有価証券報告書-第29期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善傾向の下、緩やかな回復の動きが見られました。一方で、物価上昇に伴う原価高騰、不安定な為替相場や米国大統領選挙による政策転換の可能性等により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループでは、「おもてなしテクノロジーで人を幸せに」をコアバリューに据え、「企業と顧客をつなぐDXクラウドサービス」をコンセプトに事業を推進しています。
昨今の新型コロナウイルス感染症拡大以降、リモートワーク等の働き方改革、デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」という)、不正口座利用問題によるオンライン本人確認(eKYC等)やマイナンバーカードを利用した公的個人認証サービス、多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)ニーズ等を受け、非対面取引に関する市場が急拡大しております。
当社グループが事業展開する主要マーケットの1つである、国内デジタルマーケティング市場は、2020〜2025年にCAGR(年平均成長率)7.2%の6,102億円(※1)と高い成長率が見込まれます。また、国内DX市場規模は、2030年には8兆350億円に拡大する見通しである一方(※2)、DXに「既に取り組んでいる」と回答した中小企業は2024年時点でわずか18.5%であり(※3)、中小企業を中心としたDXには大きな伸びしろがあると考えております。
また、2023年に広く認知されたChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)により、AI関連市場が大きく変化を遂げております。LLMを活用した対話AIサービスは2027年度までに市場規模は約6,905億円に成長する見通しであり(※4)、現在も業界やサービスを問わず、その連携領域を広げています。
今後も、これらの成長市場に対して、当社グループの培ったユーザビリティの高い技術を活用し、社会の“不”を解消する価値の高いサービスを積極的に提供してまいります。
なお、連結子会社は投資関連事業を行う株式会社Showcase Capitalと情報通信関連事業を行うReYuu Japan株式会社(東証スタンダード:9425 以下、「ReYuu社」という。)の2社となります。
※1 IDC 国内デジタルマーケティング関連サービス市場 セグメント別/産業分野別予測、2020~2025年より
※2 富士キメラ総研『2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』より
※3 独立行政法人 中小企業基盤整備機構『中小企業のDX推進に関する調査(2024年)』より
※4 株式会社シード・プランニング『2023年版 対話AIビジネスの現状と将来展望~ChatGPT・GPT-4を含む大規模言語モデル(LLM)がもたらす新市場~』より
当連結会計年度における売上高は情報通信関連事業の伸長により増収となり、営業損失においても情報通信関連事業の赤字幅縮小により改善いたしました。親会社株主に帰属する当期純損失は2024年11月14日に開示した「減損損失の計上及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、DXクラウド事業に係る固定資産(ソフトウェア)の減損損失が影響し、赤字幅が拡大する結果となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ25,057千円増加し、3,486,185千円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ240,126千円増加し、2,191,295千円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ215,069千円減少し、1,294,889千円となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度における売上高は6,211,422千円(前年同期比9.3%増)、営業損失は165,842千円(前年同期は営業損失285,557千円)、経常損失は243,821千円(前年同期は経常損失298,419千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は742,757千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失117,980千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
DXクラウド事業は、企業のWebサイト分析・解析支援を行う「NaviCastシリーズ」「ProTechシリーズ」「おもてなしSuite」のSaaS事業と、DX支援開発を行うクラウドインテグレーション事業で構成されております。
NaviCastシリーズについて、当社の基盤サービスであるEFOツール「FormAssist」は、入力フォーム最適化市場:ベンダー別売上金額シェアで10年連続(2014~2023年度予測)No.1を獲得しました(※5)。NaviCastシリーズは売上高前期比3.2%増を達成し、MRRの成長にも貢献いたしました。
※5 ITR「ITR Market View:メール/Web/SNSマーケティング市場2024」入力フォーム最適化市場規模推移および予測(2014年~2023年度予測・売上金額)
ProTechシリーズについて、オンライン本人確認/eKYCサービス「ProTech ID Checker(プロテック アイディー チェッカー)」の利用企業はメガバンクをはじめとする金融機関、中古品買取事業者等の古物商、法律事務所、レンタルショップ、通信キャリア、シェアリングエコノミー関連、マッチングアプリ、暗号資産取引サービス、Web3.0関連サービスなど多岐に亘っており、累計の導入社数は250社を突破いたしました。特に、携帯電話や電話転送サービスの契約時においては非対面の本人確認手法をマイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化し、対面ではマイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを義務付けるという犯罪対策閣僚会議(※6)への対応として、通信キャリアへの運転免許証やマイナンバーカードなどのIC チップを活用した本人確認の導入も進んでおります。また、2024年7月にはあらゆる書類の読み取りが可能な「ProTech AI-OCR」をリリースしており、順調に販売を拡大しております。ProTechシリーズは売上高前期比33.3%増を達成しており、更に多くの“不”を解消できるように、推進してまいります。
※6 令和6年6月18日 犯罪対策閣僚会議『国民を詐欺から守るための総合対策』より
おもてなしSuiteについて、「kintone」連携機能強化のため、提供元であるサイボウズ株式会社(東証プライム:4776)との取り組みを進めてまいりました。2024年10月にはショーケースLLM Labsによりkintoneでの業務をサポートするAIアシスタント機能「Associate AI Hub for kintone」が追加されました。kintoneの連携機能を活用し自治体等からの受注を行ったほか、日々の業務のDXを実装する様々な案件を通じて課題解決を行いましたが、前期比で減収となりました。
SaaS事業全体としては提供開始から時間が経過したサービスが影響しアカウント数が低下傾向であるものの、ARPA(1アカウントあたりの利用金額)は増加傾向となっております。
クラウドインテグレーション事業では、当連結会計年度においては、これまでに受注したサービスの運用費用としてストック収益は堅調に積み上がり、新規案件の創出についても順調に進んだものの、受注までのリードタイムが想定より長期化し、前期比で減収・減益となりました。
以上の結果、DXクラウド事業全体における売上高は1,156,943千円(前期比7.8%減)、セグメント利益(営業利益)は343,635千円(前期比30.4%減)となりました。
<広告・メディア事業>(オウンドメディア)
主力となるスマートフォン情報メディアをはじめとして、複数のライフスタイル情報等の比較メディアを中心に、様々なSEOメディアを運用しております。当連結会計年度におきましては、一部のメディアにおいてGoogleのアルゴリズム変更の影響が続いておりましたが、2024年7月に新たに立ち上げた「ショーケース プラス」への複数メディアの統合により、主力であるスマートフォン関連メディアを中心に回復傾向にあります。毎年秋の新型iPhoneの発売シーズンに向け準備を行っておりましたが、本シーズンの売上は昨年より回復し、売上に貢献いたしました。一方で、上期に発生したGoogleのアルゴリズム変更の影響を取り返すには至らず、昨年度よりも売上・利益ともに減少する結果となりました。
(広告関連サービス)
広告関連サービスについては、従来から提供してきた運用広告関連サービスに加え、顧客のニーズに合わせたSNS広告運用サービス等の提供により、安定的に売上貢献をしております。
以上の結果、広告・メディア事業全体における売上高は330,252千円(前期比3.5%減)、セグメント利益(営業利益)は60,064千円(前期比9.3%減)となりました。
<投資関連事業>資関連事業を手掛ける株式会社Showcase Capitalは、スタートアップと事業会社やVC・CVCをオンラインでマッチングするプラットフォーム「SmartPitch(スマートピッチ)」等を通じて、スタートアップ・エコシステムの形成の一助となる活動に取り組んでおり、スタートアップの登録数は500社を突破いたしました。また、事業会社等の投資家側も240社以上が登録されています。更に、投資有価証券の評価益や売却益により、売上が拡大いたしました。
以上の結果、投資関連事業全体における売上高は38,667千円(前期比195.1%増)、セグメント損失(営業損失)は16,777千円(前期はセグメント損失(営業損失)43,241千円)となりました。
<情報通信関連事業>情報通信関連事業を手掛けるReYuu社におきましては、中古スマートフォンの販売を中心としたリユース関連事業を展開しております。
当連結会計年度におきましては、調達力の強化を重点戦略として掲げ、当期より新設した調達専門部署を中心に調達営業活動を推進してまいりました。事業の基盤となる良質な商品の安定確保を目指し、新規調達先の開拓及び法人向けの買取提案営業に注力した結果、当期の調達量が増加するとともに、来期以降の更なる業績向上を見据えた調達網の整備が進展いたしました。一方で、一部の契約締結や調達先との調整に想定以上の時間を要したことから、営業損失の改善はしたものの、黒字への転換には至りませんでした。
国内法人向け営業戦略につきましては、販売・買取・レンタル・商品保証・キッティングを一体化した総合的な端末サービスを強みとして、既存取引先への深耕営業及び新規顧客の開拓に取り組んでまいりました。その中でもReYuu社が優位性を持つMVNO事業者チャネルにおいては、既存取引先への深耕営業により販売機種のラインナップが拡充いたしました。その他の国内取引先である通信事業者、携帯販売代理店、卸業者、小売業者、一般企業といったチャネルにつきましては、堅実に取引が拡大いたしました。
グローバルチャネルにおいては、海外ビジネスに精通した人材を積極的に活用した結果、販売と調達の両面で取引ルートの整備が進行し、取引高が増加いたしました。個人向けオンラインチャネルにおいては、メイン商材のスマートフォンやノートパソコンにとどまらず、スマートウォッチやデスクトップコンピュータ等、ReYuu社の調達ルートを活かした商品ラインナップの充実に取り組んでまいりました。また、販売促進施策の実施とお客様目線での顧客対応により、外部ECモールでの店舗評価が高まりました。
以上の結果、情報通信関連事業全体における売上高は4,732,562千円(前期比15.7%増)、セグメント損失(営業損失)は116,963千円(前期はセグメント損失(営業損失)244,624千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、1,233,814千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、672,970千円(前年同期は181,986千円の使用)となりました。主な増加要因は、減損損失528,024千円、減価償却費161,484千円、のれん償却額89,185千円であります。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失773,029千円、棚卸資産の増加額324,427千円、売上債権及び契約資産の増加額242,836千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、193,353千円(前年同期は51,630千円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出219,662千円等により資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、811,202千円(前年同期は215,926千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出332,669千円等により資金を使用した一方で、株式の発行による収入663,047千円、長期借入れによる収入500,000千円、短期借入金の純増加額100,000千円等により資金を獲得したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(1)生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループのサービスは、受注から納品までの期間がきわめて短いため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先については、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りに与える影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、3,486,185千円(前連結会計年度末比25,057千円の増加)となりました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が271,391千円、のれんが216,178千円減少した一方で、商品が316,254千円、売掛金が240,154千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、2,191,295千円(前連結会計年度末比240,126千円の増加)となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定含む)が167,331千円、短期借入金が90,002千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,294,889千円(前連結会計年度末比215,069千円の減少)となりました。これは主に、第三者割当増資等により資本金が338,859千円、資本剰余金が318,377千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失742,757千円を計上したことにより利益剰余金が742,757千円、非支配株主持分が129,549千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は22.8%(前連結会計年度末は25.5%)となりました。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、中核事業であるDXクラウド事業のストック売上(サブスクリプション売上)の向上、既存顧客へのコンサルタントによる追加提案売上、オンライン本人確認/eKYCサービス「ProTech ID Checker」や企業と顧客をつなぐプラットフォーム「おもてなしSuite」の販売数増加、DX支援開発による受託開発案件の納品、「ショーケース プラス」の販売送客アフィリエイト収益、リユースモバイルの販売・レンタル等により、6,211,422千円(前年同期比9.3%増)となりました。
(営業利益)
売上原価は、4,704,636千円(前年同期比15.3%増)、販売費及び一般管理費は1,672,628千円(前年同期比11.5%減)となりました。販売費及び一般管理費の主な減少要因は、2024年12月期第3四半期会計期間に計上した減損損失によるものであります。
この結果、営業損失は165,842千円(前年同期は営業損失285,557千円)となりました。
(経常利益)
貸倒引当金戻入額2,405千円、支払利息19,353千円、株式交付費26,594千円、公開買付関連費用23,900千円等が発生したことにより、経常損失は243,821千円(前年同期は経常損失298,419千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
減損損失528,024千円等が発生したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は742,757千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失117,980千円)となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、今後の成長基盤となる開発人員・営業人員に対する投資及び開発に係る業務委託や広告宣伝費などであります。また、主な投資資金需要は、外部リソースを積極的にグループに取り入れるためのM&Aやベンチャーキャピタル投資における新規案件への投資に係るものであります。
③ 財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保すること、将来の不確実性に備えて比較的厚めのキャッシュポジションとすることを基本方針としております。そのうえで、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を、投資資金や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入や第三者割当増資による調達を行う方針であります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、外部要因と内部要因に大別されます。
外部要因としては、自然災害によるサーバー停止、インターネット関連市場の新たな規制や技術革新、競合他社との競争激化、法的規制の変化等により影響を受ける可能性がありますが、このような環境下において、当社グループの売上は堅調に推移しております。
内部要因としては、システム障害、コア事業であるDXクラウド事業への依存、特定人物への依存、優秀な人材の確保や育成、情報漏洩による情報セキュリティの管理等の影響を受ける可能性がありますが、組織体制の整備及び内部管理体制の強化により、これらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
(5)経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、収益拡大のためには既存事業の拡大及び認知度の向上のための広報活動やマーケティング、新規事業及び新商品の開発や投資事業によるシナジー創出が必要不可欠であると認識しております。そのためには、優秀な人材の確保や組織体制の整備をこれまで以上に強化し、これらの課題に対して企業価値向上を図るべく、当社グループ経営陣は最善の事業戦略を立案するよう努めてまいります。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、企業のWebサイト分析・解析支援を行うDXクラウド事業を中心に、広告・メディア事業、オンライン本人確認/eKYCやDX支援開発などの新規事業を通じて、企業価値の向上に取り組んでおります。全社としては堅調に推移しておりますが、広告・メディア事業に関しては、Googleのアルゴリズム変更の影響を取り返すには至らず、前年同期で減収・減益となっております。
また、2024年11月14日付でAIフュージョンキャピタルグループ株式会社と資本業務提携契約を締結し、2024年12月に当社は同社の連結子会社となりました。
さらに、2025年2月28日付で公表しました「連結子会社(ReYuu Japan株式会社)の株式の売却及び特定子会社の異動並びに特別利益の発生に関するお知らせ」に記載しましたとおり、ReYuu社は2025年3月24日開催の第29期定時株主総会の決議の結果、同年3月25日をもって当社の連結の範囲から除外され、当社の特定子会社ではなくなる見込みであります。当社グループとしての売上高は減少となりますが、資本業務提携や売却益を活用して、成長に向けた投資をすすめるほか、グループシナジーの創出を図ることで、中長期での企業価値向上に向けて取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善傾向の下、緩やかな回復の動きが見られました。一方で、物価上昇に伴う原価高騰、不安定な為替相場や米国大統領選挙による政策転換の可能性等により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループでは、「おもてなしテクノロジーで人を幸せに」をコアバリューに据え、「企業と顧客をつなぐDXクラウドサービス」をコンセプトに事業を推進しています。
昨今の新型コロナウイルス感染症拡大以降、リモートワーク等の働き方改革、デジタルトランスフォーメーション(以下、「DX」という)、不正口座利用問題によるオンライン本人確認(eKYC等)やマイナンバーカードを利用した公的個人認証サービス、多要素認証(MFA:Multi-Factor Authentication)ニーズ等を受け、非対面取引に関する市場が急拡大しております。
当社グループが事業展開する主要マーケットの1つである、国内デジタルマーケティング市場は、2020〜2025年にCAGR(年平均成長率)7.2%の6,102億円(※1)と高い成長率が見込まれます。また、国内DX市場規模は、2030年には8兆350億円に拡大する見通しである一方(※2)、DXに「既に取り組んでいる」と回答した中小企業は2024年時点でわずか18.5%であり(※3)、中小企業を中心としたDXには大きな伸びしろがあると考えております。
また、2023年に広く認知されたChatGPTをはじめとする大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)により、AI関連市場が大きく変化を遂げております。LLMを活用した対話AIサービスは2027年度までに市場規模は約6,905億円に成長する見通しであり(※4)、現在も業界やサービスを問わず、その連携領域を広げています。
今後も、これらの成長市場に対して、当社グループの培ったユーザビリティの高い技術を活用し、社会の“不”を解消する価値の高いサービスを積極的に提供してまいります。
なお、連結子会社は投資関連事業を行う株式会社Showcase Capitalと情報通信関連事業を行うReYuu Japan株式会社(東証スタンダード:9425 以下、「ReYuu社」という。)の2社となります。
※1 IDC 国内デジタルマーケティング関連サービス市場 セグメント別/産業分野別予測、2020~2025年より
※2 富士キメラ総研『2024 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望 市場編』より
※3 独立行政法人 中小企業基盤整備機構『中小企業のDX推進に関する調査(2024年)』より
※4 株式会社シード・プランニング『2023年版 対話AIビジネスの現状と将来展望~ChatGPT・GPT-4を含む大規模言語モデル(LLM)がもたらす新市場~』より
当連結会計年度における売上高は情報通信関連事業の伸長により増収となり、営業損失においても情報通信関連事業の赤字幅縮小により改善いたしました。親会社株主に帰属する当期純損失は2024年11月14日に開示した「減損損失の計上及び通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」に記載の通り、DXクラウド事業に係る固定資産(ソフトウェア)の減損損失が影響し、赤字幅が拡大する結果となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ25,057千円増加し、3,486,185千円となりました。当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ240,126千円増加し、2,191,295千円となりました。当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ215,069千円減少し、1,294,889千円となりました。
(b)経営成績
当連結会計年度における売上高は6,211,422千円(前年同期比9.3%増)、営業損失は165,842千円(前年同期は営業損失285,557千円)、経常損失は243,821千円(前年同期は経常損失298,419千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は742,757千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失117,980千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
NaviCastシリーズについて、当社の基盤サービスであるEFOツール「FormAssist」は、入力フォーム最適化市場:ベンダー別売上金額シェアで10年連続(2014~2023年度予測)No.1を獲得しました(※5)。NaviCastシリーズは売上高前期比3.2%増を達成し、MRRの成長にも貢献いたしました。
※5 ITR「ITR Market View:メール/Web/SNSマーケティング市場2024」入力フォーム最適化市場規模推移および予測(2014年~2023年度予測・売上金額)
ProTechシリーズについて、オンライン本人確認/eKYCサービス「ProTech ID Checker(プロテック アイディー チェッカー)」の利用企業はメガバンクをはじめとする金融機関、中古品買取事業者等の古物商、法律事務所、レンタルショップ、通信キャリア、シェアリングエコノミー関連、マッチングアプリ、暗号資産取引サービス、Web3.0関連サービスなど多岐に亘っており、累計の導入社数は250社を突破いたしました。特に、携帯電話や電話転送サービスの契約時においては非対面の本人確認手法をマイナンバーカードの公的個人認証に原則として一本化し、対面ではマイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを義務付けるという犯罪対策閣僚会議(※6)への対応として、通信キャリアへの運転免許証やマイナンバーカードなどのIC チップを活用した本人確認の導入も進んでおります。また、2024年7月にはあらゆる書類の読み取りが可能な「ProTech AI-OCR」をリリースしており、順調に販売を拡大しております。ProTechシリーズは売上高前期比33.3%増を達成しており、更に多くの“不”を解消できるように、推進してまいります。
※6 令和6年6月18日 犯罪対策閣僚会議『国民を詐欺から守るための総合対策』より
おもてなしSuiteについて、「kintone」連携機能強化のため、提供元であるサイボウズ株式会社(東証プライム:4776)との取り組みを進めてまいりました。2024年10月にはショーケースLLM Labsによりkintoneでの業務をサポートするAIアシスタント機能「Associate AI Hub for kintone」が追加されました。kintoneの連携機能を活用し自治体等からの受注を行ったほか、日々の業務のDXを実装する様々な案件を通じて課題解決を行いましたが、前期比で減収となりました。
SaaS事業全体としては提供開始から時間が経過したサービスが影響しアカウント数が低下傾向であるものの、ARPA(1アカウントあたりの利用金額)は増加傾向となっております。
クラウドインテグレーション事業では、当連結会計年度においては、これまでに受注したサービスの運用費用としてストック収益は堅調に積み上がり、新規案件の創出についても順調に進んだものの、受注までのリードタイムが想定より長期化し、前期比で減収・減益となりました。
以上の結果、DXクラウド事業全体における売上高は1,156,943千円(前期比7.8%減)、セグメント利益(営業利益)は343,635千円(前期比30.4%減)となりました。
<広告・メディア事業>(オウンドメディア)
主力となるスマートフォン情報メディアをはじめとして、複数のライフスタイル情報等の比較メディアを中心に、様々なSEOメディアを運用しております。当連結会計年度におきましては、一部のメディアにおいてGoogleのアルゴリズム変更の影響が続いておりましたが、2024年7月に新たに立ち上げた「ショーケース プラス」への複数メディアの統合により、主力であるスマートフォン関連メディアを中心に回復傾向にあります。毎年秋の新型iPhoneの発売シーズンに向け準備を行っておりましたが、本シーズンの売上は昨年より回復し、売上に貢献いたしました。一方で、上期に発生したGoogleのアルゴリズム変更の影響を取り返すには至らず、昨年度よりも売上・利益ともに減少する結果となりました。
(広告関連サービス)
広告関連サービスについては、従来から提供してきた運用広告関連サービスに加え、顧客のニーズに合わせたSNS広告運用サービス等の提供により、安定的に売上貢献をしております。
以上の結果、広告・メディア事業全体における売上高は330,252千円(前期比3.5%減)、セグメント利益(営業利益)は60,064千円(前期比9.3%減)となりました。
<投資関連事業>資関連事業を手掛ける株式会社Showcase Capitalは、スタートアップと事業会社やVC・CVCをオンラインでマッチングするプラットフォーム「SmartPitch(スマートピッチ)」等を通じて、スタートアップ・エコシステムの形成の一助となる活動に取り組んでおり、スタートアップの登録数は500社を突破いたしました。また、事業会社等の投資家側も240社以上が登録されています。更に、投資有価証券の評価益や売却益により、売上が拡大いたしました。
以上の結果、投資関連事業全体における売上高は38,667千円(前期比195.1%増)、セグメント損失(営業損失)は16,777千円(前期はセグメント損失(営業損失)43,241千円)となりました。
<情報通信関連事業>情報通信関連事業を手掛けるReYuu社におきましては、中古スマートフォンの販売を中心としたリユース関連事業を展開しております。
当連結会計年度におきましては、調達力の強化を重点戦略として掲げ、当期より新設した調達専門部署を中心に調達営業活動を推進してまいりました。事業の基盤となる良質な商品の安定確保を目指し、新規調達先の開拓及び法人向けの買取提案営業に注力した結果、当期の調達量が増加するとともに、来期以降の更なる業績向上を見据えた調達網の整備が進展いたしました。一方で、一部の契約締結や調達先との調整に想定以上の時間を要したことから、営業損失の改善はしたものの、黒字への転換には至りませんでした。
国内法人向け営業戦略につきましては、販売・買取・レンタル・商品保証・キッティングを一体化した総合的な端末サービスを強みとして、既存取引先への深耕営業及び新規顧客の開拓に取り組んでまいりました。その中でもReYuu社が優位性を持つMVNO事業者チャネルにおいては、既存取引先への深耕営業により販売機種のラインナップが拡充いたしました。その他の国内取引先である通信事業者、携帯販売代理店、卸業者、小売業者、一般企業といったチャネルにつきましては、堅実に取引が拡大いたしました。
グローバルチャネルにおいては、海外ビジネスに精通した人材を積極的に活用した結果、販売と調達の両面で取引ルートの整備が進行し、取引高が増加いたしました。個人向けオンラインチャネルにおいては、メイン商材のスマートフォンやノートパソコンにとどまらず、スマートウォッチやデスクトップコンピュータ等、ReYuu社の調達ルートを活かした商品ラインナップの充実に取り組んでまいりました。また、販売促進施策の実施とお客様目線での顧客対応により、外部ECモールでの店舗評価が高まりました。
以上の結果、情報通信関連事業全体における売上高は4,732,562千円(前期比15.7%増)、セグメント損失(営業損失)は116,963千円(前期はセグメント損失(営業損失)244,624千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、1,233,814千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、672,970千円(前年同期は181,986千円の使用)となりました。主な増加要因は、減損損失528,024千円、減価償却費161,484千円、のれん償却額89,185千円であります。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失773,029千円、棚卸資産の増加額324,427千円、売上債権及び契約資産の増加額242,836千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、193,353千円(前年同期は51,630千円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出219,662千円等により資金を使用したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、811,202千円(前年同期は215,926千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出332,669千円等により資金を使用した一方で、株式の発行による収入663,047千円、長期借入れによる収入500,000千円、短期借入金の純増加額100,000千円等により資金を獲得したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
(1)生産実績
当社グループは、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループのサービスは、受注から納品までの期間がきわめて短いため、記載を省略しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| DXクラウド事業 | 1,154,944 | 92.3 |
| 広告・メディア事業 | 308,052 | 91.2 |
| 投資関連事業 | 29,550 | 226.4 |
| 情報通信関連事業 | 4,718,874 | 115.6 |
| 合計 | 6,211,422 | 109.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先については、記載を省略しております。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社インターネットイニシアティブ | 1,118,026 | 19.7 | 1,260,749 | 20.3 |
| 株式会社オプテージ | - | - | 1,031,449 | 16.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りに与える影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、3,486,185千円(前連結会計年度末比25,057千円の増加)となりました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が271,391千円、のれんが216,178千円減少した一方で、商品が316,254千円、売掛金が240,154千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、2,191,295千円(前連結会計年度末比240,126千円の増加)となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定含む)が167,331千円、短期借入金が90,002千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,294,889千円(前連結会計年度末比215,069千円の減少)となりました。これは主に、第三者割当増資等により資本金が338,859千円、資本剰余金が318,377千円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失742,757千円を計上したことにより利益剰余金が742,757千円、非支配株主持分が129,549千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は22.8%(前連結会計年度末は25.5%)となりました。
(b)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、中核事業であるDXクラウド事業のストック売上(サブスクリプション売上)の向上、既存顧客へのコンサルタントによる追加提案売上、オンライン本人確認/eKYCサービス「ProTech ID Checker」や企業と顧客をつなぐプラットフォーム「おもてなしSuite」の販売数増加、DX支援開発による受託開発案件の納品、「ショーケース プラス」の販売送客アフィリエイト収益、リユースモバイルの販売・レンタル等により、6,211,422千円(前年同期比9.3%増)となりました。
(営業利益)
売上原価は、4,704,636千円(前年同期比15.3%増)、販売費及び一般管理費は1,672,628千円(前年同期比11.5%減)となりました。販売費及び一般管理費の主な減少要因は、2024年12月期第3四半期会計期間に計上した減損損失によるものであります。
この結果、営業損失は165,842千円(前年同期は営業損失285,557千円)となりました。
(経常利益)
貸倒引当金戻入額2,405千円、支払利息19,353千円、株式交付費26,594千円、公開買付関連費用23,900千円等が発生したことにより、経常損失は243,821千円(前年同期は経常損失298,419千円)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
減損損失528,024千円等が発生したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は742,757千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失117,980千円)となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
② 資金需要
当社グループの主な運転資金需要は、今後の成長基盤となる開発人員・営業人員に対する投資及び開発に係る業務委託や広告宣伝費などであります。また、主な投資資金需要は、外部リソースを積極的にグループに取り入れるためのM&Aやベンチャーキャピタル投資における新規案件への投資に係るものであります。
③ 財務政策
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保すること、将来の不確実性に備えて比較的厚めのキャッシュポジションとすることを基本方針としております。そのうえで、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を、投資資金や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入や第三者割当増資による調達を行う方針であります。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、外部要因と内部要因に大別されます。
外部要因としては、自然災害によるサーバー停止、インターネット関連市場の新たな規制や技術革新、競合他社との競争激化、法的規制の変化等により影響を受ける可能性がありますが、このような環境下において、当社グループの売上は堅調に推移しております。
内部要因としては、システム障害、コア事業であるDXクラウド事業への依存、特定人物への依存、優秀な人材の確保や育成、情報漏洩による情報セキュリティの管理等の影響を受ける可能性がありますが、組織体制の整備及び内部管理体制の強化により、これらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
(5)経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりでありますが、収益拡大のためには既存事業の拡大及び認知度の向上のための広報活動やマーケティング、新規事業及び新商品の開発や投資事業によるシナジー創出が必要不可欠であると認識しております。そのためには、優秀な人材の確保や組織体制の整備をこれまで以上に強化し、これらの課題に対して企業価値向上を図るべく、当社グループ経営陣は最善の事業戦略を立案するよう努めてまいります。
(6)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、企業のWebサイト分析・解析支援を行うDXクラウド事業を中心に、広告・メディア事業、オンライン本人確認/eKYCやDX支援開発などの新規事業を通じて、企業価値の向上に取り組んでおります。全社としては堅調に推移しておりますが、広告・メディア事業に関しては、Googleのアルゴリズム変更の影響を取り返すには至らず、前年同期で減収・減益となっております。
また、2024年11月14日付でAIフュージョンキャピタルグループ株式会社と資本業務提携契約を締結し、2024年12月に当社は同社の連結子会社となりました。
さらに、2025年2月28日付で公表しました「連結子会社(ReYuu Japan株式会社)の株式の売却及び特定子会社の異動並びに特別利益の発生に関するお知らせ」に記載しましたとおり、ReYuu社は2025年3月24日開催の第29期定時株主総会の決議の結果、同年3月25日をもって当社の連結の範囲から除外され、当社の特定子会社ではなくなる見込みであります。当社グループとしての売上高は減少となりますが、資本業務提携や売却益を活用して、成長に向けた投資をすすめるほか、グループシナジーの創出を図ることで、中長期での企業価値向上に向けて取り組んでまいります。