有価証券報告書-第30期(令和2年9月1日-令和3年8月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の抑制により、非常に厳しい状況となりました。感染拡大防止策と経済活動の両立が図られ、個人消費に一部持ち直しの動きがみられたものの、2020年秋以降、国内の感染者数が再度増加傾向へ転じ、2021年に入ってからは、度重なる緊急事態宣言が発出される事態となっております。当該期間における経済の打撃は非常に大きく、足元でも感染収束については先行き不透明な状況が継続しております。
当社が属するカジュアルファッション業界におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛やインバウンド需要の消失、さらにテレワークの普及や生活環境の変化によるファッション衣料品需要への影響から、前連結会計年度より引き続き、非常に厳しい経営環境が継続しております。
このような状況の下、当社は引き続き、インターネット販売事業や本社機能においてはテレワークで業務を遂行するなどの対応をとってまいりました。インターネット販売事業においては、コロナ禍において起こっているファッションECサイトのサービス競争激化及び在庫処分を目的とした値引き競争過熱の影響もあり、既存客数は減少しており、当該事象への対応が急務となっております。当社スタッフによるSNSやオンライン接客を通じての発信により、当社ブランド、当社ECサイトの魅力をより一層伝えながら事業運営を進めております。店舗販売事業においては、当連結会計年度において10店舗を新規出店いたしました。新規出店戦略については、コロナ後の環境を想定しながら、採算管理を徹底し、慎重に進めていく方針です。
期初からの販売動向につきましては、9月から11月初旬までは比較的堅調に推移しておりましたが、前述の新型コロナウイルス感染者数再拡大の影響により、徐々に低調となり、度重なる緊急事態宣言により一層厳しくなりました。加えて冬場は気温が平年より高く推移したことによる重衣料の苦戦、4月以降は緊急事態宣言の対象地域で休業、対象外地域においても時短営業を余儀なくされる状況もあり、通年を通じた販売が非常に厳しい結果となりました。
足元ではワクチンの普及も進んでおりますが、変異株の拡大など状況は厳しく、当社としましてはこの状況が今後も一定期間継続することも想定し、当該経営環境にも耐えうる事業構造への転換を図っております。希望退職制度の実施、組織体制の変更、業務効率化、内製化等の改革は着実に進んでおり、全社員一丸となってこの危機を乗り切り、業績回復に取り組んでまいります。連結子会社ANAPラボについては、従来のファッション事業とは異なる新規事業等も含めて引き続き事業拡大を目指しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,078百万円(前連結会計年度比10.3%減)となりました。売上高が減少したことによる粗利益の減少の影響を受け、営業損失644百万円(前連結会計年度は営業損失329百万円)、経常損失633百万円(前連結会計年度は経常損失284百万円)となりました。また、店舗及びインターネット販売事業のソフトウェアにおける減損損失、希望退職制度の実施に伴う事業構造改善費用を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失791百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失371百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(インターネット販売事業)
インターネット販売事業につきましては、前述したとおりファッションECサイトのサービス競争激化の影響もあり売上高が減少しております。そのような状況の中、業務効率化や人員の適正配置など事業効率を上げる取り組みを進めております。
以上により、売上高は2,535百万円(前連結会計年度比22.2%減)、セグメント損失は203百万円(前連結会計年度はセグメント利益7百万円)となりました。
(店舗販売事業)
店舗販売事業につきましては、前連結会計年度末より出店10店舗を行った結果、当連結会計年度末における店舗数は37店舗になりました。当連結会計年度は緊急事態宣言の影響はあったものの、全店舗の休業には至っておらず、また新規出店を進めた結果、売上高が増加しております。一方で、新規出店に伴う初期費用が増加しております。
以上により、売上高は2,396百万円(前連結会計年度比11.1%増)、セグメント損失は168百万円(前連結会計年度はセグメント損失16百万円)となりました。
(卸売販売事業)
卸売販売事業につきましては、既存の取引先に対する販売減少に伴い、売上高が減少しております。
以上により、売上高は116百万円(前連結会計年度比43.9%減)、セグメント損失は11百万円(前連結会計年度はセグメント損失18百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ192百万円減少し、666百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は397百万円(前連結会計年度は44百万円の支出)となりました。これは主に、減価償却費57百万円、事業構造改善費用85百万円、売上債権の減少額112百万円、たな卸資産の減少額104百万円、未払金の増加額47百万円、助成金の受取額65百万円による増加、税金等調整前当期純損失734百万円、賞与引当金の減少額10百万円、退職給付に係る負債の減少額51百万円、助成金収入18百万円、未収消費税等の増加額13百万円、仕入債務の減少額31百万円、法人税等の支払額11百万円による減少の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は230百万円(前連結会計年度は119百万円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入4百万円による増加、投資有価証券の取得による支出30百万円、有形固定資産の取得による支出116百万円、無形固定資産の取得による支出20百万円、敷金及び保証金の差入による支出62百万円、長期前払費用の取得による支出4百万円による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は435百万円(前連結会計年度は125百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額450百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入14百万円による増加、ファイナンス・リース債務の返済による支出11百万円、配当金の支払額13百万円による減少の結果であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1) 2017年8月期の各指標は、連結子会社が存在しないため個別ベースの財務諸表により計算しております。
(注2) 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3) 2019年8月期、2020年8月期、2021年8月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
(注4) キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注5) 有利子負債は、連結貸借対照表(貸借対照表)に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループにおける事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び仕入実績についてセグメント別の記載になじまないため、記載しておりません。なお、生産実績につきましては、取扱製品別に区分して記載しており、仕入実績につきましては、種別に区分して記載しております。また販売実績につきましては、セグメント別及び種別に区分して記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績については、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.一部のブランドにつきましては、外注加工先にて生産を行っております。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績については、次のとおりであります。
(単位:千円)
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、受注後遅滞なく出荷を行うため、受注残高の金額は僅少であり、当該記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績については、次のとおりであります。
(セグメント別販売実績)
(単位:千円)
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(種別販売実績)
(単位:千円)
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかしながら、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
1) 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は1,557百万円となり、前連結会計年度末に比べ454百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が192百万円、受取手形及び売掛金が115百万円、商品及び製品が102百万円、その他が44百万円それぞれ減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は858百万円となり、前連結会計年度末に比べ142百万円増加いたしました。これは主に、建物が87百万円、投資有価証券が30百万円、敷金及び保証金が57百万円それぞれ増加した一方で、繰延税金資産が41百万円減少したことによるものです。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は0百万円となり、前連結会計年度末に比べ0百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は1,547百万円となり、前連結会計年度末に比べ508百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が450百万円、未払金が136百万円、ポイント引当金が5百万円それぞれ増加した一方で、買掛金が31百万円、未払法人税等が17百万円、賞与引当金が10百万円、その他が25百万円それぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は295百万円となり、前連結会計年度末に比べ30百万円減少いたしました。これは主に、資産除去債務が27百万円増加した一方で、長期未払金が4百万円、リース債務が8百万円、退職給付に係る負債が51百万円それぞれ減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は573百万円となり、前連結会計年度末に比べ789百万円減少いたしました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行により資本金及び資本剰余金が14百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失計上に伴い利益剰余金が791百万円、配当金の支払により利益剰余金が13百万円それぞれ減少したことによるものです。
2) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高5,078百万円、営業損失644百万円、経常損失633百万円、親会社株主に帰属する当期純損失791百万円となりました。
(単位:百万円)
(売上高)
当連結会計年度は通年を通じて新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けました。度重なる緊急事態宣言発令による外出自粛など、経済活動が制限された影響で減収となり、前連結会計年度比10.3%減となりました。
(単位:百万円)
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、ライセンス事業等を含んでおります。
・インターネット販売事業
インターネット販売事業につきましては、ファッションECサイトのサービス競争激化の影響もあり売上高が減少しております。業務効率化や人員の適正配置など事業効率を上げる取り組みを進めておりますが、効果波及までに時間を要しており、セグメント全体の売上高は前連結会計年度比で22.2%減となりました。
・店舗販売事業
当連結会計年度は緊急事態宣言の影響はあったものの、前連結会計年度のような全店舗の休業には至っておらず、また新規出店を進めた結果、セグメント全体の売上高が増加し、前連結会計年度比で11.1%増となりました。
・卸売販売事業
当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により引き続きアパレル業界全体が厳しい状況となり、セグメント全体の売上高は前連結会計年度比で43.9%減となりました。
(営業損失)
コストダウンは進めましたが、上記要因及び新規出店のための費用増加等により、営業損失は644百万円となりました。
(経常損失)
上記の営業損失の計上に伴い、経常損失を計上するも助成金収入を営業外収益で計上したため、経常損失は633百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
上記の経常損失の計上、また、店舗資産及びインターネット販売事業のソフトウェアにおける減損損失、希望退職制度の実施に伴う事業構造改善費用を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は791百万円となりました。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、売上高、収益性に関する経営戦略上の指標として売上高営業利益率を重要な指標として位置付けており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載しております。
当連結会計年度の売上高は5,078百万円(前連結会計年度比10.3%減)、営業損失は644百万円(前連結会計年度は営業損失329百万円)となり、売上高営業利益率は△12.7%(前連結会計年度は△5.8%)となりました。当連結会計年度は主に新型コロナウイルス感染症の影響を強く受け、各指標が前連結会計年度を下回る結果となりましたが、引き続きこれらの指標について、改善・向上されるよう経営に取り組んでまいります7。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、666百万円となりました。当連結会計年度の区分ごとのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー△397百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△230百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー435百万円であります。
当社グループの主な資金需要は、仕入先等の売上原価の支払、販売費及び一般管理費の支払、自社サイト強化に対する投資、新規出店に対する投資、配当金の支払、借入金の返済及び法人税等の支払等であります。当社グループは、事業活動に必要な資金を営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金により賄っており、今後も営業活動によるキャッシュ・フローから継続的に調達可能であると考えております。資金繰りに懸念はないものの、新型コロナウイルスの感染症拡大による影響の深刻化や収束までの期間の長期化等の不測の事態に備えて、株式会社りそな銀行より、当座貸越契約(借入極度額1億5千万円、契約期間2021年9月30日~2022年9月30日)を締結しております。今後につきましては、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案した上で、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討の上資金調達を実施してまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済活動の抑制により、非常に厳しい状況となりました。感染拡大防止策と経済活動の両立が図られ、個人消費に一部持ち直しの動きがみられたものの、2020年秋以降、国内の感染者数が再度増加傾向へ転じ、2021年に入ってからは、度重なる緊急事態宣言が発出される事態となっております。当該期間における経済の打撃は非常に大きく、足元でも感染収束については先行き不透明な状況が継続しております。
当社が属するカジュアルファッション業界におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための外出自粛やインバウンド需要の消失、さらにテレワークの普及や生活環境の変化によるファッション衣料品需要への影響から、前連結会計年度より引き続き、非常に厳しい経営環境が継続しております。
このような状況の下、当社は引き続き、インターネット販売事業や本社機能においてはテレワークで業務を遂行するなどの対応をとってまいりました。インターネット販売事業においては、コロナ禍において起こっているファッションECサイトのサービス競争激化及び在庫処分を目的とした値引き競争過熱の影響もあり、既存客数は減少しており、当該事象への対応が急務となっております。当社スタッフによるSNSやオンライン接客を通じての発信により、当社ブランド、当社ECサイトの魅力をより一層伝えながら事業運営を進めております。店舗販売事業においては、当連結会計年度において10店舗を新規出店いたしました。新規出店戦略については、コロナ後の環境を想定しながら、採算管理を徹底し、慎重に進めていく方針です。
期初からの販売動向につきましては、9月から11月初旬までは比較的堅調に推移しておりましたが、前述の新型コロナウイルス感染者数再拡大の影響により、徐々に低調となり、度重なる緊急事態宣言により一層厳しくなりました。加えて冬場は気温が平年より高く推移したことによる重衣料の苦戦、4月以降は緊急事態宣言の対象地域で休業、対象外地域においても時短営業を余儀なくされる状況もあり、通年を通じた販売が非常に厳しい結果となりました。
足元ではワクチンの普及も進んでおりますが、変異株の拡大など状況は厳しく、当社としましてはこの状況が今後も一定期間継続することも想定し、当該経営環境にも耐えうる事業構造への転換を図っております。希望退職制度の実施、組織体制の変更、業務効率化、内製化等の改革は着実に進んでおり、全社員一丸となってこの危機を乗り切り、業績回復に取り組んでまいります。連結子会社ANAPラボについては、従来のファッション事業とは異なる新規事業等も含めて引き続き事業拡大を目指しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,078百万円(前連結会計年度比10.3%減)となりました。売上高が減少したことによる粗利益の減少の影響を受け、営業損失644百万円(前連結会計年度は営業損失329百万円)、経常損失633百万円(前連結会計年度は経常損失284百万円)となりました。また、店舗及びインターネット販売事業のソフトウェアにおける減損損失、希望退職制度の実施に伴う事業構造改善費用を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失791百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失371百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
(インターネット販売事業)
インターネット販売事業につきましては、前述したとおりファッションECサイトのサービス競争激化の影響もあり売上高が減少しております。そのような状況の中、業務効率化や人員の適正配置など事業効率を上げる取り組みを進めております。
以上により、売上高は2,535百万円(前連結会計年度比22.2%減)、セグメント損失は203百万円(前連結会計年度はセグメント利益7百万円)となりました。
(店舗販売事業)
店舗販売事業につきましては、前連結会計年度末より出店10店舗を行った結果、当連結会計年度末における店舗数は37店舗になりました。当連結会計年度は緊急事態宣言の影響はあったものの、全店舗の休業には至っておらず、また新規出店を進めた結果、売上高が増加しております。一方で、新規出店に伴う初期費用が増加しております。
以上により、売上高は2,396百万円(前連結会計年度比11.1%増)、セグメント損失は168百万円(前連結会計年度はセグメント損失16百万円)となりました。
(卸売販売事業)
卸売販売事業につきましては、既存の取引先に対する販売減少に伴い、売上高が減少しております。
以上により、売上高は116百万円(前連結会計年度比43.9%減)、セグメント損失は11百万円(前連結会計年度はセグメント損失18百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ192百万円減少し、666百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果支出した資金は397百万円(前連結会計年度は44百万円の支出)となりました。これは主に、減価償却費57百万円、事業構造改善費用85百万円、売上債権の減少額112百万円、たな卸資産の減少額104百万円、未払金の増加額47百万円、助成金の受取額65百万円による増加、税金等調整前当期純損失734百万円、賞与引当金の減少額10百万円、退職給付に係る負債の減少額51百万円、助成金収入18百万円、未収消費税等の増加額13百万円、仕入債務の減少額31百万円、法人税等の支払額11百万円による減少の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は230百万円(前連結会計年度は119百万円の支出)となりました。これは主に、敷金及び保証金の回収による収入4百万円による増加、投資有価証券の取得による支出30百万円、有形固定資産の取得による支出116百万円、無形固定資産の取得による支出20百万円、敷金及び保証金の差入による支出62百万円、長期前払費用の取得による支出4百万円による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は435百万円(前連結会計年度は125百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額450百万円、新株予約権の行使による株式の発行による収入14百万円による増加、ファイナンス・リース債務の返済による支出11百万円、配当金の支払額13百万円による減少の結果であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年 8月期 | 2018年 8月期 | 2019年 8月期 | 2020年 8月期 | 2021年 8月期 | |
自己資本比率(%) | 56.3 | 63.3 | 57.7 | 50.0 | 23.7 |
時価ベースの 自己資本比率(%) | 118.4 | 148.1 | 85.0 | 94.6 | 67.9 |
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 1.5 | 0.8 | ― | ― | ― |
インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 70.8 | 129.1 | ― | ― | ― |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注1) 2017年8月期の各指標は、連結子会社が存在しないため個別ベースの財務諸表により計算しております。
(注2) 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3) 2019年8月期、2020年8月期、2021年8月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
(注4) キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注5) 有利子負債は、連結貸借対照表(貸借対照表)に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループにおける事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び仕入実績についてセグメント別の記載になじまないため、記載しておりません。なお、生産実績につきましては、取扱製品別に区分して記載しており、仕入実績につきましては、種別に区分して記載しております。また販売実績につきましては、セグメント別及び種別に区分して記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績については、次のとおりであります。
(単位:千円)
品目 | 前連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年9月1日 至 2021年8月31日) | 前年同期比(%) |
ワンピース | 42,184 | 34,251 | 81.2 |
スカート | 11,843 | 4,525 | 38.2 |
トップス | 30,568 | 17,990 | 58.9 |
パンツ | 7,326 | 6,127 | 83.6 |
コート | 24,839 | 6,525 | 26.3 |
ジャケット | 957 | 2,060 | 215.1 |
セットアップ | 3,126 | 9,098 | 291.0 |
ニット | 2,982 | 6,984 | 234.2 |
合計 | 123,828 | 87,564 | 70.7 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.一部のブランドにつきましては、外注加工先にて生産を行っております。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績については、次のとおりであります。
(単位:千円)
種別 | 前連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年9月1日 至 2021年8月31日) | 前年同期比(%) |
レディースカジュアル | 1,571,642 | 1,370,792 | 87.2 |
キッズ・ジュニア | 615,974 | 677,905 | 110.1 |
雑貨 | 7,178 | 3,837 | 53.5 |
合計 | 2,194,795 | 2,052,535 | 93.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは、受注後遅滞なく出荷を行うため、受注残高の金額は僅少であり、当該記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績については、次のとおりであります。
(セグメント別販売実績)
(単位:千円)
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年9月1日 至 2021年8月31日) | 前年同期比(%) |
インターネット販売事業 | 3,257,958 | 2,535,190 | 77.8 |
店舗販売事業 | 2,157,715 | 2,396,658 | 111.1 |
卸売販売事業 | 207,898 | 116,590 | 56.1 |
その他 | 36,238 | 30,466 | 84.1 |
合計 | 5,659,810 | 5,078,905 | 89.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(種別販売実績)
(単位:千円)
種別 | 前連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年9月1日 至 2021年8月31日) | 前年同期比(%) |
レディースカジュアル | 4,067,588 | 3,430,889 | 84.3 |
キッズ・ジュニア | 1,533,185 | 1,603,103 | 104.6 |
雑貨・メンズ | 16,648 | 9,165 | 55.1 |
その他 | 42,388 | 35,747 | 84.3 |
合計 | 5,659,810 | 5,078,905 | 89.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因に基づき、見積りや判断を行っております。しかしながら、見積り及び判断は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。
重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。また、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
1) 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は1,557百万円となり、前連結会計年度末に比べ454百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が192百万円、受取手形及び売掛金が115百万円、商品及び製品が102百万円、その他が44百万円それぞれ減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は858百万円となり、前連結会計年度末に比べ142百万円増加いたしました。これは主に、建物が87百万円、投資有価証券が30百万円、敷金及び保証金が57百万円それぞれ増加した一方で、繰延税金資産が41百万円減少したことによるものです。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産の残高は0百万円となり、前連結会計年度末に比べ0百万円減少いたしました。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は1,547百万円となり、前連結会計年度末に比べ508百万円増加いたしました。これは主に、短期借入金が450百万円、未払金が136百万円、ポイント引当金が5百万円それぞれ増加した一方で、買掛金が31百万円、未払法人税等が17百万円、賞与引当金が10百万円、その他が25百万円それぞれ減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は295百万円となり、前連結会計年度末に比べ30百万円減少いたしました。これは主に、資産除去債務が27百万円増加した一方で、長期未払金が4百万円、リース債務が8百万円、退職給付に係る負債が51百万円それぞれ減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は573百万円となり、前連結会計年度末に比べ789百万円減少いたしました。これは主に、新株予約権の行使による株式の発行により資本金及び資本剰余金が14百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失計上に伴い利益剰余金が791百万円、配当金の支払により利益剰余金が13百万円それぞれ減少したことによるものです。
2) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高5,078百万円、営業損失644百万円、経常損失633百万円、親会社株主に帰属する当期純損失791百万円となりました。
(単位:百万円)
売上高 | 営業損失(△) | 経常損失(△) | 親会社株主に帰属する 当期純損失(△) | |
2021年8月期(連結) | 5,078 | △644 | △633 | △791 |
2020年8月期(連結) | 5,659 | △329 | △284 | △371 |
増減率 | △10.3% | ― | ― | ― |
(売上高)
当連結会計年度は通年を通じて新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けました。度重なる緊急事態宣言発令による外出自粛など、経済活動が制限された影響で減収となり、前連結会計年度比10.3%減となりました。
(単位:百万円)
インターネット 販売事業 | 店舗販売事業 | 卸売販売事業 | その他(注) | 計 | |
2021年8月期(連結) | 2,535 | 2,396 | 116 | 30 | 5,078 |
2020年8月期(連結) | 3,257 | 2,157 | 207 | 36 | 5,659 |
増減率 | △22.2% | 11.1% | △43.9% | △15.9% | △10.3% |
(注) 「その他」の区分は、報告セグメントに含まれていない事業セグメントであり、ライセンス事業等を含んでおります。
・インターネット販売事業
インターネット販売事業につきましては、ファッションECサイトのサービス競争激化の影響もあり売上高が減少しております。業務効率化や人員の適正配置など事業効率を上げる取り組みを進めておりますが、効果波及までに時間を要しており、セグメント全体の売上高は前連結会計年度比で22.2%減となりました。
・店舗販売事業
当連結会計年度は緊急事態宣言の影響はあったものの、前連結会計年度のような全店舗の休業には至っておらず、また新規出店を進めた結果、セグメント全体の売上高が増加し、前連結会計年度比で11.1%増となりました。
・卸売販売事業
当連結会計年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により引き続きアパレル業界全体が厳しい状況となり、セグメント全体の売上高は前連結会計年度比で43.9%減となりました。
(営業損失)
コストダウンは進めましたが、上記要因及び新規出店のための費用増加等により、営業損失は644百万円となりました。
(経常損失)
上記の営業損失の計上に伴い、経常損失を計上するも助成金収入を営業外収益で計上したため、経常損失は633百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
上記の経常損失の計上、また、店舗資産及びインターネット販売事業のソフトウェアにおける減損損失、希望退職制度の実施に伴う事業構造改善費用を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は791百万円となりました。
b.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、売上高、収益性に関する経営戦略上の指標として売上高営業利益率を重要な指標として位置付けており、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載しております。
当連結会計年度の売上高は5,078百万円(前連結会計年度比10.3%減)、営業損失は644百万円(前連結会計年度は営業損失329百万円)となり、売上高営業利益率は△12.7%(前連結会計年度は△5.8%)となりました。当連結会計年度は主に新型コロナウイルス感染症の影響を強く受け、各指標が前連結会計年度を下回る結果となりましたが、引き続きこれらの指標について、改善・向上されるよう経営に取り組んでまいります7。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、666百万円となりました。当連結会計年度の区分ごとのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー△397百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△230百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー435百万円であります。
当社グループの主な資金需要は、仕入先等の売上原価の支払、販売費及び一般管理費の支払、自社サイト強化に対する投資、新規出店に対する投資、配当金の支払、借入金の返済及び法人税等の支払等であります。当社グループは、事業活動に必要な資金を営業活動によるキャッシュ・フローから生み出される自己資金により賄っており、今後も営業活動によるキャッシュ・フローから継続的に調達可能であると考えております。資金繰りに懸念はないものの、新型コロナウイルスの感染症拡大による影響の深刻化や収束までの期間の長期化等の不測の事態に備えて、株式会社りそな銀行より、当座貸越契約(借入極度額1億5千万円、契約期間2021年9月30日~2022年9月30日)を締結しております。今後につきましては、資本効率やコスト等のバランスと、株主利益への影響を十分に勘案した上で、資本市場での調達、金融機関からの調達の双方を慎重に検討の上資金調達を実施してまいります。