四半期報告書-第12期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
1.経営成績の分析
(単位:百万円)
当社グループは「2020中期経営計画」の最終年度を迎え、基本コンセプト「継続的戦略課題への取り組み」と「成長に向けた新たな挑戦」に基づき、「コア事業での高シェア・高収益の実現」「海外市場での成長基盤の確立に向けた積極的な事業拡大」「健康を軸とした新たな価値領域での仕掛け」「構造改革の継続的な実行と個別事業課題の克服」「経営基盤の進化とサステナビリティの推進」に向けた取り組みを進めております。
2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、食品セグメントでは個人消費動向が不安視され、医薬品セグメントでは医療機関受診患者数が大幅に減少していることに加えて薬価改定の影響を受けるなど、厳しい環境下にあります。しかしながら、両セグメントともに生活に必要な食品・医薬品の安定供給に万全を期すとともに、費用の効率的な支出に取り組んでいます。また「2020中期経営計画」に沿って、コア領域・成長領域に経営資源を重点的に投下し、生産性の向上の取り組みも着実に推進しています。
当第3四半期連結累計期間の売上高は 9,007億28百万円(前年同期比 5.3%減)、営業利益は 832億27百万円(同 3.6%増)、経常利益は 843億84百万円(同 3.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 494億7百万円(同 5.8%減)となりました。
当社グループでは、世界的な脅威となっている新型コロナウイルス感染症の予防に貢献すべく、ワクチンの開発・供給の取り組みを次のとおり進めています。
当社の事業子会社であるKMバイオロジクス㈱では、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。2020年5月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する創薬支援推進事業の公募研究開発課題「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)」1次公募に採択され、8月には同2次公募にも採択されました。9月には非臨床試験を開始しており、今期中に国内臨床試験を開始すべく準備を進めています。加えて、この不活化ワクチンを国内に早期供給すべく、7月に厚生労働省「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募)」の事業者に採択され、生産に必要な設備の整備も進めています。
また2020年6月に、当社の事業子会社である Meiji Seika ファルマ㈱とKMバイオロジクス㈱は、アストラゼネカ㈱が日本へ導入する新型コロナウイルスワクチンについて、国内安定供給に向けた協議を進めることに合意しました。2021年2月には、Meiji Seika ファルマ㈱とKMバイオロジクス㈱はそれぞれアストラゼネカ㈱と業務委受託契約を締結しました。契約に基づき、KMバイオロジクス㈱は「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」で整備した設備を活用してアストラゼネカ㈱から供給される原液を製剤化(バイアル充填・包装)します。Meiji Seikaファルマ㈱は自らが保有するワクチン流通・供給体制を活用してアストラゼネカ㈱のワクチンの保管・配送を担当し、KMバイオロジクス㈱が製剤化する分を含め1億2,000万回分を国内に供給する予定です。また、必要に応じて情報提供や安全性情報の収集を実施します。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
(注)売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。
セグメントの業績の詳細は、次のとおりです。
(1)食品
当セグメントには発酵デイリー(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)、加工食品(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)、菓子(チョコレート、グミ、ガム等)、栄養(スポーツ栄養、乳幼児ミルク、流動食、美容、OTC等)、海外、飼料、畜産品、砂糖及び糖化穀粉等の製造・販売、運送等が含まれております。
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。栄養事業や海外事業は前第3四半期連結累計期間を上回り、発酵デイリー事業や加工食品事業は前第3四半期連結累計期間並みとなりました。菓子事業は前第3四半期連結累計期間を下回りました。また、その他国内子会社は、株式譲渡により3社が連結対象子会社から除外されたことなどにより、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
セグメント利益は、前第3四半期連結累計期間を上回りました。減収の影響を販促費などのコストコントロールによりカバーしました。
事業別の概況は次のとおりです。
■発酵デイリー事業
売上高は、体調管理意識の高まりや巣ごもり消費の拡大を背景に、プロバイオティクスやヨーグルト、「明治おいしい牛乳」は増収となりました。また「ザバスミルクプロテイン」は大幅な増収となりました。しかし、一部商品の販売終了や販売エリア縮小の影響により、全体では前第3四半期連結累計期間並みとなりました。
営業利益は、プロバイオティクスの増収に加え、販促費や減価償却費などの減少により前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■加工食品事業
売上高は、家庭内需要の拡大により市販アイスクリームや市販チーズは好調に推移しました。外出自粛要請などの影響を受けた業務用食品は徐々に回復しましたが、第1四半期の大幅な減収をカバーできず、全体では前第3四半期連結累計期間並みとなりました。
営業利益は、物流費や減価償却費などの増加により前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
■菓子事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。「きのこの山・たけのこの里」や健康志向チョコレートは好調に推移しましたが、コンビニエンスストア向け商品が減収となり、チョコレート全体では減収となりました。また、グミやガムは通勤・通学やオフィス需要の減少により、大幅な減収となりました。
営業利益は、販促費などの経費削減に努めましたが、減収の影響により前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
■栄養事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を上回りました。スポーツプロテイン「ザバス」は、運動不足解消ニーズの高まりや顧客層の拡大により大幅な増収となり、流動食「明治メイバランス」も好調に推移しました。一方、インバウンド需要の減少により乳幼児ミルクは減収となり、スポーツアミノ酸「ヴァーム」はスポーツイベントの減少により大幅な減収となりました。
営業利益は、経費削減に努めましたが、2019年11月に稼働した粉末プロテイン工場の減価償却費の増加などにより、前第3四半期連結累計期間を下回りました。
■海外事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を上回りました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中国子会社の菓子事業や牛乳・ヨーグルト事業は減収となりましたが、アイスクリーム事業は巣ごもり消費の拡大により増収となりました。また、米国子会社は増収となりました。
営業利益は、前第3四半期連結累計期間並みとなりました。中国子会社の菓子事業や牛乳・ヨーグルト事業は苦戦しましたが、中国子会社のアイスクリーム事業や米国子会社は増益となりました。
■その他国内子会社
売上高は、畜産品などの子会社3社が株式譲渡により連結対象子会社から除外されたことに加え、物流子会社や砂糖商社などの減収により、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
営業利益は、物流子会社などの減益により前第3四半期連結累計期間を下回りました。
(2)医薬品
当セグメントには、医療用医薬品及び農薬・動物薬等の製造・販売が含まれております。
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。国内事業は、薬価改定に加えて新型コロナウイルス感染症拡大の影響により前第3四半期連結累計期間を下回りました。海外事業も同感染症拡大の影響により、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。KMバイオロジクスは主力品の増収により、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
セグメント利益は、国内事業は大幅な減益となりましたが、海外事業とKMバイオロジクスは大幅な増益となり、全体では前第3四半期連結累計期間を上回りました。
事業別の概況は次のとおりです。
■国内事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。接種意向の高まりを背景にインフルエンザワクチンは大幅な増収となりました。一方、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて医療機関受診患者数が減少したことにより、抗菌薬「メイアクト」やジェネリック医薬品は大幅な減収となりました。抗うつ薬「リフレックス」も薬価改定の影響により大幅な減収となりました。
営業利益は、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。経費削減に努めましたが、主力品の減収と薬価改定の影響を大きく受けました。
■海外事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた中国の子会社は、大幅な減収となりました。
営業利益は、インドネシアやインドの子会社などにおける経費削減が寄与し、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■KMバイオロジクス
売上高は、主力のインフルエンザワクチンが大幅に伸長したことに加え、B型肝炎ワクチン「ビームゲン」も好調に推移し、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
営業利益は、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。増収の影響に加え、インフルエンザワクチンの生産効率が向上したことや棚卸評価減の金額が減少したことなどが寄与しました。
長期化する新型コロナウイルス感染症の拡大により、食品セグメントでは、個人消費動向に低価格志向が見られ、オフィス需要の減少も続いている中、菓子事業などで業績の回復が遅れています。医薬品セグメントでは、受診患者数の回復が想定を大きく下回っており厳しい環境が続いています。
このような経営環境を踏まえ、前事業年度の有価証券報告書に記載した2020年度の連結業績見通しを下回る見通しであることから、下記のとおり修正いたしました。
売上高:1兆2,000億円
・食 品:1兆 100億円
・医薬品: 1,915億円
営業利益:1,060億円
・食 品: 910億円
・医薬品: 160億円
ROE:11.5%
海外売上高:893億円
・食 品: 507億円
・医薬品: 385億円
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、世界で約17,000人の従業員やその家族の安全と健康を確保するため、テレワークの推奨、出張自粛などさまざまな対策を講じております。現時点では生産体制および原材料調達において大きな影響は生じておりませんが、今後も状況変化に応じて必要な対策を速やかに実施することにより安定的な製品供給に努めるとともに、「食と健康」に関わる企業グループとしての責務を果たしてまいります。
2.財政状態の分析
[資産]
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は 1兆966億98百万円となり、前連結会計年度末に比べて 977億78百万円増加しました。これは建物及び構築物(純額)が 29億2百万円減少した一方、投資有価証券が 374億28百万円、受取手形及び売掛金が 338億48百万円、現金及び預金が 206億89百万円、建設仮勘定が 46億88百万円、機械装置及び運搬具(純額)が 34億33百万円増加したことなどによるものです。
[負債]
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は 4,642億75百万円となり、前連結会計年度末に比べて 629億27百万円増加しました。これはコマーシャル・ペーパーが 270億円、短期借入金が 170億16百万円、社債が 100億円増加したことなどによるものです。
[純資産]
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は 6,324億23百万円となり、前連結会計年度末に比べて 348億50百万円増加しました。これは為替換算調整勘定が 29億87百万円減少した一方、利益剰余金が 267億88百万円、その他有価証券評価差額金が 53億10百万円、退職給付に係る調整累計額が 24億65百万円増加したことなどによるものです。
なお、自己資本比率は 54.2%(前連結会計年度末は 56.3%)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権やたな卸資産が増加の一方で、減価償却費の増加や法人税等の支払額の前第3四半期連結累計期間からの減少などにより、前第3四半期連結累計期間より 60億78百万円収入増の 642億3百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出の減少や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入の増加の一方で、投資有価証券の取得による支出の増加などにより、前第3四半期連結累計期間より 241億69百万円支出増の 733億38百万円の支出となりました。
これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は前第3四半期連結累計期間より 180億円90百万円支出増の 91億34百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの増加や社債の発行などにより、前第3四半期連結累計期間より 323億36百万円収入増の 293億90百万円の収入となりました。
これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は 566億29百万円となりました。
4.経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
5.会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
6.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
7.研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は221億38百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
8.従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員の状況に重要な変動はありません。
9.生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
10.主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、第1四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度に係る各数値については、暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
1.経営成績の分析
(単位:百万円)
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 親会社株主に帰属 する四半期純利益 | 1株当たり 四半期純利益 (円 銭) | |
当第3四半期 連結累計期間 | 900,728 | 83,227 | 84,384 | 49,407 | 340.54 |
前第3四半期 連結累計期間 | 951,183 | 80,330 | 81,783 | 52,443 | 361.54 |
前年同期比 (%) | 94.7 | 103.6 | 103.2 | 94.2 | - |
当社グループは「2020中期経営計画」の最終年度を迎え、基本コンセプト「継続的戦略課題への取り組み」と「成長に向けた新たな挑戦」に基づき、「コア事業での高シェア・高収益の実現」「海外市場での成長基盤の確立に向けた積極的な事業拡大」「健康を軸とした新たな価値領域での仕掛け」「構造改革の継続的な実行と個別事業課題の克服」「経営基盤の進化とサステナビリティの推進」に向けた取り組みを進めております。
2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、食品セグメントでは個人消費動向が不安視され、医薬品セグメントでは医療機関受診患者数が大幅に減少していることに加えて薬価改定の影響を受けるなど、厳しい環境下にあります。しかしながら、両セグメントともに生活に必要な食品・医薬品の安定供給に万全を期すとともに、費用の効率的な支出に取り組んでいます。また「2020中期経営計画」に沿って、コア領域・成長領域に経営資源を重点的に投下し、生産性の向上の取り組みも着実に推進しています。
当第3四半期連結累計期間の売上高は 9,007億28百万円(前年同期比 5.3%減)、営業利益は 832億27百万円(同 3.6%増)、経常利益は 843億84百万円(同 3.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は 494億7百万円(同 5.8%減)となりました。
当社グループでは、世界的な脅威となっている新型コロナウイルス感染症の予防に貢献すべく、ワクチンの開発・供給の取り組みを次のとおり進めています。
当社の事業子会社であるKMバイオロジクス㈱では、国立感染症研究所、東京大学医科学研究所、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と協業し、新型コロナウイルス感染症に対する不活化ワクチンの開発を進めています。2020年5月に国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が実施する創薬支援推進事業の公募研究開発課題「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発(企業主導型)」1次公募に採択され、8月には同2次公募にも採択されました。9月には非臨床試験を開始しており、今期中に国内臨床試験を開始すべく準備を進めています。加えて、この不活化ワクチンを国内に早期供給すべく、7月に厚生労働省「ワクチン生産体制等緊急整備事業(第1次公募)」の事業者に採択され、生産に必要な設備の整備も進めています。
また2020年6月に、当社の事業子会社である Meiji Seika ファルマ㈱とKMバイオロジクス㈱は、アストラゼネカ㈱が日本へ導入する新型コロナウイルスワクチンについて、国内安定供給に向けた協議を進めることに合意しました。2021年2月には、Meiji Seika ファルマ㈱とKMバイオロジクス㈱はそれぞれアストラゼネカ㈱と業務委受託契約を締結しました。契約に基づき、KMバイオロジクス㈱は「新型インフルエンザワクチン開発・生産体制整備事業」で整備した設備を活用してアストラゼネカ㈱から供給される原液を製剤化(バイアル充填・包装)します。Meiji Seikaファルマ㈱は自らが保有するワクチン流通・供給体制を活用してアストラゼネカ㈱のワクチンの保管・配送を担当し、KMバイオロジクス㈱が製剤化する分を含め1億2,000万回分を国内に供給する予定です。また、必要に応じて情報提供や安全性情報の収集を実施します。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
報告セグメント | 合計 | ||||||||
食品 | 医薬品 | ||||||||
前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減 | |
売上高 | 796,672 | 758,426 | △38,245 | 155,448 | 143,441 | △12,007 | 952,121 | 901,868 | △50,253 |
セグメント 利益 | 65,148 | 67,767 | 2,619 | 15,587 | 15,737 | 149 | 80,736 | 83,505 | 2,769 |
(注)売上高、セグメント利益は、セグメント間の取引を消去する前の金額によっております。
セグメントの業績の詳細は、次のとおりです。
(1)食品
当セグメントには発酵デイリー(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)、加工食品(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)、菓子(チョコレート、グミ、ガム等)、栄養(スポーツ栄養、乳幼児ミルク、流動食、美容、OTC等)、海外、飼料、畜産品、砂糖及び糖化穀粉等の製造・販売、運送等が含まれております。
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。栄養事業や海外事業は前第3四半期連結累計期間を上回り、発酵デイリー事業や加工食品事業は前第3四半期連結累計期間並みとなりました。菓子事業は前第3四半期連結累計期間を下回りました。また、その他国内子会社は、株式譲渡により3社が連結対象子会社から除外されたことなどにより、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
セグメント利益は、前第3四半期連結累計期間を上回りました。減収の影響を販促費などのコストコントロールによりカバーしました。
事業別の概況は次のとおりです。
■発酵デイリー事業
売上高は、体調管理意識の高まりや巣ごもり消費の拡大を背景に、プロバイオティクスやヨーグルト、「明治おいしい牛乳」は増収となりました。また「ザバスミルクプロテイン」は大幅な増収となりました。しかし、一部商品の販売終了や販売エリア縮小の影響により、全体では前第3四半期連結累計期間並みとなりました。
営業利益は、プロバイオティクスの増収に加え、販促費や減価償却費などの減少により前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■加工食品事業
売上高は、家庭内需要の拡大により市販アイスクリームや市販チーズは好調に推移しました。外出自粛要請などの影響を受けた業務用食品は徐々に回復しましたが、第1四半期の大幅な減収をカバーできず、全体では前第3四半期連結累計期間並みとなりました。
営業利益は、物流費や減価償却費などの増加により前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
■菓子事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。「きのこの山・たけのこの里」や健康志向チョコレートは好調に推移しましたが、コンビニエンスストア向け商品が減収となり、チョコレート全体では減収となりました。また、グミやガムは通勤・通学やオフィス需要の減少により、大幅な減収となりました。
営業利益は、販促費などの経費削減に努めましたが、減収の影響により前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
■栄養事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を上回りました。スポーツプロテイン「ザバス」は、運動不足解消ニーズの高まりや顧客層の拡大により大幅な増収となり、流動食「明治メイバランス」も好調に推移しました。一方、インバウンド需要の減少により乳幼児ミルクは減収となり、スポーツアミノ酸「ヴァーム」はスポーツイベントの減少により大幅な減収となりました。
営業利益は、経費削減に努めましたが、2019年11月に稼働した粉末プロテイン工場の減価償却費の増加などにより、前第3四半期連結累計期間を下回りました。
■海外事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を上回りました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により中国子会社の菓子事業や牛乳・ヨーグルト事業は減収となりましたが、アイスクリーム事業は巣ごもり消費の拡大により増収となりました。また、米国子会社は増収となりました。
営業利益は、前第3四半期連結累計期間並みとなりました。中国子会社の菓子事業や牛乳・ヨーグルト事業は苦戦しましたが、中国子会社のアイスクリーム事業や米国子会社は増益となりました。
■その他国内子会社
売上高は、畜産品などの子会社3社が株式譲渡により連結対象子会社から除外されたことに加え、物流子会社や砂糖商社などの減収により、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。
営業利益は、物流子会社などの減益により前第3四半期連結累計期間を下回りました。
(2)医薬品
当セグメントには、医療用医薬品及び農薬・動物薬等の製造・販売が含まれております。
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。国内事業は、薬価改定に加えて新型コロナウイルス感染症拡大の影響により前第3四半期連結累計期間を下回りました。海外事業も同感染症拡大の影響により、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。KMバイオロジクスは主力品の増収により、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
セグメント利益は、国内事業は大幅な減益となりましたが、海外事業とKMバイオロジクスは大幅な増益となり、全体では前第3四半期連結累計期間を上回りました。
事業別の概況は次のとおりです。
■国内事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を下回りました。接種意向の高まりを背景にインフルエンザワクチンは大幅な増収となりました。一方、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて医療機関受診患者数が減少したことにより、抗菌薬「メイアクト」やジェネリック医薬品は大幅な減収となりました。抗うつ薬「リフレックス」も薬価改定の影響により大幅な減収となりました。
営業利益は、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。経費削減に努めましたが、主力品の減収と薬価改定の影響を大きく受けました。
■海外事業
売上高は、前第3四半期連結累計期間を大幅に下回りました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた中国の子会社は、大幅な減収となりました。
営業利益は、インドネシアやインドの子会社などにおける経費削減が寄与し、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
■KMバイオロジクス
売上高は、主力のインフルエンザワクチンが大幅に伸長したことに加え、B型肝炎ワクチン「ビームゲン」も好調に推移し、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。
営業利益は、前第3四半期連結累計期間を大幅に上回りました。増収の影響に加え、インフルエンザワクチンの生産効率が向上したことや棚卸評価減の金額が減少したことなどが寄与しました。
長期化する新型コロナウイルス感染症の拡大により、食品セグメントでは、個人消費動向に低価格志向が見られ、オフィス需要の減少も続いている中、菓子事業などで業績の回復が遅れています。医薬品セグメントでは、受診患者数の回復が想定を大きく下回っており厳しい環境が続いています。
このような経営環境を踏まえ、前事業年度の有価証券報告書に記載した2020年度の連結業績見通しを下回る見通しであることから、下記のとおり修正いたしました。
売上高:1兆2,000億円
・食 品:1兆 100億円
・医薬品: 1,915億円
営業利益:1,060億円
・食 品: 910億円
・医薬品: 160億円
ROE:11.5%
海外売上高:893億円
・食 品: 507億円
・医薬品: 385億円
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、世界で約17,000人の従業員やその家族の安全と健康を確保するため、テレワークの推奨、出張自粛などさまざまな対策を講じております。現時点では生産体制および原材料調達において大きな影響は生じておりませんが、今後も状況変化に応じて必要な対策を速やかに実施することにより安定的な製品供給に努めるとともに、「食と健康」に関わる企業グループとしての責務を果たしてまいります。
2.財政状態の分析
[資産]
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は 1兆966億98百万円となり、前連結会計年度末に比べて 977億78百万円増加しました。これは建物及び構築物(純額)が 29億2百万円減少した一方、投資有価証券が 374億28百万円、受取手形及び売掛金が 338億48百万円、現金及び預金が 206億89百万円、建設仮勘定が 46億88百万円、機械装置及び運搬具(純額)が 34億33百万円増加したことなどによるものです。
[負債]
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は 4,642億75百万円となり、前連結会計年度末に比べて 629億27百万円増加しました。これはコマーシャル・ペーパーが 270億円、短期借入金が 170億16百万円、社債が 100億円増加したことなどによるものです。
[純資産]
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は 6,324億23百万円となり、前連結会計年度末に比べて 348億50百万円増加しました。これは為替換算調整勘定が 29億87百万円減少した一方、利益剰余金が 267億88百万円、その他有価証券評価差額金が 53億10百万円、退職給付に係る調整累計額が 24億65百万円増加したことなどによるものです。
なお、自己資本比率は 54.2%(前連結会計年度末は 56.3%)となりました。
3.キャッシュ・フローの状況 (単位:百万円)
区 分 | 前第3四半期 連結累計期間 | 当第3四半期 連結累計期間 | 増減額 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 58,124 | 64,203 | 6,078 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △49,169 | △73,338 | △24,169 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,946 | 29,390 | 32,336 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | △1,017 | △736 | 281 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 4,991 | 19,518 | 14,527 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 24,481 | 37,110 | 12,628 |
現金及び現金同等物の四半期末残高 | 29,473 | 56,629 | 27,156 |
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権やたな卸資産が増加の一方で、減価償却費の増加や法人税等の支払額の前第3四半期連結累計期間からの減少などにより、前第3四半期連結累計期間より 60億78百万円収入増の 642億3百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出の減少や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入の増加の一方で、投資有価証券の取得による支出の増加などにより、前第3四半期連結累計期間より 241億69百万円支出増の 733億38百万円の支出となりました。
これにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は前第3四半期連結累計期間より 180億円90百万円支出増の 91億34百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、コマーシャル・ペーパーの増加や社債の発行などにより、前第3四半期連結累計期間より 323億36百万円収入増の 293億90百万円の収入となりました。
これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は 566億29百万円となりました。
4.経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
5.会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
6.優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
7.研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は221億38百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
8.従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員の状況に重要な変動はありません。
9.生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
10.主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
会社名 事業所名 | 所在地 | セグメントの名称 | 設備の内容 | 投資予定金額 | 資金調達 方法 | 着手及び完了予定年月 | ||
総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | 着手 | 完了 | |||||
㈱明治 新工場 | 北海道 恵庭市 | 食品 | 市乳生産工場 | 11,800 | - | 自己資金 及び借入金 | 2021年3月 | 2023年6月 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。