半期報告書-第15期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績
[全般]
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)においては、インフレは徐々に落ち着きを見せつつあるものの、不安定な国際情勢により世界経済は緩やかに減速しました。
一方、わが国経済については、物価上昇による家計や企業への影響や世界経済の下振れ懸念はあるものの、雇用・所得環境が改善する等、景気の緩やかな回復が継続しました。
同期間における原油価格(ドバイ原油)は、期初は1バーレル当たり88ドルから始まり、期末には73ドル、期平均では前年同期並の82ドルとなりました。中東情勢への警戒感はあるも、米中の景気減速懸念を受け期末にかけて下落しました。
銅の国際価格(LME[ロンドン金属取引所]価格)は、期初は1ポンド当たり405セントから始まり、期末には443セント、期平均では前年同期比48セント高の430セントとなりました。中国製錬会社の減産合意報道やロシア産金属取引規制の供給リスクの高まりを受け、5月には492セントまで上昇し、史上最高値を更新、その後も期末にかけて440セント前後で推移しました。
円の対米ドル相場は、日米の金利差拡大を背景に6月には約38年ぶりの161円台まで円安が進行しましたが、米国経済指標の悪化及び7月の日銀の政策金利引き上げ、9月の米国利下げ実施を受けて円高が進行し、期平均では前年同期比12円円安の153円となりました。
こうした状況のもと、当中間連結会計期間の連結売上高は、金属セグメントの子会社株式の一部譲渡に伴う持分法適用会社化等により、前年同期比4.1%減の6兆3,484億円となりました。また、営業利益は、前年同期比1,455億円減益の1,460億円となりました。在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は、前年同期比609億円減益の2,082億円となりました。
金融収益と金融費用の純額142億円を差し引いた結果、税引前中間利益は、前年同期比1,509億円減益の1,318億円となり、法人所得税費用359億円を差し引いた中間利益は、前年同期比940億円減益の959億円となりました。
なお、中間利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する中間利益が682億円、非支配持分に帰属する中間利益が277億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 注記6.セグメント情報」をご覧ください。
[石油製品ほかセグメント]
石油製品については、自動車の低燃費化を主因とする構造的な国内石油製品需要の減少や、製油所の稼働状況を受けて輸出数量が減少したことにより、販売数量は前年同期比4.6%減となりました。
石油化学製品のマージンについては、パラキシレンはガソリン需要減を背景に生産量が増加したためマージンは前年同期比で悪化、ベンゼンは旺盛な米国需要により前年同期比改善しました。
こうした状況のもと、石油製品ほかセグメントの当中間連結会計期間における売上高は、前年同期比2.5%増の5兆3,711億円となりました。営業損失は前年同期比1,569億円減益の75億円となりました。在庫影響による会計上の損失が622億円(前年同期は224億円の利益)含まれており、在庫影響を除いた営業利益相当額は、前年同期比723億円減益の547億円となりました。
[機能材セグメント]
エラストマー事業については、需要回復及び販売拡大により、販売数量は前年同期比増加しました。また、ブタジエン市況の高騰や円安を主因としたマージン拡大等により増益となりました。
機能材事業については、前年度の装置トラブルの影響はあったものの、サプライチェーンの正常化等により販売数量は堅調に推移、前年同期比増益となりました。
こうした状況のもと、機能材セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比16.4%増の1,715億円、営業利益は前年同期比66億円増益の91億円となりました。
[電気セグメント]
電気事業については、販売数量は概ね前年同期並となりましたが、五井火力発電所の運開、販売マージンの改善やコスト削減の推進、VPP事業における需給調整市場への参入等により前年同期比増益となりました。
こうした状況のもと、電気セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比8.4%増の1,449億円、営業利益は前年同期比89億円増益の142億円となりました。
[再生可能エネルギーセグメント]
再生可能エネルギーについては、太陽光・陸上風力発電所における複数プロジェクトの新規稼働で発電量が増加したものの、天候不順や震災及び設備異常に伴う操業停止の影響があり、損益は概ね前年同期並となりました。
こうした状況のもと、再生可能エネルギーセグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比2.8%増の224億円、営業利益は前年同期並の14億円となりました。
[石油・天然ガス開発セグメント]
原油及び天然ガスの生産量については、一部プロジェクトで減退及び定期修繕に伴う操業停止影響があったものの、インドネシアのタングープロジェクトにおける第3系列液化ガス設備の稼働開始による増産影響等により、前年同期比増加しました。
こうした状況のもと、石油・天然ガス開発セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比27.5%増の1,223億円、営業利益は前年同期比50億円減益の467億円となりました。
[金属セグメント]
半導体材料事業については、サプライチェーン上の在庫正常化や生成AI向け高性能半導体用途の需要拡大による増販、円安を主因に、前年同期比増益となりました。
情報通信材料事業については、サプライチェーンにおける過剰在庫の調整が終了し、スマートフォンやサーバー用途の増販を主因に、前年同期比増益となりました。なお、2024年8月にタツタ電線株式会社の公開買い付けが成立し、JX金属株式会社(以下、「JX金属」)の子会社となりました。
基礎材料事業については、為替円安や銅価上昇に伴う増益要因はあるものの、2023年7月のSCM Minera Lumina Copper Chileの株式譲渡に関連して前年同期に生じた為替評価益の反転や、2024年3月のパンパシフィック・カッパー株式会社の株式の一部譲渡に伴う利益剥落等を主因に、前年同期比減益となりました。
こうした状況のもと、金属セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比56.7%減の3,370億円、営業利益は前年同期比53億円減益の668億円となりました。
なお、JX金属は2024年10月8日に東京証券取引所へ株式上場申請を行いました。
[その他]
その他の事業の当中間連結会計期間における売上高は前年同期比3.1%増の2,332億円、営業利益は前年同期比37億円増益の197億円となりました。
建設事業については、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資に持ち直しの動きが見られたものの、原材料価格の上昇、為替相場の変動、労働需給のひっ迫等、厳しい経営環境にありました。このような事業環境下、技術の優位性を活かした受注活動、原材料価格の上昇に対応したアスファルト合材の適正価格での販売、生産性の向上及びコスト削減の推進により、競争力の強化に努めました。
上記各セグメント別の売上高には、セグメント間の内部売上高が合計539億円(前年同期は215億円)含まれています。
(2)財政状態
①資産 当中間連結会計期間末における資産合計は、手元資金や営業債権の減少等により、前連結会計年度末比6,346億円減少の9兆5,019億円となりました。
②負債 当中間連結会計期間末における負債合計は、営業債務の減少等により、前連結会計年度末比5,058億円減少の5兆9,269億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比1,160億円減少の2兆7,040億円となり、また、手元資金を控除したネット有利子負債は、2,482億円増加の2兆2,482億円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めていません。
③資本 当中間連結会計期間末における資本合計は、自己株式の取得や配当金の支払による減少等により、前連結会計年度末比1,288億円減少の3兆5,750億円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比0.9ポイント上昇し32.7%、1株当たり親会社の所有者帰属持分は前連結会計年度末比24.43円増加の1,104.25円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.09ポイント悪化し、0.63倍(ハイブリッド債資本性調整前)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,088億円となり、期首に比べ3,671億円減少しました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、資金は1,277億円増加しました(前年同期は5,109億円の増加)。これは、運転資金の増加等の資金減少要因があったものの、税引前中間利益や減価償却費等の資金増加要因が上回ったことによるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、資金は1,577億円減少しました(前年同期は1,455億円の減少)。これは、石油製品ほかセグメントの石油精製設備の維持・更新のための投資や金属セグメントの情報通信材料事業への投資等によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、資金は3,334億円減少しました(前年同期は2,102億円の減少)。これは、借入金の返済や配当金の支払及び自己株式の取得といった株主還元施策等の資金減少要因によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費は、16,994百万円です。
[全般]
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)においては、インフレは徐々に落ち着きを見せつつあるものの、不安定な国際情勢により世界経済は緩やかに減速しました。
一方、わが国経済については、物価上昇による家計や企業への影響や世界経済の下振れ懸念はあるものの、雇用・所得環境が改善する等、景気の緩やかな回復が継続しました。
同期間における原油価格(ドバイ原油)は、期初は1バーレル当たり88ドルから始まり、期末には73ドル、期平均では前年同期並の82ドルとなりました。中東情勢への警戒感はあるも、米中の景気減速懸念を受け期末にかけて下落しました。
銅の国際価格(LME[ロンドン金属取引所]価格)は、期初は1ポンド当たり405セントから始まり、期末には443セント、期平均では前年同期比48セント高の430セントとなりました。中国製錬会社の減産合意報道やロシア産金属取引規制の供給リスクの高まりを受け、5月には492セントまで上昇し、史上最高値を更新、その後も期末にかけて440セント前後で推移しました。
円の対米ドル相場は、日米の金利差拡大を背景に6月には約38年ぶりの161円台まで円安が進行しましたが、米国経済指標の悪化及び7月の日銀の政策金利引き上げ、9月の米国利下げ実施を受けて円高が進行し、期平均では前年同期比12円円安の153円となりました。
こうした状況のもと、当中間連結会計期間の連結売上高は、金属セグメントの子会社株式の一部譲渡に伴う持分法適用会社化等により、前年同期比4.1%減の6兆3,484億円となりました。また、営業利益は、前年同期比1,455億円減益の1,460億円となりました。在庫影響(総平均法及び簿価切下げによる棚卸資産の評価が売上原価に与える影響)を除いた営業利益相当額は、前年同期比609億円減益の2,082億円となりました。
金融収益と金融費用の純額142億円を差し引いた結果、税引前中間利益は、前年同期比1,509億円減益の1,318億円となり、法人所得税費用359億円を差し引いた中間利益は、前年同期比940億円減益の959億円となりました。
なお、中間利益の内訳は、親会社の所有者に帰属する中間利益が682億円、非支配持分に帰属する中間利益が277億円となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりです。なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 注記6.セグメント情報」をご覧ください。
[石油製品ほかセグメント]
石油製品については、自動車の低燃費化を主因とする構造的な国内石油製品需要の減少や、製油所の稼働状況を受けて輸出数量が減少したことにより、販売数量は前年同期比4.6%減となりました。
石油化学製品のマージンについては、パラキシレンはガソリン需要減を背景に生産量が増加したためマージンは前年同期比で悪化、ベンゼンは旺盛な米国需要により前年同期比改善しました。
こうした状況のもと、石油製品ほかセグメントの当中間連結会計期間における売上高は、前年同期比2.5%増の5兆3,711億円となりました。営業損失は前年同期比1,569億円減益の75億円となりました。在庫影響による会計上の損失が622億円(前年同期は224億円の利益)含まれており、在庫影響を除いた営業利益相当額は、前年同期比723億円減益の547億円となりました。
[機能材セグメント]
エラストマー事業については、需要回復及び販売拡大により、販売数量は前年同期比増加しました。また、ブタジエン市況の高騰や円安を主因としたマージン拡大等により増益となりました。
機能材事業については、前年度の装置トラブルの影響はあったものの、サプライチェーンの正常化等により販売数量は堅調に推移、前年同期比増益となりました。
こうした状況のもと、機能材セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比16.4%増の1,715億円、営業利益は前年同期比66億円増益の91億円となりました。
[電気セグメント]
電気事業については、販売数量は概ね前年同期並となりましたが、五井火力発電所の運開、販売マージンの改善やコスト削減の推進、VPP事業における需給調整市場への参入等により前年同期比増益となりました。
こうした状況のもと、電気セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比8.4%増の1,449億円、営業利益は前年同期比89億円増益の142億円となりました。
[再生可能エネルギーセグメント]
再生可能エネルギーについては、太陽光・陸上風力発電所における複数プロジェクトの新規稼働で発電量が増加したものの、天候不順や震災及び設備異常に伴う操業停止の影響があり、損益は概ね前年同期並となりました。
こうした状況のもと、再生可能エネルギーセグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比2.8%増の224億円、営業利益は前年同期並の14億円となりました。
[石油・天然ガス開発セグメント]
原油及び天然ガスの生産量については、一部プロジェクトで減退及び定期修繕に伴う操業停止影響があったものの、インドネシアのタングープロジェクトにおける第3系列液化ガス設備の稼働開始による増産影響等により、前年同期比増加しました。
こうした状況のもと、石油・天然ガス開発セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比27.5%増の1,223億円、営業利益は前年同期比50億円減益の467億円となりました。
[金属セグメント]
半導体材料事業については、サプライチェーン上の在庫正常化や生成AI向け高性能半導体用途の需要拡大による増販、円安を主因に、前年同期比増益となりました。
情報通信材料事業については、サプライチェーンにおける過剰在庫の調整が終了し、スマートフォンやサーバー用途の増販を主因に、前年同期比増益となりました。なお、2024年8月にタツタ電線株式会社の公開買い付けが成立し、JX金属株式会社(以下、「JX金属」)の子会社となりました。
基礎材料事業については、為替円安や銅価上昇に伴う増益要因はあるものの、2023年7月のSCM Minera Lumina Copper Chileの株式譲渡に関連して前年同期に生じた為替評価益の反転や、2024年3月のパンパシフィック・カッパー株式会社の株式の一部譲渡に伴う利益剥落等を主因に、前年同期比減益となりました。
こうした状況のもと、金属セグメントの当中間連結会計期間における売上高は前年同期比56.7%減の3,370億円、営業利益は前年同期比53億円減益の668億円となりました。
なお、JX金属は2024年10月8日に東京証券取引所へ株式上場申請を行いました。
[その他]
その他の事業の当中間連結会計期間における売上高は前年同期比3.1%増の2,332億円、営業利益は前年同期比37億円増益の197億円となりました。
建設事業については、公共投資は堅調に推移し、民間設備投資に持ち直しの動きが見られたものの、原材料価格の上昇、為替相場の変動、労働需給のひっ迫等、厳しい経営環境にありました。このような事業環境下、技術の優位性を活かした受注活動、原材料価格の上昇に対応したアスファルト合材の適正価格での販売、生産性の向上及びコスト削減の推進により、競争力の強化に努めました。
上記各セグメント別の売上高には、セグメント間の内部売上高が合計539億円(前年同期は215億円)含まれています。
(2)財政状態
①資産 当中間連結会計期間末における資産合計は、手元資金や営業債権の減少等により、前連結会計年度末比6,346億円減少の9兆5,019億円となりました。
②負債 当中間連結会計期間末における負債合計は、営業債務の減少等により、前連結会計年度末比5,058億円減少の5兆9,269億円となりました。有利子負債残高は、前連結会計年度末比1,160億円減少の2兆7,040億円となり、また、手元資金を控除したネット有利子負債は、2,482億円増加の2兆2,482億円となりました。なお、有利子負債にはリース負債を含めていません。
③資本 当中間連結会計期間末における資本合計は、自己株式の取得や配当金の支払による減少等により、前連結会計年度末比1,288億円減少の3兆5,750億円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比0.9ポイント上昇し32.7%、1株当たり親会社の所有者帰属持分は前連結会計年度末比24.43円増加の1,104.25円、ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)は前連結会計年度末比0.09ポイント悪化し、0.63倍(ハイブリッド債資本性調整前)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,088億円となり、期首に比べ3,671億円減少しました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果、資金は1,277億円増加しました(前年同期は5,109億円の増加)。これは、運転資金の増加等の資金減少要因があったものの、税引前中間利益や減価償却費等の資金増加要因が上回ったことによるものです。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果、資金は1,577億円減少しました(前年同期は1,455億円の減少)。これは、石油製品ほかセグメントの石油精製設備の維持・更新のための投資や金属セグメントの情報通信材料事業への投資等によるものです。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果、資金は3,334億円減少しました(前年同期は2,102億円の減少)。これは、借入金の返済や配当金の支払及び自己株式の取得といった株主還元施策等の資金減少要因によるものです。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社グループ全体の研究開発費は、16,994百万円です。