四半期報告書-第14期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/10 10:17
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。
1.経営成績の状況
(単位:百万円)
売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属
する四半期純利益
1株当たり
四半期純利益
(円 銭)
当第1四半期
連結累計期間
247,13118,04418,41416,015113.73
前第1四半期
連結累計期間
235,92118,62119,09112,49186.09
前年同期比
(%)
104.896.996.5128.2-

当社グループは「2023中期経営計画」の基本コンセプトである「明治ROESG®※経営の実践」に基づき、利益成長とサステナビリティ活動の同時実現に向けて取り組んでいます。
重点課題は以下の通りです。
1.事業戦略
(食品セグメント) コア事業の成長力の回復
海外展開の強化
(医薬品セグメント) ワクチン事業の強化
受託製造/受託製造開発(CMO/CDMO)事業の強化
(グループ全体) 新領域への挑戦
2.ROICの活用による経営管理体制強化
3.成長投資の継続と強固な財務基盤構築の両立
4.サステナビリティ2026ビジョンの着実な実行
※「ROESG」は一橋大学・伊藤邦雄氏が開発した経営指標で、同氏の商標です。
2023年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済や国内消費動向への影響、また、ロシア・ウクライナ情勢や円安などに起因する原材料価格およびエネルギーコストの高騰が続くものと考えられます。
食品セグメントでは、原材料コストおよびエネルギーコストの上昇に対して、価格改定や容量変更などにより、コスト上昇分を吸収します。また、価格改定による数量減の影響を最小限にとどめるべく、各商品の価値訴求強化や積極的なマーケティング活動に取り組みます。加えて、海外では引き続き中国における生産販売能力を強化します。販売エリア拡大による売上成長と高付加価値商品の拡大を図り、次の成長の柱となる事業の育成に取り組みます。
医薬品セグメントでは、強みをもつ感染症領域に経営資源を集中し、ワクチンと感染症治療薬のトップ企業としての競争優位性のさらなる強化に取り組みます。加えて、コスト低減や海外のCMO/CDM事業拡大に取り組み、国内における薬価改定の影響をカバーして計画の達成を目指します。また、当社グループが持つ感染症に関する高い技術・設備や豊富な経験を活用した創薬力の強化にも取り組みます。
当第1四半期連結累計期間の売上高は 2,471億31百万円(前年同期比 4.8%増)、営業利益は 180億44百万円(同 3.1%減)、経常利益は 184億14百万円(同 3.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 160億15百万円(同 28.2%増)となりました。
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発・供給の取り組みを次のとおり進めています。
当社の事業子会社であるKMバイオロジクス株式会社では、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。2022年4月からは、承認に向けた最終段階となる第3相臨床試験(国際共同)および国内小児第2/3相臨床試験を開始しました。加えて、この不活化ワクチンを国内に早期供給すべく、2021年12月には不活化ワクチンの試験検査を行う新棟を竣工しました。製造設備工事も計画通り完了しました。2023年3月期中の供給を目指し、引き続き取り組んでまいります。
アストラゼネカ株式会社が日本へ導入している新型コロナウイルスワクチンについて、当社の事業子会社であるMeiji Seika ファルマ株式会社は保管・配送・安全性情報収集の業務を行っております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
報告セグメント合計
食品医薬品
前第1四半期連結累計期間当第1四半期連結累計期間増減前第1四半期連結累計期間当第1四半期連結累計期間増減前第1四半期連結累計期間当第1四半期連結累計期間増減
売上高199,882204,3874,50536,24542,8846,638236,128247,27211,143
セグメント
利益又は損失(△)
19,42414,507△4,917△6383,8154,45418,78518,322△462

(注)売上高、セグメント利益又は損失(△)は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。
セグメントの業績の詳細は、次のとおりであります。
(1)食品
当セグメントには、ヨーグルト・チーズ事業 (プロバイオティクス、ヨーグルト、チーズ)、ニュートリション事業(乳幼児ミルク、スポーツ栄養、流動食、美容)、チョコレート・グミ事業、牛乳事業、業務用食品事業、フローズン・調理食品事業 (アイスクリーム、調理食品、バター・マーガリン類)、海外事業(海外子会社、輸出)、その他・国内子会社 (国内独立系子会社、ガム、キャンデー、OTC)による製造・販売、運送等が含まれております。
売上高は前第1四半期連結累計期間を上回りました。業務用食品事業や海外事業は前第1四半期連結累計期間を大幅に上回り、ニュートリション事業やチョコレート・グミ事業、その他・国内子会社は前第1四半期連結累計期間を上回りました。フローズン・調理食品事業は前第1四半期連結累計期間並みとなりました。ヨーグルト・チーズ事業や牛乳事業は前第1四半期連結累計期間を下回りました。
セグメント利益は、ヨーグルト・チーズ事業の減収に加え、原材料コストやエネルギーコスト、減価償却費の増加により前第1四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
事業別の概況は次のとおりです。
■ヨーグルト・チーズ事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を下回りました。プロバイオティクスやヨーグルトは、商品ラインアップを拡充し、マーケティングを強化しましたが、健康価値を訴求する様々な競合商品の影響により減収となりました。チーズも品目数削減の影響などにより減収となりました。
営業利益は、減収に加えて、原材料コストやマーケティングコストの増加により前第1四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
■ニュートリション事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を上回りました。流動食「明治メイバランス」や、インバウンド需要が一部に見られた乳幼児ミルクは好調に推移しました。価格改定や容量変更を行ったスポーツプロテイン「ザバス」はドリンクタイプが好調に推移しましたが、全体では前第1四半期連結累計期間並みとなりました。
営業利益は、原材料コストや減価償却費の増加により前第1四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
■チョコレート・グミ事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を上回りました。前年上期に生産ライン工事の影響で供給能力に制限のあった「きのこの山」「たけのこの里」が回復しました。価格改定を行った「チョコレート効果」や、マーケティングを強化したグミも好調に推移しました。
営業利益は、原材料コストが増加しましたが、増収により前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■牛乳事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を下回りました。品目数の削減や、巣ごもり需要の低下による大容量サイズの数量減が影響しました。
営業利益は、減収の影響により前第1四半期連結累計期間を下回りました。
■業務用食品事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。緊急事態宣言による行動制限の影響を受けた前第1四半期連結累計期間から外食・土産菓子需要が回復し、業務用チョコレートを中心に大幅な増収となりました。
営業利益は、増収により前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■フローズン・調理食品事業
売上高は前年並みとなりました。価格改定の影響により調理食品は減収となりました。一方、主力の「エッセルスーパーカップ」や新商品「ブルガリアフローズンヨーグルトデザート」が好調に推移したアイスクリームは増収となりました。
営業利益は、増収により前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■海外事業
売上高は、為替の影響もあり前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。中国の菓子事業やアイスクリーム事業、米国の菓子事業が好調に推移しました。
営業利益は、原材料コストの増加などにより前第1四半期連結累計期間を下回りました。
■その他・国内子会社
売上高は、物流子会社1社が株式譲渡により連結対象子会社から除外された影響がありましたが、糖類を扱う商社や飼糧子会社などの増収により、全体では前第1四半期連結累計期間を上回りました。
営業利益は、物流子会社譲渡の影響に加え、飼糧子会社の減益などにより、前第1四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
(2)医薬品
当セグメントには、国内医薬品事業(ヒト用ワクチンを除く国内医薬品)、海外医薬品事業、ヒト用ワクチン事業、動物薬事業(動物薬、動物用ワクチン)による製造・販売が含まれております。
売上高は前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。国内医薬品事業と海外医薬品事業は前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。ヒト用ワクチン事業は前第1四半期連結累計期間を下回りました。動物薬事業は、前期まで同一事業区分であった農薬事業を譲渡した影響により前第1四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
セグメント利益は、国内医薬品事業と海外医薬品事業の大幅な増収により、前第1四半期連結累計期間を上回りました。
事業別の概況は次のとおりです。
■国内医薬品事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。抗菌薬「スルバシリン」やアレルギー性疾患治療薬「ビラノア」、新型コロナウイルス抗原検査キットが増収となりました。また、アストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチンの保管・配送・安全性情報収集に関する受託収入も寄与しました。
営業利益は、増収によって薬価改定の影響をカバーし、前第1四半期連結累計期間を上回りました。
■海外医薬品事業
売上高は、為替の影響もあり前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。医薬品受託製造事業を行うインドの子会社が増収となりました。また、前年に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けていたスペインの子会社の回復も寄与しました。
営業利益は、増収により前第1四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■ヒト用ワクチン事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を下回りました。前第1四半期連結累計期間に計上していたアストラゼネカ社の新型コロナウイルスワクチン製剤化に関する受託収入がなかったことが影響しました。日本脳炎ワクチン「エンセバック」は増収となりました。
営業利益は、新型コロナウイルスワクチン製剤化に関する受託収入減や棚卸資産評価損の影響により、前第1四半期連結累計期間を下回りました。
■動物薬事業
売上高は前第1四半期連結累計期間を大幅に下回りました。前期まで同一事業区分であった農薬事業を譲渡したことが影響しました。
営業利益は前第1四半期連結累計期間を上回りました。2022年4月に明治アニマルヘルス株式会社を設立し、動物薬事業と動物用ワクチン事業を統合したことによるコスト低減効果が寄与しました。
2.財政状態の分析
[資産]
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は 1兆1,443億35百万円となり、前連結会計年度末に比べて 268億75百万円増加しました。これは受取手形及び売掛金が 96億37百万円、機械装置及び運搬具(純額)が 30億75百万円減少した一方、現金及び預金が 203億77百万円、商品及び製品が 70億87百万円、建物及び構築物(純額)が 34億2百万円、原材料及び貯蔵品が 25億15百万円、繰延税金資産が 10億75百万円増加したことなどによるものです。
[負債]
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は 4,189億60百万円となり、前連結会計年度末に比べて 145億21百万円増加しました。これは未払法人税等が 124億40百万円、支払手形及び買掛金が 61億18百万円、賞与引当金が 48億64百万円減少した一方、短期借入金が 375億16百万円増加したことなどによるものです。
[純資産]
当第1四半期連結会計期間末における純資産合計は 7,253億74百万円となり、前連結会計年度末に比べて 123億53百万円増加しました。これはその他有価証券評価差額金が 25億58百万円減少した一方、為替換算調整勘定が 117億5百万円増加したことなどによるものです。
なお、自己資本比率は 60.0%(前連結会計年度末は 60.3%)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円)
区 分前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー4,2254,733508
投資活動によるキャッシュ・フロー△12,459△8,9663,492
フリー・キャッシュ・フロー△8,234△4,2334,001
財務活動によるキャッシュ・フロー36,00422,271△13,732
現金及び現金同等物に係る換算差額1,3412,024682
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)29,11120,061△9,049
現金及び現金同等物の期首残高39,01164,87225,861
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額16-△16
現金及び現金同等物の四半期末残高68,13984,93416,795

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権が増加した一方で、税金等調整前四半期純利益の増加や仕入債務の増加や法人税等の支払額の減少などにより、前第1四半期連結累計期間より 5億8百万円収入増の 47億33百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、補助金の受取額が減少した一方で、有形及び無形固定資産の売却による収入の増加や有形固定資産の取得による支出の減少などにより、前第1四半期連結累計期間より 34億92百万円支出減の 89億66百万円の支出となりました。
これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は前第1四半期連結累計期間より 40億1百万円支出減の 42億33百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加や長期借入金の返済による支出が減少した一方で、コマーシャル・ペーパーの減少や社債の発行による収入の減少などにより、前第1四半期連結累計期間より 137億32百万円収入減の 222億71百万円の収入となりました。
これらの結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は 849億34百万円となりました。
4.経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
5.会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
6.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
7.研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は68億54百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
8.従業員数
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員の状況に重要な変動はありません。
9.生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
10.主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの主要な設備に関し、著しい変動及び変更はありません。