四半期報告書-第10期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)
(1)経営成績
全般
当第1四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年6月30日)においては、米国と中国との貿易摩擦激化による景気減速の顕在化や英国のEU離脱問題長期化による混乱の影響等により、企業活動に弱さは見られるものの、米国や欧州での雇用情勢と所得環境の安定による堅調な個人消費に支えられ、世界経済は底堅く推移しました。
わが国経済については、輸出を中心に弱さが続いているものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しました。
同期間における原油価格(ドバイ原油)は、期初の1バーレル当たり68ドルから、OPECの協調減産進展やイラン産原油禁輸措置の免除期間打ち切り発表を受けて、75ドルまで上昇しました。その後、米中貿易摩擦による景気減速懸念が強まったこと等により、期末には65ドル、期平均では前年同期比5ドル安の67ドルとなりました。
銅の国際価格(LME[ロンドン金属取引所]価格)は、期初の1ポンド当たり295セントから、米中貿易摩擦の先行きが懸念されたことから、下落傾向が続き、一時261セントまで下落しました。その後米中首脳会談への期待や米利下げ観測から徐々に値を戻し、期末は271セント、期平均では前年同期比35セント安の277セントとなりました。
円の対米ドル相場は、期初の111円から、米長期金利の低下と連動してじりじりと円高が進行し、期末は108円、期平均では前年同期比1円円安の110円となりました。
こうした状況のもと、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は、原油価格の下落に伴う石油製品販売価格及び金属価格の下落等により、前年同期比2.0%減の2兆5,148億円となりました。また、営業利益は、前期の原油価格上昇に伴う在庫評価益が、当期は損失へ転じたこと、エネルギーセグメントにおける子会社株式売却益の反転等の影響により、493億円(前年同期は2,273億円)となりました。在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は690億円(前年同期は1,852億円)となりました。
金融収益と金融費用の純額68億円を差し引いた結果、税引前四半期利益は425億円(前年同期は2,172億円)となり、法人所得税費用199億円を差し引き、四半期利益は226億円(前年同期は1,526億円)となりました。
なお、四半期利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する四半期利益が174億円、非支配持分に帰属する四半期利益が52億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
エネルギー
石油製品事業については、国内石油製品需要は、自動車の低燃費化など構造的な変化の影響等により減少しました。石油製品市況は国内、海外ともに前年同期に比べ悪化しました。
石油化学製品事業については、パラキシレン、ベンゼンともに市況は前年同期に比べ悪化しました。
現在、統合シナジー(中期経営計画の最終年度である2019年度に1,000億円の収益改善)の早期達成・最大化に向け、製造、供給、購買等の各部門において合理化・効率化に取り組んでおり、当第1四半期連結累計期間において、274億円の収益改善を実現しました。
こうした状況のもと、エネルギー事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比1.9%減の2兆1,299億円、営業利益は130億円(前年同期は1,779億円)となり、原油価格の下落を主因とする在庫影響による会計上の損失が187億円(前年同期は417億円の利益)発生したことから、在庫影響を除いた営業利益相当額は317億円(前年同期は1,362億円)となりました。
石油・天然ガス開発
原油及び天然ガスの生産量については、油田・ガス田の自然減退が見られる中、新規に生産を開始したプロジェクトの貢献から前年同期に比べ増加しました。また、原油及び天然ガスの販売価格は、原油市況を反映し前年同期に比べ下落しました。
開発・生産事業については、2019年6月に、JX石油開発株式会社が100%出資する英国法人 JX Nippon Exploration & Production (U.K.) Limitedが権益を保有する英国北海の22/25a鉱区に位置するカリーンガス田において、天然ガスの生産を開始しました。
こうした状況のもと、石油・天然ガス開発事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比5.6%減の317億円、営業利益は132億円(前年同期は173億円)となりました。
金属
資源開発事業については、チリのカセロネス銅鉱山における生産量が増加したものの、銅価の水準は前年同期を下回りました。なお、同鉱山については、引き続き生産性の向上とコスト削減に取り組んでいます。
銅製錬事業については、電気銅価格(銅建値)は、銅のLME価格下落により前年同期を下回る水準となりました。電気銅の販売量は輸出の減少を主因に前年同期に比べ減少しました。また、銅鉱石の買鉱条件は前年同期に比べて悪化したものの、硫酸の販売価格は市況改善に伴い上昇しました。
電材加工事業については、スマートフォン関連需要の調整を主因として、多くの製品において販売量が低調に推移しました。
環境リサイクル事業については、リサイクル原料の集荷量は、スクラップ市況の回復を背景に、前年同期に比べ増加しました。
チタン事業については、金属チタン製品は概ね堅調に推移したものの、機能化学品のうち電子部品材料の販売量については、スマートフォン関連需要減少等を背景に、前年同期を下回りました。
こうした状況のもと、金属事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比8.1%減の2,476億円、営業利益は153億円(前年同期は211億円)となりました。
その他
その他の事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比13.9%増の1,211億円、営業利益は55億円(前年同期は89億円)となりました。
建設事業については、設備投資は緩やかな増加傾向にあり、公共投資も底堅い動きとなっていますが、労務費や原材料価格の上昇などの影響もあり、厳しい経営環境が続いています。こうした状況下、技術の優位性を活かした受注活動やアスファルト合材などの製品販売の強化に努めるとともに、コスト削減・業務効率化に努めています。
上記各セグメント別の売上高には、セグメント間の内部売上高156億円(前年同期は133億円)が含まれています。
(2)財政状態
①資産 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、IFRS第16号「リース」の適用による有形固定資産に含まれる使用権資産の増加を主要因として前連結会計年度末比1,509億円増加の8兆6,287億円となりました。
②負債 当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、IFRS第16号「リース」の適用によるリース負債の増加を主要因として前連結会計年度末比2,387億円増加の5兆5,967億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比492億円増加の2兆2,672億円となり、また、手元資金を控除したネット有利子負債は516億円増加の1兆8,817億円となりました。
③資本 当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、配当金の支払及び自己株式の取得等で前連結会計年度末比878億円減少の3兆320億円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比1.5ポイント悪化し30.6%、1株当たり親会社の所有者帰属持分は前連結会計年度末比11.70円減少の804.69円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.03ポイント悪化し0.62倍となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,770億円となり、期首に比べ19億円減少しました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、資金は1,386億円増加しました(前年同期は477億円の減少)。これは、税引前四半期利益や減価償却費(IFRS第16号「リース」の適用による増加額を含む)等の資金増加要因によるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、資金は1,068億円減少しました(前年同期は397億円の減少)。これは、主として再生可能エネルギー事業への投資や、製油所における石油精製設備の維持・更新のための投資、石油・天然ガス開発事業への投資によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、資金は266億円減少しました(前年同期は921億円の減少)。これは、短期借入金の増加等による資金増加要因があったものの、これを配当金の支払及び自己株式の取得による支出、リース負債の返済(IFRS第16号「リース」の適用による増加額を含む)等の資金減少要因が上回ったことによるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、5,420百万円です。
全般
当第1四半期連結累計期間(2019年4月1日~2019年6月30日)においては、米国と中国との貿易摩擦激化による景気減速の顕在化や英国のEU離脱問題長期化による混乱の影響等により、企業活動に弱さは見られるものの、米国や欧州での雇用情勢と所得環境の安定による堅調な個人消費に支えられ、世界経済は底堅く推移しました。
わが国経済については、輸出を中心に弱さが続いているものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復しました。
同期間における原油価格(ドバイ原油)は、期初の1バーレル当たり68ドルから、OPECの協調減産進展やイラン産原油禁輸措置の免除期間打ち切り発表を受けて、75ドルまで上昇しました。その後、米中貿易摩擦による景気減速懸念が強まったこと等により、期末には65ドル、期平均では前年同期比5ドル安の67ドルとなりました。
銅の国際価格(LME[ロンドン金属取引所]価格)は、期初の1ポンド当たり295セントから、米中貿易摩擦の先行きが懸念されたことから、下落傾向が続き、一時261セントまで下落しました。その後米中首脳会談への期待や米利下げ観測から徐々に値を戻し、期末は271セント、期平均では前年同期比35セント安の277セントとなりました。
円の対米ドル相場は、期初の111円から、米長期金利の低下と連動してじりじりと円高が進行し、期末は108円、期平均では前年同期比1円円安の110円となりました。
こうした状況のもと、当第1四半期連結累計期間の連結業績は、売上高は、原油価格の下落に伴う石油製品販売価格及び金属価格の下落等により、前年同期比2.0%減の2兆5,148億円となりました。また、営業利益は、前期の原油価格上昇に伴う在庫評価益が、当期は損失へ転じたこと、エネルギーセグメントにおける子会社株式売却益の反転等の影響により、493億円(前年同期は2,273億円)となりました。在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は690億円(前年同期は1,852億円)となりました。
金融収益と金融費用の純額68億円を差し引いた結果、税引前四半期利益は425億円(前年同期は2,172億円)となり、法人所得税費用199億円を差し引き、四半期利益は226億円(前年同期は1,526億円)となりました。
なお、四半期利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する四半期利益が174億円、非支配持分に帰属する四半期利益が52億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。
エネルギー
石油製品事業については、国内石油製品需要は、自動車の低燃費化など構造的な変化の影響等により減少しました。石油製品市況は国内、海外ともに前年同期に比べ悪化しました。
石油化学製品事業については、パラキシレン、ベンゼンともに市況は前年同期に比べ悪化しました。
現在、統合シナジー(中期経営計画の最終年度である2019年度に1,000億円の収益改善)の早期達成・最大化に向け、製造、供給、購買等の各部門において合理化・効率化に取り組んでおり、当第1四半期連結累計期間において、274億円の収益改善を実現しました。
こうした状況のもと、エネルギー事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比1.9%減の2兆1,299億円、営業利益は130億円(前年同期は1,779億円)となり、原油価格の下落を主因とする在庫影響による会計上の損失が187億円(前年同期は417億円の利益)発生したことから、在庫影響を除いた営業利益相当額は317億円(前年同期は1,362億円)となりました。
石油・天然ガス開発
原油及び天然ガスの生産量については、油田・ガス田の自然減退が見られる中、新規に生産を開始したプロジェクトの貢献から前年同期に比べ増加しました。また、原油及び天然ガスの販売価格は、原油市況を反映し前年同期に比べ下落しました。
開発・生産事業については、2019年6月に、JX石油開発株式会社が100%出資する英国法人 JX Nippon Exploration & Production (U.K.) Limitedが権益を保有する英国北海の22/25a鉱区に位置するカリーンガス田において、天然ガスの生産を開始しました。
こうした状況のもと、石油・天然ガス開発事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比5.6%減の317億円、営業利益は132億円(前年同期は173億円)となりました。
金属
資源開発事業については、チリのカセロネス銅鉱山における生産量が増加したものの、銅価の水準は前年同期を下回りました。なお、同鉱山については、引き続き生産性の向上とコスト削減に取り組んでいます。
銅製錬事業については、電気銅価格(銅建値)は、銅のLME価格下落により前年同期を下回る水準となりました。電気銅の販売量は輸出の減少を主因に前年同期に比べ減少しました。また、銅鉱石の買鉱条件は前年同期に比べて悪化したものの、硫酸の販売価格は市況改善に伴い上昇しました。
電材加工事業については、スマートフォン関連需要の調整を主因として、多くの製品において販売量が低調に推移しました。
環境リサイクル事業については、リサイクル原料の集荷量は、スクラップ市況の回復を背景に、前年同期に比べ増加しました。
チタン事業については、金属チタン製品は概ね堅調に推移したものの、機能化学品のうち電子部品材料の販売量については、スマートフォン関連需要減少等を背景に、前年同期を下回りました。
こうした状況のもと、金属事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比8.1%減の2,476億円、営業利益は153億円(前年同期は211億円)となりました。
その他
その他の事業の当第1四半期連結累計期間における売上高は前年同期比13.9%増の1,211億円、営業利益は55億円(前年同期は89億円)となりました。
建設事業については、設備投資は緩やかな増加傾向にあり、公共投資も底堅い動きとなっていますが、労務費や原材料価格の上昇などの影響もあり、厳しい経営環境が続いています。こうした状況下、技術の優位性を活かした受注活動やアスファルト合材などの製品販売の強化に努めるとともに、コスト削減・業務効率化に努めています。
上記各セグメント別の売上高には、セグメント間の内部売上高156億円(前年同期は133億円)が含まれています。
(2)財政状態
①資産 当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、IFRS第16号「リース」の適用による有形固定資産に含まれる使用権資産の増加を主要因として前連結会計年度末比1,509億円増加の8兆6,287億円となりました。
②負債 当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、IFRS第16号「リース」の適用によるリース負債の増加を主要因として前連結会計年度末比2,387億円増加の5兆5,967億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比492億円増加の2兆2,672億円となり、また、手元資金を控除したネット有利子負債は516億円増加の1兆8,817億円となりました。
③資本 当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、配当金の支払及び自己株式の取得等で前連結会計年度末比878億円減少の3兆320億円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比1.5ポイント悪化し30.6%、1株当たり親会社の所有者帰属持分は前連結会計年度末比11.70円減少の804.69円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.03ポイント悪化し0.62倍となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は3,770億円となり、期首に比べ19億円減少しました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、資金は1,386億円増加しました(前年同期は477億円の減少)。これは、税引前四半期利益や減価償却費(IFRS第16号「リース」の適用による増加額を含む)等の資金増加要因によるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、資金は1,068億円減少しました(前年同期は397億円の減少)。これは、主として再生可能エネルギー事業への投資や、製油所における石油精製設備の維持・更新のための投資、石油・天然ガス開発事業への投資によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、資金は266億円減少しました(前年同期は921億円の減少)。これは、短期借入金の増加等による資金増加要因があったものの、これを配当金の支払及び自己株式の取得による支出、リース負債の返済(IFRS第16号「リース」の適用による増加額を含む)等の資金減少要因が上回ったことによるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は、5,420百万円です。