有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2019/09/17 15:00
【資料】
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【項目】
74項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
第6期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は822,860千円となり、前事業年度末に比べ95,455千円増加いたしました。流動資産は773,000千円となり、前事業年度末に比べ110,220千円増加いたしました。これは主に売上債権(売掛金及び電子記録債権)が170,431千円増加したことによるものであります。固定資産は49,860千円となり、前事業年度末に比べ14,765千円減少いたしました。これは主に有形固定資産が11,631千円減少したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は293,602千円となり、前事業年度末に比べ53,844千円増加いたしました。流動負債は288,882千円となり、前事業年度末に比べ53,844千円増加いたしました。これは主に買掛金が87,967千円増加したことによるものであります。固定負債は4,720千円となり、前事業年度末から変動ありません。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は529,257千円となり、前事業年度末に比べ41,610千円増加いたしました。これは当期純利益41,610千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は64.3%(前事業年度末は67.0%)となりました。
第7期第3四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は990,458千円となり、前事業年度末に比べ167,598千円増加いたしました。流動資産は936,113千円となり、前事業年度末に比べ167,569千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が214,156千円増加したことによるものであります。固定資産は54,344千円となり、前事業年度末に比べ29千円増加いたしました。なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及適用後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は364,716千円となり、前事業年度末に比べ71,113千円増加いたしました。流動負債は359,996千円となり、前事業年度末に比べ71,113千円増加いたしました。これは主に買掛金が44,363千円、未払法人税等が37,352千円増加したことによるものであります。固定負債は4,720千円となり、前事業年度末から変動はありません。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は625,742千円となり、前事業年度末に比べ96,484千円増加いたしました。これは四半期純利益96,484千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は63.2%(前事業年度末は64.3%)となりました。
②経営成績の状況
第6期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済政策を背景に企業収益や雇用・所得環境の改善が続いており、個人消費にも持ち直しの傾向がみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、一方で、各地で豪雨や台風、地震などの相次ぐ自然災害による経済に与える影響や米国と中国における貿易摩擦が今後の世界経済に与える影響が懸念される等、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社の主要領域であるインターネット広告市場におきましては、2017年のインターネット広告市場は前年比15.2%増の約1兆5,094億円に達し、今後も順調な成長が見込まれます。このうち運用型広告費は、前年比27.3%増の9,400億円(株式会社電通「2017年日本の広告費」)と大きく伸長しております。
このような環境の中、当社のデータマネジメントプラットフォーム(DMP)事業につきましては、オーディエンスデータの収集力及び分析力の強化に加えて、他社ツールとの連携数の増加により、プロダクトの強化に努めて参りました。IM-DMPを用いたオンラインマーケティングソリューションの拡販に努め、よりスピーディーにデータを活用したマーケティング施策を広めるため、広告代理店と連携した拡販を強化しております。また、オフラインマーケティングのIM-DMPの活用先の拡大にも注力しており、すでにテレビデータ、ラジオデータ、郵便番号データなどへの活用施策を開始しております。
また、2018年7月には、独自の解析エンジンを用いて国内最大級のオーディエンスデータを企業内のアクティブニーズに変換・可視化し、リアルタイムに情報提供するB2B向けのリードジェネレーションを目的とした、ニーズ検知型企業リスト生成サービス「Select DMP」をリリースし、テレセールスやアウトバウンドコールにおけるホットリストとして提供し、高精度なリードジェネレーションを支援するなど、新市場となるSales Tech市場へ領域の拡大を進めてまいりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高1,646,751千円(前年同期比20.5%増)、営業利益81,765千円(同42.4%減)、経常利益84,244千円(同40.3%減)、当期純利益41,610千円(同56.8%減)となりました。
なお、当社は、DMP事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
第7期第3四半期累計期間(自 2018年10月1日 至 2019年6月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、一方で、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行き、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響が懸念されるなど、先行きは不透明な状況となっております。
当社の主要領域であるインターネット広告業界におきましては、2018年のインターネット広告市場は運用型広告、動画広告の成長がさらに加速したことにより、前年比16.5%増の1兆7,589億円に達し、このうち運用型広告費は、大規模プラットフォーマーを中心に大きく伸び、前年比22.5%増の1兆1,518億円(株式会社電通「2018年日本の広告費」)と拡大しました。
このような環境の中、当社のデータマネジメントプラットフォーム(DMP)事業につきましては、オーディエンスデータの収集力及び分析力の強化に加えて、他社ツールとの連携数の増加により、プロダクトの強化に努めて参りました。IM-DMPを用いたオンラインマーケティングソリューションの拡販に努め、よりスピーディーにデータを活用したマーケティング施策を広めるため、広告代理店と連携した拡販を強化しております。
また、B2B向けのリードジェネレーションを目的とした、ニーズ検知型企業リスト生成サービス「Select DMP」を昨年リリースし、高精度なリードジェネレーションを支援するなど、新市場となるSales Tech市場への領域拡大やFin Tech市場領域への展開を進めるにあたり、2019年3月29日に新生銀行と資本業務提携を行い、新生銀行と共同研究を進めていくなど、今後は広告市場に留まらない多市場展開を目指しております。
この結果、当第3四半期累計期間の業績は、売上高1,639,069千円、営業利益143,669千円、経常利益141,864千円、四半期純利益96,484千円となりました。
なお、当社は、DMP事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
また、当社は、前第3四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。
③キャッシュ・フローの状況の分析
第6期事業年度(自 2017年10月1日 至 2018年9月30日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比べて54,405千円減少し、当事業年度末には348,303千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は61,710千円(前年同期は37,779千円の獲得)となりました。これは主に、税引前当期純利益63,227千円、仕入債務の増加額87,967千円があった一方で、売上債権の増加額170,431千円、法人税等の支払額53,245千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は7,304千円(前年同期は54,286千円の支出)となりました。これは主に、保険積立金解約による収入8,666千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金はありません。(前年同期も同様)
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社の提供するサービスの性格上、受注確定から売上計上日までの期間が短期間であり、期末日現在の受注残高が年間売上高に比して僅少であるため、その記載を省略しております。
c.販売実績
第6期事業年度及び第7期第3四半期累計期間における販売実績は次のとおりであります。なお、当社はDMP事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称第6期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
第7期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)販売高(千円)
DMP事業1,646,751120.51,639,069
合計1,646,751120.51,639,069

(注)1.最近2事業年度及び第7期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第5期事業年度
(自 2016年10月1日
至 2017年9月30日)
第6期事業年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
第7期第3四半期累計期間
(自 2018年10月1日
至 2019年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社オプト----189,25111.5
富士通株式会社--176,72410.7--
株式会社電通184,63013.5----
株式会社ビジー・ビー144,84010.6----

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.第5期事業年度の株式会社オプト及び富士通株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
4.第6期事業年度の株式会社オプト、株式会社電通及び株式会社ビジー・ビーに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
5.第7期第3四半期累計期間の富士通株式会社、株式会社電通及び株式会社ビジー・ビーに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
IM-DMPを用いたデータ活用広告配信サービスの拡販に努めたことにより増収となった一方で、多市場へのデータ活用領域拡大を目指すための積極的な人材投資、オーディエンスデータの収集力及び分析力強化のための投資を行った結果、以下の通り減益となりました。
a.経営成績等の状況
当事業年度の経営成績は、売上高1,646,751千円(前年同期比20.5%増)、営業利益81,765千円(同42.4%減)、経常利益84,244千円(同40.3%減)、当期純利益41,610千円(同56.8%減)となりました。
売上高は前年に比べ増加したものの、優秀な人材の確保のために積極的な採用活動に努めており、新規採用人員の増加に伴う人件費の増加により、前年に比べ減益となりました。
また、サーバー利用契約期間の中途において解約したことに伴う解約金として19,956千円が、契約解約損として一時的に発生しております。
なお、当社は、DMP事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、広告媒体の仕入費用及び人件費等の営業費用であります。
当社は、運転資金につきましては内部資金により充当しております。今後、資金需要の必要性に応じて、外部も含めた資金調達等柔軟に対応する方針としております。