有価証券報告書-第26期(2023/06/01-2024/05/31)

【提出】
2024/08/28 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
162項目
(1)経営成績等の状況の概要
1.財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や輸出の一部に弱さが残るものの、設備投資の回復基調を受け
て景気が緩やかに回復してきており、雇用・所得環境が改善する中で、各種政策の効果もあって、総じて景気は緩
やかな回復が続くことが期待されます。しかし、足許の物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等
により経済の先行きに注視が必要な状況にあります。
当社グループの属する住宅業界におきましては、消費者物価指数の上昇傾向が続き、実質賃金は低下傾向にあ
り、近年の建築費用の急速な伸びによる住宅販売価格の上昇により、住宅需要は低迷した状況が続いております。
こうした厳しい事業環境が続くなか、当社グループにおきましては、引き続き、早期受注・早期着工・早期売上
を目標に掲げ、地域特性に合わせた販売戦略を策定・実施するとともに、変化するお客様の価値観・行動様式に柔
軟に対応していくことで、中核事業である注文住宅事の収益基盤をより一層強化するとともに、各事業において収
益力の向上に努めました。
その結果、当社グループの連結経営成績は、売上高247,733百万円(前年同期比3.3%減)となりました。利益につきましては営業利益12,586百万円(同5.1%減)、経常利益12,877百万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,752百万円(同0.4%増)となりました。
また、当社グループの当連結会計年度末における資産総額は、89,587百万円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。流動資産は、販売用不動産の増加4,467百万円等があったものの、現金及び預金の減少8,218百万円、仕掛販売用不動産の減少11,506百万円、未成工事支出金の減少4,190百万円などにより64,287百万円(同23.9%減)となりました。なお、現金及び現金同等物は「2.キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、26,105百万円(同23.9%減)となりました。また、固定資産は機械装置及び運搬具の減少などにより25,300百万円(同6.4%減)となりました。
負債総額は、51,259百万円(同33.1%減)となりました。流動負債は、完成工事補償引当金の増加197百万円があったものの、支払手形・工事未払金等の減少1,060百万円、短期借入金の減少6,951百万円、未払費用の減少4,128百万円、未成工事受入金等の減少9,548百万円などにより45,320百万円(同34.3%減)となりました。固定負債は、長期借入金の減少などにより5,938百万(同21.5%減)となりました。
純資産は、配当金の支払5,217百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益8,752百万円の計上等により3,412百万円増加し、38,327百万円(同9.8%増)となりました。
2.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8,218百万円減少し、当連結会計年度末には26,105百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、8,284百万円(前連結会計年度は6,385百万円)となりました。これは主に、減価償却費2,289百万円(同1,993百万円)、営業債権の減少1,383百万円(同1,126百万円)、棚卸資産の減少10,667百万円(同4,753百万円の増加)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、2,010百万円(同2,626百万円)となりました。これは、新規支店の開設等の有形固定資産の取得による支出1,944百万円(同2,718百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、14,553百万円(同2,992百万円)となりました。これは、長期借入金の返済による支出4,397百万円(同2,401百万円)、配当金の支払額5,211百万円(同3,660百万円)等によるものであります。
3.生産、受注及び販売の実績
(1) 生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社)が営む住宅事業、不動産事業、金融事業、エネルギー事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載しておりません。
(2) 受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
住宅事業155,458△13.999,921△21.8
不動産事業-△100.0--
合計155,458△13.999,921△21.8

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 不動産事業、金融事業、エネルギー事業、その他事業では、受注活動を行っていないため記載しておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
住宅事業185,125△ 8.2
不動産事業54,792+ 20.7
金融事業1,026△ 10.2
エネルギー事業772△ 7.8
その他事業6,015△ 13.7
合計247,733△ 3.3

(注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。
2 主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当連結会計年度の経営成績等)
当社グループの売上高は、住宅事業における注文住宅事業の販売棟数の減少、不動産事業における戸建分譲事業の販売棟数の増加等により、247,733百万円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。利益面は、営業利益12,586百万円(同5.1%減)、経常利益は12,877百万円(同4.5%減)と減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、8,752百万円(同0.4%増)と増益となりました。1株当たり当期純利益は301円94銭(前連結会計年度は298円41銭)となりました。
住宅事業は、リフォーム事業が順調に推移するものの、当社グループの中核をなす注文住宅事業の受注棟数、販売棟数が前期比で減少し、減収減益となりました。不動産事業は、戸建分譲事業の販売棟数が前期比で増加し、その他の不動産事業も好調に推移し、増収増益となりました。事業全体としては、売上高、営業利益、経常利益において減収減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。引き続き、商品・販売戦略の見直しにより、全部門の利益率の改善に努めてまいります。特に注文住宅事業は、単価も順調に上昇しており、原価・販売管理費を適正にコントロールすることにより、利益を確保できる計画となっております。
セグメントごとの経営成績等の詳細は、「(3)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析」に記載しているとおりであります。
(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、不動産事業における販売用不動産取得があります。また、設備投資資金需要の主なものとしては、注文住宅事業における展示場の新設および移転があります。当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入等を行っており、自己資本比率等の財務健全性指標を注視しながら、最適な選択を実施していきます。
なお、当連結会計年度における借入金及びリース債務等を含む有利子負債の残高は9,148百万円(前連結会計年度は18,467百万円)となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、26,105百万円となっております。
(3)セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析
(住宅事業)
住宅事業においては、注文住宅事業について、5ヶ所(うち移転4ヶ所)の出店を行い、営業拠点は244ヶ所になりました。また、当社の展開する戦略商品である地域限定商品及び期間限定商品を中心に受注は堅調に推移しました。引き続き、過年度より取り組んできた着工の平準化を推進しましたが、注文住宅の引渡棟数は7,729棟と前期比で14.7%減少したことにより減収減益となりました。
リフォーム事業については、引き続き、入居後10年を経過したお客様を中心に、保証延長を目的とした保証延長工事及び入居後15年以上を経過したお客様への継続的な保証延長工事のご提案を行いました。また、住宅設備の経年劣化による交換需要の取り込み等のリフォーム受注活動を積極的に展開しました。今後も、累計で17万棟を超える豊富なストック情報をもとにお客様との関係深化を図りつつ、築年数やお客様のニーズに応じた最適なリフォーム商品の提案と販売を進めてまいります。
以上の結果、当事業の売上高は185,125百万円(前年同期比8.2%減)、営業利益は7,780百万円(同12.9%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業においては、戸建分譲事業について、引き続き、資金回転率を重視した10区画以下の小規模分譲地を中心とした仕入、販売に取り組みました。引渡棟数については1,528棟と前期比で22.5%増加しました。引き続き、戸建住宅の需要動向を注視しつつ、マーケットニーズに対応した良質な住宅の供給及び優良な土地の仕入れを強化することで、戸建分譲事業の確実な伸長を図っていく方針です。
マンション事業については、新規分譲マンションの販売及び中古マンションのリノベーション販売に取り組みました。
サブリース事業については、東京23区内に所在する新規受託物件の獲得及び管理物件(期末管理物件数24棟)の稼働率の向上に注力しました。
オフィス区分所有権販売事業については、保有物件の販売を進めるとともに、確実なオフィス需要の見込まれる東京主要5区を対象として仕入に取り組みました。
以上の結果、当事業の売上高は54,792百万円(前年同期比20.7%増)、営業利益は3,339百万円(同26.6%増)となりました。
(金融事業)
金融事業においては、引き続き、当社で住宅を購入されるお客様への保険販売及びフラット35の利用促進に取り組みました。保険販売については、住宅の引渡棟数が前期比で減少したこと、また2022年10月からの火災保険制度改定による保険期間短縮の影響もあり、火災保険の手数料収入は減少しました。一方で、生命保険の販売については、積極的な販売促進を展開、販売は順調に推移し手数料収入は増加しました。また、フラット35については、フラット35全体の利用率の低下傾向が続いており、当社においても利用が減少しました。
以上の結果、当事業の売上高は1,026百万円(前年同期比10.2%減)、営業利益は207百万円(同10.7%減)となりました。
(エネルギー事業)
エネルギー事業においては、福岡県大牟田市で商業運転するメガソーラー発電施設の売電実績について、九州電力株式会社の出力制御における代理制御(の仕組み)導入及び天候の影響の結果、当事業の売上高は772百万円(前年同期比7.8%減)、営業利益は206百万円(同23.7%減)となりました。
(その他事業)
その他事業においては、住宅周辺事業を中心に減収減益となり、当事業の売上高は6,015百万円(前年同期比13.7%減)、営業利益は986百万円(同12.4%減)となりました。
以上の結果、当社グループの連結経営成績は、売上高247,733百万円(前年同期比3.3%減)となりました。利益につきましては営業利益12,586百万円(同5.1%減)、経常利益12,877百万円(同4.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益8,752百万円(同0.4%増)となりました。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。