四半期報告書-第9期第3四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/11 15:33
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日現在において判断したものであります。
なお、2021年9月21日に行われた株式会社テクノミックスとの企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、第1四半期連結会計期間に確定しております。
また、2021年10月7日に行われた株式会社Xoxzoとの企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、第2四半期連結会計期間に確定しております。
当該暫定的な会計処理の確定に伴い、当第3四半期連結累計期間の四半期連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の当初配分額に重要な見直しが反映されており、前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を用いております。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ見通しが立たない中、ワクチン接種の普及や各種政策の効果により、経済回復が期待される一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化及び急速な円安進行による原材料及びエネルギー価格の上昇により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、国内メッセージングサービス事業においては、SMS配信サービスにおいて、従来の国内携帯電話事業者4社と直接回線で接続する国内直収網において、新型コロナウイルス感染症の拡大により、PCR検査結果の連絡や自宅療養中の方への健康状態確認の手段が、これまでの電話による連絡からSMSでの連絡に変わるなど、自治体等行政サービスでの利用が増加したことなどにより配信数については順調に推移しました。また、前連結会計年度において、国際網を主としたSMS配信サービスを展開する株式会社Xoxzoを子会社化することで、すぐに利用したい、送信元をアルファベットで送りたいという、これまでできなかった顧客の要望への対応が可能となりました。メール配信サービスにおいては、前連結会計年度において、「学校安心メール」や「自治体安心メール」などを展開する株式会社テクノミックスを子会社化することでSMS以外の新たなコミュニケーションチャネルが追加されました。海外メッセージングサービス事業においては、当第2四半期連結会計期間において、ベトナムにおいてSMS配信サービスを展開するVietGuysJ.S.C.(以下、「VGS社」という。)を子会社化したことでアジアへの事業進出の第一歩となりました。
当社グループの事業は、メッセージングサービス事業の単一事業でありましたが、第2四半期連結会計期間において、VGS社を連結子会社化したことに伴い、第2四半期連結会計期間から報告セグメントを従来の「メッセージングサービス事業」の単一事業から、グループ各社の所在地を基礎とした地域別から構成された、「国内メッセージングサービス事業」及び「海外メッセージングサービス事業」の2区分に変更しております。
以上の結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は4,615,628千円(前年同四半期比134.9%増)、営業利益は1,007,889千円(前年同四半期比200.9%増)、経常利益は1,027,177千円(前年同四半期比207.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は681,385千円(前年同四半期比209.6%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。
当社グループにおいては、本年8月に中期経営計画(2023/12~2025/12)を発表し、ビジョン「デジタル社会に、リアルな絆を」、ミッション「コミュニケートするすべての人に、セキュアで最適なプラットフォームを提供する」のもと、中期テーマとして「日本のアクリートからアジアのアクリートに」を掲げ、セキュリティ、コミュニケーションの分野において、これまでの本人認証や業務連絡によるSMS配信サービス事業で培った知見や経験を活かし、企業や自治体等の抱える課題を解決していくことが当社グループの価値創出につながるという考えのもと、日本のみならずアジアという広大なマーケットへ事業拡大を目指してまいります。
①国内メッセージングサービス事業
国内メッセージングサービス事業は日本国内にて事業活動を行う当社及び国内子会社にて構成されております。当セグメントの売上高は3,697,977千円、セグメント利益は1,005,190千円となりました。
当セグメントにおける、各サービスの概況は以下のとおりであります。
a.SMS配信サービス
SMS配信サービス業界においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受け、ニューノーマルと呼ばれる、社会・経済活動が大きく変容するなかで、企業と個人の間でのコミュニケーション手段として高い到達率と開封率というSMSの有用性を再認識する企業の増加に伴い、SMS配信市場は急速な広がりをみせており、2026年の国内直収市場規模は配信数140億7,713万通と予想され(「ミックITレポート 2022年10月号」(デロイトトーマツミック経済研究所))、2022年度から2026年度までの年平均成長率は40.3%増で、引き続き安定高成長を続けると予想されております。
第3四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染症の第7波の影響により、新型コロナウイルス感染症のPCR検査結果の連絡や自宅療養中の方への健康状態確認の手段として自治体等による利用が増加したことにより配信数について順調に推移しました。
b.メール配信サービス
安心メールシステムとして、学校・PTA・保護者間の連絡をスムーズに行うための手段として「学校安心メール」、住民と自治体間の防犯・防災危機管理緊急連絡システム「自治体安心メール」等を展開しており、県警察本部、自治体、教育委員会、小学校・中学校・高等学校、幼稚園・保育園など全国5,000を超える公的な団体や施設で採用されており、引き続き、取引施設数も順調に推移しております。
②海外メッセージングサービス事業
海外メッセージングサービス事業は海外にて事業活動を行う海外子会社にて構成されております。当セグメントの売上高は917,651千円、セグメント利益は2,699千円となりました。
当社グループはアジア市場における事業拡大を目指しております。アジア地域の法人向けSMS配信市場規模は2020年度から2024年度までの年平均成長率は5.5%ベースで拡大し、2024年には126.1億米ドルに成長すると予測され(出典:Mobile Squad社「GLOBAL A2P SMS DATABOOK REPORT, 2019-2024」)、当セグメントにおいて事業活動を行っているベトナムのSMS配信市場は、2024年には配信数354億通と予想されております。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により経済活動が停滞し経済成長率は以前に比べて低下しておりましたが、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の普及によりベトナム政府も徐々に規制緩和を始め、2022年現在では、ほぼコロナ以前の経済活動を取り戻しており、今後も順調に成長することが期待されております。
(2)財政状態の状況
資産、負債、純資産別の財政状態は以下のとおりです。
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べて1,792,782千円増加し、4,539,047千円となりました。これは主に現金及び預金497,780千円並びに受取手形、売掛金及び契約資産871,844千円の増加によるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて1,790,948千円増加し、2,832,558千円となりました。これは主に買掛金293,644千円、1年内返済予定の長期借入金347,124千円、未払法人税等223,152千円、長期借入金757,056千円の増加によるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,834千円増加し、1,706,488千円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加681,385千円、新株予約権の権利行使に伴う資本金7,716千円及び資本剰余金7,716千円の増加に対して、配当金の支払いによる利益剰余金の減少58,740千円、自己株式の取得による増加814,705千円によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。