有価証券報告書-第24期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社は、2025年9月30日をもってその事業を終了した連結子会社Digital Media Professionals Vietnam Company Limited(DMPベトナム)の出資持分100%を、2026年2月9日をもって第三者に譲渡したことにより、連結子会社が存在しないこととなりました。これに伴い、当概要は提出会社について記載しており、経営成績の前事業年度との比較分析は行っておりません。
当事業年度におけるわが国経済は、全体としては緩やかに回復したものの、国民生活に影響を与える物価上昇に加え、中東情勢や米国の通商政策の影響など、景気の下振れリスクが高まっています。また、世界経済も中東情勢や米国の通商政策が与える影響に注視が必要です。
当社の属する半導体業界では、2023年に底打ちした市場を生成AI(人工知能)向け需要が牽引しています。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTやAI、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向け等の需要拡大が見込まれます。当社の事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少、気候変動等の社会・環境課題の解決や安全安心社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。
このような環境下において、当社は、「Making the Image Intelligent」というパーパスのもと、当社の創業来の強みである画像インテリジェンス(画像の知能化)の力で現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスを創造することに取り組んでいます。アミューズメント分野およびIP分野の安定成長による確固たる事業基盤のもと、エッジAI半導体事業およびFA事業の2本の新たな成長エンジンにより、中期的な収益拡大、企業価値向上を目指します。アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開し、企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図っています。
当事業年度の注力分野における具体的な取り組みと成果としては、ロボティクス・セーフティ分野において、安全運転支援向けとしてエッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR(自律走行ロボット)向けにプロフェッショナルサービスを提供しました。半導体製造装置向けでは、物体検出システムのPoCから将来的な量産フェーズ移行を視野に入れています。また、資本業務提携先のCambrian社のピッキングロボット向けビジョンシステムは、その透明パーツ、光沢パーツの認識精度や外乱光等の環境変化へのロバスト性の競争優位性が評価され、製品納入や商談が進捗するとともに、各種展示会への出展によるリード獲得を推進しました。更には、2025年4月に事業を開始したFA事業は順調に推移し、AMR本体やAMR向けコンポーネントを中心に提供しました。また、映像の「文脈」を理解し潜在リスクを検知する行動認識AIプラットフォーム「Vision-LLM Insight」の提供を2025年9月に開始しました。本製品は、LLM(大規模言語モデル)と当社独自のビジョンAI技術を融合し、公共施設、商業施設、建設現場など幅広い分野における安全管理の効率化と高度化に貢献するものであり、その第一弾として、公共施設におけるスケートボーダー検知システムの実地運用を開始しました。
アミューズメント分野においては、スマートパチスロを含むパチスロやパチンコ向けに画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、周辺ビジネスの取り込みによる付加価値増大を目指しています。
次世代エッジAI半導体「Di1」に関わる取り組みとしては、「Di1」と当社のナンバープレート認識ソフトウエア「ZIA PLATE」を活用したANPR(Automatic Number Plate Recognition:自動ナンバープレート認識)ソリューションを開発し、国内および海外市場における展開を開始しました。また、監視カメラ、ドローン、各種モビリティ等のアプリケーション市場における国内外の顧客評価、採用検討が進展しています。特に成長著しいインド市場においては、セキュリティ領域のSparsh CCTV社およびドローン領域のideaForge社と「Di1」を活用した製品開発に関し、戦略的パートナーシップを構築しました。これにより、同国における膨大な社会インフラ・防衛需要をいち早く取り込むとともに、ideaForge社製ドローンの日本市場導入も進めるなど、「Di1」の中長期的な収益基盤の拡大を目指します。
当事業年度の業績につきましては、製品事業において画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、Cambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品、「Di1」開発キット等を出荷しました。アミューズメント分野では、特にパチスロの保通協(保安通信協会)等による検定試験の適合率が低調に推移していることを主要因として、「RS1」の量産出荷も一時的に弱含みとなりました。IPコアライセンス事業においては、AI/GPUランニングロイヤリティ収入、ロボティクス・セーフティ分野におけるリカーリング収益、並びにメンテナンスサポート収入を計上しました。また、プロフェッショナルサービス事業において、半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR向けに受託開発サービスを提供しました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、2,432百万円、営業損失は311百万円、経常損失は293百万円、当期純損失は327百万円となりました。
販管費に「Di1」の開発費301百万円を計上しています。また、特別損失として、投資有価証券評価損25百万円および関係会社株式評価損4百万円を計上しています。
当社は、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしておりませんが、事業別業績の概要は以下のとおりです。
①IPコアライセンス事業
AI IPの初期ライセンス提供に加え、ディジタルスチルカメラ、4Kテレビ、OA機器等のディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入、ロボティクス・セーフティ分野におけるリカーリング収益、並びにメンテナンスサポート収入の計上により、売上高は139百万円となりました。
②製品事業
「RS1」の量産出荷に加えて、Cambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品、「Di1」開発キット等の売上の計上により、売上高は2,218百万円となりました。
③プロフェッショナルサービス事業
ロボティクス・セーフティ分野におけるAI受託開発サービスの提供等により、売上高は74百万円となりました。
また、分野別業績の概要は以下のとおりです。
①ロボティクス・セーフティ分野
主に、IPコアライセンス事業におけるリカーリング収益およびメンテナンスサポート収入 、製品事業におけるCambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品の売上計上および半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR向けへのプロフェッショナルサービスの提供により、売上高は281百万円となりました。
なお、当分野につきましては、2025年3月期までは「セーフティ分野」と「ロボティクス分野」とに区分しておりましたが、協働ロボットやAMRを例に見てもロボティクス技術の進化と社会実装が進むほど、人・モノとの接触やそのリスクを検知するセーフティ技術が重要となっていることを踏まえ、2026年3月期より両分野を統合し、「ロボティクス・セーフティ分野」と呼称することとしました。
②アミューズメント分野
主に、「RS1」の量産出荷売上の計上により、売上高は1,951百万円となりました。
③その他分野
主に、IPコアライセンス事業におけるディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入およびメンテナンスサポート収入並びに一部製品の売上計上により、売上高は199百万円となりました。
(2)当期の財政状態の概況
(資産)
当事業年度末における資産合計額は3,831百万円となり、前事業年度末に比べ247百万円減少しました。これは主に、原材料及び貯蔵品が248百万円増加し、現金及び預金が714百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債および固定負債は合計で564百万円となり、前事業年度末に比べ80百万円増加しました。これは主に、買掛金が153百万円増加し、未払法人税が19百万円および未払消費税が6百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計額は3,266百万円となり、前事業年度末に比べ328百万円減少しました。これは主に、当期純損失の計上により利益剰余金が327百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は85.3%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,797百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、648百万円の支出となりました。主な増加要因は、減価償却費22百万円および仕入債務の増加額153百万円であり、主な減少要因は、税引前当期純損失の計上323百万円および棚卸資産の増加額270百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、72百万円の支出となりました。主な増加要因は、有価証券および投資有価証券の償還による収入400百万円であり、主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出398百万円および固定資産の取得による支出74百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは0百万円の支出となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注2)2025年3月期までは連結業績を開示しておりましたが、当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、2022年3月期から2025年3月期までのキャッシュ・フロー関連指標の推移は記載しておりません。
(4)生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当事業年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前事業年度比は記載しておりません。
b.受注状況
当事業年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.IPコアライセンス事業には、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。
3.当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前事業年度比は記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2.当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前事業年度比は記載しておりません。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。また、当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前年同期との比較分析は行っておりません。
①財政状況および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績の状況は以下のとおりです。
・売上高 2,432百万円
製品(RS1)の売上に加えて、IPの新規ライセンス、ランニングロイヤリティ収入、プロフェッショナルサービスにおける半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR向けの受託開発売上等を計上しました。詳細は、後述の事業別の経営成績(売上高)に関する認識および分析・検討結果に記載のとおりであります。
・売上総利益 910百万円、売上総利益率37.4%
売上原価に製品の仕入原価、プロフェッショナルサービスに係る受託開発原価等を計上したことによるものです。
・販売費及び一般管理費 1,221百万円
労務費、エッジAI半導体「Di1」の開発費301百万円を含む研究開発費等を計上しました。
・営業損失 311百万円
・経常損失 293百万円
・当期純損失 327百万円
特別損失として、投資有価証券評価損25百万円および関係会社株式評価損4百万円を計上しています。
・1株当たり当期純損失(EPS) △104円28銭
当社は単一セグメントでありますが、当事業年度の事業別の経営成績(売上高)は以下のとおりです。
・IPコアライセンス事業 139百万円
当事業年度は、AI半導体向けAI IPの新規ライセンス収入、安定的なロボティクス・セーフティ分野のリカーリング収益やディジタル機器向けGPU関連のランニングロイヤリティ収入等を計上したことにより、売上高は増加しました。
・製品事業 2,218百万円
当事業年度は、Cambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品等の売上を計上したものの、パチスロの保通協(保安通信協会)等による検定試験の適合率が低調に推移したことを主要因として、当社の画像処理半導体「RS1」の量産出荷が一時的に弱含みとなったことにより、売上高は減少しました。
・プロフェッショナルサービス事業 74百万円
当事業年度は、AI受託開発において、半導体製造装置向けサービスは伸びたものの、安全運転支援向けサービスの減少により、売上高は減少しました。
当事業年度末の財政状況は以下のとおりです。
・流動資産 2,790百万円
主な内訳は、現金及び預金1,797百万円、売掛金及び契約資産475百万円、原材料及び貯蔵品299百万円であります。
・固定資産 1,041百万円
主な内訳は、有形固定資産65百万円、ソフトウエア仮勘定191百万円、投資有価証券708百万円であります。
・流動負債 537百万円
主な内訳は、画像処理半導体の仕入計上に伴う買掛金463百万円、未払金35百万円、契約負債18百万円であります。
・固定負債 27百万円
・純資産 3,266百万円
主な内訳は、資本金1,838百万円および資本剰余金1,858百万円、当期純損失327百万円を計上した結果による利益剰余金△428百万円であります。
・自己資本比率 85.3%
以上の財政状況および経営成績の状況を踏まえた経営者の視点による分析・検討内容は以下のとおりです。
・当事業年度の経営成績は、注力分野であるロボティクス・セーフティ分野向け事業は伸長したものの、アミューズメント市場向けグラフィックプロセッサー「RS1」の減収により、売上高は前年度比21.0%減となりました。利益面は、減収の影響に加えて、エッジAI半導体「Di1」の開発費301百万円を研究開発費に計上したことにより、営業利益、経常利益および当期純利益は前年度比減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期に比べ714百万円減少し1,797百万円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー 648百万円の支出
主な増加要因は、減価償却費22百万円および仕入債務の増加額153百万円であり、主な減少要因は、税引前当期純損失の計上323百万円および棚卸資産の増加額270百万円であります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー 72百万円の支出
主な増加要因は、有価証券および投資有価証券の償還による収入400百万円であり、主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出398百万円および固定資産の取得による支出74百万円であります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー 0百万円の支出
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造委託しているLSI製品の仕入費用および製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、半導体開発投資、設備投資、システム投資等によるものです。当社は、運転資金ならびに投資目的の資金需要には、主として自己資金を充当することを基本方針としております。この方針に従い、当事業年度における半導体開発費用、運転資金、IT機器等の設備投資資金については、自己資金を充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業拡大に向けた技術優位性の維持向上と開発体制の強化のための人的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金を充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社は、2025年9月30日をもってその事業を終了した連結子会社Digital Media Professionals Vietnam Company Limited(DMPベトナム)の出資持分100%を、2026年2月9日をもって第三者に譲渡したことにより、連結子会社が存在しないこととなりました。これに伴い、当概要は提出会社について記載しており、経営成績の前事業年度との比較分析は行っておりません。
当事業年度におけるわが国経済は、全体としては緩やかに回復したものの、国民生活に影響を与える物価上昇に加え、中東情勢や米国の通商政策の影響など、景気の下振れリスクが高まっています。また、世界経済も中東情勢や米国の通商政策が与える影響に注視が必要です。
当社の属する半導体業界では、2023年に底打ちした市場を生成AI(人工知能)向け需要が牽引しています。中期的にも、あらゆるモノがインターネットにつながるIoTやAI、ビッグデータ、次世代高速通信規格、自動運転向け等の需要拡大が見込まれます。当社の事業領域であるAI/ビジュアル・コンピューティング分野においては、少子高齢化に伴う労働人口の減少、気候変動等の社会・環境課題の解決や安全安心社会の実現に向けたイノベーションの加速やAIの果たす役割の増大が予想されます。
このような環境下において、当社は、「Making the Image Intelligent」というパーパスのもと、当社の創業来の強みである画像インテリジェンス(画像の知能化)の力で現実世界の問題を解決し、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスを創造することに取り組んでいます。アミューズメント分野およびIP分野の安定成長による確固たる事業基盤のもと、エッジAI半導体事業およびFA事業の2本の新たな成長エンジンにより、中期的な収益拡大、企業価値向上を目指します。アルゴリズム、ソフトウエアから、当社の強みであるハードウエアまでの一貫開発体制をもって、IPコアライセンス事業、製品事業、プロフェッショナルサービス事業を展開し、企画から量産までの顧客製品・サービスの開発ライフサイクル全体に付加価値を提供することで、LTV(顧客生涯価値)の最大化を図っています。
当事業年度の注力分野における具体的な取り組みと成果としては、ロボティクス・セーフティ分野において、安全運転支援向けとしてエッジからクラウドに亘る既存プロジェクトからのリカーリング収益を獲得するとともに、半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR(自律走行ロボット)向けにプロフェッショナルサービスを提供しました。半導体製造装置向けでは、物体検出システムのPoCから将来的な量産フェーズ移行を視野に入れています。また、資本業務提携先のCambrian社のピッキングロボット向けビジョンシステムは、その透明パーツ、光沢パーツの認識精度や外乱光等の環境変化へのロバスト性の競争優位性が評価され、製品納入や商談が進捗するとともに、各種展示会への出展によるリード獲得を推進しました。更には、2025年4月に事業を開始したFA事業は順調に推移し、AMR本体やAMR向けコンポーネントを中心に提供しました。また、映像の「文脈」を理解し潜在リスクを検知する行動認識AIプラットフォーム「Vision-LLM Insight」の提供を2025年9月に開始しました。本製品は、LLM(大規模言語モデル)と当社独自のビジョンAI技術を融合し、公共施設、商業施設、建設現場など幅広い分野における安全管理の効率化と高度化に貢献するものであり、その第一弾として、公共施設におけるスケートボーダー検知システムの実地運用を開始しました。
アミューズメント分野においては、スマートパチスロを含むパチスロやパチンコ向けに画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、周辺ビジネスの取り込みによる付加価値増大を目指しています。
次世代エッジAI半導体「Di1」に関わる取り組みとしては、「Di1」と当社のナンバープレート認識ソフトウエア「ZIA PLATE」を活用したANPR(Automatic Number Plate Recognition:自動ナンバープレート認識)ソリューションを開発し、国内および海外市場における展開を開始しました。また、監視カメラ、ドローン、各種モビリティ等のアプリケーション市場における国内外の顧客評価、採用検討が進展しています。特に成長著しいインド市場においては、セキュリティ領域のSparsh CCTV社およびドローン領域のideaForge社と「Di1」を活用した製品開発に関し、戦略的パートナーシップを構築しました。これにより、同国における膨大な社会インフラ・防衛需要をいち早く取り込むとともに、ideaForge社製ドローンの日本市場導入も進めるなど、「Di1」の中長期的な収益基盤の拡大を目指します。
当事業年度の業績につきましては、製品事業において画像処理半導体「RS1」の量産出荷を継続するとともに、Cambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品、「Di1」開発キット等を出荷しました。アミューズメント分野では、特にパチスロの保通協(保安通信協会)等による検定試験の適合率が低調に推移していることを主要因として、「RS1」の量産出荷も一時的に弱含みとなりました。IPコアライセンス事業においては、AI/GPUランニングロイヤリティ収入、ロボティクス・セーフティ分野におけるリカーリング収益、並びにメンテナンスサポート収入を計上しました。また、プロフェッショナルサービス事業において、半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR向けに受託開発サービスを提供しました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、2,432百万円、営業損失は311百万円、経常損失は293百万円、当期純損失は327百万円となりました。
販管費に「Di1」の開発費301百万円を計上しています。また、特別損失として、投資有価証券評価損25百万円および関係会社株式評価損4百万円を計上しています。
当社は、単一セグメントであるためセグメント別の記載はしておりませんが、事業別業績の概要は以下のとおりです。
①IPコアライセンス事業
AI IPの初期ライセンス提供に加え、ディジタルスチルカメラ、4Kテレビ、OA機器等のディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入、ロボティクス・セーフティ分野におけるリカーリング収益、並びにメンテナンスサポート収入の計上により、売上高は139百万円となりました。
②製品事業
「RS1」の量産出荷に加えて、Cambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品、「Di1」開発キット等の売上の計上により、売上高は2,218百万円となりました。
③プロフェッショナルサービス事業
ロボティクス・セーフティ分野におけるAI受託開発サービスの提供等により、売上高は74百万円となりました。
また、分野別業績の概要は以下のとおりです。
①ロボティクス・セーフティ分野
主に、IPコアライセンス事業におけるリカーリング収益およびメンテナンスサポート収入 、製品事業におけるCambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品の売上計上および半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR向けへのプロフェッショナルサービスの提供により、売上高は281百万円となりました。
なお、当分野につきましては、2025年3月期までは「セーフティ分野」と「ロボティクス分野」とに区分しておりましたが、協働ロボットやAMRを例に見てもロボティクス技術の進化と社会実装が進むほど、人・モノとの接触やそのリスクを検知するセーフティ技術が重要となっていることを踏まえ、2026年3月期より両分野を統合し、「ロボティクス・セーフティ分野」と呼称することとしました。
②アミューズメント分野
主に、「RS1」の量産出荷売上の計上により、売上高は1,951百万円となりました。
③その他分野
主に、IPコアライセンス事業におけるディジタル機器向けAI/GPUランニングロイヤリティ収入およびメンテナンスサポート収入並びに一部製品の売上計上により、売上高は199百万円となりました。
(2)当期の財政状態の概況
(資産)
当事業年度末における資産合計額は3,831百万円となり、前事業年度末に比べ247百万円減少しました。これは主に、原材料及び貯蔵品が248百万円増加し、現金及び預金が714百万円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における流動負債および固定負債は合計で564百万円となり、前事業年度末に比べ80百万円増加しました。これは主に、買掛金が153百万円増加し、未払法人税が19百万円および未払消費税が6百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計額は3,266百万円となり、前事業年度末に比べ328百万円減少しました。これは主に、当期純損失の計上により利益剰余金が327百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は85.3%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,797百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、648百万円の支出となりました。主な増加要因は、減価償却費22百万円および仕入債務の増加額153百万円であり、主な減少要因は、税引前当期純損失の計上323百万円および棚卸資産の増加額270百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、72百万円の支出となりました。主な増加要因は、有価証券および投資有価証券の償還による収入400百万円であり、主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出398百万円および固定資産の取得による支出74百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは0百万円の支出となりました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | - | - | - | - | 85.3 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | - | - | - | - | 165.6 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(注1)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注2)2025年3月期までは連結業績を開示しておりましたが、当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、2022年3月期から2025年3月期までのキャッシュ・フロー関連指標の推移は記載しておりません。
(4)生産、受注及び販売の状況
a.仕入実績
当事業年度の仕入実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 仕入実績(千円) | 前事業年度比(%) | |
| IPコアライセンス事業 | - | - |
| 製品事業 | 1,479,079 | - |
| プロフェッショナルサービス事業 | - | - |
| 合計 | 1,479,079 | - |
(注)1.金額は仕入価格によっております。
2.当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前事業年度比は記載しておりません。
b.受注状況
当事業年度の受注状況を事業部門別に示すと次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |||
| 受注高 (千円) | 前事業年度比 (%) | 受注残高 (千円) | 前事業年度比 (%) | |
| IPコアライセンス事業 | - | - | - | - |
| 製品事業 | 1,941,207 | - | 9,368 | - |
| プロフェッショナルサービス事業 | 87,497 | - | 14,077 | - |
| 合計 | 2,028,705 | - | 23,445 | - |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.IPコアライセンス事業には、受注という概念が馴染まないため記載しておりません。
3.当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前事業年度比は記載しておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績を事業部門別に示すと次のとおりであります。
| 事業部門の名称 | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 販売実績(千円) | 前事業年度比(%) | |
| IPコアライセンス事業 | 139,779 | - |
| 製品事業 | 2,218,991 | - |
| プロフェッショナルサービス事業 | 74,007 | - |
| 合計 | 2,432,778 | - |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 当事業年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | |
| 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社レスター | 1,952,048 | 80.2 |
2.当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前事業年度比は記載しておりません。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。また、当社は当事業年度より非連結での業績を開示しております。そのため、前年同期との比較分析は行っておりません。
①財政状況および経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当事業年度の経営成績の状況は以下のとおりです。
・売上高 2,432百万円
製品(RS1)の売上に加えて、IPの新規ライセンス、ランニングロイヤリティ収入、プロフェッショナルサービスにおける半導体製造装置向け、安全運転支援向け、AMR向けの受託開発売上等を計上しました。詳細は、後述の事業別の経営成績(売上高)に関する認識および分析・検討結果に記載のとおりであります。
・売上総利益 910百万円、売上総利益率37.4%
売上原価に製品の仕入原価、プロフェッショナルサービスに係る受託開発原価等を計上したことによるものです。
・販売費及び一般管理費 1,221百万円
労務費、エッジAI半導体「Di1」の開発費301百万円を含む研究開発費等を計上しました。
・営業損失 311百万円
・経常損失 293百万円
・当期純損失 327百万円
特別損失として、投資有価証券評価損25百万円および関係会社株式評価損4百万円を計上しています。
・1株当たり当期純損失(EPS) △104円28銭
当社は単一セグメントでありますが、当事業年度の事業別の経営成績(売上高)は以下のとおりです。
・IPコアライセンス事業 139百万円
当事業年度は、AI半導体向けAI IPの新規ライセンス収入、安定的なロボティクス・セーフティ分野のリカーリング収益やディジタル機器向けGPU関連のランニングロイヤリティ収入等を計上したことにより、売上高は増加しました。
・製品事業 2,218百万円
当事業年度は、Cambrianビジョンシステム、ドローン向けカメラモジュール、FA製品等の売上を計上したものの、パチスロの保通協(保安通信協会)等による検定試験の適合率が低調に推移したことを主要因として、当社の画像処理半導体「RS1」の量産出荷が一時的に弱含みとなったことにより、売上高は減少しました。
・プロフェッショナルサービス事業 74百万円
当事業年度は、AI受託開発において、半導体製造装置向けサービスは伸びたものの、安全運転支援向けサービスの減少により、売上高は減少しました。
当事業年度末の財政状況は以下のとおりです。
・流動資産 2,790百万円
主な内訳は、現金及び預金1,797百万円、売掛金及び契約資産475百万円、原材料及び貯蔵品299百万円であります。
・固定資産 1,041百万円
主な内訳は、有形固定資産65百万円、ソフトウエア仮勘定191百万円、投資有価証券708百万円であります。
・流動負債 537百万円
主な内訳は、画像処理半導体の仕入計上に伴う買掛金463百万円、未払金35百万円、契約負債18百万円であります。
・固定負債 27百万円
・純資産 3,266百万円
主な内訳は、資本金1,838百万円および資本剰余金1,858百万円、当期純損失327百万円を計上した結果による利益剰余金△428百万円であります。
・自己資本比率 85.3%
以上の財政状況および経営成績の状況を踏まえた経営者の視点による分析・検討内容は以下のとおりです。
・当事業年度の経営成績は、注力分野であるロボティクス・セーフティ分野向け事業は伸長したものの、アミューズメント市場向けグラフィックプロセッサー「RS1」の減収により、売上高は前年度比21.0%減となりました。利益面は、減収の影響に加えて、エッジAI半導体「Di1」の開発費301百万円を研究開発費に計上したことにより、営業利益、経常利益および当期純利益は前年度比減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期に比べ714百万円減少し1,797百万円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
・営業活動によるキャッシュ・フロー 648百万円の支出
主な増加要因は、減価償却費22百万円および仕入債務の増加額153百万円であり、主な減少要因は、税引前当期純損失の計上323百万円および棚卸資産の増加額270百万円であります。
・投資活動によるキャッシュ・フロー 72百万円の支出
主な増加要因は、有価証券および投資有価証券の償還による収入400百万円であり、主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出398百万円および固定資産の取得による支出74百万円であります。
・財務活動によるキャッシュ・フロー 0百万円の支出
当社の運転資金需要のうち主なものは、製造委託しているLSI製品の仕入費用および製造費用、販売費および一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、半導体開発投資、設備投資、システム投資等によるものです。当社は、運転資金ならびに投資目的の資金需要には、主として自己資金を充当することを基本方針としております。この方針に従い、当事業年度における半導体開発費用、運転資金、IT機器等の設備投資資金については、自己資金を充当しました。
今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、事業拡大に向けた技術優位性の維持向上と開発体制の強化のための人的投資等であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、自己資金を充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。