四半期報告書-第10期第1四半期(2023/01/01-2023/03/31)

【提出】
2023/05/12 15:36
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間末日現在において判断したものであります。
なお、前連結会計年度において企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前第1四半期連結累計期間に係る数値については暫定的な会計処理の確定の内容を反映させております。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症にかかる各種規制が段階的に解除され、感染症法上の位置づけの見直しが発表されるなど、社会経済活動の回復が見られております。一方で、長期化するロシア・ウクライナ情勢等による原材料価格の上昇など、依然として先行き不透明な状況が継続しております。
当社グループは、「デジタル社会に、リアルな絆を」を会社のビジョンとして掲げ、「コミュニケートするすべての人に、セキュアで最適なプラットフォームを提供する」というミッションのもと、日本国内及び海外においてメッセージングサービス事業を展開しており、「安心」「安全」「信頼」につながる「リアルな絆」を創出し、セキュリティ×コミュニケーション×行動変容を軸に、社会課題解決への取り組みを推進しております。
また、2022年8月に中期経営計画(2023/12~2025/12)を発表し、中期テーマとして「日本のアクリートからアジアのアクリートに」を掲げ、セキュリティ、コミュニケーションの分野において、これまでの本人認証や業務連絡によるSMS配信サービス事業で培った知見や経験を活かし、顧客の抱える課題を解決していくことが当社グループの価値創出につながるという考えのもと、アジアという広大なマーケットへの事業拡大を推進しております。
当社グループを取り巻く環境について、国内メッセージングサービス事業においては、主要なサービスであるSMS配信サービスについては急速な広がりをみせており、2026年の国内直収市場規模は配信数140億7,713万通と予想され(「ミックITレポート2022年10月号」(デロイトトーマツミック経済研究所))、2022年度から2026年度までの年平均成長率は40.3%増で、引き続き安定高成長を続けると予想されております。また、海外メッセージングサービス事業においては、アジア地域の法人向けSMS配信市場規模は2020年度から2024年度までの年平均成長率は2.8%ベースで拡大し、2024年には1.41兆通に成長すると予測されており(出典:Mobile Squad社「GLOBAL A2P SMS DATABOOK REPORT, 2019-2024」)、前連結会計年度において子会社化した、VietGuysJ.S.C. (以下、「VGS社」という。)が事業展開しているベトナムのSMS配信市場は、2024年には354億通と予想されております。
このような状況のなか、当第1四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は1,454,799千円(前年同四半期比16.2%増)、営業利益は187,840千円(前年同四半期比42.9%減)となりました。経常利益は180,422千円(前年同四半期比45.3%減)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は116,542千円(前年同四半期比48.4%減)となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、前第2四半期連結会計期間よりセグメント区分を単一セグメントから、「国内メッセージングサービス事業」、「海外メッセージングサービス事業」のセグメントへ変更したため、前年同四半期比は記載しておりません。
①国内メッセージングサービス事業
国内メッセージングサービス事業は日本国内にて事業活動を行う当社及び国内子会社にて構成されております。当セグメントにおける、各サービスの概況は以下のとおりであります。
a.SMS配信サービス
当第1四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染者の全数把握の見直しなどにより、自治体等によるPCR検査結果などの連絡手段としての利用がひと段落したことで前第1四半期連結累計期間に比べて減少しましたが、引き続き国内SMSの市場拡大により、取引先及び配信数は順調に推移しました。一方で、競合他社との価格競争による販売単価の下落や、海外SMSアグリゲーター経由でのSMS配信サービスへの競合他社の参入など市場環境はより一層厳しくなっております。そのような環境のなか、MIC Seed1号投資事業有限責任組合への出資を通してスタートアップ企業の成長を支援することで当社サービスの利用拡大を図る「スタートアップフォーカス戦略」の推進や、CTIツール「Comdesk Lead」とのシステム連携による新規顧客開拓や既存顧客へのアップセル、また、紙媒体とSMS・+メッセージのデジタルツールを組み合わせた新しいコミュニケーションサービスにより、SMSの利用用途拡大と既存顧客へのアップセルを目的とした、ディーエムソリューションズとの業務提携など、新しい取り組みを積極的に展開し売上アップを図ってまいります。
b.メール配信サービス
安心メールシステムとして、引き続き、学校・PTA・保護者間の連絡をスムーズに行うための手段として「学校安心メール」、住民と自治体間の防犯・防災危機管理緊急連絡システム「自治体安心メール」等を展開しており、豊かな人生とよりよい社会を創造するために自ら考え主体的に行動できる人を育むことを目指す「Kumamoto Education Week 2023」に協賛したり、熊本日日新聞と協力して「SDGs安心メールくまもと」の配信を開始するなどのCSR活動を通じて、また、「第14回 EDIX(教育総合展)東京」に出展するなど新規顧客開拓、サービスの浸透に積極的に取り組んでおります。
この結果、当セグメントの売上高は1,060,770千円、セグメント利益は179,780千円となりました。
②海外メッセージングサービス事業
海外メッセージングサービス事業は海外にて事業活動を行う海外子会社(VGS社)にて構成されております。VGS社が事業を展開しているベトナムは、新型コロナウイルス感染症流行の影響から回復しており、今後も経済成長が見込まれているものの、ベトナムを含めた東南アジアにおいてSMS市場はすでに成熟した段階にきており、メッセージングサービスのオムニチャネル化が日本よりも進んでいる状況です。そのような状況のもと、VGS社はCDP(カスタマーデータプラットフォーム(Customer Data Platform)の略称で、利用企業が保有する顧客データを、収集・統合するための顧客データ基盤)サービスを通して顧客のマーケティング活動を支援することで、メッセージングサービスのオムニチャネル化を推進し、より収益性の高いサービスへのシフトを通じて売上拡大と収益率向上を目指してまいります。
この結果、当セグメントの売上高は394,029千円、セグメント利益は8,060千円となりました。
(2)財政状態の状況
資産、負債、純資産別の財政状態は以下のとおりです。
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末に比べて200,254千円減少し、4,721,442千円となりました。これは主に現金及び預金115,723千円及び受取手形、売掛金及び契約資産127,200千円の減少によるものです。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べて323,105千円減少し、2,420,855千円となりました。これは主に短期借入金100,000千円の増加、未払法人税等291,062千円及び長期借入金105,321千円の減少によるものです。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べて122,850千円増加し、2,300,587千円となりました。これは親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加116,542千円、新株予約権の権利行使に伴う資本金9,598千円及び資本剰余金9,598千円の増加に対して、配当金の支払いによる利益剰余金の減少28,316千円によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。