有価証券報告書-第20期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)

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2019/09/27 10:54
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(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2018年7月1日から2019年6月30日まで)におけるわが国経済は、インバウンド需要の回復や
雇用環境の改善傾向が継続し、個人消費や設備投資についても回復基調を示し、多発した自然災害による経済への
影響がありましたが、政府の経済・金融政策等を背景に円安・株高傾向が続き、緩やかな景気回復がみられました。
当社グループが拠点を構える北海道経済におきましても、相次ぐ地震や台風等の災害の影響により、公共工事や
設備投資が減少しているものの、個人消費は持ち直しの動きがみられ、雇用情勢を着実に改善しております。一方、米国経済は良好な雇用所得環境から個人消費の拡大が続く等、堅調に推移しているものの、一部の企業では米中貿易摩擦による業績への影響が出始めております。欧州経済については、フランスにおける政策をめぐる混乱やBrexitに関する不確実性はあるものの、ユーロ圏全体としては引き続き回復基調にあります。また、中国経済は米中貿易摩擦の影響等により減速傾向にあります。
上記のように、全体としては緩やかな回復傾向にありますが、10月に迫った消費税増税への対応、将来の
労働人口減少に対処するための働き方や生産性の向上へ向けた改革等への取組等も課題となり、個人消費等
への影響の懸念がある等、先行きに不透明感を残す状況で推移しました。
当社グループを取りまく通信サービス業界におきましては、スマートフォンをはじめとする高性能通信端末の普
及とインターネットコンテンツやサービスの多様化により、無線通信サービスへの需要は拡大を続けており、通信
行政の下、社会全体で5G(第5世代移動通信システム)に代表されるような大容量で高速なデータ通信に対応した環境構築が進められております。さらに今後は、IoTやAI等の技術革新によって爆発的に増加したデータを、様々な産業分野の企業間で連携し利用することにより、新たなビジネスモデル・付加価値の創出や社会課題の解決が期待されております。また、一方で、消費者が負担する通信利用料抑制の動きも進んでおり、屋内外ともに通信キャリアとの契約パケット量を消費しないフリーWi-Fi環境の需要も増加しつつあります。
このような市場環境の下、当社グループは、2018年3月の東京証券取引所マザーズ市場への上場および2019年6月
の東京証券取引所第一部への市場変更、2019年7月には札幌証券取引所本則市場への重複上場を行い、市場への認
知度・信用力の向上を実現するとともに、商品・サービスの開発と顧客基盤の拡大に注力いたしました。事業面に
おいては、ニッチ市場に特化してWi-Fi環境構築先となるロケーション(集合住宅・店舗・商業施設・交通機関
等)とつながるパートナー企業との協業により、新規Wi-Fi環境構築時に発生するフロー収益(一時収益)と、各
ロケーションからの利用料収入や通信機器レンタル収入等の継続収益(ストック収益)を両面で増加させておりま
す。管理面においては、増加する受注件数に対応するため、増員等による費用の増加を予定しておりましたが、内
部オペレーションの見直し・改善による生産性向上が奏功し、販売費及び一般管理費の増加を抑制いたしました。
さらに、情報資産及び製品やサービスに関する重要な技術情報等をセキュリティ上の様々な脅威から保護するた
め、国際規格「ISO/IEC27001(ISMS)」認証取得により、情報セキュリティ管理体制を強化しております。
その他、株主優待制度につきまして、2019年3月に上場1周年記念株主優待を実施し、1単元(100株)以上保有の全ての株主様に一律「1,000円分のクオカード」を贈呈いたしました。また、株主様との関係をより一層大切にしていくことを主な目的として、基準日を2019年6月30日とする株主優待制度より一部優待内容を拡充しており
ます。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,446,396千円(前年同期比36.9%増)、営業利益936,132千円(前
年同期比67.2%増)、経常利益886,999千円(前年同期比73.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益550,888千円(前年同期比76.4%増)となり、売上高及び各利益において過去最高値を更新することができました。
セグメント別の業績を示すと次のとおりであります。
(単位:千円)
事業区分売 上 高(千円)構成比
(%)
前期比増減率
(%)
第18期
2017年6月期
第19期
2018年6月期
第20期
2019年6月期
レジデンスWi-Fi事業1,930,1372,862,1514,073,06374.7842.31
フリーWi-Fi事業857,2501,115,3341,373,33225.2223.13
合計2,787,3873,977,4855,446,396100.0036.93

a. レジデンスWi-Fi事業
当セグメントの売上高は4,073,063千円(前連結会計年度比42.31%)となりました。家賃下落と空室対策を目的
に不動産の差別化・高付加価値化需要が拡大している環境を背景に、インターネット無料サービスの提供戸数拡大
に向けて、販売パートナーとの協業により大手顧客からの安定的な受注と小規模賃貸集合住宅向けサービスの新規
獲得に注力いたしました。加えて、回線品質向上への取組みを強化、多言語コールセンターの充実等、顧客満足度
の向上を図り、壁埋込型のWi-Fi設備を標準設置した入居者無料インターネット接続サービスの充実を継続的に推
進したことにより、解約数は低水準で推移いたしました。毎月の定額利用料としての継続収益(ストック収益)に
よる通信サービスを基本としておりますが、継続収益に加えてサービス開始時の一時収益(フロー収益)をともな
う販売が堅調に増加し、契約件数・売上ともに計画値を上回る推移をしております。契約件数は2018年6月期末
151,526戸から2019年6月期末207,021戸に増加しました。
b. フリーWi-Fi事業
当セグメントの売上高は1,373,332千円(前連結会計年度比23.13%)となりました。店舗や各種施設へのフリーWi-Fi環境導入数は継続的に増加しておりますがWi-Fiサービスに付随した通信機器販売が好調に推移したことにより、一時収益(フロー収益)としての販売数の増加が全体の収益拡大に寄与しております。また、2018年5月にリリースしております「ワンタッチWi-Fi」の販売パートナーの新規獲得に注力し、今後の本格的な受注獲得に向けた体制を構築しました。契約総数は、2018年6月期末の46,280AP(アクセスポイント)から2019年6月期末には62,712APに増加しております。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は2,351,078千円となり、前連結会計年度末に比べ、148,793千円増となりました。これは主に現金及び預金の減少59,460千円、売掛金の増加74,855千円及び棚卸資産の増加130,531千円によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は2,955,819千円となり、前連結会計年度末に比べ、801,263千円増となりました。これは主に工具、器具及び備品の増加847,582千円によるものであります。
(繰延資産)
当連結会計年度末における繰延資産は4,960千円となり、前連結会計年度末に比べ、2,886千円の減少となりました。これは社債発行費の償却によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,706,982千円となり、前連結会計年度末と比べ、417,506千円増となりました。これは主に買掛金の増加110,146千円、1年内返済予定の長期借入金の増加106,817千円、未払金の増加75,351千円及び未払法人税等の増加141,594千円によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は1,623,237千円となり、前連結会計年度末と比べ、71,829千円の減少となりました。これは主に長期借入金の増加221,538千円、社債の減少280,000千円によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の部は1,981,638千円となり、前連結会計年度末と比べ、601,493千円増となりました。これは主に利益剰余金の増加550,888千円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は1,058,574千円となり、前連結会計年度末比で59,460千円減少しました。
当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は1,345,616千円(前連結会計年度は808,563千円の獲得)
となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が874,037千円及び減価償却費が611,289千円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動により使用した資金は1,389,763千円(前連結会計年度は1,328,849千円の使
用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,365,755千円あったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動により使用した資金は15,102千円(前連結会計年度は868,783千円の獲得)と
なりました。これは主に、長期借入れによる収入が750,000千円となった一方、長期借入金の返済による支出が
421,645千円、社債償還による支出が299,000千円あったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注から売上までの期間が短いことから、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における当社グループの通信関連サービス(レジデンスWi-Fi事業・フリーWi-Fi事業)の販売実
績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
レジデンスWi-Fi事業4,073,06342.31
フリーWi-Fi事業1,373,33223.13
合計5,446,39636.93

(注)1.上記の金額に消費税等は含まれておりません。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実
績に対する割合は、すべての当該割合について100分の10に満たないため記載を省略しておりま
す。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析、検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されてお
ります。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積もりには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等
(1)連結財務諸表」の「注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
当連結会計年度の業績は、売上高5,446,396千円(前連結会計年度比36.93%増)となりました。売上原価は
2,434,336千円(前連結会計年度比38.66%増)、販売費及び一般管理費は2,075,926千円(前連結会計年度比
24.92%増)となり、営業利益936,132千円(前連結会計年度比67.16%増)、経常利益886,999千円(前連結会計年度比73.86%増)、親会社株主に帰属する当期純利益550,888千円(前連結会計年度比76.39%増)となりました。
a. 売上高
売上高は5,446,396千円(前連結会計年度比36.93%増)となりました。これは主に留学生獲得等を理由とする設備需要の拡大によりレジデンスWi-Fiサービスの学生寮への導入が増加していることや新規パートナーの開拓による販路の拡大により、レジデンスWi-Fi事業の売上が堅調に伸張したことによるものであります。
b. 売上原価、売上総利益
売上原価は2,434,336千円(前連結会計年度比38.66%増)となりました。これは、主に、売上増加に伴う通信
設備の減価償却費及び通信費の増加によるものであります。この結果、売上総利益3,012,059千円(前連結会計年度比35.57%増)となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は2,075,926千円(前連結会計年度比24.92%増)となりました。これは主に、事業規模
拡大に伴い、人件費及び販売手数料等が伸張したことによるものであります。この結果、営業利益936,132千円(前連結会計年度比67.16%増)となりました。
d. 営業外収益、営業外費用及び経常利益
営業外収益及び営業外費用につきましては、重要な発生はありません。この結果、経常利益886,999千円(前
連結会計年度比73.86%増)となりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
税金等調整前当期純利益は874,037千円(前連結会計年度比76.83%増)となり、法人税、住民税及び事業税並
びに法人税等調整額の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は550,888千円(前連結会計年度比76.39%増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a. 流動性及び資金の源泉
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキ
ャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとお
りであります。
b. 資金需要
当社グループの運転資金需要の主要なものは、売上高増加による仕入債務の支払いと売上債権の回収のサイト
の差から発生するもの、たな卸資産の増加によるものであります。その他、通信設備機器開発資金、業容の拡大及び管理体制の充実による人件費の増加をはじめとした販売費及び一般管理費も資金需要増加要因の一つであります。
c. 財務政策
当社グループにおける増加運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入金により資金調達かる
こととしております。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローの収入、投資活動によるキャッシュ・フローの
支出、財務活動によるキャッシュ・フローの収入の結果、現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて増加となりました。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規
制等様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当該リスクを分散・低減すべく、市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確
保育成し、エンドユーザーのニーズを的確に捉え最適な製品やサービスを最適なタイミングで提供してまいりま
す。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、ニッチな市場を自ら創出し、市場占有率を高めることによってプライスメーカーとなるとい
う経営方針の下、レジデンスWi-Fi事業、フリーWi-Fi事業を中心に事業拡大に取り組んでまいりました。
当社グループ事業の継続的な発展を実現するため、今後も垂直統合型のビジネスモデルにより、パートナー企
業を含めた営業体制を強化するとともに、サービス運用及び顧客サポートからのフィードバック情報に基づいた
新商品・新サービスの開発による差別化・高付加価値化の推進、Wi-Fiを活用した広告サービスの機能追加とマ
ーケティングを強化し、さらなる拡販による事業拡大を図ってまいります。
これらの経営戦略方針の下、持続的な成長を目指すとともに、当社グループが成長・発展を指向する過程で、通
信Wi-Fi市場の発展に寄与したいと考えております。
⑦ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後の業容を拡大し、よりよいサービスを継続的に提供していくためには、経営者は「第2
事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要で
あると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は常に各種ニーズや事業環境の変化に関する
情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な
解決策を実施していく方針であります。

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