訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/03/18 13:00
【資料】
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【項目】
89項目
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
(2)経営成績の分析
第16期事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、米国新政権の政策や欧州の政治リスク、北朝鮮などにおける地政学的リスクなどの国内景気への影響が懸念されるなか、大規模な金融緩和をはじめ政府の各種経済対策の効果もあり、企業収益や雇用・所得環境に改善傾向が見受けられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社が属する在宅マッサージ業界及び訪問看護業界におきましては、少子高齢化が加速する一方で、社会保障費の低減等を主な目的として医療機関における病床数の減少が見込まれるとともに、特別養護老人ホーム等の介護施設の待機者数は、年々増加傾向にあり、政府による地域包括ケアシステムの構築の推進活動と相俟って、在宅療養の重要性がますます高まってきております。
このような状況のもと当社は、主たる事業であるマッサージ事業において、新たに事業拠点を5拠点開設し、在宅医療と地域医療のニーズに応えて参りました。また、平成29年4月には、株式会社星野リゾートと業務提携契約を締結し、同社が運営する温泉旅館ブランド「界」において実費サービスの提供を開始するとともに、平成30年2月には、同社と排他的業務提携契約を締結し、BtoBビジネスを通じた保険外収入の獲得に注力致しました。
さらに、平成30年3月からは、同社のグループ法人が運営するホテル「リゾナーレ八ヶ岳」において、これまで培ってきたマッサージ技術を活かすべく、SPA(スパ)サービスの提供を開始し、提供サービスの多様化にも努めて参りました。
人材面につきましては、平成29年10月に品質管理室を設置し、提供サービスの技術と安全の向上を図るとともに、将来の事業成長に備え、マッサージ師等の専門職の人材の獲得に注力し、当該人員の大幅な増強を図りました。
以上の結果、当事業年度の売上高は、3,284,979千円(前期比13.3%増)となるとともに、人件費等の増加に伴い売上原価並びに販売費及び一般管理費がそれぞれ255,684千円(前期比15.6%増)、128,167千円(前期比11.7%増)増加し、営業利益は164,563千円(前期比0.4%増)、経常利益は193,759千円(前期比0.3%減)となりました。また、前事業年度に発生した保険解約返戻金96,910千円が当事業年度には発生しなかったこと、及び、当事業年度において基幹システムの再構築に伴う固定資産除却損23,769千円が発生したこと等により、当事業年度の当期純利益は109,912千円(前期比38.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①マッサージ事業
関節拘縮が認められる利用者に対しては、利用者の施術ニーズに応えるべく医師の同意を得た上で、通常のマッサージに加え変形徒手矯正術(関節可動域に関する運動法)の実施に取り組みました。その結果、施術1回あたりの販売単価が大幅に上昇致しました。
また、利用者数の増加を図るために、ケアマネジャーに対する営業訪問管理の強化や介護施設への営業の強化を実施したことにより、当事業年度における利用者数は、4.0%の増加となりました。
以上の活動の結果、マッサージ事業の売上高は2,988,131千円(前期比14.9%増)、営業利益は733,769千円(前期比26.2%増)となりました。
②その他の事業
その他の事業セグメントに含まれる主な事業である訪問看護事業は、人材の定着化を図り、安定的な事業運営に取り組んで参りました。首都圏に所在する「訪問看護ステーションすばる」、「訪問看護ステーションおりおん」におきましては、効率的な業務環境を構築することで、高収益なステーションを目指して参りました。
また、前事業年度に営業損失が生じていた訪問歯科事業の廃止に伴って、売上高は減少したものの、営業利益は改善致しました。
以上の活動の結果、その他の事業セグメントの売上高は296,848千円(前期比0.7%減)、営業利益は27,282千円(前期比112.7%増)となりました。
第17期第3四半期累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、通商問題をはじめとする海外経済の不確実性や、金融資本市場における変動の影響が懸念される一方で、緩和的な金融環境や経済対策の影響を背景とする設備投資の増加や、企業収益及び雇用環境の改善に伴い、全体としては緩やかな回復基調が継続致しました。
当社が属する在宅マッサージ業界及び訪問看護業界におきましては、少子高齢化が加速する一方で、医療機関における病床数の減少が見込まれるとともに、特別養護老人ホーム等の介護施設の待機者数は、年々増加傾向にあり、政府による地域包括ケアシステムの構築の推進活動と相俟って、在宅療養の重要性がますます高まってきております。
このような状況のもと、当社では、主たる事業であるマッサージ事業において、新たに横浜あさひ事業所、久留米事業所及び我孫子事業所を開設することでサービス提供エリアの拡充を図るとともに、既存事業所においてもサービス品質の向上を図るべく人員の確保及び人材育成に取り組んで参りました。また、株式会社星野リゾートとの業務提携についても、同社が運営するホテルブランドである「界」において、新たに界 仙石原でのサービス提供を開始するなど、引き続き堅調に推移しております。一方で、事業の拡大に伴って社内体制のさらなる基盤強化に努めたことにより、人員増に伴う人件費コストが増加致しました。
以上の結果、当第3四半期累計期間の売上高は2,826,061千円、営業利益は243,130千円、経常利益は280,813千円、四半期純利益は182,103千円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
① マッサージ事業
マッサージ事業は、新規の事業所の開設による事業所展開の強化及び前事業年度において出店した事業所の早期収益化を図ると共に、ケアマネジャーへの営業訪問を通じた当社サービスの認知度向上による既存店の一層の収益力向上に取り組んで参りました。また、利用者のニーズに応えるべく、医師の同意を得た上で、通常のマッサージに加え変形徒手矯正術(関節可動域に関する運動法)の提供を推進した結果、施術1回あたりの売上高が増加致しました。
以上の結果、売上高は2,589,955千円、営業利益は637,374千円となりました。
② その他の事業
その他の事業セグメントに含まれる主な事業である訪問看護事業は、人材の定着化を図り、安定的な事業運営に取り組んで参りました。また、地域のケアマネジャーに対する営業の強化を通じて、当社サービスの認知度向上に努めて参りました。
以上の結果、売上高は236,106千円、営業利益は28,384千円となりました。
(3)財政状態の分析
第16期事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,879,521千円となり、前事業年度末に比べ368,488千円増加致しました。これは主に、借入により現金及び預金が285,199千円、事業規模拡大による売上増により売掛金が109,137千円増加したことによるものであります。
固定資産は94,414千円となり、前事業年度末に比べ16,874千円増加致しました。これは主に、新基幹システムの開発によりソフトウエア仮勘定が12,357千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は1,973,936千円となり、前事業年度末に比べ385,363千円増加致しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は526,106千円となり、前事業年度末に比べ89,080千円減少致しました。これは主に、新規借入等により1年内返済予定の長期借入金が67,283千円増加したものの、社債の借換により1年内償還予定の社債が50,000千円、また、未払法人税等が85,322千円減少したことによるものであります。
固定負債は742,735千円となり、前事業年度末に比べ364,530千円増加致しました。これは主に、新規借入等により長期借入金が212,159千円、社債の借換により社債が150,000千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,268,841千円となり、前事業年度末に比べ275,450千円増加致しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は705,094千円となり、前事業年度末に比べ109,912千円増加致しました。これは当期純利益109,912千円の計上によるものであります。
第17期第3四半期累計期間(自 平成30年4月1日 至 平成30年12月31日)
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第17期第1四半期会計期間の期首から適用しており、財政状態の分析については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
(資産)
当第3四半期会計期間末における流動資産は、1,915,021千円となり、前事業年度末に比べ58,921千円増加致しました。これは主に売掛金が104,840千円増加したことによるものであります。
固定資産は、119,501千円となり、前事業年度末に比べ1,665千円増加致しました。これは主に、ソフトウエア仮勘定が5,238千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は2,034,522千円となり、前事業年度末に比べ60,586千円増加致しました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は572,270千円となり、前事業年度末に比べ46,163千円増加致しました。これは主に、未払法人税等が83,038千円増加したことによるものであります。
固定負債は575,053千円となり、前事業年度末に比べ167,681千円減少致しました。これは主に、長期借入金が159,665千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は1,147,324千円となり、前事業年度末に比べ121,517千円減少致しました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は887,198千円となり、前事業年度末に比べ182,103千円増加致しました。これは四半期純利益を182,103千円計上したことによるものであります。
(4)キャッシュ・フローの分析
第16期事業年度(自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、長期借入れによる収入が500,000千円(前年同期比100.0%増)と増加したこと等により、前事業年度末に比べ282,799千円増加し、当事業年度末には912,537千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果使用した資金は、39,574千円(前年同期は184,096千円の獲得)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益が170,033千円となったことによるものであります。一方で、主な減少要因は、売上債権の増加額が109,137千円となったことに加え、法人税等の支払額が111,348千円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、57,067千円(前年同期は116,238千円の獲得)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出37,700千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果獲得した資金は、379,442千円(前年同期は68,193千円の使用)となりました。主な増加要因は、長期借入れによる収入500,000千円によるものであります。一方で、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出220,558千円によるものであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社における資金需要は、主として運転資金及び新規出店の際の設備投資資金であります。これらの財源については、自己資金の効率的な運用に加え、金融機関からの資金調達を基本としております。なお、事業活動を円滑に実行できるよう、適正な水準の資金の流動性の維持及び確保を最優先しております。
(5)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績については記載しておりません。
②受注実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
③販売実績
第16期事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
マッサージ事業2,988,131+14.9
その他296,848△0.7
合計3,284,979+13.3

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。