医薬品及び農薬・動物薬等の製造・販売が含まれております。
売上高は前連結会計年度を上回りました。医療用医薬品事業は、国内では先発医薬品が新薬の寄与により堅調に推移し、ジェネリック医薬品事業も大幅に伸長しました。海外ではインドやインドネシアおよび中国の子会社が好調に推移しました。生物産業事業は、ライセンス契約に基づく一時金収入の寄与がありましたが、主力品の減収により前連結会計年度を下回りました。
セグメント利益は前連結会計年度を大幅に上回りました。前連結会計年度に新薬普及費用が発生した反動による費用減に加え、経費削減の取り組みやライセンス契約に基づく一時金収入が寄与しました。
事業別の概況は次のとおりです。
■医療用医薬品事業
[国内]
主力の抗うつ薬「リフレックス」が普及活動強化により堅調に推移したことに加え、2016年度に発売した統合失調症治療薬「シクレスト」やアレルギー性疾患治療薬「ビラノア」が投薬期間制限の解除もあり大幅に伸長しました。また、ジェネリック医薬品の抗菌薬「タゾピペ配合静注用 明治」が市場におけるジェネリック化の加速や追加適応取得により大幅に伸長しました。
[海外]
海外では、抗菌薬「メイアクト」の輸出販売が大幅な減収となりましたが、インドやインドネシアおよび中国の子会社は好調に推移しました。その結果、事業全体の売上高は前連結会計年度を上回りました。
■生物産業事業(農薬・動物薬)
2018年3月にアリスタライフサイエンス株式会社と締結した新規農業用殺虫剤「フルピリミン」のライセンス契約に伴う一時金収入があったものの、主力であるいもち病防除剤「オリゼメート」の減収が影響し売上高は前連結会計年度を下回りました。
③財政状態の分析
Ⅰ.資産
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて 436億48百万円増加し、9,275億44百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が 119億52百万円、建物及び構築物(純額)が 172億11百万円、投資有価証券が 130億12百万円増加したことなどによるものです。
Ⅱ.負債
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて 56億62百万円増加し、4,323億67百万円となりました。これは社債(1年内償還予定を含む)が 100億円減少した一方、支払手形及び買掛金が 93億77百万円、その他流動負債が 40億15百万円、繰延税金負債が 28億90百万円増加したことなどによるものです。
Ⅲ.純資産
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて 379億86百万円増加し、4,951億77百万円となりました。これは自己株式が 139億13百万円増加(純資産としては減少)した一方、利益剰余金が 434億20百万円、その他有価証券評価差額金が 80億68百万円増加したことなどによるものです。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の 50.8%から 52.5%に、1株当たり純資産は前連結会計年度末の 3,064円91銭から 3,360円70銭になりました。
④資金の財源及び資金の流動性の分析
Ⅰ.キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況については、「(1)②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりです。
区分 | 第5期 | 第6期 | 第7期 | 第8期 | 第9期 |
自己資本比率(%) | 41.1 | 42.2 | 47.8 | 50.8 | 52.5 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 61.5 | 122.9 | 155.6 | 153.6 | 126.6 |
債務償還年数(年) | 3.1 | 2.6 | 1.4 | 1.6 | 1.1 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | 48.6 | 76.2 | 104.1 | 105.1 | 140.3 |
(注)各指標の算出方法
自己資本比率:(純資産の部-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(期末株価終値×発行済株式総数)/総資産
債務償還年数:有利子負債(社債、借入金、コマーシャル・ペーパー)/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い(利息の支払額)
※ 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しております。
Ⅱ.資金需要
設備投資、運転資金、借入金の返済及び利息の支払い並びに配当及び法人税の支払い等に資金を充当しております。
当社グループは、グループ会社を対象に、資金調達の安定化と調達コストの低減を図るため、グループファイナンス制度を導入しております。
Ⅲ.資金の源泉
主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、社債及びコマーシャル・ペーパーの発行等によって調達しております。