有価証券報告書-第23期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/24 15:17
【資料】
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【項目】
150項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ 経営成績の分析
当連結会計年度における我が国経済は、長引く国際情勢の不安定化、国内における円安によるコスト負担増加等の影響はあったものの、大手企業を中心とする賃上げなど雇用・所得環境の改善により回復傾向にありました。しかしながら、物価上昇によるコストの増加など、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する在宅マッサージ業界及び介護業界におきましては、少子高齢化が加速する一方で、医療機関における病床数の減少が見込まれるとともに、政府による地域包括ケアシステムの構築の推進活動と相俟って、在宅療養の重要性がますます高まってきております。
このような状況のもと、当社グループのマッサージ直営事業及びマッサージフランチャイズ事業においては、2024年6月よりはり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費が改定されたことに伴い、施術単価が増加しております。一方で、当社グループの施設系介護サービス事業に含まれる医療対応型療養施設においては、看護師、介護士の採用遅れによるサービス提供回数の減少及び一部施設における一時的な入居率の減少が発生いたしました。また看護小規模多機能型居宅介護施設においては、看護師、介護士の採用遅れによるサービス提供回数の減少及び営業活動の不足による利用者獲得の遅れが発生いたしました。
今後は、高齢者人口がピークに達するという「2040年問題」の到来が見込まれる環境下において、訪問マッサージの利用者のさらなる増大を通じて、超高齢社会における課題解決企業として当社グループが事業を遂行してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は7,582,581千円(前期比32.8%増)、営業損失は105,098千円(前期営業利益110,603千円)、経常損失は165,566千円(前期経常利益126,558千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は244,549千円(前期親会社株主に帰属する当期純利益58,305千円)となりました。
(マッサージ直営事業)
マッサージ直営事業では、筋麻痺や関節拘縮といった症状が進んでしまった利用者に対して、日常生活動作能力(ADL能力)の向上を目的として、従前よりも高頻度なサービス提供を提案することで、サービス提供回数の増加に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、2024年6月にはり師、きゆう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費改定による施術単価の増加があり、2024年10月の再改定により若干の減少となったものの、通算では施術単価が増加した結果、増収増益となりました。
以上の結果、売上高は3,965,560千円(前期比12.5%増)、セグメント利益は1,227,860千円(前期比22.9%増)となりました。
(マッサージフランチャイズ事業)
マッサージフランチャイズ事業は、フランチャイズ加入パッケージを拡充したこと等により「フレアス在宅マッサージ」フランチャイズの新規開設が進み、当連結会計年度末における加盟店数は344拠点(前期比4.9%増)となりました。
また、ロイヤリティ収入等についても、マッサージ直営事業と同様に、2024年6月にはり師、きゆう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費改定による施術単価の増加があり、2024年10月の再改定により若干の減少となったものの、通算では施術単価が増加した結果、増収増益となりました
以上の結果、売上高は1,025,167千円(前期比15.3%増)、セグメント利益は272,105千円(前期比21.1%増)となりました。
(施設系介護サービス事業)
施設系介護サービス事業に含まれる看護小規模多機能型居宅介護事業においては、2024年9月の看護小規模多機能厚木の開設により新規開設が一時完了となり、拠点数が12拠点となりました。各拠点において、地域の医療機関等への営業活動の強化等により、登録利用者数が増加し、売上高が増加いたしました。また、医療対応型療養施設事業においては、当期において新規開設7拠点及び事業譲受による開設1拠点の合計8拠点の開設となり、合計11拠点となりました。一方で、看護小規模多機能型居宅介護事業及び医療対応型療養施設事業の新規開設のための費用が先行して発生いたしました。
以上の結果、売上高は2,235,248千円(前期比154.4%増)、セグメント損失は620,777千円(前年同期セグメント損失285,359千円)となりました。
(その他の事業)
その他の事業セグメントに含まれる主な事業である訪問看護事業は、地域の医療機関及びケアマネジャーに対する営業の強化及びマッサージ直営事業拠点との共同営業を推進することで、当社グループのサービスの認知活動を推進してまいりました。なお、2024年11月にフレアス訪問看護ステーションおりおん(東京都港区)、フレアス訪問看護ステーションすばる(東京都渋谷区)及びフレアス訪問看護ステーションリファイン白金高輪(東京都港区)の3拠点を事業譲渡いたしました。また、当連結会計年度において、当社グループの研修強化に伴い、セグメント間での内部売上取引が新たに発生しております。
以上の結果、売上高は356,605千円(前期比14.4%減)、セグメント利益は25,860千円(前期比21.5%増)となりました。
ロ 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は、3,464,914千円となり、前連結会計年度末に比べ194,918千円増加いたしました。これは主に、売掛金が283,719千円増加したことによるものであります。
固定資産は、5,235,982千円となり、前連結会計年度末に比べ2,315,838千円増加いたしました。これは主に、有形固定資産に含まれるリース資産が2,180,850千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は8,700,897千円となり、前連結会計年度末に比べ2,510,756千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,128,236千円となり、前連結会計年度末に比べ653,606千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が534,000千円増加したことによるものであります。
固定負債は5,024,265千円となり、前連結会計年度末に比べ2,076,199千円増加いたしました。これは主に、リース債務が2,147,467千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は7,152,502千円となり、前連結会計年度末に比べ2,729,806千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,548,394千円となり、前連結会計年度末に比べ219,049千円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が269,415千円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、814,999千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、319,199千円の支出(前期は172,023千円の収入)となりました。支出の主な要因は、税金等調整前当期純損失141,751千円を計上したこと、売上債権の増加額283,719千円及び立替金の増加額227,098千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、354,876千円の支出(前期は193,600千円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出137,658千円及び敷金及び保証金の差入による支出233,680千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、358,259千円の収入(前期は177,128千円の収入)となりました。これは主に、社債の発行による収入294,425千円及び短期借入れによる収入534,000千円によるものであります。一方で、主な支出の要因は長期借入金の返済による支出498,466千円によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績については記載しておりません。
ロ 受注実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、施設系介護サービス事業における販売実績について、著しい変動がありました。この理由につきましては、看護小規模多機能型居宅介護施設が4拠点及び医療対応型療養施設が8拠点増加したことに加え、既存施設の売上が増加したことによるものであります。また、その他事業に含まれる訪問看護事業においては、2024年11月に3拠点を事業譲渡いたしました。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
マッサージ直営事業3,965,56012.5
マッサージフランチャイズ事業1,025,16715.3
施設系介護サービス事業2,235,248154.4
その他356,605△14.4
合計7,582,58132.8

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は7,582,581千円、営業損失は105,098千円、経常損失は165,566千円、当期純損失は244,549千円となりました。
また、総資産は8,700,897千円、負債合計は7,152,502千円、純資産合計は1,548,394千円となりました。
上記の他、当連結会計年度における財政状態及び経営成績の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、319,199千円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは、354,876千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは、358,259千円の収入となり、その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物は、814,999千円となりました。
上記の他、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの分析」に記載しております。
当社グループにおける資金需要は、主として運転資金及び新規出店の際の設備投資資金であります。これらの財源については、自己資金の効率的な運用に加え、金融機関からの資金調達を基本としております。なお、事業活動を円滑に実行できるよう適正な水準の資金の流動性の維持及び確保を最優先しております。当連結会計年度においては、マッサージフランチャイズ事業に係るフランチャイズのための運転資金の確保、施設系介護サービスの新規拠点開設を目的として、934,000千円を金融機関から新たに資金調達いたしました、また、施設系介護サービスの新設については、賃貸とすることで資金の流出を抑えるようにしております。その結果、当連結会計年度末の有利子負債残高は6,138,906千円となっております。また、手元流動性残高として、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は814,999千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。